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ユーリア *胸糞注意
1 出会いは突然に
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王太子と婚約解消した辺境伯爵家の娘。
それが、私、ユーリアの事だ。
今は領地で過ごしている。
私達は話し合いの結果、婚約解消に至った。
だけど、社交の場に赴けば心無い陰口を言われるおそれがあるし、そもそも病気を患っていたから学院にも通えなかった私には、親戚以外に親しい友人がいない。
だから、健康を取り戻した今は、余生を領地で好きなように過ごしていた。
初恋の人だった王太子殿下との婚約解消は、ほんの少しだけ寂しさはあったけど、拒むことはできないし、するつもりも無かった。
引き換えに、私はなによりも健康を取り戻したのだから。
今日はそんな私の快気祝いも兼ねたパーティーを、お父様が開催してくださっていた。
ただ、すぐに問題は起きてしまった。
賑やかな場所は、いくら見知っている顔ぶればかりと言っても、慣れない上に体力もなくて、すぐに具合が悪くなっていた。
貧血や人酔いが原因だと考えられる。
気分が悪くて立っていられなくなって、外の空気を吸えばマシになるかと会場の外に出たはいいけど、通路の途中で座り込んでしまっていた。
誰かに声をかけて一緒に来てもらえばよかったと後悔したところだ。
人がいない所に向かっていたから、使用人もいない。
「ごめんなさい、具合が悪くなって、誰か人を呼んで来ていただけませんか?」
だから恥を偲んで通路を通りかかった目の前の人に頼むと、驚くことに、その人はとんでもない誤解をしていた。
「女性がよく使う手だ。僕の目の前であからさまに具合の悪いふりをして、気をひこうとする。残念だったね。もううんざりしているんだ」
えっ、いや、ちょっとそれは大きな誤解です。
それを言いたかったけどクラクラして、口を押さえてしまえばそれ以上の言葉を発するのは無理そうだった。
それが、私、ユーリアの事だ。
今は領地で過ごしている。
私達は話し合いの結果、婚約解消に至った。
だけど、社交の場に赴けば心無い陰口を言われるおそれがあるし、そもそも病気を患っていたから学院にも通えなかった私には、親戚以外に親しい友人がいない。
だから、健康を取り戻した今は、余生を領地で好きなように過ごしていた。
初恋の人だった王太子殿下との婚約解消は、ほんの少しだけ寂しさはあったけど、拒むことはできないし、するつもりも無かった。
引き換えに、私はなによりも健康を取り戻したのだから。
今日はそんな私の快気祝いも兼ねたパーティーを、お父様が開催してくださっていた。
ただ、すぐに問題は起きてしまった。
賑やかな場所は、いくら見知っている顔ぶればかりと言っても、慣れない上に体力もなくて、すぐに具合が悪くなっていた。
貧血や人酔いが原因だと考えられる。
気分が悪くて立っていられなくなって、外の空気を吸えばマシになるかと会場の外に出たはいいけど、通路の途中で座り込んでしまっていた。
誰かに声をかけて一緒に来てもらえばよかったと後悔したところだ。
人がいない所に向かっていたから、使用人もいない。
「ごめんなさい、具合が悪くなって、誰か人を呼んで来ていただけませんか?」
だから恥を偲んで通路を通りかかった目の前の人に頼むと、驚くことに、その人はとんでもない誤解をしていた。
「女性がよく使う手だ。僕の目の前であからさまに具合の悪いふりをして、気をひこうとする。残念だったね。もううんざりしているんだ」
えっ、いや、ちょっとそれは大きな誤解です。
それを言いたかったけどクラクラして、口を押さえてしまえばそれ以上の言葉を発するのは無理そうだった。
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