男女比8対1の異世界に転移しました、防御力はレベル1です

オレンジ方解石

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『次代の世界の礎たる《種》が《四気神》の攻撃で滅びるものか』

 聞き覚えのある声が聞こえた。
 透子は目を開いて声の主をさがす。
 とても清澄な空間だった。優しい大気が透子の全身を包み、虹色の雲がどこまでもつづいて、その虹色の空の中に浮いている。
 この空間には覚えがあった。
 初めてこの世界に連れて来られた時に来た場所。
 山のような大樹が鎮座し、枝を空に、根を海に広げている空間。
 その《世界樹》の鎮座する虹色の空に。

「すずさん…………!?」

 すっかり仲良くなったスズメが飛んでいた。

『久しぶりだな、《仮枝》。《種》の維持は順調なようで、なによりだ』

「あなた…………自称、女神!?」

 覚えのある声は茶色い小鳥のくちばしから発せられていた。

「あなたが、あの女神だったの!?」

『いいや』

 鳥はきっぱり否定した。

『本人か否かと問われれば、否、と答える。これは妾の霊力の一部だが、妾の本体ではない。お前に理解できる例を用いるなら、『かめら』と『でんわ』を兼ねた道具だ。これをお前のもとに送ることで、お前の様子が妾に伝わり、妾の声もお前に伝わる』

「でしたら、初めからそうと教えてください!」

『必要性を感じなかったのでな。お前はあの家になじんでいたようだし、守護もつけていた』

「守護なんて…………!」

 透子は自称・世界を司る女神をなじった。

「どこに私を守る存在がいたというんですか!? 《四気神》がいないために、余計な面倒に巻き込まれたんですよ!? 紅霞さんだって…………!!」

 そこで気づいた。

「紅霞さん! 紅霞さんは…………!?」

 周囲を見渡す。
 すぐそばに、意識を失った様子の紅霞が浮かんでいた。

「紅霞さん!!」

 透子は紅霞に手を伸ばす。
 お互い空中に浮いているが、任意の方向へ移動することはできた。

「紅霞さん、紅霞さん!」

 紅霞の肩に触れて呼びかけ、無事を確かめる

「ん…………」

 紅霞もすぐに目を覚ました。

「透子…………? 無事で――――なんだ、ここ!?」

「良かった、紅霞さん。体に異常は――――」

「…………? なんだ、この光…………」

 紅霞の言葉に、透子も気づいた。
 透子を包むように赤い星のような光が無数に流れている。いや、透子からあふれ出している。

「この光は…………」

 体が熱い。体内に、己のものとは異なる《力》が宿っているのがわかる。
 自分を抱きしめる透子の耳に、自称・女神の声が流れ込んでくる。

『守護はつけてある。多くの女達に憑く《四気神》とは少々異なる形でな。《世界樹》はすべての《四気神》と《四貴神》を生み出すもの。お前にはその次代の《世界樹》たる《種》が宿っている。お前がその《力》に気づかなかっただけだ――――』

「――――っ!!」

 透子の体内を溶岩のごとき熱と力が駆け巡る。

「透子!? どうした!?」

『受けとれ。その意思があるなら――――』

 透子からあふれる赤い星のような光が一筋、紅霞へと流れた。

「――――っ!?」

 紅霞の頭に、あるいは魂そのものに膨大な情報が流れ込んでくる。
 紅霞は自分が選択の前に立っていることを理解した。

「透子…………俺は――――力が欲しい――――」

(透子を守る力が。翠柳を守れた力が。《四姫神》にも誰にも邪魔されずに済む、強い力が――――!)

『選んだか』

 紅霞は透子へ手を伸ばす。
 長い指の先が透子に触れた瞬間、怒涛のごとく赤い光があふれて二人を包み込んだ。





「何事!?」

《四姫神》花麗が声をあげる。
 彼女の夫や私兵達も言葉を失い、呆然と見あげる。
《四姫神》の使役する《四貴神》、紅き炎の鳥《朱雀》。
 その紅蓮の炎が、汚れた《無印》の女と、女を庇った無礼な男を襲った。
 はずだった。
 けれど、視界を染めた紅い輝きがおさまると、玄関には焼かれたはずの《無印》の女と男が立っている。

「戻って来た…………のか?」

「みたいです…………」

 周囲を見回す紅霞に、透子も彼の家の玄関前であることを視認して答える。

「どういうことですの? たしかに焼いたはずですのに…………!」

《四姫神》花麗は己の手と、頭上を旋回する《朱雀》を見あげる。

「狙いが外れたのかしら…………わたくしとしたことが…………今度こそ!!」

 花麗はふたたび腕をあげ、《朱雀》に忌々しい無礼者達を焼き尽くすよう、合図する。
 ふたたび紅い鳥の劫火が透子と紅霞を襲う。
 一回目より紅く強く輝きながら。

「透子!」

 紅霞が透子の肩を引き寄せる。
 紅霞の体から赤い星のような光が無数にあふれ、川のように頭上へ流れて凝縮する。

「な、なんだ…………!?」

 私兵達がどよめく。
 赤い光は一際強く輝くと、巨大な炎の鳥へと生まれ変わった。
 花麗の《朱雀》に酷似した、けれど彼女の《朱雀》より二回りも大きくまぶしく、炎の《力》をあふれさせる、金色の炎の鳥に。

『《仮枝》のお前自身には《四気神》も《四貴神》も憑けていない。しかし、お前が選んだ相手に《四貴神》を授けることはできる。この世界で唯一、《四貴神》を使役するを生み出せる存在――――それがお前だ、水瀬透子――――』

 スズメが透子の肩で語った。

「す、《朱雀》…………!?」

「どうして…………《無印》じゃなかったのか!?」

 私兵達がどよめく。

「お嬢様…………!」

「う、嘘ですわ! まさか、こんな、こんなはずありません! なにかの幻です!!」

 乳母が青ざめ、花麗の声がふるえる。額を流れる冷や汗にせっかくの化粧が流れる。

「《四姫神》は…………この艶梅国の《朱雀》の主はこのわたくし、梅家の花麗、ただ一人ですわ!! くだらぬインチキは許さない!!」

 花麗の合図に、彼女の《朱雀》が大きく羽ばたいて直接、透子と紅霞に襲いかかる。

「紅霞さん…………!」

 紅霞は透子の肩を抱く手に力を込め、自身が生まれて初めて持った《力》に願いを送った。

(殺させない――――透子も――――翠柳も――――もう誰も、なに一つ、あの女花麗には奪わせない!!)

 紅霞の《朱雀》が花麗の《朱雀》を迎え撃つ。
 紅と金の炎がぶつかり合い、嵐のような熱風がそこにいる人間全員を襲って四散する。
 金色の鳥のくちばしが紅い鳥の首を裂き、紅い鳥は炎が吹き消されるように、ふうっ、と消えた。
 圧倒的だった。
 即座についた決着に、梅家の人間達は誰も、すぐには状況を理解できない。
 呆然と夜空を見あげる男達の視線の先で、金色の《朱雀》は艶麗な青年の頭上を旋回する。

「勝った…………いえ、倒してしまったのですか?」

『当然の帰結だ。《種》の守護者だ、この世のどの《四貴神》より強く創っている』

 透子の肩のスズメが答える。
 紅霞は呆然と金色の炎の鳥を見あげ、それから自分の手を見おろす。

「きゃああぁぁぁぁぁ――――っ!!」

 夜空を裂くがごとき悲鳴が響いて、全員の視線と意識を集めた。

「気配が…………わたくしの《朱雀》の気配が…………《力》が感じられない! ずっと共にいたのに!! どういうことですの!? なんなんですの、これは!? わたくしの《朱雀》はどこへ…………っ!!」

《四姫神》花麗がわなわなと白い手をふるわせ、大きな瞳にありありと恐怖を浮かべている。

「…………死んでしまったのですか?」

『《気》の化身たる《四貴神》は人間のような死は迎えない。一時的に《世界樹》のもとに戻っただけだ。三、四日待てば、また戻ってくる』

 ひそひそと訊ねる透子に、スズメは悠然と答えた。透子は胸をなでおろす。
 その透子を、花麗が『憎しみ』と表現するのも生ぬるい、煮えたぎる憎悪の闇の瞳でにらみつけてきた。

「汚れた《無印》…………!! わたくしの《朱雀》に何をしたんですの!?」

 良くも悪くも花麗は――――花麗以外の人間達も――――この世界の常識に染まった人間だ。
 そのため『男が《四貴神》を使役している』という発想はない。
 なので、花麗の《朱雀》を倒した《朱雀》を、透子の《四貴神》と思い込んでいた。

「《無印》のくせに…………いえ、《無印》のふりをして、わたくしを欺きましたのね!? この卑怯者!! わたくしの《朱雀》を返しなさい!!」

 花麗は乳母と侍女、そして私兵達に命じた。

「あの女を捕えなさい!! 我が家の地下牢につないで、わたくしの《朱雀》を返すまで罰を与えます!!」

 使用人達は動揺した。
 目の前に、たった今、《四姫神》の《朱雀》を消した別の《朱雀》がいるのに、それより弱い《四気神》で襲いかかる度胸など、侍女や乳母にあるはずもない。まして《四気神》すら持たぬ男達では。鉄の武器など《四気神》には通用せぬのに。

「我が姫、さすがに被害が大きすぎる。今夜はいったん帰ろう」

「そうだよ、義父君に報告して、義父君の御力をお借りするべきだ」

 さすがに花麗の夫達が寄ってきて、妻を説得する。
 しかし花麗は腕をふって拒んだ。

「冗談ではありませんわ! このわたくしが、あんな汚れた女にわたくしの《朱雀》を傷つけられるなんて、こんな屈辱はありませんわ!! さっさと、あの女を捕えなさい!!」

 花麗の労働を知らぬ白い長い指が、透子へ突きつけられる。
 透子もこの状況を「どうしたものか」と考えあぐねていた。
 いったん帰ってさえもらえれば、あとは夜明けを待って、この街を出るだけなのに…………。

「こんな女…………っ!」

 動こうとしない使用人達に、業を煮やした花麗は、つややかな髪に挿していた大ぶりの簪を抜く。黄金の梅の枝に真珠や紅玉を嵌め込んだ、名工の逸品だ。
 それを力いっぱい透子へ投げつけた。

「いたっ!」

 簪は透子の額にあたった。
 たいした攻撃ではなかったが、髪に挿す針部分が皮膚を引っ掻き、赤い筋を走らせる。
 珠のような血がにじんだ。

「透子!?」

「平気です」

 透子は額を押えて紅霞に返事した。
 本心だった。
 この程度の傷でいちいち心配されては、おちおち怪我もできない。
 しかし紅霞の考えは違った。
 もともと紅霞は、四年前に出会って以来、幾度となく花麗に煮え湯を飲まされてきた。
 それでも、これまでは「翠柳のための高額の治療費を工面してくれた相手だから」という理由で、腹は立っても感謝の気持ちはたしかに残っていた。
 だがその治療費も、透子の協力で全額、返済し終えた。
 紅霞にはもう、花麗になんの借りもない。
 そして今の透子は紅霞にとって、新しい家族とでも言うべき大事な存在である。
 その透子をわずかとはいえ傷つけられた時、紅霞にはもう、耐える余裕も理由もすべて吹き飛んでいた。

「…………いい加減にしろ…………」

 地の底から響くような低い声が紅霞の唇からもれる。

「これまでも翠柳を罵りやがって…………今度は透子までもか!!」

 頭上の金色の《朱雀》が一際大きく羽ばたき、熱風が地上に吹きつけられる。

「これ以上、あんたのいいようにはさせない。あんたから自由になるため、俺は透子の力をもらったんだ。あんたから透子も翠柳も守るために――――」

 紅霞は透子の肩を抱く手に力を込め、花麗をにらみすえる。

「今の俺は、あんたには負けない! 透子も翠柳も守れる力がある――――!!」

「紅霞さん、待ってください!」

 紅霞の《朱雀》が夜空に舞う。
 彼の意図を察した透子が紅霞の服を引いてとめるが、効き目はない。
「わあぁぁぁ!!」「ひいいぃぃ!!」と私兵達が、侍女が、我先に転がるように逃げ出す。
 花麗は応戦しようとして《朱雀》が、その手段が自分にないことに気づいた。
 さすがに乳母と夫達が花麗を囲み、彼女を左右からはさんで引きずるように走り出す。
 その逃げていく背中へと、巨大な鳥が夜空を金色に照らして降下してきた。

「待っ…………!」

 透子は気づいた。
 乳母と夫に囲まれて逃げていく《四姫神》花麗。
 その位置は――――

「駄目――――!!」

 透子は飛び出していた。

「透子!?」

 透子は花麗達を庇うかのように、紅霞にむかって両腕をひろげる。
 紅霞は驚愕に目をみはったが、《四貴神》を得たばかりの彼は、まだ自在に《朱雀》を使役することができない。

「透子!」

 とっさに自分も飛び出していた。
 だが炎は透子に触れる寸前、ふわりと一陣の風を残してかき消えてしまう。
 まるで、はじめから存在していなかったとでも言うように、夜空に輝いていた金色の《朱雀》は姿を消し、私兵達が放り出した灯りだけが地面に転がって玄関を照らしていた。

「…………《朱雀》は…………」

『《世界樹》のもとに戻った。あれも《四貴神》ゆえ、《種》は攻撃できん。先ほどのように消されたわけではないので、お前の意思でいつでも呼び出すことは可能だ』

 紅霞の問いに答えたのは、透子の肩のスズメだった。
 紅霞はどっと全身の力が抜ける。

「脅かすな…………」

 疲れた足どりで、いまだ両腕をひろげてぽかんとしている透子に歩み寄る。

「心臓がとまるかと思った…………なんで飛び出した」

 はた、と我に返った透子は怒った。

「――――飛び出すに決まっています!!」

「なんでだ。あんな奴等を庇う必要、あるか?」

「紅霞さんを人殺しにするわけにはいかない、という意味では必要ありました。でも、本題はそれではありません。こちらです!」

 透子は紅霞に見せつけるように、自分が庇った背後の存在を指さした。
 一本の柳の木が長く垂れた枝を夜風にゆらしている。

「大事な木でしょう?」

 紅霞は虚を突かれた。

「紅霞さんの大事な木を――――翠柳さんとの大切な記念を、燃やしてしまうつもりだったんですか?」

 泣きそうな透子の顔に、紅霞も胸を貫かれるような衝撃を味わった。
 透子は花麗達を庇ったのではない(それも、なかったわけではないが)。
 紅霞の大事な木が焼かれぬよう、紅霞をとめたのだ。
 あのまま紅霞が《朱雀》をけしかけていたら、逃げる彼女達のすぐ隣に伸びていたこの木は、間違いなく巻き込まれて燃えていただろう。

「は…………」

 紅霞は膝の力が抜けた。その場に崩れ落ちる。
 笑うに笑えなかった。
 一生、大事にしようと誓ったものを、自分がこの手で台無しにしようとしていたとは。

「翠柳…………っ」

 目に熱がにじみ、必死に涙をこらえる。
 自分が不甲斐なくてしかたない。
 自分は大事な伴侶との約束一つ、守れない男なのか。

「悪い…………翠柳…………」

 うなだれ呟いた頭を、おずおずと一対の手が触れた。
 手はそっと紅霞の頭や肩をなでていく。
 紅霞はその手へと自分の頭を近づけた。
 鼻先に透子の香りがただよう。

「紅霞さん…………」

 透子は数秒、迷ったものの、寄せられた紅霞の頭を抱いた。
 周囲は嘘のように静けさをとり戻し、空には銀色の星がまたたいている。

「玄関…………片付けましょう。捨てられた灯りを集めて…………それから今夜はゆっくり眠って、明日の朝一番にこの街を出ましょう」

「…………そうだな」

 紅霞がぼんやり答える。
 しばらくその体勢のままでいたが、やがて透子は落ち着かない気分になってきた。

(もう少し、頭を上に移動してくれないかな…………)

 紅霞が顔をうずめているのは、ちょうど透子の胸だった。
 彼の頭を抱えた時、うなだれた頭の位置がだったのだ。
 男性を愛する性質の紅霞には特に深い意味はないだろう。
 しかし透子は落ち着かない。
 遠慮がちに提案した。

「あの…………もう少し、頭を上に移動しませんか?」

「ん…………」

「あの…………その体勢、きつくありませんか?」

「…………」

 はっきりした返事はない。
 話す気力を失っているのか。あるいは…………ひょっとして眠いのでは?

「あの…………紅霞さん。頭を肩にのせてくれたほうが、ありがたいんですが…………」

「…………? なんでだ?」

「その…………紅霞さんは気にならないと思いますが、そこは胸なので…………」

 言わせないで、と透子は思った。

「…………できれば、嫌だ」

「え。どうして…………」

(ひょっとして、具合が悪いの?)

 透子の胸に不安が生じるが。

「…………やわらかくて、あたり心地がいい」

 とんでもない答えが返ってきた。
 ごっ、と強烈な拳骨の音が響く。

「いてぇな! 急になんだ!」

「それはこちらの台詞です! 元気じゃないですか! なら、すぐに片付けをはじめますよ!! ちなみに言っておきますが、今のは状況が状況だから仕方ないと判断しますが、そうでなければセクハラですからね!!」

『セクハラ』の単語に紅霞はちょっと怯む。
 完全にその単語の意味を理解したわけではないが、透子が怒っていることと、『セクハラ』が『嫌がらせ』を意味する言葉であり、「透子に嫌がらせしてしまった」ことは理解できたからだ。
 慌てて弁解に走る。

「いや、変な意味じゃない。なんというか、母が生きていた頃を思い出したというか…………」

「紅霞さんのお母様は、息子が二十四歳になっても、胸に抱いて慰めてくれたかもしれませんが! 私は、赤の他人の成人男性に胸を貸せるほど寛容ではないんですよ!!」

「悪かった!!」

 紅霞は率直に謝った。経験上、普段、怒らない人間が本気で怒った時は、よほどの理由がない限り、さっさと頭をさげたほうがいいことを、亡き伴侶との付き合いから学んでいた。
 それから透子と紅霞は気合を入れなおし、「なんで、あいつらが捨てて行った後始末を俺達がやらなきゃならないんだ」と、ぼやきながら玄関前を片付ける。
 集めたゴミは門の外に積んだ。出発の件は別荘の持ち主に話してあるので、彼がどうにかしてくれるだろう。
 二人はようやく中に入り、寝台に横たわる。
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