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第二章
19話 新しい生活
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19 新しい生活
「ほら、あの方でしょう?噂の…。」
俺の顔を見ながら、ひそひそと話す声がする。昔から俺は父親や兄貴と比べられることが多く、陰口には慣れている。所属する第4騎士団も、他の騎士団の引き受けない仕事ばかり受ける雑用騎士団だと、よくバカにされていた。
しかし、いま俺に向けられる視線は、そのどれとも違う。嘲笑や羨望、そして溢れるほどの好奇心…俺らだけでなく、大切な彼女たちが貴族の暇潰しのネタになっていることだけは間違いない。
鬱陶しい視線を振り払いながら、ランディオール城内を腹黒王子の執務室に向かう。
結婚の宣言をしてから1ヶ月が経った。
毎朝起きたとき、エルの寝顔が見られること。毎日彼女の手料理を食べられること。行ってらっしゃいとお帰りなさいのキス。正直、いま俺の人生は幸せのピークかもしれない。なのに彼女への思いは強くなるばかりで、慣れるどころか、一緒にいればいるほど新しい発見がある。
今日もただひたすら、早く家に帰りたい。
執務室に入るとすでに兄貴とメルヴィンが待っていた。この1ヶ月で、兄貴の表情がさらにやわらかくなった気がする。
「はぁあ、二人してその締まりのない顔。見てる方が恥ずかしいよ。」
執務机に頬杖をついたメルヴィンは、盛大にため息をつく。
「新妻がかわいいのは分かるけど、1ヶ月間家から出さないってのはどうなの?ほぼ監禁じゃん。」
「家からは出てる。敷地内から出てないだけだ。」
「一緒だよ。だから噂が一人歩きして、いろんなこと言われるんだ。」
「噂を流してる張本人に言われたくねぇな。」
俺たちの暮らす家には、メイドや執事はいない。リリとエルが家のことは自分たちでやると譲らなかった。俺たちが仕事の間、2人は協力して、2つの家の掃除、洗濯、料理の支度をしている。さらに余った庭を、少しずつ耕し、春になったら畑を作りたいと言っている。クレアの診療所にあったような野菜やハーブを植えたいそうだ。
そうして午前中は家事をして、午後は屋敷で母とさまざまな勉強をしている。読み書き、マナー、この国の歴史などなど、そうこうしているうちに、あっという間に1ヶ月過ぎていた。
「それに監禁っていうなら、お前にだけは言われたくない。」
「ガロンは相変わらず失礼だね。」
現国王と后であるオフィーリア様は番だ。番という感覚は、俺たち獣人のみが持つもので、国王は何年もかけてオフィーリア様を口説き、二人の王子を授かるまでになった。
その第一王子であるメルヴィンは、バリバリの政略結婚だった。妻であるシルヴィアの生家パジュール家は、この国で一番と言われる名家で、その一人娘が王族に嫁いだことでその地位は不動のものとなった。そこにどういう経緯があったのか、メルヴィンの心情も含め、俺たちは何も知らない。
しかし、メルヴィンの愛妻家ぶりは国内で知らない者はいない話だ。シルヴィアは、なんというか、ものすごくポヤっとした女性で、このメルヴィンの腹黒さにも気づいているのかいないのか。
その地位を妬まれ、食事に毒を入れられそうになったことも、誘拐されそうになったこともある。すべてメルヴィンが未然に防いだが、シルヴィア本人はそんな事件があったことも、多分気づいていない。
そんな彼女は、一人では決して外出しない。どこへ行くにも必ずメルヴィンと一緒だ。そんなの俺たちと変わらないだろ。
「招待状も全部断って、貴族たちのプライドとか考えないの?」
「あれだけ横やり入れてきたくせに、結婚したとたんお茶会だ夜会だと言われて誰が行くんだよ。」
結婚宣言の次の日から、ロックスフォード家には山のように招待状が届くようになった。宛名は俺たちへの貴族からのお茶会や夜会のお誘いだが、その全てが妻同伴での招待だった。
どう考えても精霊の呼び人を見せ物にする会。そんなものに行くわけがない。俺たちをあれだけ妨害してきたライモレノ家やそれに連なる貴族からの招待状もあり、呆れるしかない。
「彼女たちを隠せば隠すほど、好奇の目に晒されることになる。このままじゃダメなことは分かってるんでしょう?」
そんなことは理解している。しかし、穏やかな生活を望むあの2人を俺たちの家のことに巻き込みたくない。
「まぁ、シオンたちの気持ちも分かるよ。そこで、俺からプレゼント。」
メルヴィンは1通の封筒を取り出した。
「他の貴族の夜会で社交デビューするより、うちのパーティーでやったほうが角が立たないでしょ。参加人数も多いから、パッと顔見せして、義理だけは果たしたってことで。」
それは、毎年春の始まりに行われる。ランディオール王家主催の夜会の招待状だった。
3月の終わり、春の風が吹く頃。このヴィンドヘイムでは盛大な祭りが行われる。春の訪れと今年の豊作を祈り、首都全体が祭りで活気づく。その祭りの最終日、ランディオール城で大きな夜会が開かれる。国政を行う10の貴族全てが参加し、それ以外の貴族たちや、国外からの来賓もある重要な夜会だ。
「そこに2人を連れていけと?」
「夜会への参加と、貴族たちへの顔見せが一回で済むし、いろんな人が来るから、彼女たちへの興味も長続きしないでしょ。」
「そんなに上手くいくものか?」
それでも、これで2人への煩わしい誘いを断る口実ができるならいいかもしれない。リリとエルの意思は確認しないといけないが。
「あと、それとは別に俺からひとつ提案があるんだ。一緒に聞いてみてくれる?シオンとガロンも考えてみて。」
* * *
「まほうのべんきょう?」
その日の夜、俺たち4人は一緒に夕食を食べながら今日あったことを話した。
2つの家が繋がった形の我が家は、キッチンがそれぞれについている。しかし、夕食は4人一緒に取ることが多かった。2人の料理や片付けの負担が減るし、こうやっていろんなことが話せる。
「この間、メルヴィンの娘に会ったのを覚えてるか?メアリって女の子。」
「おぼえてる。かわいいこ。ぴょんぴょんげんきなこ。」
メアリは今年から魔法の訓練をはじめた。あの子は国王である祖父とエルフである祖母の血を強く引き、魔力値や魔力適正が高いらしい。小さい頃から訓練することで力をコントロールし、この国のための力になることを求められている。本人はそんなプレッシャーなど理解していないだろうが、王族としての務めとして必要なんだそうだ。
「メアリの魔法訓練と一緒に、2人も魔法を習わないかと言われたんだ。精霊から与えられた力を使いこなせるように訓練しないかって。」
普段の生活でも、魔力を使うことは多い。冬のいま、蛇口からお湯を出したいときには、水道にはめ込まれた火魔石と呼ばれる火の魔法が宿る石に魔力を込める必要がある。これは、火の魔力適正のないリリとエルでも扱うことができる。
しかし、それぞれの適正に特化した魔法を使うには特別な訓練がいる。
「くんれんはむずかしい?わたしでもできる?」
「できる。リリは水、エルは大地の魔法を使いこなせる。魔力適正だけを見れば、そのはずなんだが。」
正直、これは訓練してみないと分からない。誰も適正100という値を見たことがないし、どこまでできるものなのか。
「魔法を使えれば、自分で自分の身を守る手助けになるし、出来ることが増える。考えてみてくれるか?」
すると2人は顔を見合せ、微笑んだ。
「やる!やりたい!」
意外な即答に、こちらが驚いた。
「いいのか?生活するだけなら、今のままで問題ない。無理にすることはないんだ。」
「やってみたい。できたら、シオンたちがしんぱいすることもへるでしょう。」
兄貴がリリの頭を撫でる。俺たちの心配はバレていたのか。
正直、リリとエルはあまりに非力だ。獣人なら2人一緒に抱えて連れ去ることもできるし、たとえ護身用に武器を持たせたとしてもこの細い腕では抵抗もできないだろう。
しかし、魔法を使えれば自分たちの身を守ることができる。
「そうだな。でも、無理しなくていい。ゆっくりやっていこう。」
それから、週に2日、リリとエルはランディオール城に通い、メアリと共に魔法の訓練を受けることになった。
「ほら、あの方でしょう?噂の…。」
俺の顔を見ながら、ひそひそと話す声がする。昔から俺は父親や兄貴と比べられることが多く、陰口には慣れている。所属する第4騎士団も、他の騎士団の引き受けない仕事ばかり受ける雑用騎士団だと、よくバカにされていた。
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今日もただひたすら、早く家に帰りたい。
執務室に入るとすでに兄貴とメルヴィンが待っていた。この1ヶ月で、兄貴の表情がさらにやわらかくなった気がする。
「はぁあ、二人してその締まりのない顔。見てる方が恥ずかしいよ。」
執務机に頬杖をついたメルヴィンは、盛大にため息をつく。
「新妻がかわいいのは分かるけど、1ヶ月間家から出さないってのはどうなの?ほぼ監禁じゃん。」
「家からは出てる。敷地内から出てないだけだ。」
「一緒だよ。だから噂が一人歩きして、いろんなこと言われるんだ。」
「噂を流してる張本人に言われたくねぇな。」
俺たちの暮らす家には、メイドや執事はいない。リリとエルが家のことは自分たちでやると譲らなかった。俺たちが仕事の間、2人は協力して、2つの家の掃除、洗濯、料理の支度をしている。さらに余った庭を、少しずつ耕し、春になったら畑を作りたいと言っている。クレアの診療所にあったような野菜やハーブを植えたいそうだ。
そうして午前中は家事をして、午後は屋敷で母とさまざまな勉強をしている。読み書き、マナー、この国の歴史などなど、そうこうしているうちに、あっという間に1ヶ月過ぎていた。
「それに監禁っていうなら、お前にだけは言われたくない。」
「ガロンは相変わらず失礼だね。」
現国王と后であるオフィーリア様は番だ。番という感覚は、俺たち獣人のみが持つもので、国王は何年もかけてオフィーリア様を口説き、二人の王子を授かるまでになった。
その第一王子であるメルヴィンは、バリバリの政略結婚だった。妻であるシルヴィアの生家パジュール家は、この国で一番と言われる名家で、その一人娘が王族に嫁いだことでその地位は不動のものとなった。そこにどういう経緯があったのか、メルヴィンの心情も含め、俺たちは何も知らない。
しかし、メルヴィンの愛妻家ぶりは国内で知らない者はいない話だ。シルヴィアは、なんというか、ものすごくポヤっとした女性で、このメルヴィンの腹黒さにも気づいているのかいないのか。
その地位を妬まれ、食事に毒を入れられそうになったことも、誘拐されそうになったこともある。すべてメルヴィンが未然に防いだが、シルヴィア本人はそんな事件があったことも、多分気づいていない。
そんな彼女は、一人では決して外出しない。どこへ行くにも必ずメルヴィンと一緒だ。そんなの俺たちと変わらないだろ。
「招待状も全部断って、貴族たちのプライドとか考えないの?」
「あれだけ横やり入れてきたくせに、結婚したとたんお茶会だ夜会だと言われて誰が行くんだよ。」
結婚宣言の次の日から、ロックスフォード家には山のように招待状が届くようになった。宛名は俺たちへの貴族からのお茶会や夜会のお誘いだが、その全てが妻同伴での招待だった。
どう考えても精霊の呼び人を見せ物にする会。そんなものに行くわけがない。俺たちをあれだけ妨害してきたライモレノ家やそれに連なる貴族からの招待状もあり、呆れるしかない。
「彼女たちを隠せば隠すほど、好奇の目に晒されることになる。このままじゃダメなことは分かってるんでしょう?」
そんなことは理解している。しかし、穏やかな生活を望むあの2人を俺たちの家のことに巻き込みたくない。
「まぁ、シオンたちの気持ちも分かるよ。そこで、俺からプレゼント。」
メルヴィンは1通の封筒を取り出した。
「他の貴族の夜会で社交デビューするより、うちのパーティーでやったほうが角が立たないでしょ。参加人数も多いから、パッと顔見せして、義理だけは果たしたってことで。」
それは、毎年春の始まりに行われる。ランディオール王家主催の夜会の招待状だった。
3月の終わり、春の風が吹く頃。このヴィンドヘイムでは盛大な祭りが行われる。春の訪れと今年の豊作を祈り、首都全体が祭りで活気づく。その祭りの最終日、ランディオール城で大きな夜会が開かれる。国政を行う10の貴族全てが参加し、それ以外の貴族たちや、国外からの来賓もある重要な夜会だ。
「そこに2人を連れていけと?」
「夜会への参加と、貴族たちへの顔見せが一回で済むし、いろんな人が来るから、彼女たちへの興味も長続きしないでしょ。」
「そんなに上手くいくものか?」
それでも、これで2人への煩わしい誘いを断る口実ができるならいいかもしれない。リリとエルの意思は確認しないといけないが。
「あと、それとは別に俺からひとつ提案があるんだ。一緒に聞いてみてくれる?シオンとガロンも考えてみて。」
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「まほうのべんきょう?」
その日の夜、俺たち4人は一緒に夕食を食べながら今日あったことを話した。
2つの家が繋がった形の我が家は、キッチンがそれぞれについている。しかし、夕食は4人一緒に取ることが多かった。2人の料理や片付けの負担が減るし、こうやっていろんなことが話せる。
「この間、メルヴィンの娘に会ったのを覚えてるか?メアリって女の子。」
「おぼえてる。かわいいこ。ぴょんぴょんげんきなこ。」
メアリは今年から魔法の訓練をはじめた。あの子は国王である祖父とエルフである祖母の血を強く引き、魔力値や魔力適正が高いらしい。小さい頃から訓練することで力をコントロールし、この国のための力になることを求められている。本人はそんなプレッシャーなど理解していないだろうが、王族としての務めとして必要なんだそうだ。
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しかし、それぞれの適正に特化した魔法を使うには特別な訓練がいる。
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正直、これは訓練してみないと分からない。誰も適正100という値を見たことがないし、どこまでできるものなのか。
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すると2人は顔を見合せ、微笑んだ。
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兄貴がリリの頭を撫でる。俺たちの心配はバレていたのか。
正直、リリとエルはあまりに非力だ。獣人なら2人一緒に抱えて連れ去ることもできるし、たとえ護身用に武器を持たせたとしてもこの細い腕では抵抗もできないだろう。
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