双子獣人は番も双子でした。。~少女たちは、異世界で虎に溺愛され初めての愛を知る~

塔野明里

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第一章

9話 告白~ガロン~*

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 9 告白~ガロン~*

 リーリアとリーエルの話を聞いてから、12月25日まで俺たちは診療所に行くことを禁止された。
 つらい話をさせてしまった。早くエルと話がしたかった。しかし、どうしてもダメだと止められたのだ。

 クレア曰く。
『正直言って、お前たちの理性は信用できない。この町で、騎士団長が未成年の少女を襲ったなんてことになったら困るからね。ちょっとくらい我慢しな。』

 正直意味が分からないが、25日にエルと2人きりで話をしていいと言われて、ふたつ返事で頷いてしまった。我ながら情けない。しょうがないだろう、いままでエルと2人きりになったことはないし、やっと全てを伝えられると思うとバカみたいに嬉しいんだ。

「あとは、プレゼント…だよな…。」

 * * *

 そして待ちに待った25日になった。

「ここがガロンのへや?てんじょうたかい。」

 わかってる。初めてのデートで、部屋に連れ込むなんて男としてどうなのかってことは。わかってるが、仕方ないだろう。

 ここは俺たち騎士団が宿舎として利用していた屋敷だ。先日ついに漁港の修繕が終わった。年末を首都で過ごしたいという部下たちを全員帰都させたので、いまこの屋敷には俺と兄貴しかいない。断じて、下心ではない。

 久しぶりに診療所に行くとリリとエルが可愛い服を着て待っていてくれた。ふわふわとしたワンピース。2人で頑張って丈を直したそうだ。
 その可愛い姿を誰にも見せたくなかった。エルはまだ町に行ったことがないし、ただでさえ小さい町で行くところなんて限られる。外は寒すぎるし。考えた結果が、この場所だ。
 
「寒くないか?ちょっと待ってな。」

 部屋の暖炉に火を入れる。少しずつ部屋が温まっていく。

「それがまほう?」

 指先に小さな火種を起こし、暖炉をつけた。ものすごく初歩の魔法だ。

「そうだ。俺はあんまり魔力がないから、ほとんど使えないけどな。」

 不思議そうに俺の指を見つめている。碧色の瞳が炎で揺らめいていた。そっと頬を撫でると、エルがスッと体を離した。

「ごめん、いやか?」

 ふるふるとエルは首を振る。ついこの間まで、触れさせてくれていたのに、今日はどこか様子がおかしい。
 窓辺に置いたソファに並んで腰かけた。いったい何から話したらいいのだろう。彼女もなぜか沈んだ顔だ。

 俺はポケットから小さな袋を取り出した。

「まずは、おめでとうだよな。リーエル誕生日おめでとう。良かったらもらってくれるか?」

 暗い顔がパッと明るくなった。

「ありがとう。あけてもいい?」
「あぁ。」

 小さな手が大切そうに開けてくれる。中から、雪のように白い繊細なレースのリボンが出てきた。

「すごい、きれい。」
「悪い、本当に何にしたらいいか分からなくて、でも黒い髪に似合うと思ったんだ。」

 エルは、髪にリボンを結んで、顔の横に垂らした。

「とってもかわいい。ありがとう。」

 その笑顔に胸がいっぱいになった。たまらず、彼女を抱きしめる。ずっと、ずっとこうしたかった。

「エル、俺はエルが好きだ。これからずっと一緒にいたいと思ってる。どうか俺と一緒に来てくれないか?」

 エルは何も言わない。しかし、しばらくすると肩が震えだした。泣いているのだ。

「エル?ごめん、イヤだったか?悪いっ、泣くな。」

 体を離すと、彼女の瞳は涙を必死に堪えていた。

「つがいだから?エルがつがいだから、すき?」

 彼女の言葉に、一瞬声が出なかった。

「なんで、それを。」
「つがいはとくべつ。たったひとりのとくべつ。でも、わたしはとくべつじゃない。きたなくて、いやらしい。いつか、ちがうっておもう。いらないっておもう。こんなやついらないって。」

 堪えきれず涙が白い頬を伝った。こんな状況なのに、かわいくてたまらないのは、彼女が番だから、本当にそれだけか?

「エル、エル泣くな。聞いてくれ。」

 彼女がゆっくりと俺の目を見た。

「そうだ、エルは俺の番だ。大切な番だ。でも、俺は番だからエルが好きなんじゃない。エルだから好きなんだ。ずっとずっと好きだ。これからもずっとそれは変わらない。エルは汚くなんかないし、いらないやつなんかじゃない。」

 頬の涙を指で拭った。ずっとこうやって拭ってあげたかった。

「たしかに獣人にとって番は特別だ。この世界でただ一人しかいないからな。でも、それだけでエルと一緒にいたいんじゃない。初めて会ったときからずっとエルと話してみたい、笑った顔が見たいって思ってた。俺のこの気持ち、エルはイヤか?」

 首を振る彼女が、愛しい。この気持ちが彼女に見えればいいのに。

「いやじゃない、うれしかった。やさしくて、あったかくて、ガロンのこと、しりたいっておもった。でも、わたしは…こんなにきたないのに。」
「エル、エルは汚くない。何度でも言う。エルは可愛いよ、かわいくてたまらないんだ。俺のこと、信じてほしい。」

 小さな肩が震えている。

「ほんとうに?エルはガロンといっしょにいてもいいの?」

 また彼女の瞳から涙が溢れた。

「いっしょにいたい。ガロンとずっといっしょにいたいよ。」

 その瞬間、俺の理性が飛んだ。

 彼女の小さな唇に唇を重ねた。貪るように口内を舐めると彼女の舌が俺の舌を受け入れてくれる。深く深く、何度も口づけた。

「ふぅ……んっ……。」

 エルの口元から溢れた唾液を顔から首筋までゆっくりと舐めとる。彼女の体はどこもひどく甘くて、頭がクラクラした。

「ふぇっ、ガロン?」

 小さな身体を持ち上げて、ベッドに運んだ。ゆっくりと寝かせ、その上にまたがる。

「ごめんエル、イヤだったら言ってくれ。今ならまだ、なんとかなる。俺が怖いか?」

 すると、彼女は優しく笑った。

「ガロンなら、いやじゃない。こわくないよ…。」

 一瞬頭が真っ白になる。

「なんで、そんなに可愛いんだ。優しくできなくなるだろ。」

 もう一度、ゆっくりと口づけた。ふわふわとしたワンピースの上から胸の膨らみに触れると、彼女の体が跳ねる。

「んっ…ぁっ…。」

 胸元のボタンを外すと、少しずつ白い肌が見える。ワンピースを脱がせ、薄いキャミソール姿になると、エルは恥ずかしそうに体を隠した。

「みちゃ、だめ。はずかしいよ。」

 俺も服を脱いで、下着一枚になった。気持ちが高ぶりすぎて、暑くてたまらない。俺のモノは、すでに固く立ち上がっている。

「いやだ、もっと見たい。俺だけに見せてくれ。」

「あぁ、んっ…はぁ…っ。」

 キャミソールの上から胸の先を口に含むと、彼女の甘い声が響いた。そのまま胸に触れると、思っていたよりもだいぶ柔らかいような…。

「エル、胸が……。」
「んっ…っ?」

 恥ずかしがるエルの手をあげ、一気に肌着を脱がせる。細い身体に見合わない豊満な胸に驚いた。

「みないでっ、いやだよ。わたしだけおおきくて、へんだから。」
「……ぐっ……うぅ…。」

 どうして、こんなに俺を煽るんだ。ブカブカな服で気づかなかった。

「ヤバイ。可愛いうえに、こんな体、反則だろ。」

 両手で胸をわしづかみにすると、そのまま舌でゆっくりと味わった。

「ひゃあっ…んっ、あっ…んんっ、や……んっ。あぁん!」

 固くなった胸の先を甘噛みすると、ビクビクと反応する。

「気持ちいいか?」
「わかんない、あっ…やぁ、んっ。」

 彼女の下着に触れると、もうしっとりと濡れているのがわかった。そのまま舌を下着の上から這わせる。

「だめっ…きたない、やぁ…、ガロンっ。」
「エルに汚いところなんてない。」

「ひやぁっあっ…んんっ、だめぇっ…。」

 下着の隙間から舌を入れる。彼女の体は蜜のように甘い。舐めれば舐めるだけ蜜が溢れてくる。

「やぁ、ガロン、へんっ…からだがへんなのっ。」
「もっとへんになっていい、俺だけを感じてくれ。」

 下着を下ろし、蜜の中に指を入れていった。温かくて、ドロドロに濡れている。

「アアっんっ、いやぁ、はぁんっ。」

 ぐちゅぐちゅといやらしい音がなる。俺のモノはもうはち切れそうだ。こんなに興奮するのは生まれて初めてだった。

「…んんっ、なんでっ、ガロんっ?」
「エル?どうした?」
「どうしてっ、こんなにやさしい?」

 指を二本に増やした。さらに中を掻き回す。

「ひゃんっ、アアっ、ダメっ。」
「これでも優しいか?」

 指で掻き回したまま、舌で一番敏感な場所をべろべろと刺激する。

「んんっんっ、やぁっ!きちゃう、へんになっちゃう!」
「イクのかっ?いい、そのままイケ。」

「アァっいやぁ、ダメ、アァっんっ!」

 細い背中を反らして、彼女が果てた。とろとろと溢れる蜜を溢さないように、丁寧に舐める。

「うぅ、……ふぅ…。」
「エル?」

 泣いている彼女の頭を撫でる。

「どこか痛かったか?ごめん、優しくするつもりが…。」
「ちがう、ちがうの。からだがこんなふうになるのはじめてで、びっくりしただけ。」
「大丈夫か?」

「うん、すきなひととするの、こんなにきもちいいんだね。」

 顔を赤らめる彼女の言葉が俺の理性を簡単に吹き飛ばした。

「だぁっ、ほんとにっ、やめてくれ!」

 下着を脱ぎ捨て、固くなったモノをゆっくりと挿入した。

「はぁっあっ!んっ、アアっ!」
「あぁっ、なんだ、これ…。」

 入れただけで、エルはキュンキュンと締め付けてくる。やっとひとつになれた喜びと、全身で彼女を感じる快感でおかしくなりそうだ。

「きゃっ……うぅ、んんっ、いやぁ、アアっ!」

 細い腰を押さえ込んで、彼女の一番奥を何度も突く。

「アアっあぁっ、やだ、こわいっこわいっよ。」
「エル?ごめん、もう、とまらないっ。」

 涙目の彼女が、腕を広げ俺を呼んだ。

「ぎゅってしてっ、ガロン、ぎゅってしてほしいの。」
「…!だからっ…!」

 正面から思いきりエルを抱きしめる。そのまま何度も腰を突き上げた。

「しらないっ、こんなにっきもちいいのっ、…あぁっ、ん!」
「好きだっ、エルっ、お前じゃないとダメなんだっ!」

 堪えきれず、彼女の細い首筋に噛みついた。犬歯を突き立てると、口の中に彼女の血の味が広がる。花の蜜のような甘さに、俺の中の本能が反応する。

 彼女のすべてを俺のモノにしたい。

「ひゃっ、あぁっ、いたいよっ、アアっ!」

 さらに彼女の肩に噛みつく。痛みに、彼女の体が跳ねる。

「ガロン、ダメっ、いたいのにっ。いたいのにきもちいいのっ!」
「エルっ、エル!すごいっ、締め付けがっ。」

 ぐちゃぐちゃといやらしい音が部屋中に響いた。

「だめぇっ、またきちゃうっ、イクのっ、イッちゃうっ!」
「俺ももうっ、我慢できないっ!イクっ、エルっ!」

 彼女の最奥を打ちつけた。

「アアっん、アアっっ、イクのっイクっ!」

 彼女の激しく締め付ける中に、自分の全てが吐き出されていく。その解放感と、もっともっと繋がっていたい欲望が体中で暴れている。

「はぅ…あつい、ガロンのとってもあついよ…。」
「エル…それはわざとなのか?」

 彼女を抱き締めたまま、ベッドに横になった。もう少しの間も離れたくない。

「痛かったよな、ごめん。」

 エルの首筋にはまだ血がにじんでいる。舌で味いたいが、そうすればまた止まらなくなる。

「だいじょうぶ、ぜんぜんいたくない…。」

 ゆっくりと彼女に口づけた。どこまでも気持ちが溢れていく。

「ガロン…つかれちゃった、すごく、眠い…。」
「ずっと側にいる、大丈夫だ。おやすみ、リーエル。」

 そのまま目を閉じ、エルはすやすやと寝息をたて始めた。首筋の赤いしるし。もう誰にも彼女を傷つけさせない。

 彼女の寝顔を見ながら、俺もいつの間にか眠っていた。



 


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