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第一章
13話*
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13話*
呆れ顔のサッシャさんに変わって、田中さんが話し始めた。
「いくら人間から得られる魔力が強いからといって、毎回毎回死にそうになられても困ります。だから、陛下のお相手は私たちと同じ魔界の者の中から探すことになりました。魔界の者からでも魔力は補給できますから。その頃にはもう陛下の強さは魔界で1・2を争うようになり、魔王になることが決まっていましたので。」
田中さんは誇らしげだ。私への言葉はキツイけど、それだけギルさんのことを大切に思っているのだろう。
「しかし、それでも問題が起きました。魔界の者から得られる魔力は人間に比べればやはり少なく、死ぬことはなくとも、補給の途中でお相手が失神するようなこともしばしば起きました。」
なんというか、ギルさんのことが段々不憫に思えてきた。いくら力があってもそれじゃツラい。
「そこで我々は人間界で暮らしている魔人たちに目を向けました。人間界で暮らす力の強い者ならと考えたのです。」
なるほど、それがこのお見合い旅行だったのか。
「しかし、あろうことか陛下は貴女を伴侶にすると言い出した。なんの力もないただの人間のあなたを!一体どういう手を使ったのか知りませんが、私は断固反対です。」
そう言い放ち私を睨み付ける。
「そのことについては、昨日話した通りだ。私が彼女と盟約を交わせばなんの問題もない。」
盟約?また新しいワードが出てきた。
「なぜあなたほどの方が、こんな人間と盟約を交わすのですか?!そんなことをしなくても相手は他にいるはずです!」
「いないよ。私には彼女しかいない。」
私に微笑みかけてくれる顔が、優しくてあたたかい。
「彼女でなければ意味がないんだ。」
その言葉に田中さんは何も返さなかった。
「諦めろ、ギルは一回言ったら絶対意見を変えない。それに誰と盟約を交わすかなんて本人の自由だろ。俺たちが口出すことじゃない。」
田中さんはさらに渋い顔になった。
「あの……その盟約とは何なんですか?」
「我々魔界の住人は、人生でただ一人とだけ『血の盟約』を交わすことができます。盟約を交わすことで、互いの魔力を共有することができるようになるんです。そうすれば、アヤさんが魔界に行くこともできるようになりますよ。魔界へは魔力を持った者でないと入れないので。」
「魔力の共有……?でも私は魔力を持ってないんじゃ?」
「そうですね、この場合は私が貴女に魔力を分け与えると言ったほうが適切かもしれません。」
その時、テーブルを叩きつけ、田中さんが立ち上がる。
「分け与える?!あなたの力がどれほど貴重なものかわかっているのですか?ただの人間に与えて何の得があるというのです?」
「まだ分からないのか?損得なんてどうでもいい。彼女が側にいてくれるだけでかまわないと言っているだろう。」
激昂する彼の手をひき、サッシャさんが無理矢理座らせた。
「昨日言ったと思うが、俺はその案に賛成だ。盟約で魔力を共有できるようになれば、ギルの魔力補給の問題もなくなるしな。」
「?」
「人間には本来魔力はありませんが、魔力を生み出すもとになる欲を持っています。魔力を共有し、アヤさんが魔力と欲を両方持つことになれば、私に魔力が自動的に供給されるようになるでしょう。」
「どういうことですか?」
「あんたとセックスしてれば、ギルは勝手に元気になるってことさ。一石二鳥だろ。」
言われて、私は顔が赤くなる。
「おいおい、今さら照れるなよ。ここのベッドあんだけぐちゃぐちゃに汚したやつが、なにを恥ずかしがるんだ。」
そのセリフに私はさらに赤面した。それはギルさんも同じだった。
「なっ…!?だからあの時はしてないと言ってるだろ!」
「どうやら、そうらしいな。だったらセックスしないであんだけぐちゃぐちゃになる理由を詳しく説明しろよ。」
私たち2人は黙るしかなかった。
「サッシャ、陛下への軽口もいい加減にしろ。」
今度は田中さんが呆れ顔だ。
「お前も気になるだろ、堅物のギルを落としたテクニック知りたくないのか?」
(もうお願いだからしゃべらないでほしい。)
「そんなもの考えたくもない。しかし、たしかに魔力の問題が解決するのはいいことです。魔力の問題は公務にも支障をきたしていました。それが解決するのであれば、彼女の存在意義はある。」
「良かった。お前も認めてくれるのか。」
「認めるのは、彼女が魔力を供給する道具としての価値だけです。それ以外は認めるつもりはありません。」
「道具ってお前な……。」
「それでもいいです。」
3人がいっせいに私の顔をみた。
「道具でもなんでもいいです。ギルさんのために私にできることがあるなら、それだけでいいです。」
私はなんにも持ってない、なにもできない。そんな私にひとつでもできることがあるなら、力になりたい。
「アヤさんっ!」
ぎゅっと抱き締められ、頭を撫でられた。
「貴女と出会えて本当に良かった。貴女のためなら私はなんだってできる気がします。」
その言葉に自然と笑顔になった。
「はぁ、イチャつくのはとりあえず儀式終わらせてからにしてくれ。」
「儀式?」
「血の盟約はお互いの血を飲むことで成立します。それを儀式と呼んでいるんです。」
(お互いの血を飲む…。)
「そんなに緊張する必要はありません。1滴くらいで大丈夫ですから。」
「そういうこと、だからさっさと済ませてくれ。」
「えっここでですか?」
「なんか問題あんのか?」
さすがに人前では、抵抗がある。
「また恥ずかしいとか言うのか。今さらだろ。」
しかし、田中さんがサッシャさんを立ち上がらせる。
「おいっ、別にそんな大層なことかよ。」
「私は人間と盟約を結ぶ陛下など見たくありません。」
そう言って2人で部屋を出ていった。
* * *
2人きりの部屋でギルさんが、私に向き直った。
「いろいろ話して混乱してしまいましたか?私と結婚すること、後悔していませんか?」
「そんなことありません。いろいろ聞いて驚きましたが、私の気持ちは変わりません。」
ギルさんは安心したように、優しく私を抱きしめた。
「魔力を得るためとはいえ、たくさんの女性と過ごしてきました。そんな私はイヤではないですか?」
「そんなこと言ったら、私は水商売をしてますよ。」
「そうですね。でももし、貴女がアイリスで働いてなかったら、私はあなたに会えませんでした。」
「私だってそうです。ギルさんがお見合い旅行で日本に来ていなかったら、出会っていませんでした。だから、前のことは気にしません。」
「本当に?」
彼は突然私の唇に吸い付いた。彼の舌が私の舌にからみ、不意のことに私の唇から唾液が滴る。それを丁寧に首筋まで舐められ、体が熱くなった。
「私は気になります。貴女が今までどんな男とキスをしたのか、この柔らかい体をどう触られたのか、貴女がどんな声を出したのか。想像しただけで、気が狂いそうです。」
そう言ってワンピースの裾をたくしあげ、太ももの内側にキスをしていく。
「アッ………ンッ、ギルさん、そんなこと言わないでっ…。」
私は裾がめくれあがるのを必死に手で押さえた。しかし、その手をはずされ、私の下着があらわになる。ショーツには小さなシミができていた。そのシミに彼が舌を這わせる。
「アアっ…ダメ……、舐めないでっっ…」
しかし彼は何度も何度も私のワレメをなぞるように舐めつづけた。そのまま濡れたショーツをずらされ、濡れたワレメに舌が入る。
「ンッンッっ……ギルさん、待ってっ、どうして……?!」
ぴちゃぴちゃっとイヤらしい水音が部屋に響いた。そのまま、私の濡れた花弁を甘噛みする。
「イヤっ…ンッっ…そこダメっ…アアっ」
「あの夜もここでイってましたよね、弱いですか?」
そう言ってさらに舌で転がし続ける。
「ダメっ…弱いのっ……そんなにしないでっ……」
トロトロと愛液が溢れるのがわかった。それをジュルっと音をたて、彼が飲み干していく。そのまま奥まで舌が入ってくる。
「イヤっ、お願いっ…やめてっ」
彼の舌がジュルジュルと音をたてて出入りする。その舌が不意に離れた。
「あなたのことになると、自分の制御ができません。今までのあなたのこと、これからのこと、考えただけでおかしくなる。」
突然、濡れたソコに彼の指が入れられた。
「アアっっ!イヤっ……ダメっ」
同時に舌で小さく勃起した花弁を舐められる。
「ンッっンッ、イクッ……イクッ」
ピストンが早くなり、びちゃびちゃとイヤらしい音が大きくなる。
「イクッ……アァあ!!」
腰をのけ反らせ、私はイカされてしまった。
突然のことに、呆然としていると。
「われわれ魔界の住人にとって人間は貴重な存在です。魔力と快楽を同時に与えてくれる存在ですから。そして魔界には快楽を追及するために手段を選ばない者も多い。そんな世界に、こんなに美しいあなたを連れていくことが不安で仕方ないんです。自分できてほしいと言っておきながら、情けないですね。」
そのまま優しく、私の唇をふさいだ。そして首筋に舌を這わせたかと思うと、突然首筋に痛みが走った。
「アァっ」
血を吸われていると気づくまでに時間がかかった。牙を抜かれると、傷口を優しく舐められる。
「痛くしてすみません。アヤさんの体はどこも甘くて美味しいです。」
おもむろに彼は自分の右手の親指を齧り、傷をつくる。
「舐めてくれますか?」
言われるまま彼の傷口を口に含む。したたる血を舌で丁寧に舐めとった。
「んっ…」
突然光が私たち2人を包んだ。右手の甲が熱くなり、見ると不思議な紋章が浮かび上がっていた。
「我が家の紋章です。これで血の盟約が結ばれました。」
しばらくすると光は消え、右手の紋章も消えた。
「いまはまだ、体に変化は起こらないはずです。魔界に行けば、少しずつ体の中に魔力が流れ、紋章が浮かび上がります。そうしたら私たちの魔力が共有されたことになります。」
私は右手の消えた紋章を見つめていた。
「そうしたら、やっと貴女を抱ける。」
キスをする口のなかには、まだ彼の血の味が残っていた。
呆れ顔のサッシャさんに変わって、田中さんが話し始めた。
「いくら人間から得られる魔力が強いからといって、毎回毎回死にそうになられても困ります。だから、陛下のお相手は私たちと同じ魔界の者の中から探すことになりました。魔界の者からでも魔力は補給できますから。その頃にはもう陛下の強さは魔界で1・2を争うようになり、魔王になることが決まっていましたので。」
田中さんは誇らしげだ。私への言葉はキツイけど、それだけギルさんのことを大切に思っているのだろう。
「しかし、それでも問題が起きました。魔界の者から得られる魔力は人間に比べればやはり少なく、死ぬことはなくとも、補給の途中でお相手が失神するようなこともしばしば起きました。」
なんというか、ギルさんのことが段々不憫に思えてきた。いくら力があってもそれじゃツラい。
「そこで我々は人間界で暮らしている魔人たちに目を向けました。人間界で暮らす力の強い者ならと考えたのです。」
なるほど、それがこのお見合い旅行だったのか。
「しかし、あろうことか陛下は貴女を伴侶にすると言い出した。なんの力もないただの人間のあなたを!一体どういう手を使ったのか知りませんが、私は断固反対です。」
そう言い放ち私を睨み付ける。
「そのことについては、昨日話した通りだ。私が彼女と盟約を交わせばなんの問題もない。」
盟約?また新しいワードが出てきた。
「なぜあなたほどの方が、こんな人間と盟約を交わすのですか?!そんなことをしなくても相手は他にいるはずです!」
「いないよ。私には彼女しかいない。」
私に微笑みかけてくれる顔が、優しくてあたたかい。
「彼女でなければ意味がないんだ。」
その言葉に田中さんは何も返さなかった。
「諦めろ、ギルは一回言ったら絶対意見を変えない。それに誰と盟約を交わすかなんて本人の自由だろ。俺たちが口出すことじゃない。」
田中さんはさらに渋い顔になった。
「あの……その盟約とは何なんですか?」
「我々魔界の住人は、人生でただ一人とだけ『血の盟約』を交わすことができます。盟約を交わすことで、互いの魔力を共有することができるようになるんです。そうすれば、アヤさんが魔界に行くこともできるようになりますよ。魔界へは魔力を持った者でないと入れないので。」
「魔力の共有……?でも私は魔力を持ってないんじゃ?」
「そうですね、この場合は私が貴女に魔力を分け与えると言ったほうが適切かもしれません。」
その時、テーブルを叩きつけ、田中さんが立ち上がる。
「分け与える?!あなたの力がどれほど貴重なものかわかっているのですか?ただの人間に与えて何の得があるというのです?」
「まだ分からないのか?損得なんてどうでもいい。彼女が側にいてくれるだけでかまわないと言っているだろう。」
激昂する彼の手をひき、サッシャさんが無理矢理座らせた。
「昨日言ったと思うが、俺はその案に賛成だ。盟約で魔力を共有できるようになれば、ギルの魔力補給の問題もなくなるしな。」
「?」
「人間には本来魔力はありませんが、魔力を生み出すもとになる欲を持っています。魔力を共有し、アヤさんが魔力と欲を両方持つことになれば、私に魔力が自動的に供給されるようになるでしょう。」
「どういうことですか?」
「あんたとセックスしてれば、ギルは勝手に元気になるってことさ。一石二鳥だろ。」
言われて、私は顔が赤くなる。
「おいおい、今さら照れるなよ。ここのベッドあんだけぐちゃぐちゃに汚したやつが、なにを恥ずかしがるんだ。」
そのセリフに私はさらに赤面した。それはギルさんも同じだった。
「なっ…!?だからあの時はしてないと言ってるだろ!」
「どうやら、そうらしいな。だったらセックスしないであんだけぐちゃぐちゃになる理由を詳しく説明しろよ。」
私たち2人は黙るしかなかった。
「サッシャ、陛下への軽口もいい加減にしろ。」
今度は田中さんが呆れ顔だ。
「お前も気になるだろ、堅物のギルを落としたテクニック知りたくないのか?」
(もうお願いだからしゃべらないでほしい。)
「そんなもの考えたくもない。しかし、たしかに魔力の問題が解決するのはいいことです。魔力の問題は公務にも支障をきたしていました。それが解決するのであれば、彼女の存在意義はある。」
「良かった。お前も認めてくれるのか。」
「認めるのは、彼女が魔力を供給する道具としての価値だけです。それ以外は認めるつもりはありません。」
「道具ってお前な……。」
「それでもいいです。」
3人がいっせいに私の顔をみた。
「道具でもなんでもいいです。ギルさんのために私にできることがあるなら、それだけでいいです。」
私はなんにも持ってない、なにもできない。そんな私にひとつでもできることがあるなら、力になりたい。
「アヤさんっ!」
ぎゅっと抱き締められ、頭を撫でられた。
「貴女と出会えて本当に良かった。貴女のためなら私はなんだってできる気がします。」
その言葉に自然と笑顔になった。
「はぁ、イチャつくのはとりあえず儀式終わらせてからにしてくれ。」
「儀式?」
「血の盟約はお互いの血を飲むことで成立します。それを儀式と呼んでいるんです。」
(お互いの血を飲む…。)
「そんなに緊張する必要はありません。1滴くらいで大丈夫ですから。」
「そういうこと、だからさっさと済ませてくれ。」
「えっここでですか?」
「なんか問題あんのか?」
さすがに人前では、抵抗がある。
「また恥ずかしいとか言うのか。今さらだろ。」
しかし、田中さんがサッシャさんを立ち上がらせる。
「おいっ、別にそんな大層なことかよ。」
「私は人間と盟約を結ぶ陛下など見たくありません。」
そう言って2人で部屋を出ていった。
* * *
2人きりの部屋でギルさんが、私に向き直った。
「いろいろ話して混乱してしまいましたか?私と結婚すること、後悔していませんか?」
「そんなことありません。いろいろ聞いて驚きましたが、私の気持ちは変わりません。」
ギルさんは安心したように、優しく私を抱きしめた。
「魔力を得るためとはいえ、たくさんの女性と過ごしてきました。そんな私はイヤではないですか?」
「そんなこと言ったら、私は水商売をしてますよ。」
「そうですね。でももし、貴女がアイリスで働いてなかったら、私はあなたに会えませんでした。」
「私だってそうです。ギルさんがお見合い旅行で日本に来ていなかったら、出会っていませんでした。だから、前のことは気にしません。」
「本当に?」
彼は突然私の唇に吸い付いた。彼の舌が私の舌にからみ、不意のことに私の唇から唾液が滴る。それを丁寧に首筋まで舐められ、体が熱くなった。
「私は気になります。貴女が今までどんな男とキスをしたのか、この柔らかい体をどう触られたのか、貴女がどんな声を出したのか。想像しただけで、気が狂いそうです。」
そう言ってワンピースの裾をたくしあげ、太ももの内側にキスをしていく。
「アッ………ンッ、ギルさん、そんなこと言わないでっ…。」
私は裾がめくれあがるのを必死に手で押さえた。しかし、その手をはずされ、私の下着があらわになる。ショーツには小さなシミができていた。そのシミに彼が舌を這わせる。
「アアっ…ダメ……、舐めないでっっ…」
しかし彼は何度も何度も私のワレメをなぞるように舐めつづけた。そのまま濡れたショーツをずらされ、濡れたワレメに舌が入る。
「ンッンッっ……ギルさん、待ってっ、どうして……?!」
ぴちゃぴちゃっとイヤらしい水音が部屋に響いた。そのまま、私の濡れた花弁を甘噛みする。
「イヤっ…ンッっ…そこダメっ…アアっ」
「あの夜もここでイってましたよね、弱いですか?」
そう言ってさらに舌で転がし続ける。
「ダメっ…弱いのっ……そんなにしないでっ……」
トロトロと愛液が溢れるのがわかった。それをジュルっと音をたて、彼が飲み干していく。そのまま奥まで舌が入ってくる。
「イヤっ、お願いっ…やめてっ」
彼の舌がジュルジュルと音をたてて出入りする。その舌が不意に離れた。
「あなたのことになると、自分の制御ができません。今までのあなたのこと、これからのこと、考えただけでおかしくなる。」
突然、濡れたソコに彼の指が入れられた。
「アアっっ!イヤっ……ダメっ」
同時に舌で小さく勃起した花弁を舐められる。
「ンッっンッ、イクッ……イクッ」
ピストンが早くなり、びちゃびちゃとイヤらしい音が大きくなる。
「イクッ……アァあ!!」
腰をのけ反らせ、私はイカされてしまった。
突然のことに、呆然としていると。
「われわれ魔界の住人にとって人間は貴重な存在です。魔力と快楽を同時に与えてくれる存在ですから。そして魔界には快楽を追及するために手段を選ばない者も多い。そんな世界に、こんなに美しいあなたを連れていくことが不安で仕方ないんです。自分できてほしいと言っておきながら、情けないですね。」
そのまま優しく、私の唇をふさいだ。そして首筋に舌を這わせたかと思うと、突然首筋に痛みが走った。
「アァっ」
血を吸われていると気づくまでに時間がかかった。牙を抜かれると、傷口を優しく舐められる。
「痛くしてすみません。アヤさんの体はどこも甘くて美味しいです。」
おもむろに彼は自分の右手の親指を齧り、傷をつくる。
「舐めてくれますか?」
言われるまま彼の傷口を口に含む。したたる血を舌で丁寧に舐めとった。
「んっ…」
突然光が私たち2人を包んだ。右手の甲が熱くなり、見ると不思議な紋章が浮かび上がっていた。
「我が家の紋章です。これで血の盟約が結ばれました。」
しばらくすると光は消え、右手の紋章も消えた。
「いまはまだ、体に変化は起こらないはずです。魔界に行けば、少しずつ体の中に魔力が流れ、紋章が浮かび上がります。そうしたら私たちの魔力が共有されたことになります。」
私は右手の消えた紋章を見つめていた。
「そうしたら、やっと貴女を抱ける。」
キスをする口のなかには、まだ彼の血の味が残っていた。
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