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オスカー×ユージィン編
15.気流師は2度求婚される
しおりを挟むまさか、扉の外にあんなにたくさんの人が待っていたとは。
布団に潜り込んで、先程の痴態を思い出し照れている場合ではなかった。
外の様子を見に行ったであろうオスカーが、何者かに投げられた音がして、続いてうめき声が聞こえてきた。
これは何事か、と、慌てて扉を開けて外を見渡すとなぜかオスカーが第3王女に抑え込まれていた。
周りには、近侍らしき者たちがおよそ8名程。
その全ての人に見つめられ内心驚きながらも、(多分)敵はいない、と判断して朝の挨拶をした。
抑え込まれてひっくり返っているオスカーは、ユージィンを見ながら
「俺の。俺の光。俺の光がこちらを見つめて……」
などと呟いているので、人前で口説かれているようで恥ずかしくなり、止めてもらった。ユージィンにだって、人並みに恥ずかしいと言う感覚はある。
そのまま、全く動かない王族2人とその近侍に困ってしまい、どうしようかと思ったのだが、そういえば第3王女に会ったのは初めてだったな、と自己紹介をした。
まさか、自己紹介直後に、初対面で求婚されるとは夢にも思わなかったが。
「ユージィン・ギャザスリー、私はオルシラ・ジグライド、普段は弓術師団に所属しています。この国の第3王女です。それはそうと、ユージィンあなた、誰かと婚姻を結ぶ予定はあって? もし無いのなら、私はいかが? 自分で言うのも何ですけど、私、悪くない相手でしてよ。弓術は優れていますし、夜目もききますの。月の無い真夜中でも標的を射ってご覧にいれますわ。あなたも人より夜目はきくほうでしょう。ええ、金色の瞳ですもの、それはもう、よっく視えますわよね! ああ、そうですわ。あなたが王族との婚姻が嫌とお思いであれば、私、市井に下ってもよろしいわ。オルシラ・ギャザスリー、いかが? 結構良いと思うわ。王族と言え自由のきく王女の身ですもの。王子とは違います。あなたが王族の一員になっても構いませんし、私が市井に下ることもできましてよ。お好きな方を選ぶとよろしいわ」
たくさんの情報が一気に言葉で流れ込んできたが、気になったのはオルシラの身体の変化だ。
いや、むしろ、変化がない事が気になったと言うか。
人は、人を口説く時、大なり小なり身体に変化が訪れる。
恋愛的な意味だけではなく、仕事や、友人同士の何かの誘いであってもそうだ。
声をかけた事に対する興奮や、返事に対する期待などで、気流がこちらに向かうのが視える。
だが、オルシラの気に乱れが……全く無いとは言わないが、強い恋愛感情を催すそれではなかったので、その時点で本当の目当ては自分ではないのだと思った。
予想でしかないが、オルシラはユージィンとどうこうなりたい訳ではなく、他に何かをしたがっている。そしてその何か、が、オスカーをからかいたいだけ、の可能性も捨てきれない。
気流師である自分であれば、上辺だけの求婚と気づくと思いこの様な乱暴な方法をとっているのか。多分そうなのだろう。
その証拠に、少し遅れて立ち上がったオスカーは、オルシラの気が視えない為に求婚が本意ではない、とは気づいていないようで、いささか物騒な気の動きが視てとれる。
流石に仲が良いとも言われている王族同士、流れる気が物騒なだけで実際に何か起こることはないだろうが。
ともかく。
オルシラの真意はわからないが、そのなにかを聞かせてもらうため、話に乗ってみた。
「オルシラ殿下。確認させてください。それは、本気でおっしゃっていますか。」
「もちろん本気ですわ」
「それでは……私にはそのお言葉、……お受けする事ができません」
「まあ、なんてこと。私、振られてしまったのね、残念だわ……兄上よりは私の方が何かとよろしいかと思いましたけど、人の気持はなかなかうまい具合に動かないものですわね」
さして残念でもなさそうに言い、直後に10日後に大きな戦が控えていると、爆弾を落とした。
最初から普通に「10日後に大きな戦が」と伝えれば良いものを、何か回りくどくする事情があったのだろう。
それが王族流の何かなのか、それとも、オルシラやオスカー特有の何かなのか(相変わらずからかいたいだけ説を捨てきれないが)はわからないまま、オルシラは気流師団を休むように命令し、近侍らを引き連れて去って行った。
10日後に、本当に大きな戦が起こるのか。
では、今、自分には何ができるのか。
王族の宮で呑気に休んでいる場合ではないのでは?
「本当に今日は師団に顔出ししなくて良いのでしょうか……? 急患を担当した昨日の今日なんですけど……」
そうだ。
矛盾するようだがなんだか静かで激しい嵐に巻き込まれたようで、考え込む暇がなく頭から抜けていたが昨日は急患を亡くして酷く落ち込んでいたのだ。
言い訳でしかないが、落ち込みすぎて報告書も殴り書きのように書いて一般棟を出てきてしまった。
読めない事はないだろうし、周囲に他の医術師が何人もいたので問題はないはずだが、思い出してしまった今、急に気になりだした。
だから、行かなくていいのか、と、こちらはまじめに聞いたと言うのに。
「ユージィン、貴様……今すぐ先程より酷く弄り倒されたいのか……?」
なぜまじめに問いかけたのに、そんな返答がでてくるのか。
「はあ? いじ?! ……いえ、いや、オスカー殿下? 突然何を言い出すのですか」
「オスカーと呼べと。他人行儀な話し方もやめろと。貴様はわかったと答えたのに、先程から元に戻っているではないか」
「えぇ……? そんな理不尽な……。いや、でも……」
いや、わかったと答えたのだって、そう答えなくてはあの後何をされたかわかったものじゃない。答えざるを得ない状態だったのに何を言いだすんだ。数日前までの「この人本当に自分の事が好きなのか? 実は好きかと思っている自分の勘違いなのでは?」などと思っていた相手と同一人物なのか疑わしい。
ぶつぶつと口の中で呟く。
その呟きを聞こうとしてか、ふ、とオスカーが寄ってきた。
瞬間、ユージィンの中にいたずら心が芽生えた。
〝こんな対応をご所望なのだろう〟と言う気持ちと、それから、こんな対応をしたら目の前の〝落ち着いた見た目の割に心の中では激しい事を考えているらしい普段は冷静な王族兼武人〟はどんな反応をするのか、興味を持った。
だからとっさに、この近さなら手が届く、と判断してそれを実行してしまった。
きゅっと耳の横あたりを両手ではさみこみひきよせ、耳に口を近づけ
「そんなに虐めないでください、オスカー。今は、まだ、名前を呼ぶ事で精一杯なんです。これから、少しずつ、がんばりますから」
そう、囁く。
さて、オスカーの反応は? と伺う間もなく、両手をとられた。
まさか怒らせた? と思った時には既に両手を後ろ手に拘束されて動けない。
抱きしめられていると気がついたのは、一拍置いてからだ。
酷く苦しそうに、酷くせつなそうに、酷く辛そうに、名前を呼ばれた。
自分はオスカーに対して、何か悪いことをしてしまったのだろうか。
あまりに辛そうで、ちょっとふざけてしまった事を後悔し始めたとき。
「頼む。心から、頼む。……俺と、婚姻を結ぶと言ってくれ。俺は一生お前を思い続ける、一生大事にする。お前の命が尽きるその時まで、お前は俺のものだと思わせてくれ。俺と共に、一生を側で過ごすと、そう、答えてくれ。……頼む……」
ユージィンは、頭の中が真っ白だ。
自分は好かれているとは思っていた。
ここ最近、本当に好かれているのか?と疑念が生じていたけれど、昨日からのオスカーを見ていて、間違いなく好かれているのだと自覚した。
が、まさか、こんなにも情熱的に求婚されるとは、思ってもみなかった。
「……先程お前はオルシラの求婚を断ったな。なぜ断ったのか、俺にはわからんが。わからないが、お前と初めて会ってから1年、お前を、ユージィンを思い続けてきた俺のためだと、少しでも俺の存在が心にあったからと自惚れさせてくれ」
うわあ、と、思わず声が出そうになった。
情熱的だし、饒舌だ。
何かを問いかけても、問いかけの数倍の量の愛の言葉が返ってくる。
思いを返してほしいと、心底、乞われている。
だが。
オスカーは、誤解しているのではないかと思った。
そもそも、自分はそんなにできた人間ではない。
男性王族との婚姻とは、すなわち、ユージィン自身が王族の配偶者として名を連ねるということだ。
もちろん名を連ねたからといって王族になるわけではないが、この国の王族は、常に自分を律し、国民を気遣い、高潔な振る舞いを求められ、王族は出来る限りそれに応えている。と、思う。
ユージィンにそれができるか。
できるかできないかで言うなら、できるだろう。
ただ、中身は違う。
自分はそんな高尚な人間ではない。
幼い頃の出来事に、いつまでもいつまでも囚われている人間だ。
気流師なんていう仕事をし続けているのも、本当の所、人助けではなく、自分の心の傷を癒やすためにしているに過ぎない。
そして、癒やすためと言いつつ、全く癒えていないところも問題だ。
オスカーは、わかっているのか。
己の過去を、調べたのか。理解しているのか。その上での、求婚なのか。
それが気になって身じろぎしたら、痛かったか、と謝られ後ろ手に掴まれたままだった手を離された。
もし、知らなかったら。
もし、オスカーが、自分の過去や、今の自分の有り様を、何も知らずに求婚しているのだとしたら。
近くに居られるのはこれが最後かもしれないと思ったら、なぜか離れがたくなり、空いた両手を、オスカーの腰に回してしまった。
オスカーも、包み込むように抱きしめ返してきたので、まだ大丈夫なのか、とこちらもなぜだか安堵した。
「私のことを、調べたりは……?」
腕の中で、恐る恐る尋ねる。
オスカーは、ユージィンの過去の話は全く知らなかったようだった。
求婚しておいてその相手の出自を知らないとは、王族大丈夫か、と心配になったが、ユージィンは気流師だ。
気流師は、身分出自性別に関係なく王族と婚姻を結べるのだった。
本当は、さらりと話してお終いにしたかった。
両親が早くに亡くなり、兄に育てられたので、人を好きになる事がいまいちわからない。と。
だが、それでは意味が通じないだろう。
兄には、兄にできる範囲で精一杯かわいがってもらったはずだ。彼からの愛情を疑ったことはただの一度もない。
話しながら、自分自身でも、意味がわからないし、通じない。どれだけ過敏な人間だ。親を早くに亡くしても人を愛し愛されて幸せに過ごしている人たちに失礼だ。と、うっすら思った。
小さく、小さく、ため息を吐いた。
言葉を濁す意味はない。
そもそも求婚を受け入れたとしたら、いつかは話さなくてはいけないだろう。それなら、今話すべきだ。
そうしてユージィンは、3歳の頃に父の病気により母から「金目を生んでも役に立たない、役に立たないならせめて代わりにお前が死ね」と言われたことや、その後の記憶が微妙に曖昧なこと、だがその言葉により誰かを好きになる事は別の誰かを傷つけてしまう事だと思ってしまったこと、人を好きになった時のそこまでの想いが怖いこと、また、死にそうな急患を救おうと必死になる事の本当の理由、そして、救えなかった時の自身の精神状態など、出来ることならあまり人には話したくないような、ユージィンの内側にいつもある、隠しておきたい事を洗いざらい告白することとなった。
話しながら、自分は何て自分本位な人間なのか、と多少の落ち込みを覚えながら。
だから、続いて耳に入ってきた言葉には、ひどく安堵した。
「求婚は、取り消さない。
当然だろう。俺は、お前が、……お前の事を。
初めて会った時からずっと今まで、心底求め続けていると言うのに。
きっとこの先も、一生お前を求め続けて、想い続けて、焦燥感が募っていくばかりだ」
自身の心の卑しさを話しながら落ち込んでいたから、オスカーの言葉は、心底嬉しかった。
もうこれ以上無いだろうと思っていたのに、なんだか想像の遥か上をいく口説き文句を言われた気さえする。
本当にそこまで自分を想ってくれているのか。
なぜそこまで。
自分はオスカーに対して何かをしてあげたか。
好きという理屈がよくわからないので、何かをしてあげたことで好きが生まれると思い込んでいるユージィンには未だ理解が及ばないが、オスカーがユージィンを好きでいることについては今更疑う要素は何もないだろう。
考えが全くまとまらない自分自身に対し、落ち着け落ち着け、と言い聞かせていたけれど、それまで意識外に置いていたオスカーの気流を視たら、もうだめだった。
――凄い。
なんだ、これは。
言葉より、言葉も雄弁だが、それ以上に視える気の全てがユージィンを好きだと告げている。
心拍の打ち方、体温の上がり方、今まさに自分を抱く腕の力の動き方、自分がおでこをつけているオスカーの胸の動き、ユージィンを見つめる視線の向け方、オスカーの全てが、全てで、ユージィンに向かってきている。
視なきゃ良かった……!
ユージィンは、後悔した。
こんな、言葉よりも雄弁に想いを伝えてくるものを直接見せられて平静を保つことが難しい。
こんなに近くにくっついているのに、平静を保てない状態なんて、困る。
深呼吸、は、違う。深呼吸ひとつで落ち着きを取り戻せるならいくらでもするが、きっと無理だ。
冷水でも浴びてきたいぐらい、顔が熱い。
だめだ、何か言葉を返したいが、口を開いたら何を言い出すか自分でもわからない。
そう思って、目をぎゅうとつぶった。
なのに、そのタイミングで、オスカーが自分の顔を見ようとするから。
とっさに下を向いて、
「見ないでください。ちょっとまって……何でか、わからないのですが……顔が。熱くて。みっともない……。オスカーの全てが、こちらに向いているのが視えてしまって、こんなの……。恥ずかしい……」
そう、自分の気持を、ちゃんと伝えたのに。
それなのに、オスカーは、ユージィンの顔を掴んで、無理やり上に向けてしまった。
恥ずかしいから見ないで、と、ちゃんと、伝えたのに。
ひどい。
そう、抗議の声をあげようとしたら、密やかに謝罪の声が耳に届いた。
一瞬、無理やり顔を見たことに謝っているのかと思い、それとも他の意図が?と、疑問をはさもうとしたときには、もう、ユージィンの唇はオスカーのそれに塞がれていた。
ちゅ、ちゅ、という小さな音が耳に届き、意識がはっきりした。
もう驚きしか無い。
先程から、驚いていない瞬間なんてひとつもないぐらい、驚き通しだ。
その上、驚きを凌駕するほどの柔らかな舌使いにユージィン自身はしばし呼吸を忘れ、ようやく鼻から息を抜くことを思い出してみれば、それを合図のようにオスカーは更に深く唇を重ねてきた。
頭の中ではひどく混乱しているのに、身体は確実に快感を拾う。
耳の後ろをくすぐられながら、オスカーの厚めの舌で自身の舌を舐められ、絡め取られ、そして唇を食まれた。
たったそれだけの事で、身体が震える程感じてしまい思わず出てしまった嬌声に対し、反射のようにオスカーの胸元を押してしまった。
自分の精一杯で、目の前のオスカーをにらみつける。
自分は怒っているんだぞとアピールしているつもりだったので、まさかこの時オスカーが頭の中で「俺のユージィンは本当に可愛い」などと場違いなことを考えているとは知る由もなく。
知る由はなかったが。
こちらが恥ずかしいって言いました! と、大きな声を出してみれば、ユージィンが可愛いのが悪いとばかりに可愛いを連呼される。
待てぐらいできるだろう、馬にもできるのだから、なぜできないのか、ばか! と、思わず、普段は口に出さないような暴言を吐いてみれば、王族だから待てぐらいできる、お前が可愛いことをしなければな!と、またユージィンが可愛いのだと叫ばれる。
悔し紛れに、可愛く見えるのはオスカーの目がおかしい! と、叫んだ途端に、纏う空気が変わった。
今までのある種軽妙なやりとりとは全く違う、これは、今朝ほど体験したばかりの、深夜の、濃密な空気だ。
「おかしいから治療してくれ、気流師どの」
と、低く艶のある声で問いかけながらオスカーが近づいてくる。
だめだ。
この声に弱いと、今朝身をもって知ったばかりだ。
その上、オスカーの目にも弱い。
猛禽のような山吹色の瞳に、弱い。
逃げられない。
このまま、目の前の猛禽のような男に喰われてしまう。
思わず目をつぶったその時。
ノックする音とほぼ同時に扉が開き、かつての同僚であり今は第4王子の配偶者であるシェルフェストが笑いながら「朝食をもってきましたけど」と顔を出した。
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