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04.リーヴァイとルカの初夜 ※
しおりを挟む上目遣いのルカ様が自分におねだり!!??
リーヴァイは叫びだしそうだった。頭の中では自身の大きな声が響き渡っている。うおおおおおおおおおおお! と意味をなさない雄叫びは幸い外に出てくることはなく、普段から表情を動かさないことにも長けているリーヴァイは、静かな瞳で落ち着いてルカの後ろを歩いているようには見えるのだが。
手を引かれ、ルカの部屋へと入った。大きくてゴツゴツとしている自分の手とは全く違う、白くて細くて柔らかいルカの手。ルカの手が自分に触れているというだけで、リーヴァイの頭の中はどうにかなりそうだ。
今すぐ床に押し倒して名実ともに自身のものとなったはずのルカを好きにしたい。気持ち良いと思われることを全部、眼の前の男に自分の手で施したい。
そう思いながらも、リーヴァイは自身に言い聞かせる。
思い出せ、騎士としての本分を。忠誠、公正、礼節、奉仕、全ての徳を思い出し、自分を抑えろ。
騎士としての本分を無理矢理思い出したせいか、それとも本能が出てくるより先にベッドに着いたせいか、とりあえずリーヴァイはルカを床に押し倒すという暴挙を犯さずに済んだ。
指を絡めたまま、ルカは大きなベッドへと乗り上げる。そして振り返ってリーヴァイを見た。今日初めて使うルカ用のベッドだ。
リーヴァイの部屋にも同じ大きさのものが設置されていて、こんなに大きなベッド、政略結婚の自分達が共に寝るわけでもないのに必要ないだろう、なんて少し擦れた気持ちで見ていたのに当日に使うことになるとは思いもしなかった。
「リーヴァイ……えと、僕はどうすれば良いだろう? 恥ずかしいのだが、こういうことは……初めてで、よくわからないんだ……」
「了解しました、ルカ様。全て私にお任せください!」
「……リーヴァイ、僕と君は政略結婚をしたが、お互いを思い合っている、と確認したのだったよな?」
「はい、おっしゃる通りです、ルカ様」
「ちょっと、……他人行儀じゃないだろうか……? 話し方とか、呼び方とか、もう少し……こう……こう……」
「……呼び方……ルカ?」
敬称をつけずに名を呼んだ瞬間、息を詰めて顔を赤くしたルカがリーヴァイを見つめる。
「……んんっ、……なんだ? リーヴァイ」
小さく咳払いをしながら返すその言葉には、見ているこちらが恥ずかしくなるほどに照れが含まれ、そのかわいい様子にリーヴァイの鼓動は高鳴りっぱなしだ。
おかしい。いや、おかしくはない。だが、やっぱりおかしい。だってこんなにかわいいなんて予想もしていなかった。
リーヴァイの中のルカは、何よりも美しく、気高く、余計な事は喋らず、あまり感情も大きく外には出さず、粛々と仕事をこなす高嶺の花のような存在だったというのに。こんなにリーヴァイの庇護欲をくすぐる存在だったとは嬉しすぎる誤算で、頭の中がどうにかなりそうだが……今は、どうにかなってる場合ではない。
「ルカさ……、ルカ、……急に話し方を崩すのは難しいかもしれません。徐々に、でもよろしいですか」
「ん、……最初は呼び方だけで我慢する」
「はい、そうしてください」
こくん、と少し幼い仕草で頷き、長いまつ毛の向こうからじっとリーヴァイを見つめる紫色の瞳。本当は、あなたは美しくてかわいいなんて奇跡みたいな存在だ、なんて、褒め言葉を口にしながら押し倒したかったのだけど、あいにくリーヴァイはそこまで口のうまい人間ではないため、そのまま、何も言わずに目の前の奇跡に手を伸ばした。
ルカも何も言わずにその手を受け入れる。
ぎゅうと胸に抱き込んで、その身体の小ささを知る。小さいというより、華奢だ。鍛えに鍛えて元々大きい身体を更に大きくした自分の身体に比べて、本当に華奢だ。肩の薄さでこれなのだから、腰や尻はどうなっているのだろう。
リーヴァイは興味本位で、背骨を辿って背中を撫でて、腰に手を這わせる。腰も細い。両手が回りそうだ、というのは大袈裟だが、それでも思わず確かめるように何度も両手で撫でてその細さを確かめてしまう。
その下の尻の丸みに沿って両手を下ろした時に、は、と気づく。
——今、自分は一体何を触っている?
恐る恐る視線を下ろすと、背中や腰、尻を撫でられた刺激によって少し興奮しているらしいルカが、自分の腕の中で涙目になっているのが見えた。
涙目のままで「あの、これ」と、手に持っていた木製のディルドを渡してくる。
そうだ、これを使って差し上げると話したのだった。しかし、手に持ってみると思った以上にずいぶん太くて長いディルドだ。リーヴァイのモノ程ではないが、この太くて長いモノを入れるとなると、相当慣れていないと難しいように思うが……。
リーヴァイは木製巨大ディルドを受け取りながら言う。
「ルカさ、……ルカ、このディルドは少し大きいように思うが……あなたの身体は……これを受け入れるには少々……無理があるように思います。この、小さな尻に……」
ディルドを受け取り、再び尻を撫でながら言う。やっぱりこんな、リーヴァイの片手でむぎゅっと掴めそうな両方の尻の小ささ、ここに、この、自分のモノ程ではないとはいえ太くて長いこれを入れるなんて……。
「いや、無理なことは何もない」
「いえ、無理しかないように思うのですが……もう少し細いものから始められては」
「大丈夫だ。もう、その木製ディルドがバレている以上隠しても仕方がないので他人に……いや、結婚したのだから他人ではないな、……僕と結婚した君には初めて言うが……僕の趣味は、大きなディルドを使って、自分でお尻を弄ることだ。今までも散々出し入れしてきた僕が言うのだから間違いない。その木製ディルドを入れたところで問題は、何もない」
「は……」
美しくて、かわいくて、その上で自分で極太ディルドを使って遊ぶのが好きな大変ドエロいルカ様が目の前に実在している?
「はい、承知しました……」
リーヴァイは、他に言葉を知らない。これ以外何を言えばいいのかわからない。
了、と返事をし「ご自分でなさるときは、前と後ろ、どちらから?」と聞く。ルカはしばし考える素振りを見せながら「ええと……後ろから……頼む……」そういって、リーヴァイにお尻を向ける。膝丈の服の下に下穿きを穿いているのかと思いながら目をやると、かなり際どいところまで見えているにも関わらず真っ白な太ももに続く尻の丸みまでが目に入った。何も穿いていないようだ。
しかも、尻の間にはぬらぬらとランプの光を反射する液体が溢れているのまで見える。
「ルカ、……ここに、何か塗りました?」
「……香油を……。まさか君が訪ねてくると思わなくて、濡らしてディルドを入れるつもりだったから……割と、たっぷり入れたと思う……これから広げるつもりでいたから……さすがにそのまま入れられるとちょっと……あの、自分で広げるから少し後ろを向いていてもらっても構わないだろうか……?」
構うだろうが! 叫びたい気持ちを堪えながら、リーヴァイは「いえ、後ろは向きません。できれば私にやらせてください」そう言ってルカの尻の間に手を伸ばす。
「え、そんなこと、やってくれるのか……君は……」
「やりますよ、そりゃ。私を何だと思ってるんですか」
「何って……何って、君は、僕の、好きな人……」
ルカが全てを言い終える前に尻の間に指を這わせたまま、リーヴァイはその背中に乗り上げた。空いた手でルカの顎を掴んで後ろを向かせ、貪るように口付ける。無理だ。こんなの、お行儀よく広げるだけ、気持ちよくさせるだけ、そんなの無理だ。このかわいい人を頭から食べてしまいたい。どんな味がするのか、余すところなく味わいたい。
ルカはびくりと震えたが、抵抗はせずにその小さな口を開いてリーヴァイの肉厚な舌を受け入れた。口の中全てを舐めるようにしながら動かすリーヴァイの舌を、どうしていいのかわからない、といったようにちろちろと刺激するように舐めてくる様がかわいい。口蓋から歯列をなぞり、小さな舌を唾液ごと吸い上げるようにする。刺激に驚いたのか、ルカが喉の奥をんんっと鳴らして離れた。
「リーヴァイ、……あの、この行為、口づけは、必要なことだろうか……?」
頬を赤らめ肩越しにリーヴァイを見つめ、呆けたような表情でルカが問う。
「……当たり前じゃないですか。だって、あなたは私の事が好きなんでしょう。そして、私もあなたが好きなんだから、口づけなくてどうするんですか」
「……そういう、ものか……?」
へにゃ、と目尻に皺を寄せるようにして「初めてだから、何も知らないんだ」と照れたように笑うルカの様子に、リーヴァイは「うわああああああああ」と叫びそうになった。叫ばなかったのは騎士としての本分を思い出したからではなく、あやうくルカのかわいい様子に射精しそうになってしまい、ぐっと堪えたタイミングが重なっただけだ。
このままではまずい、と、リーヴァイは既に香油で濡れている後孔へと指を潜り込ませる。思ったよりも簡単に中指が沈む。正直、春を売ってくれるような店でばかりそのような事をしてきたので、他人に前戯を施すのは初めてだからどうしていいのかもよくわからない。
が、ともかく、中のひだに沿ってゆっくりと指を動かした。指の腹で押すようにしたり、回して中を探ったりしているうちに、腹側のある一点をゆっくり押すとルカが泣いているような声を出すことに気づいた。本当に泣いているのではなく、堪らず出てしまう嬌声であろうそれはリーヴァイの耳に酷く心地よく響く。
その声を何度でも聞きたくて、リーヴァイはその場所を刺激しながら指を増やす。慎ましく、狭く感じるルカの後孔は柔軟に広がり、リーヴァイの太い指三本を難なく受け入れている。
三本の指を使い、ルカが反応する場所を優しく柔らかく、ぐい、と揉みつぶすように押してみた。
「ひ、あ、ああぁっ……!」
耳に心地よい声を出しながら、ルカは腰を小刻みに震わせる。自分では動かしているつもりはないのかもしれないが、まるで射精しているようなその動きにリーヴァイは堪らずルカの陰茎がどれだけ濡れているのかを見たくなった。
後ろから頼む、と言われているので前を見ることができないのが惜しい。どうしても見たい。涙を流すルカの陰茎が見たい。リーヴァイは、ルカの腸壁の凝っているあたりをとんとんと押しながら聞いた。
「ルカ……お願いがあります」
「ん、んん、っな、なに、ぅあっ……!」
「仰向けに……なってほしい……」
「え、や、やだっ……! む、り、っ……!」
「どうして、顔が見たい、それからあなたの背中と尻ではなく……いや、背中と尻も最高ですが、胸と腹と股間も見たい。全部見たい」
「ぜ、っんんっ……! ぶ、って、や、やだ、んぁ、あああ、きもちいい、それ以上おされたら、っ……!」
刺激する指を止める。
「やだっどうして、どうしてとめるの、やだ、リーヴァイ、……!」
「お願い、どうしても、見たい。お願いします」
リーヴァイは、どうしてもどうしても見たいという子供のような要求を通すべく、何度もお願いし続けた。
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