pandemic〜細菌感染〜

HARU

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第1章

第1話

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 第一話  始動

 西暦二一二九年九月一三日 東京都庁元本庁舎

 息を殺し柱の壁に背中をつけてゆっくり座り込む。細心の注意を払い、抱えたアサルトライフルを落とさぬよう額の汗を拭う。腕につけた時計を見ると時刻は正午を過ぎたところだった。援軍の到着まではあと半刻ほどもある。全く、こんな幼気な十五の少女にこんな危険な任務をやらせるなんて、うちの上層部はどうかしている。元東京都庁庁舎の奪還先行作戦なんて、複数人ならともかく、なんで私一人なんだ。能力者だからといって過剰に評価しすぎだろう。私の能力は戦いには向かないのに。
 口には出さず頭の中で愚痴を言う。無音の状態が永遠にも思えてくる。もう一度時計を見るが、ほんの数分しか経っていなかった。この部屋の探索はまだ終わっていないが、害虫もいなさそうなので移動をしようとしたその時、ジュルジュルと気色の悪い音が聞こえた。この建物には私以外の人間はいないはず。人間だったとしてこんな音は立てないだろう。となると、やはり害虫しかいない。害虫との戦闘は基本、初手で生き残る確率が決まる。一撃で脳を撃ち抜ければ数分の間害虫は動けなくなり対処が格段に楽になる。しかし、撃ち損じると害虫は暴れ狂い手がつけられなくなる。
 手元にあるのは三十二口径のスコープ・サイレンサー無しの日本軍が作った独自のアサルトライフル。連射速度は毎分六百発と少ないが、その分反動が少ない。どうする…やるか?
 意を決して身を隠していた机から身を乗り出し銃を構える。私の位置はちょうど部屋の真ん中あたり。前方半分に害虫の姿無し。背後か!振り向くと害虫のものと思われる触手のようなものが目の前に迫っていた。とっさに構えていた銃で対衝撃態勢を取るが、勢いに負けて窓際の壁まで弾き飛ばされる。まずい!このままじゃ激突する。仕方ない!私は背中に意識を集中させる。すると壁との衝突の刹那、背中に強力な磁場が発生し、壁内部の鉄骨と反発し合い、直撃を免れた。これが私の能力「マグネット〈磁力操作〉」である。指定した二点の磁力を操作し、引き寄せ合ったり反発させたりできる。まぁ、使い道としては今のように緊急回避くらいしかないのだが。今度は、床と足の裏の磁力を操りゆっくりと着地する。さっきまで私がいた場所を見ると、そこにはぐちゃぐちゃと音を立てて蠢く気色の悪い害虫がいた。
「うわぁ…」
思わず声が出てしまうほどの容姿をしたソレはあまり見ていて良い気分ではなかった。薄暗く、沢山の机が密集した中で蠢くそれは私を探しているようだった。
「こんな所に害虫が、情報は正しかったみたいね。触手が六本、体長は私と同じくらいか。ステージは1かしら。どっちにしろ、厄介な気がするわ。」 
害虫は自分が私のことを吹き飛ばしたのに、行き先がわからずに探している。もしかして馬鹿なのかな。
 しかし、これはチャンスかもしれない。奴が私を探している間に頭を撃ち抜けば私の勝利だ。そう思い、害虫の頭部を探し始める。そこで気づく。頭部はどこだ?よく見ればこの害虫、全身が湿っていてまるでスライムみたいな形状をしている。これじゃあ頭部どころか他の部位も分からない。どうしよう。もしむやみに撃って暴れられでもしたらきっと一人では対処できない。そもそも害虫は五人で一匹を相手にするのがセオリーなのになんで私は一人で戦おうとしているのだろうか。でも、一人で倒した際の評価は高いな…。リスクは高いが引き替えに見返りも大きい・・・。やるか。
 心の中で決心をし、銃を構える。距離はおよそ十五メートルか。この距離ならスコープ無しでも当たるだろう。目視で狙いを定め、ゆっくりと引き金に手をかける。その瞬間、害虫の触手が勢いよく襲いかかってきた。
「うわぁぁぁぁ!」
思わず驚き銃を乱射してしまう。狙いを定めず撃った弾は当たるはずもなく、ただ空を貫いていった。触手を間一髪で躱し、臨戦態勢をとる。私の能力は磁力を発生させるため銃と併用はできない。全く、相性が悪い。連続で繰り出される触手を躱し机の影に隠れる。思った以上にあの触手、厄介すぎる。全部が同時に不規則に動くなんて、二本ならまだしも六本は躱すのがやっとだ。それに、頭部が判らないのも非常にウザイ。どこを狙えばいいんだ。先ほどの乱射がスライム状の身体にどれだけ効いたのかはわからない。痛覚を伝える器官は有るのだろうか。無いなら無いで厄介だし、有ったらそれでもっと厄介になる。
 リロードを終え、銃を再び構える。動く気配はない。緊張で肩が強張り呼吸が落ち着かない。膝も震えだした。汗が頬を伝う。全く、害虫一匹に情けないな、と思い額に溜まった汗を拭おうとしたその瞬間、しまった!腕で視界が無くなった一瞬に脚を触手に掴み取られた。体勢が逆さまになると同時に銃を落としてしまう。これは非常にマズイ。あの触手にはなんらかの知覚器官が備わっていたのだろう。さっきの沈黙は触手を私の所まで動かしていたのか。緊急用の小型ナイフで絡みついた触手を切ろうとするが、スライム状の表皮はすぐに癒着してしまう。
「くそっくそっくそっ!切れない!」
何度も何度もナイフで切りつけるが、直ぐに元どおりに治ってしまう。くそ!私はここで死ぬのか?この得体の知れない害虫の手で。なら、いっそのこと!
 まだ自由になっている右手で、腰についているグレネードを掴む。害虫に殺されるくらいなら、ここでこいつもろとも死んでやる!グレネードを顔の前まで持って行き、そのまま口でピンを咥え、引き抜こうとしたその時、大きな音を立てて窓が割れ、勢いよく人影が飛び込んできた。人影は勢いのまま、乱雑に放置された椅子や机に衝突し、書類やら何やらをまき散らした。その音に反応して害虫は触手から私を離した。私は能力を使ってゆっくりと着地する。
「いったぁ、いやぁ、流石に凄い衝撃だった。アザになっちゃうかなぁ、これ。」
書類と土埃の中から聞こえてきたその声はとても聞き覚えのある声だった。土埃が晴れ、声の持ち主が姿を現わす。声に聞き違いはなかった。そこには我が日本軍能力部隊大佐にして、日本軍最強能力者「万物支配〈ワールドコントロール〉」の「神代由依奈」が立っていた。
「か、神代大佐!どうしてここに居るのですか!?」
確か神代大佐は新東京都本部に居たはず。ここからそう離れては居ないが、道中には害虫も生息しているはず。どうやって来たのだろう。私の質問に大佐は、一度考えるように首を傾げてから言った。
「だって、私の可愛い部下が一人で偵察しているって聞いたら、来ないわけには行かないで
しょ?」
予想外の返しだった。日本軍幹部の一人が私みたいなヒラ隊員のために来てくれるなんて、思いもしなかった。
「怪我は・・・してないみたいね。良かったぁ。一人で大変だったでしょ?もう平気よ。後は任せて。」
そう言って神代大佐は前に出る。まさか、ここで神代大佐の戦闘が見られるのか。害虫との戦闘の最中だったが強く興奮した。あんなに憧れた大佐の戦闘をこんなに間近で見ることができるなんて、私はなんて運がいいのだろう。神代大佐はおもむろに掌を開き、害虫に向かって突き出した。緊張が走る。生唾を飲み込み、目を凝らす。神代大佐が一つ深呼吸をした。
 一瞬だった。神代大佐の動きの一つ一つに見惚れていて見逃してしまった。グチャ、という音が聞こえた時にはすでに、害虫は血だまりの上に置かれた不味そうな肉団子となっていた。害虫の抵抗も、返り血で汚れることもなく、ただそこに立つ姿はさながら戦場に咲く一輪の花のようだった。
一時間後・・・
「花音!良かったぁ!怪我とかしてない?怖くなかった?大丈夫だった?」
そう言って無駄にデカい胸を私の顔に押し付け抱きついてくるこの女は、私の同期の「藤原恵美」だ。こいつは訓練兵時代の頃から何かと私に世話を焼いてくる。中々に鬱陶しいのだけど友人のいない私とっては結構助けになっているわけなのだが。窒息しそうなほどの抱擁を引き剥がそうとするが全く離れようとしてくれない。すると、恵美は何かに気がついたのか私を抱きしめる手を緩めた。
「か、神代大佐!?ど、どうしてここに!?あ、いやお疲れ様です!」
慌てた恵美は勢いよく敬礼をする。今更気づいたのかこの女は。私の隣に大佐が立っていることに。長いこと一緒にいるがついに確信した。こいつバカだ。そう心の中で思っていると横から、ふふっ、と笑い声が聞こえた。
「そんなに畏まらなくてもいいわよ。大佐なんて肩書きだけなんだから。」
そう言って大佐は私と恵美の頭を撫でる。その手はとても温かかった。
「ところで、大佐はどうしてここにおられるのですか?」
と恵美が尋ねる。そうだ!私が聞きたいのはそれだった。さっきは変な理由ではぐらかされてしまったが、今度こそはちゃんと聞かなくちゃ。そう思い、大佐の方を見る。すると大佐はわざとらしく顎に手を当て考える仕草をする。
「まぁ、隠すようなことでもないし、いいかな。でも、まぁ、一応…。」
少し逡巡したと思うと、大佐はこちらに向き直り少し真剣な表情を浮かべた。
「とりあえず、貴方達の所属と名前を聞いてもいいかな?情報を話すときは聞いておかないと後々面倒だからね。」
そう言われてハッと気づく。どうして私たちは今まで名乗らなかったのだろう。上官に対して正さなくてはいけない礼儀の一つなのに。
 私と恵美は急いで部隊章を取り出し首に下げ敬礼をする。
「第8期訓練兵卒業。偵察部隊、第六班所属、鮫島花音、一等兵です!」
「同じく、第8期訓練兵卒業。後方支援部隊、補給3班所属、藤原恵美、二等兵です!」
それぞれ所属と名前、階級を伝えると大佐はうんうんと頷いた。
「鮫島さんに藤原さんね。わかりました。では、私があの場所にいた理由を教えます。」
私はゴクリと唾を飲みこむ。いったいどんな理由なのだろう。
「私は研究部からの要求で、あの庁舎に居るであろう害虫の調査をする予定だったの。それで、いざ行ってみると鮫島さんが害虫と対峙しているんだもの、驚いちゃった。」
そう言ってあどけなく笑う大佐の顔はとても可愛らしかった。…いやいや、そうじゃない。研究部からの依頼ということは、あの庁舎にはステージ3以上の害虫がいたという事なのだろうか。だとしたら、私の仕事はとても危険なものだったのではないだろうか。
 ステージは害虫の感染深度と危険度を表す指数で、1~5まである。害虫のそのほとんどはステージ1か2なのだが、感染深度が限界を超えると形状がさらにおかしくなり、ほとんど化け物と言っていいほどになってくる。
「それで採取したサンプルがコレ。今は保存容器に入ってるから見えないけど、きっと研究部も喜ぶと思うわ。でも、あそこにステージ3がいなかったのは誤算だったわね。居たら研究もそれなりに進んだのでしょうけど、仕方がないか。」
そう言って大佐は肩をすくめる。確かに、脱出の時に掃討した害虫の中にステージ3はいなかった。それにしても、あんなに簡単に害虫を駆除できる大佐はやはりとんでもない人だ。流石は日本軍最強の能力者。私もあんな風になれるかな。いや、私の能力じゃ無理だな。戦いに向いていない。
「でも大佐?それなら大佐ではなく採取班が向かうはずでは?あ、大佐でなら確実なのは承知ですが、何も大佐がやるような仕事ではないと思うのですが…。」
ふと思った疑問を投げかける。
「あー、それはね。ちょうど研究部に用があってその時頼まれたの。暇だったから引き受けたんだ。」
暇だからって、それで受けられるような仕事では無いと思うけど…。大佐だから言えることなんだろうな。改めて大佐の規格外の強さに感心する。きっとこういう人がこれからの軍を引っ張っていくんだろうな。
「じゃあ、私がここにいる理由は話したからもう行くね。早く持って行かなきゃ、今日中に届けるって言っちゃったからね。」
そう言って大佐は、私たちがコレから乗るはずのヘリから離れていった。
「大佐?帰るならヘリに乗った方が早いのでは?」
大佐が振り返りこちらを見る。
「んーん、私、走った方が早いから。」
そう言うと大佐はクラウチングスタートの姿勢を取った。そして深呼吸をし、一拍置いた次の瞬間、鼓膜を破りそうなほどの爆音と、身体が飛びそうなほどの衝撃波を生み出し、大佐はいなくなっていた。
「…何でもありじゃん。」
そう呟いた声は誰の耳にも届かなかっただろう。

「こんにちは!」
「お疲れ様です!」
「大佐、お疲れ様です!」
廊下を道行く部下たちからの挨拶に一つ一つ返しながら歩く。しばらく行ったところで突き当たりに差し掛かり、そこを左に曲がる。さらに奥に行くと、人気がなくなってきた。それでももっと奥に進むと、今までのドアとはまるで違う、一際大きく、重厚そうな扉が出てきた。その扉の脇にあるカード挿入口にIDカードを入れる。
「さて、今日のセキリュティは何かな~。」
ピピッ、と言う電子音の後に挿入口の上にある液晶画面に数字パネルが浮かび上がった。なるほど、今日はパスワードか。数字を打ち込み終えると、またピピッ、と言う電子音の後に扉がプシューッと言う音を立てて開いた。扉の先は暗く、液晶パネルが放つ青白い光が照らすだけだった。しかし、目を凝らすと、そこには人影が2つあることがわかる。
「失礼します。軍事機関、陸軍能力部隊所属、神代由依奈参りました。」
人影に向かい敬礼をする。
「おお!来たか、神代大佐。此度の任務、ご苦労であったな。」
「しかし、君がやるほどの事だったのかね?」
この2人は日本軍の現在のトップ、右にいるのが軍事部の総督、岩谷尚之で、左にいるのが参謀本部参謀長、市ヶ谷繁信だ。総督の方は前任の加賀谷総督と違って、能力者ではないが、その類稀なる采配能力で、この四年の間に様々な軍事活動の成功を収めてきた。市ヶ谷参謀長は、適材適所の見極めが鋭くどの部隊をどこに配置し、いつ行動させるかを的確に判断することができ、作戦時においての死傷者の数を激減させることに成功している。どちらも軍には無くてはならない存在で、現在の日本軍の脳みそとなっている。
「まぁまぁ、参謀長。そう言わないでくださいよ。採取班に任せるよりは、私の方が確実でしょう?」
「ふっ、それもそうか。」
そう言って参謀長は微笑した。
「ところで大佐、例のものはあったのかね?」
総督が話を変える。
「あー、それが、運が良かったのか悪かったのか分からないのですが、潜入した先に偵察部隊の子がいまして、捜索することが出来ませんでした。申し訳ありません。」
「なんと、それはあまり芳しくはないな。気づかれてはいないのか?」
総督と参謀長が少し怖い目で見てくる。
「問題ありません。情報は漏れてはいませんし、その者の名前も把握しております。」
「それなら良かった。しかし、例の資料が手に入らなかったのは痛いな。」
そう言うと総督は手に持っていた葉巻をぐしゃぐしゃと灰皿に押し付ける。
「資料についてはまた後日改めて捜索に向かいます。では、報告は以上ですので、私はこれで失礼します。」
そう言って私は部屋を後にする。
「まさか、成人もしない子供たちにこの世界の命運を託すことになろうとはな。」
「全くだ。我々のような年寄りでは上からもの言うことしかできないとは、実にもどかしい。反吐がでる。」
「あの日以来、世界はこんなにも変わってしまった。いつか、また、世界中の人々が共に笑い合える日が来るのだろうか。」
「その為に、今、戦っているのだろう。我々が立ち止まっていては、若い衆に示しがつかんではないか。お前はいつものように踏ん反り返っていれば良いのだよ。」
大佐がいなくなった部屋では、この世界の行く末を見つめる者たちの声が響いていた。

 鋼鉄が内蔵された靴の音が廊下に響く。誰も通らない廊下を歩くその者の目には、確かな闘志の炎が宿っていた。
「害虫は私が全部駆除してやる。」
 
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