クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第223話:決闘!

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決闘――当日になっちゃった...
決闘の見届け人として皇帝や野次馬とか多数が見に来ていて逃げようにも逃げられない状態だ!!

ヨルミネイトや近衛騎士達からは「貴婦人の名誉の為に命を賭けるのは高貴なる者の定め!頑張って下さい、卿!」と興奮気味に励まされたが・・・くそ、アイツらっꐦ 人ごとだと思って好き勝手言いやがってꐦ

いや・・・まあ・・・実際、他の奴らからしたら人ごとなんだけど・・・くそ!死んでたまるかぁ!!

幸い決闘までに少し時間があったので小細工は用意した...(※なんとか決闘しなくても良いように奔走したがダメだった!)

仕方がない・・・こうなってしまった以上、ヤルしかないのだ!

自身そう言い聞かせ海岸で採った砂が入った小袋と万が一の時の為に用意していた銃身短めのリボルバー拳銃を手に取る...

異世界の技術者達が持ってきた中折れ式リボルバーは残念ながら黒色火薬の時点では問題なかったが装薬を多くした強装弾や将来的に無煙火薬を使うので有れば・・・何百発か撃つとフレーム部分が火薬の高温高圧の燃焼ガスに耐えられず焼け切れ切断されるガス・カッティングが起こり使い物にならなくなると判断されたので...

フレーム材質の強度を確保する為に回転弾倉を横へスイングして給弾する方式をした上でハンマーをコッキングすると回転式弾倉ごと前進して銃身と弾倉を接着させカートリッジ先端が銃身後端に挿入されている状態で激発させる仕組みとし...

使用する弾丸も22LRの小口径弾にして初速を稼ぎつつ弾頭も前述の仕様に対応する為に薬莢内に潜り込ませた珍しいカートリッジへと変更し・・・ライフリングも燃焼ガスの漏れを出来る限り防ぐ為に出来る限り浅くした。

代わりに複雑で高価な拳銃になってしまったが・・・この銃を大量生産し配備する訳でもないので問題ない...

銅にアンチモンを添加して硬度を高めた対フルプレート用の弾丸と軟目標に着弾すると笠が開くようにした対人用ホローポイント弾を交互に装填する...
これで相手が火縄やマスケットのような丸粒状の弾丸に対して抗弾性を示す甲冑を着込んでいても至近弾であれば弾丸が弾《はじ》かれることなく貫通するだろう...

もっとも・・・火薬を使った銃がメジャーではないので抗弾性を考慮した甲冑など皆無だが・・・念の為だ...
秘匿しやすいように出来る限り銃身の短いリボルバーを隠し持つと決闘へと臨む...

***

決闘の場は――なんか賭け事で盛り上がっていたꐦ
俺が命を賭けていると言うのに何事だ!この人でなしの薄情者どもがぁっꐦ

対するドル卿は万が一にも俺が彼を殺してしまわないようにと木剣で挑もうと言うのに奴と来たら真剣を持ち込んできやがったꐦ 殺す気、満々やんけぇぇえ"え"え"ꐦ

クソ! やってやるꐦ やってやるぞꐦ
どんな卑怯な事をしても生きて、この場を離れるのだ!!

そう決意を固めるアユム・・・一方でドル卿は...

***

「フッ!(冷笑)卑劣極まりない貴様が卑怯な手を講じてくるなんぞ!コチラお見通しだ!!例え貴様が――どのような姑息な手段を講じてこようとも正々堂々と正面から粉砕してやろうぞ!!」

と貴族らしい堂々とした決意を新たにしている!!・・・これでは一体どっちが主人公か分からない!!

やがて審判員が腕を振り下ろし決闘が始まる!
開始と同時に一気にドル卿との距離を詰め斬りつけようとする予備動作をとったアユムだったが...

当然――武に覚えがあるドル卿の目には、その動作は筒抜けである!!
刹那――勝負あったとドル卿は余裕の笑みで身を翻《ひるがえ》す!
同じく戦いを目で追えていた面々も、そう考えたが...



――アユムの切りつけよう試みた動作はフェイントであった!!

彼は斬りつける予備動作を行うと見せかけて腰に下げていた小袋の砂をドル卿の顔面目がけ、ばら蒔くと...

それでも戦おうとしたドル卿の真剣を木剣で叩き落とし反撃を許さないようにボコボコにした!!

決闘の審判員も慌てて止めに入るが既に止めに入った時点でドル卿は青アザだらけ!

「おのれ!!この卑怯者ー!!」

アユムの卑怯極まりない戦いぶりにドル卿の騎士達も憤慨し腰の真剣を抜いてアユムに襲いかかったが...

――Boom!! Boom!!

と言う褐色火薬の破裂音と共に甲冑を着込んでいたハズの騎士達が糸が切れた人形のように地に伏す!
当然――アユムの構えたリボルバー拳銃の銃口からは白煙が吹き出ている!!

これには審判員も「ちょ、ちょ?!何にやってんですかー!!名誉伯!」と大焦りしている!

自身の臣下であるフルプレートを着込んだ騎士達が訳の分からない武器で一掃された事で目を見開いたドル卿も(コイツはヤバい!)と思ったようで...

「わ、分かった!・・・分かったからどうか矛を収めてくれ・・・ぐぬぬ・・・ワシも上級貴族の一員・・・皇帝陛下の御前での決闘であるからには負けを認めよう...」と願い出た...

ドル卿側の人間は「きょ、卿?!!」とドル卿の部下を護る判断と潔い決断に驚いている!

アユムの人間は――

「うぉぉおおおーーー!!!卿が勝ったぞぉー!!!」と大興奮の様子で大盛り上がりしている!!

応援に来ていたヨルミネイトも駆け寄って来て「卑怯な方法での勝利だったので素直には褒められませんが彼の鼻を明かしてくれたのにはスカッとしましたよ!卿!!」と興奮気味に褒めてくれた!

ロナフェミア第二皇女も大変ご機嫌なご様子で「当然の勝利です!負けたら承知しませんでした」と得意気に胸を張りながら御満悦である!

こうしてアユムは卑怯ながらも決闘に勝利したのであった...
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