クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第214話:憧れの街とマンモス!

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小貴族連合を武力で痛めつけて以来――多くの人々がアユムの力を認識し利用するようになった。それは痛めつけられた張本人である小貴族達も例外ではない...

元の世界の内燃機関を参考に異世界の秀才達が――この世界の技術を用いて再現した魔石駆動式ゴーレムエンジンのバキュームトラックが少量ながら生産できるようになったからだ...

ケルダンから――このバキュームトラック派遣される度に小貴族達は粘土などで穴埋めした木製の大きな桶に取り置いておいた屎尿を売り、その金でケルダン製の質の高い動植物由来の有機質肥料系の窒化肥料を輸入し...

収穫物などの農業生産性が高まった事で彼らは私財をより貯め込めるようになった!

勿論これはアユムに敵対するより彼に協力した方が彼らも安全だと言う打算もあったのは言うまでもないが――何より彼らが喜んだのが農民の屎尿とクソの役にも立たないと思っていた雑草が金に代わると言う――まさに錬金術と言える仕組みだ!

しかもケルダンで処理され有機肥料へと生まれ変わった自分達の屎尿は脱塩処理や高温発酵など課程を経て寄生虫の卵の除去処理がなされていて同じくケルダン製の虫下しなど併用する事で領民達は以前よりも健康になり、より長時間働かせても問題なくなった!

どんなに生産性が上がっても税率は据え置き!税率を引き下げる予定は今後もない!!!生産性が上がった利益は全部――自分のモノ!!

農民如きに利益を還元するなど有り得ない!・・・と言え!自分の領から逃げようなんて許しませーーーん!!
さて!今日は――どの娘を召し上げようかな~♪

と言うのが多くの貴族の本音!
そんな領主に仕える農民達は今日も額に汗水し働きながら愚痴をこぼす...

「はあ・・・ケルダンは良いよな・・・人頭税だけじゃなく財産税も低いだろう?」

「やめろよ・・・考えるだけ虚しくなる...」

「せめてウチの領主様もケルダン伯のように領の魔物狩りをしてくれればなぁ...」

他の貴族が、あまりに酷すぎるお陰で他領民からアユムが聖人君子のように扱われているのは言うまでもない...

伝え聞いた話によれば――なんとケルダンでは浄水施設があって、そこら辺の村や都市より安価に綺麗な水が入手可能だと言うのだ

しかも飲める綺麗な水ですら高級品である他の都市では考えられない事だが安定して水を確保出来る上に――ケルダンでは燃える水から作られる燃料精製所なる施設があり、わざわざ木を切り出して適度に乾燥して焼べる必要もないとの事で...

その豊富な水と燃料を生かして貴族の道楽でしか聞いた事のない公衆浴場なる衛生施設を安価に利用できるという!(何回かしかサウナに入る習慣しかないので当然――ユガン中から浪費であると【燃料と水資源の面で・・・】非難されている!)

まさに夢のような生活だ...
農民達は、そう羨みながらも結局――自分達には関係のない話だと諦め仕事に戻るのであった

***

一方――そのケルダンでは...

ケルダン領の弓騎兵部隊が矢を射ってユガン・マンモスを引き連れバリスタ部隊の射程まで誘導すると砲兵士官のルルティエの指揮で攻城矢が斉射されマンモス達の断末魔と共に――その巨体は地鳴り共に地に伏す...

回収部隊がクレーン車で巨体を吊り上げる傍らでアユムは『移動目標に対し100発100中とは素晴らしい!よくやったぞ!ルルティエ君!』とルルティエの手腕を賞賛すると...

するとルルティエは「は、はい!名誉伯!私コレからも頑張ります!」と緊張した様子で答える

「皆も──こうした地道な脅威の除去が人々の往来の安全に繋がると言う事を頭の片隅に留めておいて欲しい!!!」と演説し指揮車輌へと再び戻っていた!

なお戻る際にホーンラビットと死闘を繰り広げボコボコにされながらも辛勝して(やりきった)と言う顔をしていたが彼の部下達は、当然――いや?子どもでも勝てるホーンラビットに勝てるのは当たり前だよ?むしろ苦戦する方がおかしいよ!

と思っていたのは言うまでもない・・・可哀想な奴である。

着実に努力して以前、勝てずに逃げる他なかった相手に頑張って勝ったが誰にも褒めて貰えない・・・そんなアユムが更に驚かせたのが...

***

街でマンモスを皮と肉と象牙に加工し終えると同時に宮廷から使者が寄こされた!

何事か?!何か悪い事でもしたか?!と思っていると・・・使者から手紙を渡され手紙を読んで見るとロナフェミア第二皇女からの手紙で...

『滅多に採れないマンモス肉を手に入れたと聞いたわ!サナイ!』と金銭的価値のある象牙及び大腿骨と脊椎骨を結ぶ大腰筋(つまり希少な食肉部位である赤身肉)ヒレ肉を寄こしなさい!献上して!と言う内容であった。

臣下が命懸けで採ってきたモノを『寄こせ!』と言うのも――なかなかの横暴だが相手は皇族だし・・・なにより渡さずに、また鞭打ちでもされたら堪《たま》らないので二つ返事で献上する事にした!

あと追記に梨島の天恵スキルと徹底的に工場で湿度と温度を管理するやり方でロナ様の大好物であったルクルサ高級メロンを温室で生産する事が出来たので毎日、大量の高級メロンを宮廷に献上していたが初めは喜んでいたロナ様も――さすがに食べ飽きたらしく

『メロンは、もうꐦいいのっꐦ送って来ないでꐦ』『宮廷がメロンまみれよꐦいい加減にしてꐦサナイꐦ』

と書いてあった。(やれやれ ~( ̄▽ ̄ )~ 本当にワガママなんだから・・・)

アレを寄こせだの、コレは――もう、イラないだの本当に勝手だなぁ~とロナフェミアに呆れ果てるアユムなのでした...

ちなみに再びユガン・マンモスを狩って幹部達と一緒にマンモス肉に舌鼓を打ったようです!

感謝の気持ちにルルティエに持ち手が象牙で作られた片手剣を下賜しました!
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