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第203話:セネリオ王子
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エリク王太子とは正反対の端麗な顔立ちをした長髪の青年が本を読んでいる
青年は同性でも思わず見とれてしまう美形だが――その真紅の双眸と黒髪から人々からは気味悪がられ私生児である事から臣下からは『王がクォーターエルフに惑わされて生ませた売女の子...』『王宮に――ふさわしくない 落とし胤がっ...』だと陰口を叩かれている残酷な現実を青年は知っている。
彼の名はセネリオ王子・・・その出自と外見のせいで王室に名を連ねていないが――まだカール上王が少年だった頃、彼の初体験の相手であり最初に婚約したのは実はセネリオの母親である。
しかしクォーターエルフという出自もあり側室へと降格させられた母フェルヴィスと同様に本当はエリク王太子の兄に当たるセネリオの王位継承順位は腹違いの妹であるリズベット王女より低い3番目とされている。
そんな青年の元にエレンダ王室の所蔵する貴重な文献を読む為に同じく黒髪の青年が訪れた。
ブラウンの双眸の青年は王立図書館で彼に会うと無礼にも彼に『すいません・・・あの・・・エレンダ王室の保管している希少な蔵書が置かれている所は、どこですか?知りません?』と聞いてきたので親切にも司書の所へ案内してやる...
司書に短髪の青年を案内するように申しつけると司書から『セネリオ王子...』と嫌そうな顔をされた――すると同じ黒髪、短髪の青年は...
「えっ?・・・王子?!」と驚くと「ひぃぃい"い"い"!!!も、申し訳ありませんでした!!殿下!その・・・これは!貴方様の高貴さに気付かなかったと言うわけではなく!こ、コレは!その!ちょっとしたハズみなんですぅーーー!!どうかお許しを~~!!」と
泣きながら――突然、足元に、しがみ付いて来た!
(うわぁー?!なんだコイツ?!)と内心、思いながらもセネリオ王子は優しく『落ち着きなよ・・・僕に貴方を処罰する権利など何処にもないのだから...』諭すと短髪な青年は『なんと寛大な!』と感動した様子だ!
彼は普段――表向きだけ礼を尽くして影ではセネリオを白目で見ている臣下達とは違い本心からセネリオ敬っているのが短時間で分かるほどペコペコ頭を下げ司書と共に去っていった
(変わった人だったなぁ~)と思いながらセネリオも王立図書館を後にした後日――
隣国のユガンの上流貴族の一人がセネリオの支援に付いたと言う話がエレンダ王国で流れ衝撃が走ったのは――また後の話である...つづく
青年は同性でも思わず見とれてしまう美形だが――その真紅の双眸と黒髪から人々からは気味悪がられ私生児である事から臣下からは『王がクォーターエルフに惑わされて生ませた売女の子...』『王宮に――ふさわしくない 落とし胤がっ...』だと陰口を叩かれている残酷な現実を青年は知っている。
彼の名はセネリオ王子・・・その出自と外見のせいで王室に名を連ねていないが――まだカール上王が少年だった頃、彼の初体験の相手であり最初に婚約したのは実はセネリオの母親である。
しかしクォーターエルフという出自もあり側室へと降格させられた母フェルヴィスと同様に本当はエリク王太子の兄に当たるセネリオの王位継承順位は腹違いの妹であるリズベット王女より低い3番目とされている。
そんな青年の元にエレンダ王室の所蔵する貴重な文献を読む為に同じく黒髪の青年が訪れた。
ブラウンの双眸の青年は王立図書館で彼に会うと無礼にも彼に『すいません・・・あの・・・エレンダ王室の保管している希少な蔵書が置かれている所は、どこですか?知りません?』と聞いてきたので親切にも司書の所へ案内してやる...
司書に短髪の青年を案内するように申しつけると司書から『セネリオ王子...』と嫌そうな顔をされた――すると同じ黒髪、短髪の青年は...
「えっ?・・・王子?!」と驚くと「ひぃぃい"い"い"!!!も、申し訳ありませんでした!!殿下!その・・・これは!貴方様の高貴さに気付かなかったと言うわけではなく!こ、コレは!その!ちょっとしたハズみなんですぅーーー!!どうかお許しを~~!!」と
泣きながら――突然、足元に、しがみ付いて来た!
(うわぁー?!なんだコイツ?!)と内心、思いながらもセネリオ王子は優しく『落ち着きなよ・・・僕に貴方を処罰する権利など何処にもないのだから...』諭すと短髪な青年は『なんと寛大な!』と感動した様子だ!
彼は普段――表向きだけ礼を尽くして影ではセネリオを白目で見ている臣下達とは違い本心からセネリオ敬っているのが短時間で分かるほどペコペコ頭を下げ司書と共に去っていった
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