クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第202話:エレンダ王国

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19世紀末期・・・スウェーデンの政治学者・政治家であるヨハン・ルドルフ・チェーレンは地理学者のフリードリヒ・ラッツェルに従事している際に武力衝突の起こりやすい地域の地理的要因に着目し地政学という新たな学問を立ち上げた...

同じ頃――アメリカ海軍の士官であったアルフレッド・セイヤー・マハンがカリブ海の、どの島々に掲げられている大英帝国の旗が掲揚されている光景を目にしており、その光景を見たマハンは『これから政治的、軍事的に海軍力が何よりも大事である』と確信し海軍国家シーパワー理論を提唱する

この理論を元にイギリスの地理学者、政治家であるハルフォード・ジョン・マッキンダーがランドパワー陸軍国家とハートランド理論を構築。

更にオランダ系アメリカ人の政治学者・地政学者のニコラス・ジョン・スパイクマンがリムランド理論を立ち上げ後...

やがてドイツの陸軍軍人であり地理学者、地政学者でもあるカール・ハウスホーファーによって学問として成熟に近づき――この学問は後にユダヤ系でアメリカ政府の要人にもなったヘンリー・アルフレッド・キッシンジャーにも多用されるなど...

国際情勢を読む上での重要な1つの指標――物差しとして世界的にも重要な学問と見なされている

ようやく着いたエレンダ王国も――この学問の視点で見ると面白い...

エレンダ王国はユガンが――まだ帝国だった時代に後に賢帝と称された第22代皇帝ユーリ・エル・ユガン皇がおこなった大胆な政策・・・【国土の縮小及び分離政策】により――かつての併呑されていた王国が再び分離独立を果たした国家である。

もともと商業ついでに海賊行為もしていて――孤立していた地域と地域の経済と物流を繋いでいた、この国は一時期・・・武力併合されてユガン帝国の一地方として歩んでいた訳だが...

予算と軍事力には限りがある事を知っていたユーリ帝の政策で再び独立国家として歩む事となり当時のユガン大公は王となって今では王よりも称号が上である上級王を名乗りつつも自由都市同盟ユガンの一員としてお互いの交易も盛んだ。

だが当然――全ての隣国と仲が良い訳でもなく。
この元の世界の北欧のような風景の国家は現在、増水時にルクルサ神権国から山肌や岸壁が崩れ流れて着く――高品質、高純度の魔石を巡って小競り合いとは言え隣国のシーザー帝国と幾度もの軍事衝突を繰り返している。

結果的に、かのユーリ帝が計算尽くだったのであれば誠に恐ろしいが・・・ユガンにとって――エレンダは今では地政学的に自由ユガンとシーザー帝国、両国がお互いに国境を接して国力を消耗しない為する緩衝地帯になっておりユガンにとっても重要な国なのは疑いようもない。

後――どうでも良い事かも知れないが・・・オオカミや熊の皮を被ったヴォルフガングとヴァイキング 兜を被った強面の髭面おっさん達の目つきが、メチャクチャ怖いので目を合わせたくない!!(泣)

ちなみに――エレンダの国境に近くなればなるほど森林が深くなりオオカミや山賊が出まくりで、なかなか大変だった。

それと宿にも何回か止まったが、ごわついたパンだったのは――まだ我慢できるが籾殻や製粉の際に混入したと思われる木くずや小石まで入っていて歯が欠けるかと思った・・・キチンとふるいに掛けられた白パンが恋しい...

早くまともな飯に、ありつく為にも――ひとまずエレンダにいるハズのバールハイト氏に会ってエレンダ王室図書館が保管している資料を見る為にエレンダ王に謁見する為のアポイントメントを取るべきだろう。

***

「おぉー バールハイト、我が友よ...」

エレンダ商会の本部でバールハイト氏とお互いにハグをして面会は果たすと予定通り彼を通してエレンダの上級王――カール・ユアン・ベルナッへ上王への謁見を取り付けた

王が忙しい為に今晩、面会する事になり――ツイている事に丁度、開催されている晩餐会へと招待してくれるらしい!

肉は高価なので庶民の口には滅多に入る事はないが・・・冷蔵庫もない――この異世界では緑色に変色した肉が一般的だ!

それは貴族が口に出来る肉でも同様で一口、口に含めばネチャとした舌触りとネバネバした食感が口に広がり文明的な世界から来た現代人では到底、精神的に耐えられないが――もちろん高価魔石と魔導具を使える一部の特権階級だけは別である!

エレンダ王の食卓ともなれば――きっと銀製食器に乗せられた新鮮な肉が出るに違いない!

期待に胸を膨らませながら晩餐会に臨んだ...

***

「こんにちは、上級王カール・ユアン・ベルナッへ陛下。私めは自由ユガン同盟の第二三代皇帝ラーイ・エル・ユガン陛下に封土として旧都ケルダンを賜わって――お仕えしている、真井特別名誉伯でございます。」

「この度は陛下へのお目通りかかれて光栄の至り・・・是非とも記憶に留めて頂きたく思います。」

目的の人物との謁見を果たすと早速――この世界の流儀に沿って礼儀正しく振る舞う。隣にいる金髪の女性達は恐らく正室のグネヴィア王妃と、エリク王太子の妹君にあらせれれるラナ王女だろう...

不揃いな顔面で不摂生な生活をしているが故に、だらしない体型であるエリク王太子と違って出会った人々を朗らかな気分にさせてくれる不思議な魅力がある容姿端麗な美少女だ・・・本当に――あの王太子の妹君なのか?遺伝子って不思議だな...

「おぉ・・・貴殿がサナイ特別名誉伯か。貴殿のユガンでの活躍ぶりは私の耳にも届いている。」

上王は、どうやらケルダンで製造されているコーラにハマっているらしく――しばらくコーラの話題で歓談に花を咲かせると場が暖まったタイミングでエレンダに来た目的を切り出す...

「それで今日は如何なる要件かな?」

「はっ、ベルナッへ上王陛下。謁見を申し出た際に申した通りアーレ皇太子の病の治療の為にエレンダ王室が所蔵する貴重な書物を観覧したいです。」

「名誉伯・・・心苦しいが――それは、ならん...所蔵されている貴重な本は人類の宝だ。観覧の許可を出す事は出来ない。もちろん例え――それでラーイ帝の不興を買ったとしたとしてもだ。」

「そうですか・・・では仕方ない。実は先日――貴方様のご子息であらせられるエリク王太子が私めの所へ来まして・・・」

当初の目的通り王室が秘蔵している図書を見せて欲しいと申し出たが上王が渋ったので仕方なく『なるほど・・・では仕方がありませんね。本当はこう言う手は使いたくなかったのですが...』と前置きを言うとエリク王子が書いた借用書を見せ書物を見せるか――立派な騎士団を作れるだけの大金である40万金貨を今すぐ返すか迫った!

「40万金貨だと・・・それは・・・大金だな...(震え声)」

当然40万金貨もの大金は常にシーザー帝国の軍事的な小競り合いで財政的を圧迫されているエレンダに到底――返済できる額ではない。
多少の恨みを買ったかも知れないが無事に所蔵本を観覧する許可を得た!

(※余談だが【借用書を持ち出した事で上級王からの不興を買ったかも知れない!!ひぃぃいい~~~い!!】と俺がビビりまくり――手を擦り合わせながらフォローに終始したのは言うまでもないことである!!!上級王陛下!万歳!!・・・怒っちゃ嫌よ?)...続く
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