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第200話:数の力を思い知れぇぇえええ!!!

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今、俺は他の旅人や交易をするキャラバンに随伴させて貰いながら徒歩で街道を移動していた。夕暮れに差し掛かると各々が夕食を摂りながら今は主人を仰がずに旅をしている遍歴騎士の話を全員で聞く...

「いつも考えているのです・・・真の騎士とは何か?」
「勇敢な心か?作法か、教会が我々に説くような慈愛や信念か」
「それとも騎士道物語に出てくるような捉えどころのない高潔さや純粋な心のようなモノなのか?と...」

天幕張り寝袋に包まる。

俺たちが――しばらく体を休めていていると「襲撃だぁぁあ"あ"あ"!!」という声が響く!賊が出たようだ!!

当然――俺は、いつも通り怯えて逃げ...
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(おっしゃぁぁーーーあああ!!! 歩く宝箱が来たぞぉぉおおお!!!)

いや!今回は、やる気満々だ!!!

いつもなら多勢に無勢なので逃げているが今回は他の旅人や巡礼者、遍歴騎士にキャラバンの護衛までいる!
一人づつ相手に出来るのであれば強気でいこう!!
我ながら、なんと人が小さい事か!

しかも相手は賊。

「ひゃっはーーー!!!死に晒せやぁぁア"ア"ア"!!!」

と叫びながら殺しても問題ない事も手伝い――巡礼中の身にもかかわらず他の人々が争っているのを良い事に人目を盗んで倒した相手の懐を探るなど人の道にもとる行動をし放題である!!

(おっ?袋発見・・・チィ!――しけてやがるな・・・これじゃ飲み代にもなりゃしない。)

道中の商人達から携行していた食料品や飲料類が少なくなったので買うハメになった訳だが30金貨の物が120金貨に120金貨の物が360金貨、200金貨の物が560金貨するなど高価だった事を思い出しながら小袋に入っていた額に心の中で毒づく...

彼らは商品が高価な理由を関税や輸送費、護衛の人件費で説明したが――あまりにも高すぎる・・・ボラれていなければいいが...

まあ――きっとボッテいる事だろう。
えっ?まるで――どちらが盗賊か分かったもんじゃないって?
まあ確かに俺は漫画やアニメに出てくる主人公や勇者と言う柄じゃないな。

別に正義の味方になろうとは思わない・・・天恵すら貰えなかった弱者で敗者でしかないからだ。しかし弱者には弱者の戦い方がある・・・例えば、こんな風に!

「フハハ!!数の力を思い知れぇぇーーーえええ!!!【他の旅人と戦っている賊の背後からの一撃!!】」

卑怯にも次々と賊の背後から襲いかかる愉快で恐ろしいアユムの旅は続く...
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