クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第199話:主戦派

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俺の名前はレックス。裏社会では名の売れた暗殺者だ!今回の顧客は小貴族でターゲットは流民から上級貴族様にまで――のし上がった貴族様らしい。クックッ・・・人の恨みを買うほど目立つべきじゃなかったな!

まあ・・・哀れな貴族様は、この俺に目を付けられた以上――俺のけしかけた魔物で、ぺしゃんこだろうよ...

***

巡礼の旅に出て、はや3日となる。
俺は予定通り主戦派主催の狩猟パーティーへと参加している

ちなみに巡礼の旅に出るに当たって梨島から『もっと一緒に居たいのに...』と――ごねられ『ケルダンは安全だから』『旅は危険だから!』『もちろん君を大切に思っての事だ!』と彼女を丸め込むのに一苦労したのは言うまでもない。

現在は恰幅のいいメリザエフ公爵の『ガッハッハッ!!!』と言う豪快な笑い声が森に響いていて――どうやら彼は取り巻きに囲まれご機嫌らしい...

俺としては早く肉が食いたいと言うのが本音なのだが――この催しで参加して顔を合わせたくなかった奴に出会った。

勿論その相手とはドル卿の事だ。
彼はユガン勃興の初期に獣人達から奪い取ったエルツークを封土として与えられている侯爵であり騎士のヨルミネイトの以前の上司で半裸で彼女に夜伽を迫り股間を彼女に蹴り上げられた変態で...

以前――水質浄化施設を作る際に護衛を付けてサラサをエルツークのヴァエカル湖に送った際もビレネー人の護衛が現地人から差別されて、その現地人をボコボコしてしまった時に謝罪と賠償を請求してくるなど・・・まったく嬉しくない事に何かと俺と縁のある人物なのだ!(どうせ縁があるなら美少女が良かった!!!【本音!!】)

しかも――つい最近も俺がラーイ帝に贔屓にして貰っている事とケルダンの貿易額が右肩上がりで儲けているせいもあり妬んでいるのか?
『陛下に気に入られているようだ――あまり調子に乗るなよ、若造ꐦ 』
『毎回、毎回の視線に入ってくるな・・・目障りだꐦ 』などと...
やたらと絡んでくるウザい奴なのである!!
今までロン毛のキモい汚っさんだったので忘れていたが――そう言えばコイツ主戦派だったわ!!
おかげで奴に絡まれないように隅の方へ行ってじっーとせざる負えない!理不尽である!

えっ?小貴族連合みたいに焼き討ちしないのかって?・・・それは無理だ!
こんな奴でも上級貴族だし主戦派の一翼を担う北東部の辺境の防衛を担当しているという事もあって、このなりで意外と強力な軍隊を持っているのだ!コイツは!

しかも由緒正しい貴族だからと言うのもあるのか・・・一通りの武芸も出来るらしい!生意気な!!!あと正直言ってバックのメリザエフ卿が怖い!!!

ちなみに余談だが風の噂で聞いた話によれば俺に手出しして来た為に一部の連中を焼き払ってやった小貴族連合のお仲間達は何を思ったのか...

『あの野蛮な輩を処罰して下さいぃ~(泣)』ラーイ帝に直接、直訴し俺を処罰するよう泣きついたらしいが...

小貴族達からの妨害行為で俺が皇帝から対処して貰えなかったように奴らも相手にして貰えなかった所か返事1つ貰えず完全に無視されているらしい。

一応とは言え上級貴族(仮)の俺でさえ特別扱いは出来ないと対応されたのに何故、自分達は都合良く対応して貰えると思ったんだ?アイツら...

おかげで俺がいなくても各部隊の指揮官に独自に動いて良いと言う裁量を与えているケルダン領軍が――定期的に領内を巡回する度に小貴族連合の連中は領軍が自身の領地に近づいてくる度に恐怖のあまり阿鼻叫喚しているらしい。

そんな何がしたいのか分からない小貴族連合の近況に思いを馳せているとメリザエフ公爵の『危ない!!』と言う声が響く!!

「ひぇぇえええ!!!(泣)」

投擲された槍が俺の横顔を掠める!!
暴れ回るソイツに危うく俺は踏み潰される寸前だった!!
仕留めれた獲物を見て思わず素で驚愕する!!
推定3トンはあろうかと言うギガントボアではないか?!
見事に投げられた槍が脳天突き刺さっている!!

狩りが、こんなに危険だとは思わなかった!!
ボサッとしていたのが原因とは言え冗談ではない!!!次からは不参加だ!!
おっ?!・・・何か茂みで何か動いたぞ?獲物かも知れない!
取りあえずクロスボウを射っておくか!

「クロスボウの発射音(ザシュ!!)ぎゃぁぁあ"あ"あ"!!!」

「な、なんだ?!悲鳴が聞こえたぞ?!た、大変だ!!人が倒れている!!!」

・・・あかん!人やった。
(※後日、明らかになるが――この時、誤射したのは裏社会で有名な名うての暗殺者だったそうだ!)
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「猪肉の岩塩串焼きウマー!やっぱりシンプルisベストだぜ!」

(ごめん・・・やっぱり次回も参加しよう!)

舌の根も乾かぬうちに振る舞われた猪肉に舌鼓をうつアユムなのであった...
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