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第194話:保衛部
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後日――
「・・・すると――貴方の今回の行動は皇帝の意に反するモノではないと?」
自宅に当たる領主の館での軟禁を命じられたアユムは保衛部に属する役員に尋問に誠実に対応していた。
「ええ。今回の一連の行動は私めが勝手に陛下の思いを推し量っての事・・・ゆえにユガンに対する敵対的な行動ではなかったと考えております。もちろん皇帝陛下の思いを私めが邪推したと言われてしまえば――それまでですが・・・」
「まさか――思慮深き陛下のお考えの中に足枷となっている小貴族連合を物理的に排除しようと言う選択肢をお持ちになっていなかったなんて疑い・・・陛下への忠誠心溢れる保衛部の皆様が、まさかそのようなお考え持っているだなんて・・・当然ありませんよね?」
当然、小心者のアユムは終始ビビり通しの態度で(ラーイ帝の思いを汲んで行動した俺を処罰しようだなんて考えてないよな?)(俺を処断するのはラーイ帝の意向を蔑ろにするにする事だぞ!俺はユガンの為にやったんだぁぁあああ!!!)と逆に彼らに言外の脅しを掛け小物っぷりだ...
その後も彼は必死で自身の無罪を訴え雄弁な自己弁護を展開する...
「彼らは確かに同じ国の諸侯でしたが同時にユガンを癌細胞のように蝕む敵対的な輩でした。大事の前の小事・・・ユガンは小石をモノともしない大国ですが少しでも国家が躓きそうな小石を排除するのが貴方と私たち貴族の役目とは思いませんか?」
しかしアユムの理論的に筋の通った持ち前の弁舌と――無意識的かつ、潜在意識下に働きかけやんわりと何回も同意を求めていく詐欺的手法に彼らも段々と感化され始めていく...
当然――そこには幸い領軍が小貴族達の私物だけ略奪して回復ポーションを置いていたお陰で死傷も極めて少なかったという事情も関係している。
終盤には何となく全ての原因が小貴族達と・・・もしかしたら自分達の職務に対する怠惰に原因があるのではないか?と考え方を改めてさせてしまい彼らは完全にアユムに感心させられてしまった...
後日、保衛部から上がった報告書には『名誉伯は特別な問題が見当たるような危険な人物ではない...』とする記述が示され『軟禁の身であるモノの特別に出歩く事を許可する』というお達しがアユムの元へと齎された...
「・・・すると――貴方の今回の行動は皇帝の意に反するモノではないと?」
自宅に当たる領主の館での軟禁を命じられたアユムは保衛部に属する役員に尋問に誠実に対応していた。
「ええ。今回の一連の行動は私めが勝手に陛下の思いを推し量っての事・・・ゆえにユガンに対する敵対的な行動ではなかったと考えております。もちろん皇帝陛下の思いを私めが邪推したと言われてしまえば――それまでですが・・・」
「まさか――思慮深き陛下のお考えの中に足枷となっている小貴族連合を物理的に排除しようと言う選択肢をお持ちになっていなかったなんて疑い・・・陛下への忠誠心溢れる保衛部の皆様が、まさかそのようなお考え持っているだなんて・・・当然ありませんよね?」
当然、小心者のアユムは終始ビビり通しの態度で(ラーイ帝の思いを汲んで行動した俺を処罰しようだなんて考えてないよな?)(俺を処断するのはラーイ帝の意向を蔑ろにするにする事だぞ!俺はユガンの為にやったんだぁぁあああ!!!)と逆に彼らに言外の脅しを掛け小物っぷりだ...
その後も彼は必死で自身の無罪を訴え雄弁な自己弁護を展開する...
「彼らは確かに同じ国の諸侯でしたが同時にユガンを癌細胞のように蝕む敵対的な輩でした。大事の前の小事・・・ユガンは小石をモノともしない大国ですが少しでも国家が躓きそうな小石を排除するのが貴方と私たち貴族の役目とは思いませんか?」
しかしアユムの理論的に筋の通った持ち前の弁舌と――無意識的かつ、潜在意識下に働きかけやんわりと何回も同意を求めていく詐欺的手法に彼らも段々と感化され始めていく...
当然――そこには幸い領軍が小貴族達の私物だけ略奪して回復ポーションを置いていたお陰で死傷も極めて少なかったという事情も関係している。
終盤には何となく全ての原因が小貴族達と・・・もしかしたら自分達の職務に対する怠惰に原因があるのではないか?と考え方を改めてさせてしまい彼らは完全にアユムに感心させられてしまった...
後日、保衛部から上がった報告書には『名誉伯は特別な問題が見当たるような危険な人物ではない...』とする記述が示され『軟禁の身であるモノの特別に出歩く事を許可する』というお達しがアユムの元へと齎された...
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