クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第186話;軍事パレード

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――――自由都市同盟ユガン
―――州都リヴォニア――白の広場

本日、皇帝の膝元である州都リヴォニアには国外からの来賓をはじめ多くの貴族が、やってくる。軍事パレードが開かれるからだ!

この観兵式と分列式には各方面の軍管区を守る軍を始め辺境を守る辺境軍も参加する!

国威発揚の為と周辺国への軍事力の誇示と目的とした――このパレードには新たに生まれ変わった新生ケルダン領軍も招かれている!

ケルダンが【もはやスラムではない】事をアピールする――いい機会になると考えたアユムはサプライズを色々と用意していた!

***

ナーズ!ユガン!!1つのユガン!

中央軍の隊列が敬礼しながらシュプレヒコールを合唱し分列式を終えると――いよいよ隣のケルダン領軍の出番が回ってきた!

「はーい☆皆さん☆州都リヴォニアの隣にあるケルダン領軍軍楽隊!広報部所属のササラですー☆」

いよいよケルダン領軍をお披露目すると言う時に――それは始まる!
くさび式足場や折りたたみ式足場などを使い事前に組み立てられ設置された特設ステージの舞台幕が外され開幕すると――

両肩と胸もとが大きく開かれた白を基調としたドレス!
ひらひらとした短いスカートにナマ足など女性特有の柔らかいボディーラインが強調された、容姿端麗のきわどい格好した若い女性達が舞台に姿を現した!

この世界の女性は基本的に娼婦以外、淫らに肌を見せない...
衆目の多い場で女性が大きく肌を見せるのは慎みがなく、はしたない事だと教えられているからだ

突然、始まった有り得ない光景に(いったい何がはじまったんだ?!)と、どよめく聴衆...
無論――これには皇帝もビックリである!!

『今日は私たちが――このパレードを盛り上げるぞぉー!』『おぉー!!』っというセンターに立った女性のかけ声と共に伴奏が始まった!

端然たる戦列組み、軍旗をはためかす~
我が軍は定めの下、固く結ばれん!
ユガン!祖国への務め!
この素晴らしき国への、青き空へ日が登ーる!

肩を組み、我が部隊が行く!
例え!厳しき道なれど!
我が忠誠を捧げし地!ユガン!

彼女らが歌い始めると同時に白の広場をケルダンの部隊が行進し始め様々な新たに開発された国産魔法粒子砲などを含めた兵器達が次々と公開されていく!

勇士達の霊魂が、この国を護れり!
もし再び至難があらば、この責務を果たせ!
ユガン!祖国との運命!
この素晴らしき祖国への、青き空へ日が登ーる!

肩を組み、我が部隊が行く!
例え!厳しき道なれど!
我が忠誠を誓いたる!ユガン!

そして彼女達の歌に続くように兵員達も歌い始める!

整然たる!この部隊は祖国と共にある!
我が軍は力強き友情で結ばれているのだ友よ!!

ユガン!祖国への務め!!
この素晴らしき故郷への、蒼き空へ日が登ーる!!
肩を組み、この部隊は往く!
例え!困難が待っていれど!
天命を授かりし国!ユガン!!

(間奏)
ららら~らららららら~♪
らら~らららららら~ら♪
ららら、らららら~ららら~ら~らら~♪
らら~ららららららら~♪
らら~らら~ら~♪
ら~ら~♪

ユガン!祖国への務め!
この素晴らしき大地への、蒼き空へ~日が登ーる!
肩を組み、我が部隊は往く!
如何に厳しき道なれど、我が忠誠を誓いし地!ユガン!

一曲目が終わる頃には観客は斬新な演出に引き込まれていた!
彼女らは元桐谷の取り巻きで元の世界で子役時代から芸能界に携わってきた天ヶ峰蓮花《あまがさきれんか》によって育成された歌と踊りで観客を魅了する目的とするプロパガンダ部隊で...

アユムが構想した人々の心に浸透して親近感を沸かせるという戦略を具現化した割と領軍の中では重要な存在だ!余韻に浸る事無く次の曲が始まる!

我らがユガンは、全世界を懲罰す!
ビレネーに臨む亜人大陸から東側まで
地上の至る所で我々の歌は歌われるのだ
リヴォニアよ!ウオッカよ!我らがユガンの龍よ!

この世の全ての国は、
我ら皆がこの世に創造したに相応しい
世界に冠たる!この強国から恭しき挨拶を申し上げよう!

世界が羨望する!我らが帝国は
まるで東方の大熊の如く!
子羊共はあてもなく彷徨い、我らユガンの龍は労せず狩りを行うだろう!

我らの同胞には - 良き運命が待っている!
我が国の懐の深さに叶う者はいない!

世界の民よ!貴様らを灰に変えるなど造作もない!
世界に冠たる!この強国から恭しき挨拶を申し上げよう!


( よし、よし♪大衆からの反応は悪くなかった!コレで、みんなから賞賛されて褒めてもらえるに違いない )

リヴォニア市民からの好感触に演出の成功を確信していたアユムは全員から褒めてもらえると思っていたが――結果は...

***

式典の責任者で内務卿を任されているウィンダム卿からは...

「な、なんなんだー💢あのイラない破廉恥な演出はぁぁあ"あ"あ"!!!歴史と伝統ある式典を穢しよってぇぇえええー!!」

(大人って、こんな怒るんだーー?!)と言う感じで鬼の形相でブチ切れられたのだ?!なんで?!!

しかも周りの話を聞く限りではサレンドラ皇后や乳母のマリーもアイドルによる演出が始まるとショックを受けたようで口元を抑えながら『まあ?!なんて破廉恥な?!サナイは何を考えているの?!』『陛下のおっしゃる通りです!嫁入り前の娘が人前で、あんな肌を見せるなんて!』っと不評だったらしい・・・えええー?!!そんな?!なんでやぁぁあああ?!!

ラーイ帝からも『サナイ・・・その、とても言いにくいのだが・・・今度から何かする時は遠慮なく相談するといい。』と遠慮がちに配慮されてしまう始末だ!!
無論――『た、大変申し訳なございません!!陛下!!』と土下座で謝っておいた!

ちなみに唯一、演出に好意的だったのが北部軍区最高司令官のメリザエフ公爵で、いつも通り長く立派なひげ面の顔を綻ばせて『ハッハッハッ!見たか!お前達!――サナイめっ!なんて奇抜な余興だ!素晴らしい!』と褒めてくれていたらしい...

ちなみにメリザエフ公爵殿下は国産魔法粒子砲にも興味を、お示しになり実際に魔法粒子砲の試射をご覧になると『国産魔法粒子砲・・・なんと!誇らしいー!!我が国の洗練された魔法学と強大な軍事力を示すモノだ!!』と興奮気味に鼻の穴を広げ終始、鼻息が荒かったとの事だった...

余談だがラルカ卿は『サプライズ自体は概ね良かったが主戦派が如何にも喜びそうな軍歌だったのが好ましくない・・・軍靴の音が聞こえたぞ』と平和主義的な経済派の筆頭である自身の領地で主戦派が喜びそうな演出が多々あった事にご不満だったようだ...

(マジか・・・シャレになんねぇーぞ...)

思わぬ不評の嵐に、そう思ったアユムなのでした
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