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第185話:陰気で清潔感のないチー牛
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髪が伸びてきたのでアユムは元、桐谷の取り巻きである宇月舞奈に髪を切ってもらった!
今まで髪型など気にした事など無かった事もあり舞奈にヘアスタイルを任せると普段の自分だったら絶対に挑戦しないであろう左右非対称の髪型へとカットされたではないか?!
いや?!確かに『髪型は君のセンスに任せるよ』とは言ったけども・・・
「あれ?何だか・・・ちょっと、真井君。カッコよくなった?」
「本当だ!なんで?!髪型を変えただけなのに!」
しかし驚くべき事に高梨アミと天ヶ峰蓮花からの反応は好意的で女子から――容姿に対する、あまり褒め言葉にアユムは『失敬な?!俺は元々なかなか元々、二枚目だったろ?!』と照れ隠しに述べると彼女らは...
「えええ...気持ち悪い・・・真井くんって意外とナルシストだったの...」と前置きされると「いや?全然、髪切る前は陰気で清潔感のないチー牛みたいだったよ?」っと、とても心傷つく心ない言葉でディスられたのだ!!酷い!
しかも髪を切った宇月からも『わたしもヘアーをカットしながら段々と真井君が意外にも整った顔立ちをしてる美形だと気づいて驚いたんだけど?!』と言われる始末である!!
許せん!俺のガラスの心は粉々に砕かれたぞ!!
「誰が今にも犯罪を起こしそうな陰キャ犯罪者予備軍だぁぁあああ!!!💢」
「えええー?!誰も、そこまで言ってないよぉー?!!」
「なんで?!怒らないで真井くん?!言葉の綾だよー!!」
「そうだよ!!まるで誘導尋問じゃん!!」
怒って押し黙ってしまうアユム!!
アユムまで嫌われたらご飯が食べられないどころか!住むところも無くなってしまう!と必死に弁明するハメになった三人なのでした...
***
そして――その日の夜。
日が落ちて、すっかり冷え込んだ領主の館で温かい夕食の子羊のシチューと白パン、洋梨のタルトを食べ終えた高梨アミや宇月舞奈、天ヶ峰蓮花梨島日和達が『もうお腹いっぱい、幸せ~』と満足そうに言いながら伸びていた...
暖炉の前では座りながら暖まる水割りのスピリッツを飲んでいる...
「ねぇ?先から気になっていたんだけど・・・真井君の隣ある、その木箱は何?」
そう高梨アミが指摘すると他の二人も木箱に注目する
「ああ、コレはユガンの弦楽器職人に特注で作って貰ったギターだよ」
なんでも、(みんなが部屋に戻ったら静かに弾こうかな...)と思っていたらしい!
「ええー?!真井君、ギターなんて弾けるの?!」
「うん、昔取った杵柄で...」
当然、梨島達は驚いた!元の世界では基本的にアユムは仕事で学校を休んでいたし仮にテストなどの――どうしても外せない用事で学校に来た日なんかでも放課後、すぐに学外に出て自身の取った特許を金に換える算段を付けていたからだ
あの日、数学の小テストで集団転移に巻き込まれた彼は本当に運が悪かったのである
「じゃ、何か試しに弾いて見せてよ!」
高梨達に催促されたので木箱を開きギターを取り出すとアユムは北アイルランドの反英歌である“Come Out Ye Black and Tans”を弾き語って見せた...
I was born in the Dublin street
Where the loyal drums do beat,
And the loving English feet walked all over us;
And every single night when me dad would come home tight,
He'd invite the neighbours out with this chorus:
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Come let us hear you tell
How you slammed the brave Parnell,
And taught him well and truly persecuted;
Where are the stares and jeers that you proudly let us hear,
When our heroes of sixteen were executed.
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Come tell us how you slew
Them ol' Arabs two by two,
Like the Zulus they had knives and bows and arrows;
Of how bravely you faced one with your sixteen-pounder gun,
And you frightened all the natives to the marrow.
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Now the time is coming fast, and I think them days are here
When each English yeoman heel and run before us
And if they'll be in need, then our kids will sing, "Godspeed!"
With a verse or two of singing this fine chorus《素晴らしい歌の一節と共に
...》
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Oh! Come out you British Huns,
Come out and fight without your guns,
Show your wife how you won medals up in Derry;
You murdered sixteen men and you'll do the same again,
So get out of here and take your bloody army.
Oh! Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
弾き語りを終えると続けて靄の露 (Foggy Dew)とMinstrel Boyを歌った。どちらもイギリスから独立の際に殺害された人々の冥福を祈るアイルランドの民謡だ
(まあ――っとは言え・・・アメリカ時代はプロテスタントだったが...)
※イギリス王家がプロテスタントに鞍替えした際にカトリックの多いアイルランドが反発したのがアイルランドの独立運動が盛り上がった一因らしい
女子達から「すごーい!!」「カッコいい!!」と言われアユムが満更でもなかったのは言うまでもない...続く
今まで髪型など気にした事など無かった事もあり舞奈にヘアスタイルを任せると普段の自分だったら絶対に挑戦しないであろう左右非対称の髪型へとカットされたではないか?!
いや?!確かに『髪型は君のセンスに任せるよ』とは言ったけども・・・
「あれ?何だか・・・ちょっと、真井君。カッコよくなった?」
「本当だ!なんで?!髪型を変えただけなのに!」
しかし驚くべき事に高梨アミと天ヶ峰蓮花からの反応は好意的で女子から――容姿に対する、あまり褒め言葉にアユムは『失敬な?!俺は元々なかなか元々、二枚目だったろ?!』と照れ隠しに述べると彼女らは...
「えええ...気持ち悪い・・・真井くんって意外とナルシストだったの...」と前置きされると「いや?全然、髪切る前は陰気で清潔感のないチー牛みたいだったよ?」っと、とても心傷つく心ない言葉でディスられたのだ!!酷い!
しかも髪を切った宇月からも『わたしもヘアーをカットしながら段々と真井君が意外にも整った顔立ちをしてる美形だと気づいて驚いたんだけど?!』と言われる始末である!!
許せん!俺のガラスの心は粉々に砕かれたぞ!!
「誰が今にも犯罪を起こしそうな陰キャ犯罪者予備軍だぁぁあああ!!!💢」
「えええー?!誰も、そこまで言ってないよぉー?!!」
「なんで?!怒らないで真井くん?!言葉の綾だよー!!」
「そうだよ!!まるで誘導尋問じゃん!!」
怒って押し黙ってしまうアユム!!
アユムまで嫌われたらご飯が食べられないどころか!住むところも無くなってしまう!と必死に弁明するハメになった三人なのでした...
***
そして――その日の夜。
日が落ちて、すっかり冷え込んだ領主の館で温かい夕食の子羊のシチューと白パン、洋梨のタルトを食べ終えた高梨アミや宇月舞奈、天ヶ峰蓮花梨島日和達が『もうお腹いっぱい、幸せ~』と満足そうに言いながら伸びていた...
暖炉の前では座りながら暖まる水割りのスピリッツを飲んでいる...
「ねぇ?先から気になっていたんだけど・・・真井君の隣ある、その木箱は何?」
そう高梨アミが指摘すると他の二人も木箱に注目する
「ああ、コレはユガンの弦楽器職人に特注で作って貰ったギターだよ」
なんでも、(みんなが部屋に戻ったら静かに弾こうかな...)と思っていたらしい!
「ええー?!真井君、ギターなんて弾けるの?!」
「うん、昔取った杵柄で...」
当然、梨島達は驚いた!元の世界では基本的にアユムは仕事で学校を休んでいたし仮にテストなどの――どうしても外せない用事で学校に来た日なんかでも放課後、すぐに学外に出て自身の取った特許を金に換える算段を付けていたからだ
あの日、数学の小テストで集団転移に巻き込まれた彼は本当に運が悪かったのである
「じゃ、何か試しに弾いて見せてよ!」
高梨達に催促されたので木箱を開きギターを取り出すとアユムは北アイルランドの反英歌である“Come Out Ye Black and Tans”を弾き語って見せた...
I was born in the Dublin street
Where the loyal drums do beat,
And the loving English feet walked all over us;
And every single night when me dad would come home tight,
He'd invite the neighbours out with this chorus:
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Come let us hear you tell
How you slammed the brave Parnell,
And taught him well and truly persecuted;
Where are the stares and jeers that you proudly let us hear,
When our heroes of sixteen were executed.
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Come tell us how you slew
Them ol' Arabs two by two,
Like the Zulus they had knives and bows and arrows;
Of how bravely you faced one with your sixteen-pounder gun,
And you frightened all the natives to the marrow.
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Now the time is coming fast, and I think them days are here
When each English yeoman heel and run before us
And if they'll be in need, then our kids will sing, "Godspeed!"
With a verse or two of singing this fine chorus《素晴らしい歌の一節と共に
...》
Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
Oh! Come out you British Huns,
Come out and fight without your guns,
Show your wife how you won medals up in Derry;
You murdered sixteen men and you'll do the same again,
So get out of here and take your bloody army.
Oh! Come out you black and tans,
Come out and fight me like a man,
Show your wife how you won medals down in Flanders;
Tell her how the IRA made you run like hell away,
From the green and lovely lanes of Killeshandra.
弾き語りを終えると続けて靄の露 (Foggy Dew)とMinstrel Boyを歌った。どちらもイギリスから独立の際に殺害された人々の冥福を祈るアイルランドの民謡だ
(まあ――っとは言え・・・アメリカ時代はプロテスタントだったが...)
※イギリス王家がプロテスタントに鞍替えした際にカトリックの多いアイルランドが反発したのがアイルランドの独立運動が盛り上がった一因らしい
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