クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

文字の大きさ
上 下
177 / 237

第177話:閑話;悪夢

しおりを挟む
※注意:今回のエピソードに登場した言葉を現実で使用した場合、良識を疑われ不利益を被る恐れがございます。本エピソードに登場する倫理コードに引っかかるNGワードは、あくまでも芸術性を追求したモノですので実際に使用するなどは絶対に避けて下さい。

「うぅ・・・あぁぁ...」

あのイジメの最初のきっかけは何だったのだろうか?今でも分からないが大人達にしたら大きな問題でも子どもの頃の俺からすれば些細なきっかけだったように思う...

アメリカ合衆国東北部、ロードアイランド州――10年前...

「ウェハハハー!!チョッパリ!!」

最初に絡んで来たのは同じ教室に通う在米コリアだった
『お前の先祖が俺の先祖した事を謝罪しろ!』と訳の解らない事を言われたので最初、俺は無視した...

「鬼子《グイズーゥ》!!」

その次に絡んで来たのは在米中国人だった
やたらと自分の国の母国語に拘るウザい奴だったが今にして思えば奴や奴の家族はアメリカ国籍をちゃんと取っていたのだろうか?
もしかして今も偽のブランドを販売している不法移民だったじゃないか?と疑うほど奴の服は染料臭かった

「Hey!!jap!!」

黒人の連中は貧乏で鬱憤でも溜まっていたんだろうか?
自分たちもニグロやニガーと呼ばれて差別されてきた割に他者への侮辱や差別が三杯の飯より好きな奴だった

だが彼らなど序の口だ
その中でも最も恐ろしかったのは親が中南米や東欧から不法に入国して、やって来て出産してアメリカ国籍を運良く取得できた奴らだった

奴らの尖りぶりと言ったら他の奴らの比じゃなかった...
子どもながら麻薬などの薬物をヤったり売り買いまでして、何処からか入手したのか?製造番号の削られた拳銃で強盗までしていたのを今でも覚えている

そんな大人でも手が付けられない連中に目を付けられた俺は子どもながら震え上がった...

金を要求され拒否すると集団で殴る蹴るの暴行。
オマケに窓ガラスを割ったり教室の花瓶を割った冤罪まで擦り付けられた事もあった

そんな、ある日――たまりかねた俺はスーパーの化粧品コーナーで褪色防止剤として含まれるホスフィン酸エチルが目に入り――ふっと考えついた(・・・これがアレば奴ら全員を殺して地獄とおさらば出来るじゃないか?)っと...

今にして思えば悪く言えば魔が差したのだが――その時、俺は有機リン系の神経剤・・・G剤であるタブンの精製しようと考えついたのだ

石油から作られ合成繊維やゴム手袋の原料である物品からアクリロニトリルと ブタジエンを取り出しニトリルを生成すると化粧品コーナーで買って来た化粧品から有機リン化合物であるホスフィン酸エチルを取り出してタブンを有機合成しようとしたまでは良かったのだが...

「ふふふ♪これで奴らを皆殺しに・・・あれ?なんかアーモンド臭がシアン化水素が漏れたのかな?アンドルソフ法で精製した奴は、ちゃんと...うん?」

まさかタブンの前駆体《ぜんくたい》が、あんなに腐食性の強い毒ガスだとは考えもしなかった俺は容器から漏れ出した薄褐色の液体に大パニックになり急いで換気したが、そこで意識を失い...

※1前駆体:化学反応などで、ある物質が生成される前の段階にある物質の事
※2なおタブンの前駆体は石英や銀を用いていない反応容器で保存し精製の最終段階では二重にしたガラスの反応容器を使用し尚かつガラスとガラスの間に加圧した空気を循環させなければならなかったらしい...

幸か不幸か、その日は偏西風でよく換気できたお陰もありご近所にバラ蒔いた結果――近隣は大騒ぎとなったのだ...

幸い気絶している間に精製されていた毒ガスのタブンは純度の非常に低い不純物だらけのシロモノだったので死傷者こそ居なかったが俺の起こした事故のお陰で御近所さんから後ろ指を指され――

その頃から元々――悪かった両親の仲も更に悪くなり、そのせいで――その場所には、もう住めなくなったのだ...( ꒪Д꒪)白目(自業自得) 

そこから逃げるように引っ越した先が日本だった
苗氏が剣先から母方の姓である真井に変わったのもこの頃で――もちろん最初は母親の故郷であり新天地の神戸に俺もウキウキだったが・・・ここも又、地獄だった

中学での初めての自己紹介の時にフルネームで教師に言われたので生まれた時に当時の教会区長に付けてもらったと聞いたクリスチャンネームを含む『真井・ペテロ・歩』と言うと周りは大爆笑!

その事にキレたら『アイツ頭がおかしい・・・』と転校早々――
無視や影口、使う教室の椅子やシューズに画鋲が入れられるイジメが始まったのだ!
そう俺は中学デビューに失敗した!!
何でだよー!どうしてだよー!おかしいだろう!!

そして何より一番、最悪なのは――あの俺の天敵!
三宅由華が同じ中学という事だ!!!
おかげで俺の高校生活は常時、戦々恐々である!(震え声!)

「や、やめろー!やめるんだ!!三宅💢俺の陰口は、そこまでだ!!!」

悪夢に、うなされて“ばっ!”っと起き上がった俺は独り言ちった...

「はぁ~・・・悪夢にうなされていたか...いや、現実も悪夢と見ているようなもんだが...」

この異世界に来てからと言うモノ・・・何回も殺されかけたし死にかけた...
この世界では基本的に国の権力が及ばない所は盗賊にマフィアに強盗――まるでアフリカの無法地帯と変わらないばかりか...

政府と言っていいのか分からないが北の将軍様も羨《うらや》むような権力者の為の専制主義体制が確立されている

言ってしまえばアフリカの悪い所と某半島の悪い所の悪夢のアンハッピーセットを詰め合わせたような世界なのだ...

とは言え・・・少しだけ救いある所を敢えて挙げるとすれば北の半島よりは食い物が行き渡っているのは唯一の救いだが...

用意されている氷水をコップに入れ一気に飲み干すと俺は再び床へと付いたのだった...
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

性転のへきれき

廣瀬純一
ファンタジー
高校生の男女の入れ替わり

処理中です...