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第167話:奴隷船

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シーザー帝国――近海・・・洋上

高梨アミ 宇月舞奈うづきまいな 天ヶ峰蓮花あまがさきれんかを乗せた奴隷船が――もう少しで彼女達の買い手である変態貴族の居るシーザーに到着しようとしていた頃...

「クソぉ!堪らないぜ💢船倉に鎖で繋がれた若い女がいるのに!一発もヤレないなんて💢」

「仕方ねぇだろう💢・・・船長曰く大切な商品なんだからよ💢」

船上では何ヶ月も女を抱いていない悶々とした船乗りの男が不満を口にしていた
勿論、商品である彼女達に手をつける事など出来ないからだ

一方、その頃・・・***奴隷船――船内では...

「私たち、どうなっちゃうんだろう・・・」

「桐谷君が私たちを売ったなんて信じられない・・・許せない...絶対に殺してやる...」

「助けて・・・パパ ママ~...」

少女達の啜り泣く声と遅すぎる後悔の声が薄暗い船内に響いていた
彼女らは大切な商品である為、食事はちゃんと与えられてこそいたが待遇自体は酷いモノで便意や尿意を催した時のトイレは木製のバケツでありオマケに酷い船酔いに悩まされていたからだ

現代のか弱き乙女たちが弱音を吐きたくなるのは当然だろう...
そんな彼女たちに追い打ちをかけるかのように船体が激しく揺れ始め船体は軋み雷がなる!

もちろん外の状況を把握できない船倉は軽くパニック状態になり鉄鎖に繋がれた少女らはお互いに抱きしめあって――その場を凌ぐしかなかった...

***奴隷船――船上

「錨を降ろせぇー!!帆を急いで畳めぇー!」

「そんな事は解ってますよ💢船長!!早く帆を畳むんだ!!ロープを切って構わん!!嵐にマストを持ってかれるぞー💢」

「クソがよぉー💢だから言ったんだ!この時期はルスリスから偏西風による暖かい風がシーザー近海にも入ってくるから航路は危険になるって💢」

「あの船長は日数が遅れているからって、まともに聞きやしねぇ!!」

「黙って手を動かせー!!このままじゃ沈没するぞ!!」

船倉で少女たちが恐怖する中、船上では船乗り達の怒号が飛び交っていた
しかし男達の奮闘も虚しく船体は激しい嵐による波と海流によって流されて行くのであった...
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