166 / 237
第166話:領主様へ...
しおりを挟む
同胞と一緒に楽しそうに学校へと通う我が子を見て女性は感動の涙を流した...
孤児院では笑顔がなかった、あの子が今は幸せそうな笑顔で領主様と過ごしている
当時は理由があって手放さざるを得なかった我が子。
――ひとときたりとも、あの子を忘れた事などなかった...
当然、親心としては今すぐにでも、あの子の近くに行って抱きしめたいが――いったい、どんな顔をして捨てたあの子に遭えようか...
何としてでもアユムに感謝を伝えたかった女性は手紙を書き自分のお腹を痛めた我が子に話しかけ手紙を託したのだった
***
おれ宛てに差出人不明の手紙が届いた...
受け取ったココアによれば知らないおばちゃんに手渡されたらしい...
怪しいので手紙の開封を躊躇ったが重要な陳情だったら可哀想なので防護服に着替え防弾ガラス越しに鋼鉄製の箱の中でアームを使い手紙を開封すると手紙には非常に拙いビレネー語で以下のような文が書かれていた...
『突然の手紙を高貴な貴方様へ出す御無礼を、どうかお許しください。ケルダン伯。
わたしは只あなた様が寛大な思いやりの心で子ども達にして下さった事に・・・居ても立ってもいられずに、ただ感謝の言葉を伝えたかっただけなのです...』
『ほん少し前のケルダンでは貧しい家庭や身寄り無い子ども達は物心つく前から厳しい労働をさせられるのが当然で子どもを仕事に送り出す必要がなかったのは一部の裕福な富裕層の人たちだけでした。』
『しかし今、貴方様が創り上げて下さった新しく生まれ変わったケルダンは他の貴族の方が支配する――どの地域のよりも色々な事が違うという事がわかります。ありがとう!!親愛なる領主様へ心からの感謝を込めて...一人の母親より』
手紙を読み終えると――この世界に来て初めて感謝された事に唖然とすると同時に涙が出るほど嬉しさが込み上げた!
「正しい決断だった」
思わず、そう独り言つと俺は大切に手紙を机の引き出しにしまい――後日、買ってきた額縁に、その手紙を飾ったのだった...
孤児院では笑顔がなかった、あの子が今は幸せそうな笑顔で領主様と過ごしている
当時は理由があって手放さざるを得なかった我が子。
――ひとときたりとも、あの子を忘れた事などなかった...
当然、親心としては今すぐにでも、あの子の近くに行って抱きしめたいが――いったい、どんな顔をして捨てたあの子に遭えようか...
何としてでもアユムに感謝を伝えたかった女性は手紙を書き自分のお腹を痛めた我が子に話しかけ手紙を託したのだった
***
おれ宛てに差出人不明の手紙が届いた...
受け取ったココアによれば知らないおばちゃんに手渡されたらしい...
怪しいので手紙の開封を躊躇ったが重要な陳情だったら可哀想なので防護服に着替え防弾ガラス越しに鋼鉄製の箱の中でアームを使い手紙を開封すると手紙には非常に拙いビレネー語で以下のような文が書かれていた...
『突然の手紙を高貴な貴方様へ出す御無礼を、どうかお許しください。ケルダン伯。
わたしは只あなた様が寛大な思いやりの心で子ども達にして下さった事に・・・居ても立ってもいられずに、ただ感謝の言葉を伝えたかっただけなのです...』
『ほん少し前のケルダンでは貧しい家庭や身寄り無い子ども達は物心つく前から厳しい労働をさせられるのが当然で子どもを仕事に送り出す必要がなかったのは一部の裕福な富裕層の人たちだけでした。』
『しかし今、貴方様が創り上げて下さった新しく生まれ変わったケルダンは他の貴族の方が支配する――どの地域のよりも色々な事が違うという事がわかります。ありがとう!!親愛なる領主様へ心からの感謝を込めて...一人の母親より』
手紙を読み終えると――この世界に来て初めて感謝された事に唖然とすると同時に涙が出るほど嬉しさが込み上げた!
「正しい決断だった」
思わず、そう独り言つと俺は大切に手紙を机の引き出しにしまい――後日、買ってきた額縁に、その手紙を飾ったのだった...
0
お気に入りに追加
542
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる