クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第164話:学校を作ろう

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国力を増やすには、どうすれば良いだろうか?特に内政に興味のない人でも多くの人が単純に農地を増やせば良いと考えるであろう。
ほとんど場合、国力は人口一人当たりの生産性で決まるからだ

つまり人口を増やすこと自体は正解であると言えよう...
とは言え農地を増やすには開墾が必要である・・・つまり人手がいる

だが大抵、人手なんて余っていない・・・ほとんどの人は社会を回すうえで既に他の仕事についている場合が多いからだ

しかも穀物育てるには大量の水資源が必要で――それに加え虫害や天候によっては人を増やす所か少なくしなければ、やっていけなくなるかもしれない...

では今までの国民生活を犠牲にする事無く国を豊かにし国力を増やす富国強兵を実現するには、どうすべきか?

いや・・・まあ。そもそも人口に余剰があれば開墾しない訳ないんだけど...
ひとまず、そんなツッコミは置いておいて

この難問の答えは意外と簡単だ
農地ひとつ辺りの収穫高を上げれば良い

方法は穀物の品種改良をおこなうでも何でも良いが一番、簡単で手っ取り早いのは、やはり国全土に学校設置し初等科教育を国家全体に普及させる事だろう

教材設備ならば一度、教育環境を整えてしまえば他の投資と比べれば維持費も少額で済むし何より例え資源が無くても人的資源ならば教育によって唯一増加させることができる

なにより学んだ人間は他の人間にも多少なり教える事が出来るので人材育成もスムーズにおこなえるハズだ
そう考えた俺は以前から学校の整備を練っていた訳なのだが...

***

「な、なにを考えているんですかぁぁあああー💢」

当然――農村部の人々は穀物の生産に子ども達の手も使っているので子どもを学校に行かせる余裕などないとニニムに激怒された

なるほど。道理でご子息ご息女を学校にと言って無神経に話し出すと『出て行けー💢』『この人でなしー💢』と門前払いで怒られた訳である(納得_白目)

そりゃー冬も越せないよな...(汗)
良い方法だと思ったのだが・・・仕方がないので、まず大人達に学校というモノを別枠で経験してもらって都市部の子どもから通わせる事で学校の重要性への理解を促し
農村部の方は行政で食料の引換券を発行して初等科教育を受けさせる代わりに一年分の食料を保証するやり方にして、ようやく上手くいった...

ちなみに元の世界でも貴族であれ読み書きの出来ない人が結構いたされていたので最低限の文字の読み書きや計算が出来るか部下達に聞いた所――

案の定できない人間が大半を占めていたので騎士は勿論の事、部隊を率いる部隊長などの元の世界で言う所の軍隊の下士官達には金銭などの手当も付けて交代で勉強させている

ゆくゆくは兵士レベルにまで普及させたいと考えている
一応、作ったマニュアルは文字の読み書きが出来なくても援助している芸術家達に書いて貰った絵など木版などで分かりやすく書いているとは言え...

最低限の文字の読み書きや計算が出来なければマニュアルに書かれている文字だって読めないし何より人材の育成にも時間が掛かってしまうと思うからだ

彼ら彼女らは決して元の世界の現代人と比べ知能に劣っている訳ではない
ただ教育を受ける機会がなかっただけだ
恐らく、さほど時間も掛からず――すぐに出来るようになるだろう
だからこそ心配はしていない

(今は子ども達が学べる環境を整える事に集中するべきだ)

学校は既に完成し設備も万全。教員や教材の手配も済んでいる
問題は...

――学校初日

「やーい♪この色無しネズミ~ぃ」

「あなたユガン人?どおりで体だけ大きくて頭が悪いのね♪」

「私たちビレネー人は聖霊ビレネーに選ばれた民族だもん💢だからエレンダ人やユガン人には何をしても良いんだ💢私たちに跪けぇ💢」

「この下等な下賤なビレネー人とユガン人めっ💢」

ダメだ・・・こりゃ...(白目)
子ども達なら、まだ大人よりナショナリズムに染まってないと思って試しに同じクラスにして見たが――

このままでは殴り合いとか差別から生じるイジメに発展しそうだ
ある意味、大人より深刻な結果を見せられ教師陣も止めるどころか自分たちまで参加している惨状に光景に目を覆いながら...

【やはり民族別にクラスを編成しよう・・・あと彼ら彼女らが最初に学ぶべきは最低限の文字の読み書きや計算だけじゃなく残念ながら道徳も一緒に学ばせる必要があるようだ...】と、さめざめ感じるアユムなのであった
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