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第159話:閑話;売って何が悪い?
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「フン・・・あんな女どもは中古のわりに――なかなか良い金になったな」
桐谷拓哉は取り巻き女子達を奴隷商に売ったにも拘わらず歩きながら澄まし顔で受け取った金貨の一枚をピンと宙に弾き――持ち前の動態神経で落ちてきた金貨を握りしめた
一方で代わりに彼女達を売り払ったせいで性欲を処理する相手がいなくなったが桐谷には【俺は生殖行為に溺れる猿じゃない...】という謎のプライドがあるためか、その事に関しては大して問題視はしていない...
それどころか・・・彼にとって彼女たちは足を引っ張る目障りな存在で...
彼女たちは桐谷と同じく強い天恵を得たにも拘わらず自分達は安全な所で彼をおだてて楽をするばかりで積極的に戦闘に参加しなかったのである
だが――それだけなら、まだ良かった・・・あの女どもは気変わりが激しく...
いくら桐谷が女子たちの気分をくみ取り機敏に対処するのが上手いとはいえ面倒を見るのも楽ではなかったのだ
自分が少しでも相手にされないと落ち込むか激怒し――他の女子が自分が彼の一番だと言うと仲間内で大げんかするばかりか...
それに加え先の最前線の戦いでは彼女達の機嫌は常に悪く――命がけの戦場で出された食事のクォリティーにケチをつけだすに飽き足らずスィーツが食べたいと我が儘を言い...
やれ――この世界に存在しない化粧品が欲しいだの・・・もっと良い宿に泊まりたいと、ないモノねだりばかりしてきた
例え桐谷でなくとも誰であれ面倒を見切れなくなるのは時間の問題であり――いい加減、彼女たちの機嫌をとるのが面倒になるのも無理からぬ事ではあったのだ
そこで彼が考え付いたのが足を引っ張る彼女たちを売り払い――その金で志願してくる有能な冒険者を雇い入れ彼らの装備に投資する事である
「後の問題は――どんな奴を雇い入れるかだが・・・」
そう・・・独り言ちながら夕焼けの射す街路にコツンコツンと桐谷が歩く音だけが木霊してゆく...奇しくも、その寂しくも哀しく響く足音は――まるで彼に売られ置いていかれる彼女達取り巻き女子達の嘆きと悲しみを顕わしているかのようだった...
桐谷拓哉は取り巻き女子達を奴隷商に売ったにも拘わらず歩きながら澄まし顔で受け取った金貨の一枚をピンと宙に弾き――持ち前の動態神経で落ちてきた金貨を握りしめた
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それどころか・・・彼にとって彼女たちは足を引っ張る目障りな存在で...
彼女たちは桐谷と同じく強い天恵を得たにも拘わらず自分達は安全な所で彼をおだてて楽をするばかりで積極的に戦闘に参加しなかったのである
だが――それだけなら、まだ良かった・・・あの女どもは気変わりが激しく...
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それに加え先の最前線の戦いでは彼女達の機嫌は常に悪く――命がけの戦場で出された食事のクォリティーにケチをつけだすに飽き足らずスィーツが食べたいと我が儘を言い...
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