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第139話;閑話:給金

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さて、ようやく内政も一段落してきたし、そろそろヨルミネイト達に給金を支払ってやらねばなるまい...
そう思い立った俺は金融屋に頼み自分の口座の金から旧庁舎へとまとまった金を持って来させた

・・・とは言え領から得られる税収は少額の現金と現物だけなので...

この金は領から得られた税収に例のファーストフードの店の経営でバールハイト氏から定期的に支払われたロイヤリティー俺のポケットマネーを付け足した大切な金だ

余談だが嬉しい事にバールハイト氏から定期的に支払われるロイヤリティーは絶賛右肩上がりでニワトリのような生き物の生まれたての卵から作るマヨネーズが現在――主力製品になりつつある...

これも収穫した卵を大量に塩素消毒して冷蔵保存できる技術が確立出来たのでサルモネラ菌による心配が無くなったのとルスリス原産の月光ヒマワリから大量に採れる安価な植物油のおかげで大量生産が可能となったからだ

それに付け加え、そのマヨネーズを有能すぎるバールハイト氏は菜食文化が根付いているエルフの国 ルクルサ神権国に他のドレッシングと共に積極的に売り込んでいるのだ...

正直――俺では、ここまで規模に出来なかっただろう・・・話が逸れたが...

まあ・・・そのような経緯もあり、こうしてヨルミネイト達に給金を払う事が出来ていると言う訳だ...

ちなみに給金と受け取った時の様子は以下の通りだ

ヨルミネイト――金貨5枚
ヨルミネイトは金貨5枚という新兵なみの給金になった事に衝撃を受けて最初こそ抗議の声を挙げたが給料と同時にコチラに赴任した時に支給された剣や鎧・馬を加えた装備一式を与え装備の維持費もコチラが持つ事を約束したので納得した様子であった

ニニム――銀貨10枚
宮仕えの頃の官僚時代の給金から相対的に見て給金は下がったが本人曰くあそこでも――さほど高い給金を貰っていなかったので同胞ばかりのビレネー人がいるケルダンのほうが差別されないので問題としてないようだ

リリナ・ナナリ・ルルナ――銀貨2枚
実家の本業に比べれば多忙な業務の割りにメイドの給料は決して良くないが彼女達は額に汗を滲ませ初めて自身で稼いだお金に、ご機嫌であった...

ササミ・ココア――銀1枚と銅貨5枚
ココアは堅実に、すぐ使うお金以外は貯金するようだ...
ササミは銅貨5枚だけを自身の手元に残し銀貨1枚は実家へと仕送りするように金融屋に命令していた・・・性格は人間クズだが家族の為に仕送りするとは、なかなか偉い子である...

ロト・シェリスの三人は――いちおう国から命令と言う事もあり、そちらから給金が出ているので出す必要はないが勝手に助手をしているサラサには無給と言うのは流石に可哀想なのでササミ達と同額程度を渡した...

無論――俺は無給である・・・にも関わらずりにもってウチの騎士ヨルミネイトちゃんがエルフの国ルクルサ神権国が独占している【真の銀】ことミスリル製のロングソードと甲冑を買わされたうえ、馬もりにもって一番高そうな白馬の軍馬を選びやがったので閉口しましたぁあああ!

絶対!それ前の装備より良い装備だよねぇー?!!ヨルミネイトさーん?!!

彼女曰く『やはり私ほどの優れた一流の騎士には一流の装備が必要だと思うのです!卿!』っとの事だったが出来れば、もう少し財政が良くなってからにして欲しかったぞぉ!渋々支払ったが本当に勘弁して欲しい!!

おかげで懐が大変悲しい事になったじゃないかぁあああ!!!
・・・これで、また暫くは貧乏貴族としてやっていくしかない...

その日――給金と装備を受け取ったヨルミネイトの満面の笑顔とは対照的にゲッソリとした様子で旧庁舎に帰宅したアユムの姿をリリナ達が目撃したのは言うまでもない...
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