135 / 237
第135話:閑話;残念なイケメン
しおりを挟む
『しっかり領主様にお仕えしてきなさい。』
あの日――それぞれの父親達にそう言われリリナ・ナナリ・ルルナの私たち3人は実家を出て領主様の所へと参りました
私たちが領主の所へと送り出されたのは私たちの実家の生業が原因であり実家の利権を守る生け贄という側面もあったので仕える領主様が脂汗を掻いた太った豚ような奴で自分達を物のように扱うような人間なら逃げ出してやろうかと思っておりましたが...
意外にも領主様は左目の所にホクロのある。
黒髪のほっそりとした細身のイケメンだったので何とか逃げ出さずに今日まで働けております。
っと言うかビレネー人からすると――ここは結構心地良いです。
それも、これも...
一人ではなく同じ同胞が沢山いるからです
ビレネー人のコミュニティーは狭く横の繋がりが強いため大抵は顔見知りですが――ここケルダンの旧官庁舎には...
公務員試験を受けユガンの皇帝直属の下っ端官僚になったがビレネー人をよく思わない人々に栄転《えいてん》っと言う名の異動を命じられたニニム
ケルダンでの横流し市場を牛耳ってきた両親を持つリリナ
ケルダンにて元締めとしてでビレネー人達を代表して纏めてきた代表者の娘のナナリ
ケルダンで実家が屠畜業を営んでいるルルナ
両親が多産な為、口減らしの奉公人としてやって来たササミ
孤児院に入る事すら出来なかったココア
など6人もの同性の仲間がいるのです!これが、どれだけ心強いかは差別されていない方々には分からないでしょう!もちろん、中には気に食わない人もいます...
『ふん!――また色無しネズミが増えたか!』
私たちを見たそばから、そう言い放った・・・あのヨルミネイトさんとか言う金髪の騎士様は許せません!ほんの少ーし顔立ちが整っているだけの左遷騎士の分際で私たちに偉そうにしないで貰いたいです💢
幸いにも領主様がヨルミネイト様に『君は今より私の部下だ。不満があろうと他の部下とも仲良くするように努めなさい。これは領主としての最初の命令だ。』と言って下さったのでヨルミネイト様は苦虫を噛み潰したような顔をしながらも承諾されました
この話題だけ見れば領主様はカッコイイ方なのですが領主様は、あからさまに不機嫌になられたヨルミネイト様に『えっ?いや?!ヨルミネイトさん?ち、違うですよ...これは領主として言わなきゃイケない事だから言ってるだけで・・・ねぇ?怒らないで?!つい最近――出来たばかりのエレンダ商会の料理屋に連れて行ってランチ奢ってあげるからーねぇ?!』と...
ヨルミネイト様の機嫌を伺っていました!なんでも最近――話題になっているエレンダ商会のファーストフード店とかいう所に行ったらしいです
領主様曰く『いや?!ビレネー人差別じゃないよ?!ヨルミネイトは騎士だし・・・ほら職業差別じゃないけど君たちは使用人だろう?!他意は無いよ?!ホント!!』と目を泳がせながら震え声でおっしゃっていました...
その他にも、ご自身で製作なされた防犯グッズであるボール型ワイヤートラップに引っかかり私たちに助けを求めたり領主専用部屋のドアに鍵を掛け用事が終わり部屋から出ようと思って鍵を探したら部屋の鍵がなく焦って――むせび泣きながらドアを叩き私たちに『たしゅけて!たしゅけて!』っと助けを求め無事部屋から救出された後、ご自身のポケットに鍵があったりと何というか・・・領主様は色々と残念なイケメンです
【まあ――仕方が無いですから私たち優秀なビレネー人がポンコツな領主様に協力してあげます。エッヘン(๑¯﹀¯๑)】
っと自己満足に満たされたドヤ顔で押し付けがましい事を思いつつもの彼女達は今日も領主であるアユムを助けるのだった...
あの日――それぞれの父親達にそう言われリリナ・ナナリ・ルルナの私たち3人は実家を出て領主様の所へと参りました
私たちが領主の所へと送り出されたのは私たちの実家の生業が原因であり実家の利権を守る生け贄という側面もあったので仕える領主様が脂汗を掻いた太った豚ような奴で自分達を物のように扱うような人間なら逃げ出してやろうかと思っておりましたが...
意外にも領主様は左目の所にホクロのある。
黒髪のほっそりとした細身のイケメンだったので何とか逃げ出さずに今日まで働けております。
っと言うかビレネー人からすると――ここは結構心地良いです。
それも、これも...
一人ではなく同じ同胞が沢山いるからです
ビレネー人のコミュニティーは狭く横の繋がりが強いため大抵は顔見知りですが――ここケルダンの旧官庁舎には...
公務員試験を受けユガンの皇帝直属の下っ端官僚になったがビレネー人をよく思わない人々に栄転《えいてん》っと言う名の異動を命じられたニニム
ケルダンでの横流し市場を牛耳ってきた両親を持つリリナ
ケルダンにて元締めとしてでビレネー人達を代表して纏めてきた代表者の娘のナナリ
ケルダンで実家が屠畜業を営んでいるルルナ
両親が多産な為、口減らしの奉公人としてやって来たササミ
孤児院に入る事すら出来なかったココア
など6人もの同性の仲間がいるのです!これが、どれだけ心強いかは差別されていない方々には分からないでしょう!もちろん、中には気に食わない人もいます...
『ふん!――また色無しネズミが増えたか!』
私たちを見たそばから、そう言い放った・・・あのヨルミネイトさんとか言う金髪の騎士様は許せません!ほんの少ーし顔立ちが整っているだけの左遷騎士の分際で私たちに偉そうにしないで貰いたいです💢
幸いにも領主様がヨルミネイト様に『君は今より私の部下だ。不満があろうと他の部下とも仲良くするように努めなさい。これは領主としての最初の命令だ。』と言って下さったのでヨルミネイト様は苦虫を噛み潰したような顔をしながらも承諾されました
この話題だけ見れば領主様はカッコイイ方なのですが領主様は、あからさまに不機嫌になられたヨルミネイト様に『えっ?いや?!ヨルミネイトさん?ち、違うですよ...これは領主として言わなきゃイケない事だから言ってるだけで・・・ねぇ?怒らないで?!つい最近――出来たばかりのエレンダ商会の料理屋に連れて行ってランチ奢ってあげるからーねぇ?!』と...
ヨルミネイト様の機嫌を伺っていました!なんでも最近――話題になっているエレンダ商会のファーストフード店とかいう所に行ったらしいです
領主様曰く『いや?!ビレネー人差別じゃないよ?!ヨルミネイトは騎士だし・・・ほら職業差別じゃないけど君たちは使用人だろう?!他意は無いよ?!ホント!!』と目を泳がせながら震え声でおっしゃっていました...
その他にも、ご自身で製作なされた防犯グッズであるボール型ワイヤートラップに引っかかり私たちに助けを求めたり領主専用部屋のドアに鍵を掛け用事が終わり部屋から出ようと思って鍵を探したら部屋の鍵がなく焦って――むせび泣きながらドアを叩き私たちに『たしゅけて!たしゅけて!』っと助けを求め無事部屋から救出された後、ご自身のポケットに鍵があったりと何というか・・・領主様は色々と残念なイケメンです
【まあ――仕方が無いですから私たち優秀なビレネー人がポンコツな領主様に協力してあげます。エッヘン(๑¯﹀¯๑)】
っと自己満足に満たされたドヤ顔で押し付けがましい事を思いつつもの彼女達は今日も領主であるアユムを助けるのだった...
0
お気に入りに追加
542
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる