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第120話:閑話;ユガンへの帰路

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行きと違って自由都市ユガンへの帰路へと着く道中は護衛が複数いる為か賊や魔物の襲撃される事は無かった。さすがに馬に乗った騎士や騎手達が護衛する馬車を襲撃する命知らずは異世界にもいないようだ...

一緒に付いてきた梨島に至っては物珍しさからか元の世界にはない光景や魔物を目にするたびに質問をぶつけてくる始末で・・・完全に観光気分だ...

ちなみに俺がヴァレンドを去る事を知ったラウラ王女は『そんな?!』と卒倒してくれたが当然、一国の王女が付いてくる事も出来ず涙ぐみながら見送ってくれた...

そんな事を思い出していると海岸線で群れているギャンサーを見た梨島が「うわぁ~見てみてサナイくん!大きなカニ!シオマネキにソックリだけど食べたら美味しいのかな?・・・と言うか、何を食べたらあんなに大きくなるだろう?」と疑問を口にしたので仕方なく答える...

「あぁ...あれは・・・ギャンサーという魔物だよ。好物は人間で、かく言う俺もユガンに定住し出した頃――はぐれギャンサーに食べられかけたから絶対に自分から近づいて行ったりしないように」と警告も含め苦々しく応えた...

梨島は頭で理解するのが遅れたのか「ふへっ?」と間抜けな声を出したが、すぐに表情が青ざめ「あ、あのカニさん・・・人を食べるの?」と震えながらギャンサーの群れを指を指した...

「うん・・・梨島さんの言うように、ここら辺の住人たちとは食って食われる仲らしくて食べたら身がギッシリ入ってて美味しいらしいけど...」っと一拍おいて「君のユガン到着祝いに食べたいなら奢るけど?」と述べると...

無論――ひよりは、ふるふると顔を横に振った...普通のカニなら食べてみたいが人間様を、おいしく頂くカニさんを食すのは気が引けたらしい・・・人の考えが予測するのが得意な俺は

「とは言え・・・言っておいてなんだけど――この世界では人を捕食しない生き物を探す方が難しいし、気にしてると何も食べられなくなるから気にしない方が良いよ・・・気持ちは解るけど...」

っと、梨島の考えていそうな事をすかさず言い当てfollowフォローしたのがマズかったのか?その後――梨島が(えっ?本当に...)と言う表情で押し黙ってしまったのは言うまでもない...怖がらせるつもりは無かったが・・・失敗した...
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