クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

文字の大きさ
上 下
117 / 237

第117話:ハーフリング

しおりを挟む
カグラマグナの姿が見えなくなったあと俺は直ぐさま避難した人々がいる所へ向かった...

トリグ王や側近たちは傷病者の収容・治療を初めとした軍や街の被害状況の把握、その修繕・補修など緊急予算の割り当てなどの事後処理があるとの事で足早に去っていったが俺が梨島に合流する旨を伝えると、ついでに王ら無事を人々に伝え人々を安心させるよう言われた...

メッセンジャーの役目を任されたので避難した人々がいるであろう場所を目指す...



途中――ヴァレンドを一望出来る場所に差し掛かったので振り返ると、あの巨大な獣や昆虫が暴れ回ったせいで未だに砂埃などが混じった・・・黒みがかった粉塵《ふんじん》が不気味に漂っている...

女王もカグラマグナも滞在時間は短かったハズだが短時間の内に、これほどの爪痕を残すとは恐ろしい限りだ...

まあ、ヴァレンド市街の一部構造物の倒壊・大破は俺のせいなんだけど・・・ちなみに反省はしてない
緊急事態だったし向こうも俺を便利に使っているのだからお互い様のハズだ...


『アユムはカグラマグナの件について根に持っている!』

執念深い奴である!だが!小心者なので根に持っても何も言えなかった!
アユムはチキンであった!

***

「ここがヴァレンド洞窟国にあるハーフリングの自治領・・・メルクヴァラか...」

避難したドワーフの民間人たちが残した痕跡を辿りアユムはヴァレンド洞窟国――ハーフリングの自治領のメルクヴァラに徒歩にて到着した...

ドワーフ達は人よりも少し小さい110cmから140cm程度の身長しかなかったが――ここメルクヴァラに住むハーフリング達の背は高くても100cm以下しかない

その為か可愛らしいサイズの建物が眼前に広がっていて――まるで、おとぎ話の童話に出てくる世界に入り込んだ感覚を覚えるが道ばたには殿でもつとめたのだろう・・・横たわっている負傷したドワーフの戦士たちがハーフリングたちに介抱されている

「うわ~でっけぇ奴だな~」「あれが噂に聞いた人間か~」

人間が物珍しいのだろう...ハーフリング達は目をマンマルにして見上げてくる...

幼稚園児に見間違うような姿の彼ら彼女らだが読んだ書物によると彼らは成人していてドワーフほどではないが膂力りょりょくも人間以上らしい。ドワーフと違って魔法もエルフほどではないが・・・ある程度――巧みとの事だ

その後、梨島やラウラ王女を見つけ無事――トリグ王から任されたメッセンジャーの役目を果たしたが...

「いいわぁ~ 強くて頭も良い義理の息子 いいわぁ~」

負傷者の治療の為にポーションを調合して手伝っているとラウラ王女とともに負傷者の治療の手伝いをしておられたエリシフ王妃が頬に手を当てながら――そんな事を言っていた...

いつ俺が貴女の義理息子になると・・・外堀に埋めるのは止めていただきたい...

「私が、もう少し若ければ行けたかしら?ねぇ?年上は好き?」

そう言いながらラージサイズの胸を俺の背中に押し付けると同じく治療の手伝いをしていたラウラ王女の悲鳴めいた声で「うぅ~も~ぉ💢お母様💢サナイ様を誘惑するのは止めて下さい💢治療の邪魔です💢」と言う声が響いた!

チラと目線をそらしラウラ王女の様子を伺うと真っ赤な顔で頬を膨らませている姿が見て取れた...なんとも可愛らしい印象を抱いたのは恐らく俺だけではないだろう

後日談だが、ここにいるハーフリング達は精密さが要求される小さな部品の製造に従事しているらしい...因みに普段はハシゴで高い所にある部品を取っているそうだが下心まんさいの俺が代わりに取ってあげると女性を中心に、とても喜ばれました・・・やったぜ!
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

END-GAME【日常生活編】

孤高
ファンタジー
この作品は本編の中に書かれていない日常を書いてみました。どうぞご覧ください 本編もよろしくです! 毎日朝7時 夜7時に投稿

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...