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第114話:腹を括れ!!女王光来!
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梨島と合流した俺は、いよいよ避難をしようと行動を開始した...
既に頑丈な砦や要塞に入る為に市民の行列が出来ているが今のところ目立った混乱はないドワーフ達は文句を言う事もなく皆落ち着いている...
「みんな、かなり落ち着いてるね?」
クラスメイトの梨島日和が、その事を指摘すると一緒に避難している王宮の家扶や家令といった公用人たちが口を開く...
「我々は普段から有事に備えて避難訓練をしていますからな~」
「そうです。我々は王と軍の勝利を信じております。不安など一抹も、ございません。」
(なるほど・・・道理で落ち着いている訳だ...)
そう納得した瞬間――刹那空気が振動したのを感じた!
あっ!――そう驚く間もなくドーム状の空間が広がるヴァレンドの壁が崩れ全長20メートルはあろうかと思われる巨大な羽アリが姿を現したではないか!!
(な、なんだ!アレわぁあああ?!!)
仰天の表情で思わず鼻水垂らしてしまった!
巨大な羽アリは巨大で強力そうな顎・・・凶悪な顔!
そして巨体が薄暗い遠方からでも確認できる!
正直いって前からも後ろからも漏らしそうだ!!
アレは人間が挑んでも絶対に勝てない奴である!!
さっきほどまで落ち着いていたドワーフ達や家扶や家令も――ついさっきの発言は、どこへやら!他人を押しのけて我先にと言わんばかりに逃げ出していく!
周囲を見渡したが守りを固めている衛兵たちは混乱した群衆を止め圧死する者が出ないようにするのが、せいぜいで――あの羽アリを、どうこう出来るような状況ではない...
梨島も釣られるように動揺して「は、早く私たちも逃げないと!真井くん!!」と俺の体を揺らしたが...誰かが、あの羽アリを足止めしなくてはならなかった...
(ああ...どうしてこうなった...)
誰がか、あの化け物を止めなければコチラの避難中の民間人かトリグ王の率いている軍が背後から攻撃を受けてしまう可能性が高い...
座して顔見知りが死ぬ所を見るという選択肢はない・・・なら...
(とても気が進まないけど・・・自分で動くしかない・・・か...)
俺は纏めていた荷物を解くとビレネー坑道への行くさい用意してあった戦闘用の簡易魔法陣、魔導書、トラップなど取り出すと残った荷物を「梨島さん!この荷物を、よろしく!」と梨島に投げ渡した!
「えっ?!ちょ?!真井くん?!どこへ行くの-?!」
背中越しに遠ざかる梨島の仰天する声がアユムには聞こえたが腹をくくった彼が脇目を振る事はなかった...
既に頑丈な砦や要塞に入る為に市民の行列が出来ているが今のところ目立った混乱はないドワーフ達は文句を言う事もなく皆落ち着いている...
「みんな、かなり落ち着いてるね?」
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「我々は普段から有事に備えて避難訓練をしていますからな~」
「そうです。我々は王と軍の勝利を信じております。不安など一抹も、ございません。」
(なるほど・・・道理で落ち着いている訳だ...)
そう納得した瞬間――刹那空気が振動したのを感じた!
あっ!――そう驚く間もなくドーム状の空間が広がるヴァレンドの壁が崩れ全長20メートルはあろうかと思われる巨大な羽アリが姿を現したではないか!!
(な、なんだ!アレわぁあああ?!!)
仰天の表情で思わず鼻水垂らしてしまった!
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