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第110話;空を自由に飛びたいな?!
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「ドワーフの中にはソナタのような考えを持つ者もおってな。どうだろう・・・サナイ。彼らに知恵を貸してやってはくれぬだろうか?」
「それは冒険心が溢れていて、とても刺激的ですね!貴方様から誘いがなくても是非とも参加してみたいです」
***
昨日の会食の場での会話を頭の片隅《かたすみ》に思い浮かべながら設計図通りに作られたモックアップにアユムは感嘆の、あまり息を漏らす...
昨夜――トリグ王から聞いた話によれば昨今・・・ここヴァレンド洞窟国では飛行機械を開発したい革新的なドワーフの一派と『機械で空を飛べる訳がない他の分野に注力するべきだ』と主張する保守的なドワーフ達との間で意見の対立があり先日、両者が運悪くニアミスでバッティングしてしまった結果――酒の勢いに任せて乱闘騒ぎを起こったというのだ
勿論そんな事態になる前に代替案として中立の臣下達から『両者に公平に予算を拠出すれば良いのでは?』と言う意見が出たが...
無論――予算には限りがある為...
『それでは開発費が足りない!!』
『無謀な冒険に財源を割くべきではない!!』
と、普段は仲違いしている革新派と保守派――両者が反対に回ってしまい結果的に予算分配という選択肢は採れなかったのだという...
更に悪い事に両者ともヴァレンド国内では、それなりに影響力がある臣下が中心になっている為――トリグ王も、どちらかに味方をするような迂闊な発言は出来ず最近は予算編成を円滑に進める事が出来ない為、国政にも一定の影響が出始めているのでトリグ王も頭を悩ませているのだとか...
故に(これはヴァレンドに恩を売るチャンスだ...)と考えた俺はトリグ王から出されたヴァレンド洞窟国の古い設計図とユガンへの技術支援を条件に二つ返事で仕事を引き受けた訳だが王には『知恵を貸してやってくれ』と言われたが、この空を飛べる機械はモックアップを見る限り、ほぼ完成していた...
彼の考えた空飛ぶ機械はオートジャイロのようなコンパクトな機体にレシプロ機を逆にしたような姿をしていて上部には回転翼がついているヘリコプターとレシプロ機が合体したようなチグハグな構造をしていた。
恐らく手探りで開発した結果――あれも、これも!・・・と機能を絞らずに作ってしまったのだろう...
これは物作り全般に言える事だが・・・大抵の場合、設計の段階で複数の役割や機能を集約して良い所ばかりを取り入れようとすると余程うまくやらない限りうまくいかない・又は専門に特化した製品に比べ役割や機能が見劣りする傾向が強くなる...
要は器用貧乏な製品になる訳だ。
まあ・・・そのような説明は置いておいて――空飛ぶ機械が、ほぼ完成に近いお陰で俺が楽できるなら何も問題はない...
とりあえず革新派のドワーフ達が求める要求性能を聞いて回るべきだろう...
要求する性能次第ではオートジャイロのような飛行機に近い乗り物にするのか?それともヘリコプターのような垂直離陸やホバリングが出来るような乗り物にするのか?決める必要があるからだ...
「予算の関係もあるし、あまり時間はかけられない――っと、なれば善は急げだ...」
その後、アユムは革新派のドワーフ達と共に限られた時間と予算で空飛ぶ機械を短期間で制作する事になるのだった...
「それは冒険心が溢れていて、とても刺激的ですね!貴方様から誘いがなくても是非とも参加してみたいです」
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昨日の会食の場での会話を頭の片隅《かたすみ》に思い浮かべながら設計図通りに作られたモックアップにアユムは感嘆の、あまり息を漏らす...
昨夜――トリグ王から聞いた話によれば昨今・・・ここヴァレンド洞窟国では飛行機械を開発したい革新的なドワーフの一派と『機械で空を飛べる訳がない他の分野に注力するべきだ』と主張する保守的なドワーフ達との間で意見の対立があり先日、両者が運悪くニアミスでバッティングしてしまった結果――酒の勢いに任せて乱闘騒ぎを起こったというのだ
勿論そんな事態になる前に代替案として中立の臣下達から『両者に公平に予算を拠出すれば良いのでは?』と言う意見が出たが...
無論――予算には限りがある為...
『それでは開発費が足りない!!』
『無謀な冒険に財源を割くべきではない!!』
と、普段は仲違いしている革新派と保守派――両者が反対に回ってしまい結果的に予算分配という選択肢は採れなかったのだという...
更に悪い事に両者ともヴァレンド国内では、それなりに影響力がある臣下が中心になっている為――トリグ王も、どちらかに味方をするような迂闊な発言は出来ず最近は予算編成を円滑に進める事が出来ない為、国政にも一定の影響が出始めているのでトリグ王も頭を悩ませているのだとか...
故に(これはヴァレンドに恩を売るチャンスだ...)と考えた俺はトリグ王から出されたヴァレンド洞窟国の古い設計図とユガンへの技術支援を条件に二つ返事で仕事を引き受けた訳だが王には『知恵を貸してやってくれ』と言われたが、この空を飛べる機械はモックアップを見る限り、ほぼ完成していた...
彼の考えた空飛ぶ機械はオートジャイロのようなコンパクトな機体にレシプロ機を逆にしたような姿をしていて上部には回転翼がついているヘリコプターとレシプロ機が合体したようなチグハグな構造をしていた。
恐らく手探りで開発した結果――あれも、これも!・・・と機能を絞らずに作ってしまったのだろう...
これは物作り全般に言える事だが・・・大抵の場合、設計の段階で複数の役割や機能を集約して良い所ばかりを取り入れようとすると余程うまくやらない限りうまくいかない・又は専門に特化した製品に比べ役割や機能が見劣りする傾向が強くなる...
要は器用貧乏な製品になる訳だ。
まあ・・・そのような説明は置いておいて――空飛ぶ機械が、ほぼ完成に近いお陰で俺が楽できるなら何も問題はない...
とりあえず革新派のドワーフ達が求める要求性能を聞いて回るべきだろう...
要求する性能次第ではオートジャイロのような飛行機に近い乗り物にするのか?それともヘリコプターのような垂直離陸やホバリングが出来るような乗り物にするのか?決める必要があるからだ...
「予算の関係もあるし、あまり時間はかけられない――っと、なれば善は急げだ...」
その後、アユムは革新派のドワーフ達と共に限られた時間と予算で空飛ぶ機械を短期間で制作する事になるのだった...
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