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第98話;閑話:束の間の食事と邪まなココロ
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真井君が生きていた!私たちは凄く驚いたが更に驚いた事は真井君が安君を殺してしまったと告白して来た事だ...驚き、恐怖・そして加害者になった真井君と安くんへの憐憫・・・色々な感情が巡ったけれど一番可哀そうなのは嶺山さんだ...
私たちは嶺山さんがクラスメイトから死傷者を出さないように配慮して努力していたのを知っていた...なのに安くんは嶺山さんを裏切り彼女に性的な乱暴をしようとしたらしい...同じ女性として許せないし結果として真井くんや嶺山さんに深い心の傷を残すなんて、あまりにも酷すぎる...
結果的に真井君が安くんを殺してしまったのは良くない事だとは思うけれど・・・でも、それでも、わたし個人としては真井くんが生きていてくれて良かったし嬉しかった...
「よし...トラップと簡易魔法陣による安全確保完了...」
真井君・・・安心して真井君は冷淡な気質だけど冷たい人じゃないって、わたしはちゃんと知ってるよ?あの花壇で・・・サビ猫を一緒に助けてくれた――あの日・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「梨島さんは優しいね...」
その日、花壇のベンチでサビ猫を膝に乗っけて撫でている梨島に真井はボソっと無機質に呟いた...
「? そうかな・・・わたしは花壇で見かけた、この子にすり寄られただけだよ?この子を助けるのは真井君が主体でやってくれているし・・・考えて見れば・・・わたし・・・この子の為に何もしてあげられなかったや...」
梨島が暗い苦しそうに言うと真井君は非常ひとつ変えず述べたのだった...
「そうかな...世の中には捨て猫や捨て犬を助けるどころか自身の欲望を満たすだけの為に虐待して殺してしまう悪意に満ち溢れた人々が沢山いるよ?...だから、梨島さんは優しくて良い人だよ...悪意に満ちた人間より優しい善人の方が素敵に決まってる...君みたいな優しい人間は、その場にいるだけで価値があると思うし、そんなに自分を卑下する必要はないと思う...」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
わたしは嬉しかった...わたしみたいな・・・おとなしいだけが取り柄な地味な子を、そこにいるだけで価値があるなんて言ってくれる人は今までいなかった...
「よし...こんなもんかな...」
過去の思い出を回想している短い内に、いつの間にか真井君は大きなフライパンで作ったスープを形の違う容器に入れ、みんなに差し入れてくれた。差し出されたスープ一口、口に含んだミサちゃんが「おいしい!」と目を見開き驚いたので私たちも口にする...
「それは良かった...新鮮な川魚が手に入ったからバターで玉ねぎみたいなのを炒めた後にワインと生乳・野菜、ハーブでフリカッセにして瓶詰にして見たんだ...」と真井君は言うと彼もスープを口にした...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分で作っておいてなんだが・・・うん、まあまあだ...
初めは毎日でもビレネー坑道を訪れるつもりだったので二、三日分の糧食を作ったのだが想像以上にビレネー坑道がヤバイ所だったので訪れるのは今回限りだろうと思い荷物を軽くする意味もあって三人に手作りの瓶詰を温めて出したのだが・・・三人には好評だったので緊張を程よく解くという意味合いでは良かったのではないだろうか?
全員が食事を持ってきたパンと共に食事を摂り終えた後、アユムは水の出るスキットルを使い食器を濯ぎ洗うと設置した簡易魔法陣とトラップを回収した...
因みに俺が水スキットルで濯ぎ洗いをしている最中、朱鷺原たちは交代で、お湯に浸した布切れで汗ばんだ体を拭こうとしたらしい...
朱鷺原に「ちょ?!真井くん!絶対に後ろを向かないでよね!」と真っ赤な顔で言われ疑われたので『ひ、ひどい...』と不貞腐れたら梨島が「さ、真井君は、そんな事しないよ・・・ミサちゃん...」と擁護してくれたので少し心が痛んだ...
実は思い人の鳳さんの柔らかそうなオッパイに興味をそそられていたからだ...すまん...梨島...⦅本当は覗きたい⦆という邪な心がありました!だって、男の子だもん!
心の中で梨島に謝罪するアユムであった...
私たちは嶺山さんがクラスメイトから死傷者を出さないように配慮して努力していたのを知っていた...なのに安くんは嶺山さんを裏切り彼女に性的な乱暴をしようとしたらしい...同じ女性として許せないし結果として真井くんや嶺山さんに深い心の傷を残すなんて、あまりにも酷すぎる...
結果的に真井君が安くんを殺してしまったのは良くない事だとは思うけれど・・・でも、それでも、わたし個人としては真井くんが生きていてくれて良かったし嬉しかった...
「よし...トラップと簡易魔法陣による安全確保完了...」
真井君・・・安心して真井君は冷淡な気質だけど冷たい人じゃないって、わたしはちゃんと知ってるよ?あの花壇で・・・サビ猫を一緒に助けてくれた――あの日・・・
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「梨島さんは優しいね...」
その日、花壇のベンチでサビ猫を膝に乗っけて撫でている梨島に真井はボソっと無機質に呟いた...
「? そうかな・・・わたしは花壇で見かけた、この子にすり寄られただけだよ?この子を助けるのは真井君が主体でやってくれているし・・・考えて見れば・・・わたし・・・この子の為に何もしてあげられなかったや...」
梨島が暗い苦しそうに言うと真井君は非常ひとつ変えず述べたのだった...
「そうかな...世の中には捨て猫や捨て犬を助けるどころか自身の欲望を満たすだけの為に虐待して殺してしまう悪意に満ち溢れた人々が沢山いるよ?...だから、梨島さんは優しくて良い人だよ...悪意に満ちた人間より優しい善人の方が素敵に決まってる...君みたいな優しい人間は、その場にいるだけで価値があると思うし、そんなに自分を卑下する必要はないと思う...」
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わたしは嬉しかった...わたしみたいな・・・おとなしいだけが取り柄な地味な子を、そこにいるだけで価値があるなんて言ってくれる人は今までいなかった...
「よし...こんなもんかな...」
過去の思い出を回想している短い内に、いつの間にか真井君は大きなフライパンで作ったスープを形の違う容器に入れ、みんなに差し入れてくれた。差し出されたスープ一口、口に含んだミサちゃんが「おいしい!」と目を見開き驚いたので私たちも口にする...
「それは良かった...新鮮な川魚が手に入ったからバターで玉ねぎみたいなのを炒めた後にワインと生乳・野菜、ハーブでフリカッセにして瓶詰にして見たんだ...」と真井君は言うと彼もスープを口にした...
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自分で作っておいてなんだが・・・うん、まあまあだ...
初めは毎日でもビレネー坑道を訪れるつもりだったので二、三日分の糧食を作ったのだが想像以上にビレネー坑道がヤバイ所だったので訪れるのは今回限りだろうと思い荷物を軽くする意味もあって三人に手作りの瓶詰を温めて出したのだが・・・三人には好評だったので緊張を程よく解くという意味合いでは良かったのではないだろうか?
全員が食事を持ってきたパンと共に食事を摂り終えた後、アユムは水の出るスキットルを使い食器を濯ぎ洗うと設置した簡易魔法陣とトラップを回収した...
因みに俺が水スキットルで濯ぎ洗いをしている最中、朱鷺原たちは交代で、お湯に浸した布切れで汗ばんだ体を拭こうとしたらしい...
朱鷺原に「ちょ?!真井くん!絶対に後ろを向かないでよね!」と真っ赤な顔で言われ疑われたので『ひ、ひどい...』と不貞腐れたら梨島が「さ、真井君は、そんな事しないよ・・・ミサちゃん...」と擁護してくれたので少し心が痛んだ...
実は思い人の鳳さんの柔らかそうなオッパイに興味をそそられていたからだ...すまん...梨島...⦅本当は覗きたい⦆という邪な心がありました!だって、男の子だもん!
心の中で梨島に謝罪するアユムであった...
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