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第96話;閑話:合理的正当化
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安琢磨を誤って殺傷してしまった真井歩は目的地がある訳でもないのに――ただ、ひたすら坑道内をさ迷っていた...
確かにアユムは今まで襲ってきた賊や野盗から自身の身を守る為に明確な意思と目的を持って意図的に殺害するということを幾度となく繰り返してきたが女性の尊厳を平気で踏みにじる犯罪者であったとはいえ一応はクラスメイトで顔見知りだった安琢磨を誤って殺害してしまったことにショック受けているからだ...
アユムは、もちろん反省し安琢磨《さだたくま》の冥福を心の中で祈ったが...
(まあ、いいか!安だし!)
気持ちを切り替えて立ち直るのも早かった!!
確かに少なくとも道徳的にも倫理的にも悪人とはいえ人を殺すのは良くない事だ!そして、やむを得ず殺害してしまったなら人として反省するべきだし生前のおこないに関わらず死者として悼むべきであるとアユムも思っている!
無論そのような状況に陥らないように回避するのが一番いいが・・・だが――それは、あくまで建前上の理想論だ...
そもそも、まず前提としてアユムは安琢磨の悪質な人となりを知っていたし彼は嶺山紗弓に乱暴を働こうとしていたのだ!
そして、そもそも安琢磨が、そのような状況を作られなければアユムも機械式クロスボウを撃つこともなかったし、あの動かなければ誤射する事もなかったである!
だが中には安琢磨が、そのような状況を作ったとしても⦅誤って殺してしまうとは、やり過ぎだ⦆言い張る人間も、もしかしたらいるかも知れない...
・・・が、極少数だろう...
要は⦅強姦魔より強姦魔を撃ち殺した人間の方が悪いなんて――そんなバカな話しがあってたまるか!⦆という考えをアユムは持っていた...
アユムに言わせれば安の運が悪かったのであれば――それは安の日ごろのおこないが悪かったのである!
安の死が回避されなかったのも神が、それを望んだからに違いない!
(うん!俺は全然悪くない!嶺山をレ〇プしようとした安が全面的に悪い!えっ?罪悪感はないのかって?・・・あるワケないじゃん!)
いや...罪悪感が少しもないかと言えば嘘になるが優先順位から言えば――まずは間違って殺めてしまった安の事よりも自分の身の安全と保身の方が、はるかに重要である!
しかも致し方ない状況で誤って殺害してしまった安の為に既に十分すぎるくらい反省もしたし心は痛めてあげたのだ!
(ゆえに――これ以上オレが心を痛める必要は、どこにもない!)
もちろん、反省や贖罪が足りないのであれば自分自身が安全圏に脱してからなら――もう少しは安の為に心を痛めてやらなくもないが...そんなモノは後でよろしい!少なくとも安の為に心を痛めるのは今ではない!
アユムは自身の意識を生存の為に切り替えると、もう用済みとなったビレネー坑道から脱出する為に行動し始めるのだった...
確かにアユムは今まで襲ってきた賊や野盗から自身の身を守る為に明確な意思と目的を持って意図的に殺害するということを幾度となく繰り返してきたが女性の尊厳を平気で踏みにじる犯罪者であったとはいえ一応はクラスメイトで顔見知りだった安琢磨を誤って殺害してしまったことにショック受けているからだ...
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