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第91話:結城雪奈
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(さゆみちゃん・・・大丈夫かな...)
結城雪奈は心の中で、そう思う...
あの時――雪奈は良かれと思って他のパーティーメンバーを止める為に逃げ出したクラスメイトたちを追っていたが結果的に自分も嶺山と逸れてしまった...
「はぁ~ 参ったぜ~」
パーティーは帝都グーンでの浮気が原因で喧嘩した岩屋もおり気まずい雰囲気だ...
他には酒井葵 今泉凛 三舩結衣 中院重音と数人の男子がいる...
恐らく分散した嶺山パーティーの中で――最も人数が多いパーティーだろう...
結城たちが逃げ込んだ地下空間は地下水で出来たと思われる大きな湖のような場所だが何故か不思議だが――あの二足歩行のアリ型生物は、ここまでは追って来なかったので雪奈たちは一休みが出来ている...
「なあー 悪かったって結城・・・そろそろ機嫌を直してくれよ~」
嶺山と逸れてから雪奈の彼氏である岩屋は雪奈に何回も平謝りしていたが雪奈は――まだ岩屋の事を許せなかった...
「フン!岩屋君なんて、もう知らない!さっきも他の女子の事を見て鼻の下を垂らして喜んでいた癖に・・・女の子の多いパーティーに来れてよかったね!岩屋君!」
雪奈はそっぽを向くと「チィ!何だよ・・・」と岩屋は諦めた様子で水辺に近い岩場に座った...
(もう、懲りたかな?そろそろ許してあげようかな?)
雪奈がそう考え水辺の岩場に座っていた岩屋に声を掛けようと「いわ――」と彼の名前を呼ぼうとした時だった...
何かが水中から大量に飛び出して彼を覆いつくした!!
「ア"ア"ア"あ"あ"あ"あ"あああ!!!!!!!!!!!!」
岩屋の突然の悲鳴に全員が彼のいる方向を見るとそこには...
小型犬ほどの大量のエビらしき甲殻類が水中から飛び出し彼を水中へと叩き落す光景が広がっていた!!
「そ、そんなぁーーーあああ!岩屋君!!」結城は彼を助けようと水辺に向かおうとしたが近くにいた女子生徒数人と男子に羽交い絞めにされ止められる!!
「やめて!!結城さん!!」「正気?!あなたまで死ぬわよ!!」「助けたい気持ちは分かるが!結城!もう諦めるだぁーーあああ!!」
クラスメイトの言う通り岩屋が落ちた水面からは――もう既に彼の命がない事を証明するかのように真っ赤な血の色に染まっている...
それでもなお「いやぁーあああ!!!みんな放して!!岩屋くんが!岩屋君がぁああ!!」雪奈は思わず悲痛な叫びをあげるが...
それがマズかったのだろうか...
水際から岩屋の仇が大量にゾロゾロと、その姿を現し始めた...
水中から現れた――その化け物どもは小型の犬ほどのサイズで姿はダンゴムシに似ているがエビのような尾を持っており大量の足が生えていた...
――その甲殻から移動する際に発生するカサカサという不快な音と犇めきあう光景は恐怖と生理的な嫌悪感を抱かせるに十分だ!
「きゃああああ!!無理無理!ぜったいに無理っりぃい!」
あまりの数と生理的嫌悪感から思わず呆然とした雪奈の手を引いて女子たちは悲鳴をあげながら脱兎の如く勢いで逃げ出した!
その後を追うように男子たちも釣られて全力で逃げ出す!
彼ら彼女らは狭く薄暗い坑道内を懸命に逃げるがエビのような尾を持つダンゴムシは、その大量の足が生えている為か思いのほか速く――われ先にと重なり合うように黒い集団と化して追いかけて来る!!
「いやぁああああ!!!来ないで!!」「やだ!ヤダよ!こんな死に方!」「うわぁああああ!あの蟲に喰われて死ぬなんて御免だぁあああ!!」「もう、ダメだ!追いつかれる!」
まるで一つの巨大な化け物と化した――少しづつ追いてくる甲殻類の集団に死の予感を感じた全員の悲鳴と絶叫が交わりあった!まさに――その時だった...
結城たちが狭い通りを抜け――少し広い通り過ぎたと同時にドゴーンという強烈な爆発音と響くと甲殻類の化け物たちの大半が生き埋めになったではないか?!
「なっ?!」「何が起こった!」「どうして爆発が?」「誰がやったんだ?!」「分からないけど・・・なには――ともあれ助かったぜ!」
結城たちは状況が掴めずに唖然したが息を整えながら残った少数の敵に対処する為に全員が武器を構えると交戦を開始する!!
「敵は少数だ!やるぞ!」「食らえ!これは岩屋の仇だ!」
「ええい!近づくな!ダンゴムシもどき!」
全員が手分けして残りの化け物を倒していく――
――雪奈も負けじとに氷結魔法や氷結のエンチャントの効いた斬撃が飛ばし化け物ども蹂躙していく!
「死ねぇーーーえええ!!岩屋君の仇!!」
大半の敵が生き埋めになった事もあり数分も経たずに敵が片付くと疲労と虚無感に襲われ...全員に――しばしの沈黙が訪れた...
「ハァ・・・ハァ・・・」「ゼぇーゼぇー」
「や、やったのか?」「ああ、生き残った...」「よかった...よかったよ~」
「死なずにすんだ...」「ううぅ・・・グスン...もうダメだと思った...」
クラスメイトたちが自身の生を噛みしめ生き残ったことに喜んでいる一方で雪奈は後悔と罪悪感で感傷に浸った...
(岩屋くん...ごめんね...こんな別れ方になるなら...)
せめて彼の謝罪を、もう少し早く受け入れてあげればよかった...
雪奈は――そう思ったが、もう謝るべき彼は、この世に存在しない...
その後、少しの休憩ののちに全員で話し合った結果――他のクラスメイトたちを全員で探しに行く事となり結城たちは再び移動を開始し始めるのだった...
結城雪奈は心の中で、そう思う...
あの時――雪奈は良かれと思って他のパーティーメンバーを止める為に逃げ出したクラスメイトたちを追っていたが結果的に自分も嶺山と逸れてしまった...
「はぁ~ 参ったぜ~」
パーティーは帝都グーンでの浮気が原因で喧嘩した岩屋もおり気まずい雰囲気だ...
他には酒井葵 今泉凛 三舩結衣 中院重音と数人の男子がいる...
恐らく分散した嶺山パーティーの中で――最も人数が多いパーティーだろう...
結城たちが逃げ込んだ地下空間は地下水で出来たと思われる大きな湖のような場所だが何故か不思議だが――あの二足歩行のアリ型生物は、ここまでは追って来なかったので雪奈たちは一休みが出来ている...
「なあー 悪かったって結城・・・そろそろ機嫌を直してくれよ~」
嶺山と逸れてから雪奈の彼氏である岩屋は雪奈に何回も平謝りしていたが雪奈は――まだ岩屋の事を許せなかった...
「フン!岩屋君なんて、もう知らない!さっきも他の女子の事を見て鼻の下を垂らして喜んでいた癖に・・・女の子の多いパーティーに来れてよかったね!岩屋君!」
雪奈はそっぽを向くと「チィ!何だよ・・・」と岩屋は諦めた様子で水辺に近い岩場に座った...
(もう、懲りたかな?そろそろ許してあげようかな?)
雪奈がそう考え水辺の岩場に座っていた岩屋に声を掛けようと「いわ――」と彼の名前を呼ぼうとした時だった...
何かが水中から大量に飛び出して彼を覆いつくした!!
「ア"ア"ア"あ"あ"あ"あ"あああ!!!!!!!!!!!!」
岩屋の突然の悲鳴に全員が彼のいる方向を見るとそこには...
小型犬ほどの大量のエビらしき甲殻類が水中から飛び出し彼を水中へと叩き落す光景が広がっていた!!
「そ、そんなぁーーーあああ!岩屋君!!」結城は彼を助けようと水辺に向かおうとしたが近くにいた女子生徒数人と男子に羽交い絞めにされ止められる!!
「やめて!!結城さん!!」「正気?!あなたまで死ぬわよ!!」「助けたい気持ちは分かるが!結城!もう諦めるだぁーーあああ!!」
クラスメイトの言う通り岩屋が落ちた水面からは――もう既に彼の命がない事を証明するかのように真っ赤な血の色に染まっている...
それでもなお「いやぁーあああ!!!みんな放して!!岩屋くんが!岩屋君がぁああ!!」雪奈は思わず悲痛な叫びをあげるが...
それがマズかったのだろうか...
水際から岩屋の仇が大量にゾロゾロと、その姿を現し始めた...
水中から現れた――その化け物どもは小型の犬ほどのサイズで姿はダンゴムシに似ているがエビのような尾を持っており大量の足が生えていた...
――その甲殻から移動する際に発生するカサカサという不快な音と犇めきあう光景は恐怖と生理的な嫌悪感を抱かせるに十分だ!
「きゃああああ!!無理無理!ぜったいに無理っりぃい!」
あまりの数と生理的嫌悪感から思わず呆然とした雪奈の手を引いて女子たちは悲鳴をあげながら脱兎の如く勢いで逃げ出した!
その後を追うように男子たちも釣られて全力で逃げ出す!
彼ら彼女らは狭く薄暗い坑道内を懸命に逃げるがエビのような尾を持つダンゴムシは、その大量の足が生えている為か思いのほか速く――われ先にと重なり合うように黒い集団と化して追いかけて来る!!
「いやぁああああ!!!来ないで!!」「やだ!ヤダよ!こんな死に方!」「うわぁああああ!あの蟲に喰われて死ぬなんて御免だぁあああ!!」「もう、ダメだ!追いつかれる!」
まるで一つの巨大な化け物と化した――少しづつ追いてくる甲殻類の集団に死の予感を感じた全員の悲鳴と絶叫が交わりあった!まさに――その時だった...
結城たちが狭い通りを抜け――少し広い通り過ぎたと同時にドゴーンという強烈な爆発音と響くと甲殻類の化け物たちの大半が生き埋めになったではないか?!
「なっ?!」「何が起こった!」「どうして爆発が?」「誰がやったんだ?!」「分からないけど・・・なには――ともあれ助かったぜ!」
結城たちは状況が掴めずに唖然したが息を整えながら残った少数の敵に対処する為に全員が武器を構えると交戦を開始する!!
「敵は少数だ!やるぞ!」「食らえ!これは岩屋の仇だ!」
「ええい!近づくな!ダンゴムシもどき!」
全員が手分けして残りの化け物を倒していく――
――雪奈も負けじとに氷結魔法や氷結のエンチャントの効いた斬撃が飛ばし化け物ども蹂躙していく!
「死ねぇーーーえええ!!岩屋君の仇!!」
大半の敵が生き埋めになった事もあり数分も経たずに敵が片付くと疲労と虚無感に襲われ...全員に――しばしの沈黙が訪れた...
「ハァ・・・ハァ・・・」「ゼぇーゼぇー」
「や、やったのか?」「ああ、生き残った...」「よかった...よかったよ~」
「死なずにすんだ...」「ううぅ・・・グスン...もうダメだと思った...」
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せめて彼の謝罪を、もう少し早く受け入れてあげればよかった...
雪奈は――そう思ったが、もう謝るべき彼は、この世に存在しない...
その後、少しの休憩ののちに全員で話し合った結果――他のクラスメイトたちを全員で探しに行く事となり結城たちは再び移動を開始し始めるのだった...
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