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第86話;嶺山:ビレネー坑道

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嶺山紗弓みねやまさゆみたちがシーザー帝国の帝都グーンを発って数日...
召喚された青年少女たちは天啓を得ているとは言え一介の学生「ハァ、ハァ。キツっ」「もう、無理...足パンパン。休憩しようよ~」と弱音を吐いたので

「はぁ…はぁ…みんな!もう少しでビレネー坑道の入り口よ!頑張って!」と息切れしながらも嶺山は彼らを励まし引っ張っていると案の定――安琢磨さだたくまが文句を言い出した

「ハァ、ハァ…クソ!……チィ!死んだ奴の事を調べる必要なんかなかったんだ!時間を無駄にしやがって......」と全く関係のない事を持ち出し、ひとりで勝手にキレ始めた...

それでも、いつもの事なので周り生徒は無視を貫きながら無言で歩く...
そんなやり取りをしながら5分後――ようやく嶺山たちの率いる勇者の一行いっこうはビレネー坑道の入り口に到着した...

しばらくの休憩ののち――彼らはビレネー坑道に入った...

ビレネー坑道は薄暗くアリュレインから支給された探検用小型バックパックの側面に付いている魔灯ランタンを点けていなければ不安感がこみ上げてくる...

「不気味だな・・・」「幽霊とか出てこないよね?」「そんなのが出てきたら支給された『魂のニス』を投げればいいって話だろ?なら問題ないんじゃないか?」

不安感を紛らわせるようにみな――思い思いの会話をしていると先頭の嶺山が立ち止まった...

「しっー 何かいるわ。準備して・・・」

全員が武器を構え戦闘態勢に入る...
目を凝らすと変なキノコの魔物や蝙蝠コウモリに似た魔物の集団がいた...
全員が嶺山の合図あいずと共に交戦開始する...

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数時間後、嶺山ひきいる勇者一行の表情は明るいモノとなっていた...

「やったぜ!」「存外簡単だったな。」「この調子なら、かなり強くなっちまうな!俺たち。」と安堵と安心感の空気が勇者一行に広がっていくのが肌身で分かるほどだ...

「ふぅ~ 今日は、だいぶ日も暗くなって来たわ。一旦、外に出て野営しましょう。」と嶺山は汗を拭いながら指示を出すと「えっー 外ぉ~ なんか寒そう~」「外で野営しなくたって俺たちなら大丈夫だって!」「そうだよ、少し過敏過ぎないかな嶺山さん。《外の方が安全だ》なんて保障もないんだし、」「ここなら少ない数でも圧倒できるよ」と多数の否定的な言葉が噴出した...

さすがの嶺山も「いや、でも・・・外の方が逃走経路が確保しやすいし私たちくらいの攻撃力を持っていたら広い方が有利だと思うんだけど...」と多数の反対意見に思わず考え込むのだった...
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