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第82話;ヴァレンドの武器と兵器たち
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割り当てられた〖ヴァレンド洞窟国〗の王宮の一室で準備を整えた後、早速仕事に取り掛かるべく俺は地下都市の市場に赴き販売されているドワーフ族の製作した物品を見て回った...
製作された物品を目にするたびに、その発想と加工技術には驚くばかりだが中でもビックリしたのが武器や兵器・兵装などの種類の多さだ...
曰く――彼らドワーフは魔法の才に優れているエルフや魔法に素養のある一部の魔法使い達のように魔法を使ったり出来ない――もとい使えないので身を守る為に、その手の商品開発を必然的におこなわざるをえない背景があるらしいのだ...
彼らの武器に刀剣や弓などの類はない...
その代わりに斧やハンマー・機械式クロスボウなどの弩がドワーフ族にとって身近な武器となっている。中にはツルハシで武装する猛者もいるとの事だが別にツルハシだけで武装している訳でもないようだ――と、言うのも...
ツルハシで武装したドワーフを何人か見かけたが、基本的にツルハシにラウンドシールドで武装している・・・だけでなく、銃砲店らしき店で販売している手榴弾らしき手投げ弾や手作りの火炎瓶で武装している事が多い...
片手斧や両手斧で武装しているドワーフも背中に機械式クロスボウを装備していて、どうやら斧に機械式クロスボウが彼らの標準的装備のようだ...
しかも手投げ弾の方は地下で使っても生き埋めにならぬよう攻撃用の手榴弾は直径5メートルの爆発範囲に限定しており爆風と衝撃波で殺傷すると言うよりも破片で殺傷するように統一されているらしい...
ちなみに崩落する危険がない――補強してある、又は岩盤が硬いトンネルでの戦闘には防御用と思われる爆発範囲直径10メートル手榴弾が販売されていて――コチラは爆発による衝撃波と爆風によって目標を無力化する目的で製作されているようだった...
いずれも攻撃用手榴弾と防御用手榴弾は誤って混同して使用する事がないように色分けされている...
他にも携帯可能な武器として火炎放射器や強烈な雷を発射できる雷銃などがあるとの事だが、どうやら地球の類似した武器とは原理が違うようで――どのような原理で炎や雷が飛び出すのか?は今のところ不明だ...
武器の方は粗方見たので次は兵器の方を見ていく事にした...
体感だがドワーフの兵器は地下でも運用できるように小型化され車輪がついているモノが多く感じる...種類としては火砲が多く――長距離を攻撃できるカノン砲・広範囲に砲弾をばら撒くオルガン砲・速く装填が可能な機械式のカタパルトなどが視認できた...
しかも、どの兵器も緊急事態にはエンジンらしき補助動力を使用する事で自走まで出来る仕様となっている...元の世界の自衛隊が装備しているFH70――155mm榴弾砲も非常時には補助エンジンで火砲自ら走行可能だが・・・それと同じ発想なのかな?
それよりも既に帰って行ったヨルミネイトさんは亜人の事を『知能のない野蛮人』と言っていたが――とんでもない!むしろ亜人の方が文明が進んでいるように感じる!
にも拘わらず人間側が亜人に対して喧嘩腰とは――いったい、どういう戦略に基づいた了見なのか...
それでなくとも現在のユガン同盟軍の装備や兵器は旧式化して陳腐化している。兵士の練度も俺が逃げて来たユニオン王国やシーザー帝国の兵士達とは士気や練度に雲泥の差があるように感じたし...
(ユガン同盟軍は昼間から酒を吞んで愉快そうに歌を歌ってたからな・・・(汗))
過去の歴史書を見ても亜人に戦争を吹っかけて勝った事は入植の時だけだったようだ。滅多に勝てないのだから亜人と仲良くしておいた方がいいと思うのだが...
だが、それを言ったらエレンダ出身のユガン人から敗北主義者の烙印を押されかねないので言えないし、オマケに俺は外からやって来た部外者だ。下手な事を言ったばかりに難癖つけて殺されたら堪らない...う―ん、ユガン同盟軍の方は今のところは関係ないし保身のために放ってこうか...
アユムは、そう自己解決すると執筆用に製本された本に適当に興味深い事項を書き込んでいった...
製作された物品を目にするたびに、その発想と加工技術には驚くばかりだが中でもビックリしたのが武器や兵器・兵装などの種類の多さだ...
曰く――彼らドワーフは魔法の才に優れているエルフや魔法に素養のある一部の魔法使い達のように魔法を使ったり出来ない――もとい使えないので身を守る為に、その手の商品開発を必然的におこなわざるをえない背景があるらしいのだ...
彼らの武器に刀剣や弓などの類はない...
その代わりに斧やハンマー・機械式クロスボウなどの弩がドワーフ族にとって身近な武器となっている。中にはツルハシで武装する猛者もいるとの事だが別にツルハシだけで武装している訳でもないようだ――と、言うのも...
ツルハシで武装したドワーフを何人か見かけたが、基本的にツルハシにラウンドシールドで武装している・・・だけでなく、銃砲店らしき店で販売している手榴弾らしき手投げ弾や手作りの火炎瓶で武装している事が多い...
片手斧や両手斧で武装しているドワーフも背中に機械式クロスボウを装備していて、どうやら斧に機械式クロスボウが彼らの標準的装備のようだ...
しかも手投げ弾の方は地下で使っても生き埋めにならぬよう攻撃用の手榴弾は直径5メートルの爆発範囲に限定しており爆風と衝撃波で殺傷すると言うよりも破片で殺傷するように統一されているらしい...
ちなみに崩落する危険がない――補強してある、又は岩盤が硬いトンネルでの戦闘には防御用と思われる爆発範囲直径10メートル手榴弾が販売されていて――コチラは爆発による衝撃波と爆風によって目標を無力化する目的で製作されているようだった...
いずれも攻撃用手榴弾と防御用手榴弾は誤って混同して使用する事がないように色分けされている...
他にも携帯可能な武器として火炎放射器や強烈な雷を発射できる雷銃などがあるとの事だが、どうやら地球の類似した武器とは原理が違うようで――どのような原理で炎や雷が飛び出すのか?は今のところ不明だ...
武器の方は粗方見たので次は兵器の方を見ていく事にした...
体感だがドワーフの兵器は地下でも運用できるように小型化され車輪がついているモノが多く感じる...種類としては火砲が多く――長距離を攻撃できるカノン砲・広範囲に砲弾をばら撒くオルガン砲・速く装填が可能な機械式のカタパルトなどが視認できた...
しかも、どの兵器も緊急事態にはエンジンらしき補助動力を使用する事で自走まで出来る仕様となっている...元の世界の自衛隊が装備しているFH70――155mm榴弾砲も非常時には補助エンジンで火砲自ら走行可能だが・・・それと同じ発想なのかな?
それよりも既に帰って行ったヨルミネイトさんは亜人の事を『知能のない野蛮人』と言っていたが――とんでもない!むしろ亜人の方が文明が進んでいるように感じる!
にも拘わらず人間側が亜人に対して喧嘩腰とは――いったい、どういう戦略に基づいた了見なのか...
それでなくとも現在のユガン同盟軍の装備や兵器は旧式化して陳腐化している。兵士の練度も俺が逃げて来たユニオン王国やシーザー帝国の兵士達とは士気や練度に雲泥の差があるように感じたし...
(ユガン同盟軍は昼間から酒を吞んで愉快そうに歌を歌ってたからな・・・(汗))
過去の歴史書を見ても亜人に戦争を吹っかけて勝った事は入植の時だけだったようだ。滅多に勝てないのだから亜人と仲良くしておいた方がいいと思うのだが...
だが、それを言ったらエレンダ出身のユガン人から敗北主義者の烙印を押されかねないので言えないし、オマケに俺は外からやって来た部外者だ。下手な事を言ったばかりに難癖つけて殺されたら堪らない...う―ん、ユガン同盟軍の方は今のところは関係ないし保身のために放ってこうか...
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