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第81話;閑話 モテ期到来と去った亜人嫌い
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俺は真井 歩...
年齢イコール彼女いない歴を――ついさっきまで更新中だったが〖ヴァレンド洞窟国〗に来てから状況が一変した...
「キャー‼あれが噂の修学生?!ラウラ王女殿下がおっしゃっていらしたように本当に背が高くてカッコいい~」「彼!ユガンから来たらしいわ!」「ユガン?ユガンって、どこだっけ?」「分からないの?!昔のユガン帝国よ!ほら!人間が勝手に入植してつくった帝国。あなたも歴史の授業で教えられたじゃない?」
と先ほどから王宮の若い女性たちから黄色い声に包まれている訳だが……夢なら覚めないでくれ...まさか漫画やアニメで定番の異世界でモテ期が自分に到来するとは思って見なかった。ありがとう神様...あと他の人間の男性が来ませんように!
まあ・・・残念ながら――いちお、仮にもラーイ帝の命を受けてユガンの看板を背負って、ココにいる訳なのでドワーフの女の子たちと良い関係になる訳にもいかないが...いや、ごめん。見栄を張りました...
ドワーフの女の子達と、お近づきになりたくてもなれない大きな原因は、さっきから髭面のドワーフの父親や兄弟たちと思われる奴らに『ウチの娘や姉妹に手を出したら血を見るぞ‼』と言わんばかりの雰囲気で苦虫を噛み潰した表情をしながら殺気を放っているからだ...
着いて早々に居心地が悪いが別に良い事は異性にモテる事だけではない...ここ〖ヴァレンド洞窟国〗では常識では考えられない――見たこともない物珍しい光景が広がっている...
〖ヴァレンド洞窟国〗に到着して、まず驚く事は地下に国が一つ二つ入りそうな広大な地下空間に巨大な都市が存在している事だった。この巨大な地下都市は同じく巨大な、いくつもの弓形状のアーチと負荷を軽減する目的と思われる支柱でドームハウス状の形状を形成しており一目見ただけで頑丈だと分かる形状をしている...
アーチ状の形状は元の世界でも古今東西——問わず使われている。例を出すと枚挙にいとまがないが、西は古代エジプト、古代バビロニア、ローマ帝国――東は古代中華から中世日本に至り・・・そして近代・現代に入ってもなお、アーチ橋やスポーツスタジアムに用いられるほど頑丈な構造物を建設するのに向いている事で有名だ...
アーチ形状に関する知識はおいて話を戻すと地下都市では至る所にはドワーフの禁断の知識の書である【カグラマグナ】のレプリカが祭られており禁断の知識である【カグラマグナ】が間違った使われ方がされぬよう人々が日々祈りを捧げているようだ...
先ほどの王宮に向かう途中にも道の両脇に禁断の知識の書である【カグラマグナ】のレプリカが台座に鎮座した状態で祭られていた...
なぜ、こんな話を知っているのか?というとラウラ王女に会う前に案内をしてくれた男性ドワーフが親切に教えてくれたからだがラウラ王女に突然、告白された直後から親の仇のような対応になったので――いや、ほんと――えっ?!なんで俺が悪いの?!という感じだ‼非常に納得がいかない...
あと余談ついでに〖ヴァレンド洞窟国〗まで俺の護衛を担当したヨルミネイトさんは護衛任務を終えたので早々に馬車で帰っていった...
どうやら彼女は亜人が嫌いな典型的な異世界人だったようで道中も『野蛮な亜人どもめ...』『豚のように醜く肥えた短手・短足のドワーフが...』と終始、呪怨でもかけるように呟いていた...
彼女と別れる時は「〖人もどき〗だらけで気が狂いそうでした...サナイ殿。心細いでしょうが私は、これにて...ご研鑽をお祈りしています。」と去っていたので実際のところは心細いどころか少し安心した...
なんせドワーフ連中がいる所でも小声といえ彼らの身体的特徴を捉え侮辱的発言をするのだ。俺は相手が気を害さないか気が気ではなかったぞ!
ほんと...まあ・・・彼女のお陰で魔物や賊に襲われなかったので一概に迷惑だったとも言えないのだが...しかも結果的に彼の機嫌を害したのはラウラ王女に告白された俺だし・・・なんとも、まあー・・・複雑だ...
だって、ふつう王女を誑かした事よりディスられた事を怒るだろう?
基準がおかしいよ!コイツら!ほんと...何だかなぁ~
そう、ここまで護衛してくれたヨルミネイトとドワーフの価値観に複雑な感情を抱きながらアユムは王宮の女性たちの黄色い声に包まれ貸し出された自室に向かうのだった...
年齢イコール彼女いない歴を――ついさっきまで更新中だったが〖ヴァレンド洞窟国〗に来てから状況が一変した...
「キャー‼あれが噂の修学生?!ラウラ王女殿下がおっしゃっていらしたように本当に背が高くてカッコいい~」「彼!ユガンから来たらしいわ!」「ユガン?ユガンって、どこだっけ?」「分からないの?!昔のユガン帝国よ!ほら!人間が勝手に入植してつくった帝国。あなたも歴史の授業で教えられたじゃない?」
と先ほどから王宮の若い女性たちから黄色い声に包まれている訳だが……夢なら覚めないでくれ...まさか漫画やアニメで定番の異世界でモテ期が自分に到来するとは思って見なかった。ありがとう神様...あと他の人間の男性が来ませんように!
まあ・・・残念ながら――いちお、仮にもラーイ帝の命を受けてユガンの看板を背負って、ココにいる訳なのでドワーフの女の子たちと良い関係になる訳にもいかないが...いや、ごめん。見栄を張りました...
ドワーフの女の子達と、お近づきになりたくてもなれない大きな原因は、さっきから髭面のドワーフの父親や兄弟たちと思われる奴らに『ウチの娘や姉妹に手を出したら血を見るぞ‼』と言わんばかりの雰囲気で苦虫を噛み潰した表情をしながら殺気を放っているからだ...
着いて早々に居心地が悪いが別に良い事は異性にモテる事だけではない...ここ〖ヴァレンド洞窟国〗では常識では考えられない――見たこともない物珍しい光景が広がっている...
〖ヴァレンド洞窟国〗に到着して、まず驚く事は地下に国が一つ二つ入りそうな広大な地下空間に巨大な都市が存在している事だった。この巨大な地下都市は同じく巨大な、いくつもの弓形状のアーチと負荷を軽減する目的と思われる支柱でドームハウス状の形状を形成しており一目見ただけで頑丈だと分かる形状をしている...
アーチ状の形状は元の世界でも古今東西——問わず使われている。例を出すと枚挙にいとまがないが、西は古代エジプト、古代バビロニア、ローマ帝国――東は古代中華から中世日本に至り・・・そして近代・現代に入ってもなお、アーチ橋やスポーツスタジアムに用いられるほど頑丈な構造物を建設するのに向いている事で有名だ...
アーチ形状に関する知識はおいて話を戻すと地下都市では至る所にはドワーフの禁断の知識の書である【カグラマグナ】のレプリカが祭られており禁断の知識である【カグラマグナ】が間違った使われ方がされぬよう人々が日々祈りを捧げているようだ...
先ほどの王宮に向かう途中にも道の両脇に禁断の知識の書である【カグラマグナ】のレプリカが台座に鎮座した状態で祭られていた...
なぜ、こんな話を知っているのか?というとラウラ王女に会う前に案内をしてくれた男性ドワーフが親切に教えてくれたからだがラウラ王女に突然、告白された直後から親の仇のような対応になったので――いや、ほんと――えっ?!なんで俺が悪いの?!という感じだ‼非常に納得がいかない...
あと余談ついでに〖ヴァレンド洞窟国〗まで俺の護衛を担当したヨルミネイトさんは護衛任務を終えたので早々に馬車で帰っていった...
どうやら彼女は亜人が嫌いな典型的な異世界人だったようで道中も『野蛮な亜人どもめ...』『豚のように醜く肥えた短手・短足のドワーフが...』と終始、呪怨でもかけるように呟いていた...
彼女と別れる時は「〖人もどき〗だらけで気が狂いそうでした...サナイ殿。心細いでしょうが私は、これにて...ご研鑽をお祈りしています。」と去っていたので実際のところは心細いどころか少し安心した...
なんせドワーフ連中がいる所でも小声といえ彼らの身体的特徴を捉え侮辱的発言をするのだ。俺は相手が気を害さないか気が気ではなかったぞ!
ほんと...まあ・・・彼女のお陰で魔物や賊に襲われなかったので一概に迷惑だったとも言えないのだが...しかも結果的に彼の機嫌を害したのはラウラ王女に告白された俺だし・・・なんとも、まあー・・・複雑だ...
だって、ふつう王女を誑かした事よりディスられた事を怒るだろう?
基準がおかしいよ!コイツら!ほんと...何だかなぁ~
そう、ここまで護衛してくれたヨルミネイトとドワーフの価値観に複雑な感情を抱きながらアユムは王宮の女性たちの黄色い声に包まれ貸し出された自室に向かうのだった...
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