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第79話;興味深い門
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山を刳り貫いて建造されたであろう巨大な入り口の前で俺の乗った幌付きの馬車は止まった...ついに〖ヴァレンド洞窟国〗への入り口へと着いたようだ...
途中、賊に何回か襲われたが結果的に見れば俺は無傷だ...
なぜなら騎士のヨルミネイトが剣技やら魔法とかで激烈な攻撃をおこない迅速にひとりで撃退したからだった...ヨルミネイトさん・・・ぱないっす...やっぱ騎士って凄いわ~
そんな道中の事を思い出していると――その体躯には不釣り合いな戦闘用の手斧や両手斧・背中に背負い両手持ちの大型の機械式の弩などで武装した数人のドワーフが酒瓶を片手に近づいてくる...
「ユガンのお人!〖ヴァレンド洞窟国〗へようこそ!」
アルコールの影響だろうか?立派な髭を生やしたフレンドリーな門番は偉くご機嫌で陽気な様子だった...
「どうも、ドワーフの皆さん。御機嫌よう。どうぞ、通行手形です。」
俺は通行手形を渡すと門番のひとりが手形に目を通した...
「おっ~ 例の技能修学実習生か!話は聞いておりますぞ!通って、よ~しー!」
門番のドワーフが上部の制御室と思われる所にいる仲間のドワーフに手信号で指示を出すと制御室のドワーフが何らかの操作をおこなったようだ...暫くするとドデカい鋼鉄製と思われる門がゴゴゴゴゴーと大きな音を立てながら上部へと上がり馬車が通れる分だけ開いたので馬車をゆっくりと進めた...
馬車が門を通る際に下から門を見上げてみると門の扉は巨大なだけでなく非常に分厚い事が分かった...目測でも6メートル以上はある!かなりの厚みがある鋼板だ。
このような分厚い鋼板を持ち上げる事が出来るとは機構学の観点から見て驚愕と言わざるを得ない...
いったい、どのような機構で動いているのだろうか?と、機械の設計思想から設計・部品製作から運用・整備などの機械工学の見地から見ても非常に気になる・・・が、――なにせ〖ヴァレンド洞窟国〗の国防に関する事なので情報開示はされない可能性が高い・・・非常に残念だ...
(まあ、構造を教えるような国は、お粗末にも程が……ん?!)
愚痴るのを止めて俺は急いで学術研究用に用意された執筆用の製本を馬車内へ取りに戻ると御者の席へ再び座り、眼前に広がる光景と考察を記載していった!
門の構造は極めて単純だと考察できる...構成はジェネレーターらしきエンジン部分と、それによって駆動するポンプ――大小さまざまな歯車と複数のパイプラインで構成されたユニット・・・そしてピストンと滑車・自転車に使われるチェーンに似た部品も確認できる...
なにより目を引くのは目測で60メートル・40メートル近くある巨大な円筒状のシリンダーに入った謎の不気味な黒い液体だ...
それらの装置から推察するにドワーフ達が建造した――この強力な攻撃にも耐えうるであろう防御力を持つ門は巨大な圧力ジャッキのような仕組みによって門を開閉する仕組みではないだろうか?
想像の域を出ないが・・・エンジンと思われるジェネレーターからエネルギー供給を受けたポンプが駆動する事で60メートル円筒シリンダーの内部に、なんらかの圧力を送り込んでいるのだろう...
それを証明するかのようにパイプから何かが流れるような音が離れた場所からも聞こえる...60・40メートル円筒シリンダーは下部の複数のパイプを通して繋がっており60メートル円筒シリンダーに内部に圧力がかかる事によって、もう一つの40メートル円筒シリンダーの内部圧を変動させているようだ。
それらの圧力変化により生じた強力な高圧力を40メートル円筒シリンダー上部に設置されたピストンと歯車でエネルギー変換し機構に伝える事で歯車とチェーンが稼働し――チェーンと滑車によって連動した門が開閉する仕組みなのではないだろうか...
門の複雑な構造も然る事乍ら――高圧力に耐えられる容器の製造技術・機械工学――内部の高い圧力を保つ材料工学・密閉技術は〖ヴァレンド洞窟国〗の高度な文明を伺わせるに十分だ...
だが同時に――このような複雑な機構を持つ機械は保守・点検が大変に困難なハズだ...いったい――どのようにして整備しているのだろうか?甚だ疑問である...
追記:シリンダー下部には複数のパイプが接続されている様子が見受けられるのは恐らくパイプ内部の圧力が急激に高まる事でパイプライン自身が破裂する危険性が出てくるからだろう...
恐らくパスカルの原理やアルキメデスの原理のような浮力と圧力の原理を使うにあたり複数のパイプラインを配置が避けられなかったではないだろうか?
もっと簡単に言ってしまえば内部圧によるパイプラインの自壊という問題を解決する為に――パイプに一定以上の内部圧が掛からないように分散構造にする必要があったのではないかと言うのが私の見解である
このような複数のパイプラインを配置する構造によってパイプライン自体が内部圧によって破損してしまわないように内部圧を少しでも分散させているのではないだろうか?
もし私の推察通りの事情なら足りない技術をアイデアでカバーした――その創意工夫に最大限の賛辞と敬意を評したいと思う...
俺は学術用の執筆用の製本を閉じると引き続き参考になるモノがないか辺りを見渡すのだった...
途中、賊に何回か襲われたが結果的に見れば俺は無傷だ...
なぜなら騎士のヨルミネイトが剣技やら魔法とかで激烈な攻撃をおこない迅速にひとりで撃退したからだった...ヨルミネイトさん・・・ぱないっす...やっぱ騎士って凄いわ~
そんな道中の事を思い出していると――その体躯には不釣り合いな戦闘用の手斧や両手斧・背中に背負い両手持ちの大型の機械式の弩などで武装した数人のドワーフが酒瓶を片手に近づいてくる...
「ユガンのお人!〖ヴァレンド洞窟国〗へようこそ!」
アルコールの影響だろうか?立派な髭を生やしたフレンドリーな門番は偉くご機嫌で陽気な様子だった...
「どうも、ドワーフの皆さん。御機嫌よう。どうぞ、通行手形です。」
俺は通行手形を渡すと門番のひとりが手形に目を通した...
「おっ~ 例の技能修学実習生か!話は聞いておりますぞ!通って、よ~しー!」
門番のドワーフが上部の制御室と思われる所にいる仲間のドワーフに手信号で指示を出すと制御室のドワーフが何らかの操作をおこなったようだ...暫くするとドデカい鋼鉄製と思われる門がゴゴゴゴゴーと大きな音を立てながら上部へと上がり馬車が通れる分だけ開いたので馬車をゆっくりと進めた...
馬車が門を通る際に下から門を見上げてみると門の扉は巨大なだけでなく非常に分厚い事が分かった...目測でも6メートル以上はある!かなりの厚みがある鋼板だ。
このような分厚い鋼板を持ち上げる事が出来るとは機構学の観点から見て驚愕と言わざるを得ない...
いったい、どのような機構で動いているのだろうか?と、機械の設計思想から設計・部品製作から運用・整備などの機械工学の見地から見ても非常に気になる・・・が、――なにせ〖ヴァレンド洞窟国〗の国防に関する事なので情報開示はされない可能性が高い・・・非常に残念だ...
(まあ、構造を教えるような国は、お粗末にも程が……ん?!)
愚痴るのを止めて俺は急いで学術研究用に用意された執筆用の製本を馬車内へ取りに戻ると御者の席へ再び座り、眼前に広がる光景と考察を記載していった!
門の構造は極めて単純だと考察できる...構成はジェネレーターらしきエンジン部分と、それによって駆動するポンプ――大小さまざまな歯車と複数のパイプラインで構成されたユニット・・・そしてピストンと滑車・自転車に使われるチェーンに似た部品も確認できる...
なにより目を引くのは目測で60メートル・40メートル近くある巨大な円筒状のシリンダーに入った謎の不気味な黒い液体だ...
それらの装置から推察するにドワーフ達が建造した――この強力な攻撃にも耐えうるであろう防御力を持つ門は巨大な圧力ジャッキのような仕組みによって門を開閉する仕組みではないだろうか?
想像の域を出ないが・・・エンジンと思われるジェネレーターからエネルギー供給を受けたポンプが駆動する事で60メートル円筒シリンダーの内部に、なんらかの圧力を送り込んでいるのだろう...
それを証明するかのようにパイプから何かが流れるような音が離れた場所からも聞こえる...60・40メートル円筒シリンダーは下部の複数のパイプを通して繋がっており60メートル円筒シリンダーに内部に圧力がかかる事によって、もう一つの40メートル円筒シリンダーの内部圧を変動させているようだ。
それらの圧力変化により生じた強力な高圧力を40メートル円筒シリンダー上部に設置されたピストンと歯車でエネルギー変換し機構に伝える事で歯車とチェーンが稼働し――チェーンと滑車によって連動した門が開閉する仕組みなのではないだろうか...
門の複雑な構造も然る事乍ら――高圧力に耐えられる容器の製造技術・機械工学――内部の高い圧力を保つ材料工学・密閉技術は〖ヴァレンド洞窟国〗の高度な文明を伺わせるに十分だ...
だが同時に――このような複雑な機構を持つ機械は保守・点検が大変に困難なハズだ...いったい――どのようにして整備しているのだろうか?甚だ疑問である...
追記:シリンダー下部には複数のパイプが接続されている様子が見受けられるのは恐らくパイプ内部の圧力が急激に高まる事でパイプライン自身が破裂する危険性が出てくるからだろう...
恐らくパスカルの原理やアルキメデスの原理のような浮力と圧力の原理を使うにあたり複数のパイプラインを配置が避けられなかったではないだろうか?
もっと簡単に言ってしまえば内部圧によるパイプラインの自壊という問題を解決する為に――パイプに一定以上の内部圧が掛からないように分散構造にする必要があったのではないかと言うのが私の見解である
このような複数のパイプラインを配置する構造によってパイプライン自体が内部圧によって破損してしまわないように内部圧を少しでも分散させているのではないだろうか?
もし私の推察通りの事情なら足りない技術をアイデアでカバーした――その創意工夫に最大限の賛辞と敬意を評したいと思う...
俺は学術用の執筆用の製本を閉じると引き続き参考になるモノがないか辺りを見渡すのだった...
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