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第74話;建設の為に爆破‼
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「ぬぉ~・・・どうして引き受けちゃったんだろう...いや・・・引き受けざるをえなかったんだけどねぇ?」
3日後、俺は唸《うな》っていた...原因は言うまでもなく先日、カポン氏から脅迫され引き受けさせられた例の運河建設計画のせいだ...
「予算が半分しかない...これだと雇える人に限りがあるぞ~ あ"あ"っ~」
もう呻《うめ》いて伸びるしかない絶望的状況だ‼
もちろんラーイ帝やサレンドラ皇后に泣きつくという手も無くなかったが皇太子を一時的に救ったとはいえ...
長年、皇室に仕えてきた臣下の――しかも州都リヴォニアを一定期間なんだかんだで治めているカポン・ルーデルと亜人大陸では邪神扱いされている女神ヴィネスに召喚された怪しさ満点の俺...
「どちらを信頼するか、どうかは明白だよな...」
そんな事を言いながら机に寝伏《ふ》せてボヤいて嘆いていると後頭部《こうとうぶ》に激痛が走った‼「イタっ!!」と起き上がるとビレネー人のニニムが不愉快《ふゆかいそう》な顔で尖った羽ペンを持ちながら「なに、休んでいるの?!」と言いつつ書類を捌《さば》いていた...
恐らく状況から察するに俺に言われ仕事に関する資料を集めてくれていたが当の俺がサボっているように見えたので尖った羽ペンで刺されたのだろう...危な・・・恐ろしい少女である...出来れば不幸な俺に出来るだけ優しく接して欲しいものだ!
まあ、無理だろうけど・・・
さて、ニニムさんの言う通り――いい加減仕事を始めますか・・・
俺はニニムが集めてくれた資料に目を通しながら現実的に実行可能な計画を建てて行った...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一年の猶予が与えられたが一週間後、運河の建設計画は最終段階に入っていった...
「はい!責任者の皆さん掘った穴の深さや等間隔は正確である事が確認されたので最終確認を行います!爆薬は指示通り適切に設置しましたか?」
なにも破《やぶ》れかぶれになったわけではない...元の世界の親父が持っていた爆破工学の知識を駆使して硬い岩盤ごと爆破してやろうと考えたからだ...これなら半分の予算で限られた人ででも何とかやれるし爆薬もユガン帝国時代の軍が倉庫で死蔵していたモノだ。まさか昔の武官たちも――攻城戦用爆薬が運河建設に使われるなんて思っても見なかっただろう...
だいたい一年しか猶予がないのだから丁寧にやっていたら間に合わない...それにチマチマ掘ってられるか‼
この計画を説明した当初は『狂気《きょうき》の沙汰《さた》だ!』『また、あの異邦人が、おかしな事を始めた!』と散々な言われ様だったが彼らも、もうすぐ――その考えを改《あらた》めざるを得ないだろう...
「はい!人員の退避は完了しましたね?発破!」
準備が完了したので爆破の指示を出すと、ちょっとした地震と地響きが起きた。同時に数刻ほど遅れながらも水しぶきをあげながら水が爆破で開通した運河を流れていく姿が見てとれた...雇った連中が歓声が上がった...成功だ!
どうせなら、それなりに予算を使い込んでやろうと思って彼らの福利厚生を充実させたので俺に対する彼らからの人気は高い。いいよね?これくらいの役得。だって苦労したのは俺たちだもん...
俺は予算で大量の食糧と酒を振る舞う打ち上げ会を開き運河開通を祝った...
3日後、俺は唸《うな》っていた...原因は言うまでもなく先日、カポン氏から脅迫され引き受けさせられた例の運河建設計画のせいだ...
「予算が半分しかない...これだと雇える人に限りがあるぞ~ あ"あ"っ~」
もう呻《うめ》いて伸びるしかない絶望的状況だ‼
もちろんラーイ帝やサレンドラ皇后に泣きつくという手も無くなかったが皇太子を一時的に救ったとはいえ...
長年、皇室に仕えてきた臣下の――しかも州都リヴォニアを一定期間なんだかんだで治めているカポン・ルーデルと亜人大陸では邪神扱いされている女神ヴィネスに召喚された怪しさ満点の俺...
「どちらを信頼するか、どうかは明白だよな...」
そんな事を言いながら机に寝伏《ふ》せてボヤいて嘆いていると後頭部《こうとうぶ》に激痛が走った‼「イタっ!!」と起き上がるとビレネー人のニニムが不愉快《ふゆかいそう》な顔で尖った羽ペンを持ちながら「なに、休んでいるの?!」と言いつつ書類を捌《さば》いていた...
恐らく状況から察するに俺に言われ仕事に関する資料を集めてくれていたが当の俺がサボっているように見えたので尖った羽ペンで刺されたのだろう...危な・・・恐ろしい少女である...出来れば不幸な俺に出来るだけ優しく接して欲しいものだ!
まあ、無理だろうけど・・・
さて、ニニムさんの言う通り――いい加減仕事を始めますか・・・
俺はニニムが集めてくれた資料に目を通しながら現実的に実行可能な計画を建てて行った...
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一年の猶予が与えられたが一週間後、運河の建設計画は最終段階に入っていった...
「はい!責任者の皆さん掘った穴の深さや等間隔は正確である事が確認されたので最終確認を行います!爆薬は指示通り適切に設置しましたか?」
なにも破《やぶ》れかぶれになったわけではない...元の世界の親父が持っていた爆破工学の知識を駆使して硬い岩盤ごと爆破してやろうと考えたからだ...これなら半分の予算で限られた人ででも何とかやれるし爆薬もユガン帝国時代の軍が倉庫で死蔵していたモノだ。まさか昔の武官たちも――攻城戦用爆薬が運河建設に使われるなんて思っても見なかっただろう...
だいたい一年しか猶予がないのだから丁寧にやっていたら間に合わない...それにチマチマ掘ってられるか‼
この計画を説明した当初は『狂気《きょうき》の沙汰《さた》だ!』『また、あの異邦人が、おかしな事を始めた!』と散々な言われ様だったが彼らも、もうすぐ――その考えを改《あらた》めざるを得ないだろう...
「はい!人員の退避は完了しましたね?発破!」
準備が完了したので爆破の指示を出すと、ちょっとした地震と地響きが起きた。同時に数刻ほど遅れながらも水しぶきをあげながら水が爆破で開通した運河を流れていく姿が見てとれた...雇った連中が歓声が上がった...成功だ!
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