クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

文字の大きさ
上 下
74 / 237

第74話;建設の為に爆破‼

しおりを挟む
「ぬぉ~・・・どうして引き受けちゃったんだろう...いや・・・引き受けざるをえなかったんだけどねぇ?」

3日後、俺は唸《うな》っていた...原因は言うまでもなく先日、カポン氏から脅迫され引き受けさせられた例の運河建設計画のせいだ...

「予算が半分しかない...これだと雇える人に限りがあるぞ~ あ"あ"っ~」

もう呻《うめ》いて伸びるしかない絶望的状況だ‼
もちろんラーイ帝やサレンドラ皇后に泣きつくという手も無くなかったが皇太子を一時的に救ったとはいえ...

長年、皇室に仕えてきた臣下の――しかも州都リヴォニアを一定期間なんだかんだで治めているカポン・ルーデルと亜人大陸では邪神扱いされている女神ヴィネスに召喚された怪しさ満点の俺...

「どちらを信頼するか、どうかは明白だよな...」

そんな事を言いながら机に寝伏《ふ》せてボヤいて嘆いていると後頭部《こうとうぶ》に激痛が走った‼「イタっ!!」と起き上がるとビレネー人のニニムが不愉快《ふゆかいそう》な顔で尖った羽ペンを持ちながら「なに、休んでいるの?!」と言いつつ書類を捌《さば》いていた...

恐らく状況から察するに俺に言われ仕事に関する資料を集めてくれていたが当の俺がサボっているように見えたので尖った羽ペンで刺されたのだろう...危な・・・恐ろしい少女である...出来れば不幸な俺に出来るだけ優しく接して欲しいものだ!
まあ、無理だろうけど・・・

さて、ニニムさんの言う通り――いい加減仕事を始めますか・・・
俺はニニムが集めてくれた資料に目を通しながら現実的に実行可能な計画を建てて行った...

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

一年の猶予が与えられたが一週間後、運河の建設計画は最終段階に入っていった...

「はい!責任者の皆さん掘った穴の深さや等間隔は正確である事が確認されたので最終確認を行います!爆薬は指示通り適切に設置しましたか?」

なにも破《やぶ》れかぶれになったわけではない...元の世界の親父が持っていた爆破工学の知識を駆使して硬い岩盤ごと爆破してやろうと考えたからだ...これなら半分の予算で限られた人ででも何とかやれるし爆薬もユガン帝国時代の軍が倉庫で死蔵していたモノだ。まさか昔の武官たちも――攻城戦用爆薬が運河建設に使われるなんて思っても見なかっただろう...

だいたい一年しか猶予がないのだから丁寧にやっていたら間に合わない...それにチマチマ掘ってられるか‼

この計画を説明した当初は『狂気《きょうき》の沙汰《さた》だ!』『また、あの異邦人が、おかしな事を始めた!』と散々な言われ様だったが彼らも、もうすぐ――その考えを改《あらた》めざるを得ないだろう...

「はい!人員の退避は完了しましたね?発破!」

準備が完了したので爆破の指示を出すと、ちょっとした地震と地響きが起きた。同時に数刻ほど遅れながらも水しぶきをあげながら水が爆破で開通した運河を流れていく姿が見てとれた...雇った連中が歓声が上がった...成功だ!

どうせなら、それなりに予算を使い込んでやろうと思って彼らの福利厚生を充実させたので俺に対する彼らからの人気は高い。いいよね?これくらいの役得。だって苦労したのは俺たちだもん...

俺は予算で大量の食糧と酒を振る舞う打ち上げ会を開き運河開通を祝った...
しおりを挟む
感想 16

あなたにおすすめの小説

OLサラリーマン

廣瀬純一
ファンタジー
女性社員と体が入れ替わるサラリーマンの話

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

END-GAME【日常生活編】

孤高
ファンタジー
この作品は本編の中に書かれていない日常を書いてみました。どうぞご覧ください 本編もよろしくです! 毎日朝7時 夜7時に投稿

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

処理中です...