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第49話;閑話 梨島日和

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余った勇者グループが自然に形成され、そして自然に消滅して・・・
幾月いくつきかの日が経った・・・

 今、ひよりがは親友の朱鷺原 美咲ときはら みさき 鳳 風花おおとり ふうかと一緒に行動を共にしていた・・・

「ふうちゃん大丈夫?歩くペースもっと落とそうか?」
「そうだよ、ふうちゃん。女の子の日なんでしょう?」

キリッとした美人である朱鷺原美咲と日和はふうちゃんこと鳳風花気にかけていたが、本人は作り笑いで答える――

「大丈夫だよ。ありがとう・・・ごめんね?ふたりとも。今日は昨日より軽いから頑張ってみるよ。」

彼女は、そうは言っているものの生理の痛みが無くなる訳ではない。まだ、あまり歩いていないが彼女の額には既に汗が染み出している。
ちなみに他のギャルの女子たちは昨日、生理の痛みで動けなかった彼女を置いて先に行ってしまった・・・

生理の重さは女性それぞれだとは言え、女性特有のつらさは解るハズなのに彼女たちは「これ以上は待てない」と言ってふうちゃんと私たちを置いていってしまったのだ。

美咲ちゃんは「なんて冷たい人たちなの!」と憤っていたが、ふうちゃんは「やめて・・・ミサちゃん。危険な世界だもん...わたしのせいで皆を危険に晒してごめんなさい...」と彼女たちをかばったのだ

彼女は動けなくなるほど、お腹が痛いはずなのに・・・

結局、親友のふうちゃんを見捨てるような事はできず、わたしもミサちゃんと一緒に昨晩残ったのだ。

「うんうん。ふうちゃんは大事なお友達だもん。置いていくなんて出来ないよ。」

「そうよ。なっちゃんの言う通りよ。さあ、もう少し頑張ったら、あの丘で休憩しましょう。」

「うん...ごめんね...ひよりちゃん。みさちゃん」とふうちゃんは小さく返事をした。

ミサちゃんが戦闘系の恩恵を受けているから、わたしたちはここまで生きながらえているけど異世界は危険が一杯だった。恐ろしい魔物も怖いけど何より危険で気が抜けないのが野盗を中心とした人たちだ...

男子たちのいる街を出て、ここに来るまでに既に5回悪い人たちに襲われた。

そのたびに、わたしは結界術士の恩恵でみんなを守ってミサちゃんが悪い人たちを気絶させてくれている。正直、わたしだったらどうにもならない。わたしに出来る事は、せいぜい結界を張ってみんなを守ったり亜空間?みたいな所に荷物を収容して、みんなの荷物を軽くする事くらいだ。

ふうちゃんは魔法が使えるけど無理はさせられない。悪意ある人物に近づかれたら一方的に危険にさらされる天恵てんけいだから戦える人が常に近くにいないといけない

(今のわたしたちの構成には問題がある・・・)


(他の戦えるメンバーと早く合流しなきゃ!)


はやる気持ちを抑えながら彼女たちは異世界の荒野を進んでいく――

目指すは嶺山紗弓《みねやまさゆみ》の率いるパーティーがレベリングしようと目的地にしている場所――

その場所はシーザー帝国――ビレネー山脈地下

――ビレネー坑道
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