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第39話マズいメシ
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三宅由華と柚希優香、坂下まりかがアリュレインを発《た》って、はや1週間になる
「うぅ~ 硬いよぉ~臭いよぉ~美味しくないよぉ~ 元の世界のステーキが食べたいよぉ~」
干し肉を張った三宅由華が咀嚼しながら項垂れる。本人からすれば元の世界のビーフジャーキーを想像していたのでマズいのは当然なのだが・・・
「みーちゃん。贅沢いっちゃダメだよ・・・」と言いながら柚希優香も上品に干し肉をついばむが、あまりの不味さに整った顔が歪む・・・
「えへへ・・・そう言えば元の世界のジャーキーとかの干し肉は日本人の味覚に合わせて醤油を使っているからねぇー 美味しいのは当然だよね・・・」
坂下まりかは、ふたりを元気づけようと思い出した豆知識を思わず披露するが、すぐに逆効果だと気付く・・・
「お醤油・・・お味噌汁・・・コシヒカリ・・もう、2ヶ月近く食べてない。」
「ショートケーキとクッキーも・・・それにチョコレート...」
ふたりが「ハァァァァー」と深い溜息をつき、それに釣られて坂下も項垂れる。
「はぁ・・・もう!この話はやめにしよう!みーちゃん!」
「そうね!ほかの話にしましょう!で・・・何を話そう?・・・」と開き直り話題を探すが最近の話題と言えばこの間、宿泊した宿屋のベットは藁がチクチク刺さって痛かったとか、〈この世界の油は高いから異世界人は早く寝る〉のに驚いたとかしか頭に思い浮かばない・・・
「ウ~ン?・・あ、ほら!ユズキュンが転倒した子どもを治癒で治した時の事とか凄かったしょ!あと、農業で腰を痛めた人の腰を一発で治したり!」
坂下が一週間前の事を思い出し話し始めた!
「魔物との戦闘ではあーしの魔法も凄かったけど、ミーちゃんのこう!弓から出るレーザーみたいなやつもイケてたしー バランスがとれてると思うだよねぇー」
坂下が弓は放つ動作をしながら戦闘の話題する。三宅はその話題に「うん・・・そうね・・・そうだったわ!」と首を縦に振って相槌をうつ。
「うん。でも、あの魔物さん達は可哀想だったね・・・」心根の優しい柚希がボソっと述べる。そう言えば彼女は死んでしまった魔物に手を合わせていたのだった。襲ってきたのは魔物の方なのだから気にする事はないのに・・・
「そうだけど・・・ユズキは魔物にも優しいのね・・・」と三宅が戸惑いながら声をかける
「うーん...魔物さんは確かに私たち襲ってきて私もみーちゃんたちに傷ついて欲しくないから大きな宝石がついたロッドで反撃したけど、そもそも魔物さんのお庭に勝手に入ったのは私達だし・・・」
確かに柚希優香の言う通り魔物たちからすれば魔物の領域に土足で踏み込んでおいて集団殺戮をする勇者たち行動は悪魔の所業以外何者でもない!これが人間相手の行動なら、なんと恐ろしい事か!!
「そ、それは!そうだけど!魔物は人に危害を加える存在だし仕方なくない?!」
「うん...そうだよね・・・そうなのかな...」と柚希優香は首を傾げながら、しぶしぶ同意する
「絶対そうよ!だって話し合いって雰囲気でもなかったし・・・坂下さんも、そう思うよね?!」
「うん、ウ~ン? なんか・・・ごめんね? ふたりを元気づけようと思って何か話そうと思ったけど話題が見つからなくて・・・」
坂下まりかは元の世界では化粧品や可愛い服のファション。ゲーム、テレビに映る芸能人で色々と話を繋いできたが、その話題も娯楽の少ない異世界では虚しくなるから話せない。なにせテレビもファション雑誌も化粧品もないのだから当然である。その事を、ふたりも察しているので・・・
「いや、気にしないで・・・」「ありがとね。坂下さん。」としか言いようがない。3人の深い溜息が異世界の空に響いた・・・
「うぅ~ 硬いよぉ~臭いよぉ~美味しくないよぉ~ 元の世界のステーキが食べたいよぉ~」
干し肉を張った三宅由華が咀嚼しながら項垂れる。本人からすれば元の世界のビーフジャーキーを想像していたのでマズいのは当然なのだが・・・
「みーちゃん。贅沢いっちゃダメだよ・・・」と言いながら柚希優香も上品に干し肉をついばむが、あまりの不味さに整った顔が歪む・・・
「えへへ・・・そう言えば元の世界のジャーキーとかの干し肉は日本人の味覚に合わせて醤油を使っているからねぇー 美味しいのは当然だよね・・・」
坂下まりかは、ふたりを元気づけようと思い出した豆知識を思わず披露するが、すぐに逆効果だと気付く・・・
「お醤油・・・お味噌汁・・・コシヒカリ・・もう、2ヶ月近く食べてない。」
「ショートケーキとクッキーも・・・それにチョコレート...」
ふたりが「ハァァァァー」と深い溜息をつき、それに釣られて坂下も項垂れる。
「はぁ・・・もう!この話はやめにしよう!みーちゃん!」
「そうね!ほかの話にしましょう!で・・・何を話そう?・・・」と開き直り話題を探すが最近の話題と言えばこの間、宿泊した宿屋のベットは藁がチクチク刺さって痛かったとか、〈この世界の油は高いから異世界人は早く寝る〉のに驚いたとかしか頭に思い浮かばない・・・
「ウ~ン?・・あ、ほら!ユズキュンが転倒した子どもを治癒で治した時の事とか凄かったしょ!あと、農業で腰を痛めた人の腰を一発で治したり!」
坂下が一週間前の事を思い出し話し始めた!
「魔物との戦闘ではあーしの魔法も凄かったけど、ミーちゃんのこう!弓から出るレーザーみたいなやつもイケてたしー バランスがとれてると思うだよねぇー」
坂下が弓は放つ動作をしながら戦闘の話題する。三宅はその話題に「うん・・・そうね・・・そうだったわ!」と首を縦に振って相槌をうつ。
「うん。でも、あの魔物さん達は可哀想だったね・・・」心根の優しい柚希がボソっと述べる。そう言えば彼女は死んでしまった魔物に手を合わせていたのだった。襲ってきたのは魔物の方なのだから気にする事はないのに・・・
「そうだけど・・・ユズキは魔物にも優しいのね・・・」と三宅が戸惑いながら声をかける
「うーん...魔物さんは確かに私たち襲ってきて私もみーちゃんたちに傷ついて欲しくないから大きな宝石がついたロッドで反撃したけど、そもそも魔物さんのお庭に勝手に入ったのは私達だし・・・」
確かに柚希優香の言う通り魔物たちからすれば魔物の領域に土足で踏み込んでおいて集団殺戮をする勇者たち行動は悪魔の所業以外何者でもない!これが人間相手の行動なら、なんと恐ろしい事か!!
「そ、それは!そうだけど!魔物は人に危害を加える存在だし仕方なくない?!」
「うん...そうだよね・・・そうなのかな...」と柚希優香は首を傾げながら、しぶしぶ同意する
「絶対そうよ!だって話し合いって雰囲気でもなかったし・・・坂下さんも、そう思うよね?!」
「うん、ウ~ン? なんか・・・ごめんね? ふたりを元気づけようと思って何か話そうと思ったけど話題が見つからなくて・・・」
坂下まりかは元の世界では化粧品や可愛い服のファション。ゲーム、テレビに映る芸能人で色々と話を繋いできたが、その話題も娯楽の少ない異世界では虚しくなるから話せない。なにせテレビもファション雑誌も化粧品もないのだから当然である。その事を、ふたりも察しているので・・・
「いや、気にしないで・・・」「ありがとね。坂下さん。」としか言いようがない。3人の深い溜息が異世界の空に響いた・・・
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