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第32話闇夜に紛れて・・・
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物陰や人混みに紛れながら気が付かれないように賊を追跡して1時間後ようやく奴らのアジトを突き止めた。賊のネグラにしている構造物はドアも窓もなく古ぼけた木造建築で、どうやらスラムで放棄された建物に勝手に住み着いているようだ...
ここに来るまでに賊の連中は何回か露天商や商店で犯行に及んだが衛兵が見てみぬフリをしていた様子から察するに彼らが賄賂でも受け取って買収されている可能性も出てきてしまった。もしかしたら賊だからと言って容易に手出ししないほうが良いかもしなれない・・・
とはいえ、このまま連中に付きまとわれては迷惑だ。やはり消えて貰うしかないだろう。顔を見られる訳には行かない以上、奴らを消すなら夜しかない...よくよく考えれば賊の仲間が連中だけとは限らないしアジトに帰っていないメンバーもいる可能性もある以上、夜襲でまとめて一網打尽にしなければ確実に報復される
(と、なれば早速行動しよう・・・)
オレは夜襲の準備を整えるため一旦スラムから出て商業区域で黒い服や顔を覆う布を購入した。ついでに自分の店で短剣を取りに戻り、近くの武器屋で刃渡り16センチの戦闘用ナイフも買い求め毒を刃物に塗りたくり鞘に収めておく...
「ついでにメシでも食いに行くか...」
最後の晩餐になるかも知れないから、どうせなら豪勢に行こうと思い、この世界では高価な香辛料の効いたミートラップを腹一杯に食べた。この世界に来て粗食ばかりだったので久々のまともな食事に活力が湧いてくる・・・準備完了だ。
オレはスラムに再び舞い戻ると薄暗い街路に身を潜め辺りが暗くなるまで待った...
―――――――――――――――――――――――――――――――――
この世界の夜は、それでなくとも薄暗いがスラムは更に薄暗い・・・
時間帯はすっかり真夜中だが賊2名が見張りに立っていた予想はしていたが交代で周囲を警戒し見張っている...オレは更に状況を詳しく知るために瞳孔を無理やり開く【夜目のポーション】と聴覚を一時的にあげる錠剤を飲み干した...
どうやら建物の周辺を、もう一名の賊がパトロールしているようだ。オレは足音を立てないようにスニーキングしながら歩き回っている賊の背後に回り近づくと首めがけてクロスボウを放った!
クロスボウのボルトは賊の喉を貫通すると同時に声帯を潰した。オレは倒れようとする賊の身体を支えると、ゆっくり地へと伏せさせる。次は入り口に立っている二名の賊だ。
オレは建物の一階の窓から音を立てずに侵入すると静かに短剣を抜きクロスボウにボルトを番え、入り口に向かった。入り口ではアクビをしながら賊が警備している。幸い背後にはオレがいるとは思ってもないようで何よりだ。オレはクロスボウを構えると賊の背後で先程と同じように急所である首を撃ち抜き素早く、もうひとりの賊が状況を把握する前に首を短剣で貫ぬいた!!
一人の死体は倒れる前に足で支えながら、もうひとりの死体をゆっくり床に置く...
オレは(なんとかここまでバレずに来た...)と少し安堵しながらも警戒を緩《ゆる》めず建物内を進みひとつひとつ部屋を索敵しては寝ている賊に毒を塗った戦闘用ナイフで首を、ひと突きしながら殺し回った
(一階はクリアー・・・)
続けて二階に向かう...二階は1LDKの大部屋となっており6名くらいが灯りを囲んで酒盛り中のようだ。慎重に袋から炸裂矢を取り出しクロスボウに番える。この炸薬を点火する雷管には不安定な爆薬を3グラムほど使用している着発式雷管を使用しているため間違って床に落とそうものならお陀仏になるのは俺である。
ちなみに余談だが、この雷管を作る過程で何個かは静電気か何かは知らないが勝手に暴発し部品が天を舞ったので雷管(危険物?)を作るのも命懸けなのかと肝を冷やしたものだ
「スニーキングは終わりだ・・・派手にやるぞ。」
炸裂矢を明かり目がけて放ち急いで身を隠す!こうでもしないと運悪く子弾が飛んでくる事があるからだ!炸裂矢の破裂音と共に賊たちの群がっていた明かりが消え部屋から賊の悲鳴が上がる!!
三階では「なんだ!!さっきの音は!!」「知るか!!」「下の階の連中は、どうしたんだ!」「待て!!バラバラになるな!!この部屋で迎え撃つぞ!!」と複数人の声が聞こえる
オレは短剣に即効性のある毒をブッかけ急いで三階への階段を駆け上がるとクロスボウの炸裂矢作る技術を流用した着発手榴弾で固く閉じられている三階の木製扉を吹き飛ばした!
続けて強力な酸化作用のある薬剤とマグネシウムを内包した自作アルミニウム製の閃光音響手榴弾を部屋の中へと放り投げ耳と目を塞いだ!!
数秒も経たない内に閃光音響手榴弾が炸裂したデカい音がなったので急いで内部へ突入する!!閃光音響手榴弾の効果は6秒ほどだが十分な威力を発揮した。次々に敵を毒の付着した剣で傷つけていくと切られた賊たちはモガキ苦しみ絶命していく
「30人くらい殺したか……もう、これで敵はいないだろう...」
冷たくそう言い放ちながら毒の付着した短剣を慎重に鞘に収めて辺りを見渡すがもはや敵影はそこにはなかった。あるのは賊たちが不当に集めた戦利品だけだ。せっかくなので全部貰っていくことにし、手当たり次第に持ってきた大袋に荒っぽく詰めるとオレは建物から逃げ出すように出て闇夜に消えた...
ここに来るまでに賊の連中は何回か露天商や商店で犯行に及んだが衛兵が見てみぬフリをしていた様子から察するに彼らが賄賂でも受け取って買収されている可能性も出てきてしまった。もしかしたら賊だからと言って容易に手出ししないほうが良いかもしなれない・・・
とはいえ、このまま連中に付きまとわれては迷惑だ。やはり消えて貰うしかないだろう。顔を見られる訳には行かない以上、奴らを消すなら夜しかない...よくよく考えれば賊の仲間が連中だけとは限らないしアジトに帰っていないメンバーもいる可能性もある以上、夜襲でまとめて一網打尽にしなければ確実に報復される
(と、なれば早速行動しよう・・・)
オレは夜襲の準備を整えるため一旦スラムから出て商業区域で黒い服や顔を覆う布を購入した。ついでに自分の店で短剣を取りに戻り、近くの武器屋で刃渡り16センチの戦闘用ナイフも買い求め毒を刃物に塗りたくり鞘に収めておく...
「ついでにメシでも食いに行くか...」
最後の晩餐になるかも知れないから、どうせなら豪勢に行こうと思い、この世界では高価な香辛料の効いたミートラップを腹一杯に食べた。この世界に来て粗食ばかりだったので久々のまともな食事に活力が湧いてくる・・・準備完了だ。
オレはスラムに再び舞い戻ると薄暗い街路に身を潜め辺りが暗くなるまで待った...
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この世界の夜は、それでなくとも薄暗いがスラムは更に薄暗い・・・
時間帯はすっかり真夜中だが賊2名が見張りに立っていた予想はしていたが交代で周囲を警戒し見張っている...オレは更に状況を詳しく知るために瞳孔を無理やり開く【夜目のポーション】と聴覚を一時的にあげる錠剤を飲み干した...
どうやら建物の周辺を、もう一名の賊がパトロールしているようだ。オレは足音を立てないようにスニーキングしながら歩き回っている賊の背後に回り近づくと首めがけてクロスボウを放った!
クロスボウのボルトは賊の喉を貫通すると同時に声帯を潰した。オレは倒れようとする賊の身体を支えると、ゆっくり地へと伏せさせる。次は入り口に立っている二名の賊だ。
オレは建物の一階の窓から音を立てずに侵入すると静かに短剣を抜きクロスボウにボルトを番え、入り口に向かった。入り口ではアクビをしながら賊が警備している。幸い背後にはオレがいるとは思ってもないようで何よりだ。オレはクロスボウを構えると賊の背後で先程と同じように急所である首を撃ち抜き素早く、もうひとりの賊が状況を把握する前に首を短剣で貫ぬいた!!
一人の死体は倒れる前に足で支えながら、もうひとりの死体をゆっくり床に置く...
オレは(なんとかここまでバレずに来た...)と少し安堵しながらも警戒を緩《ゆる》めず建物内を進みひとつひとつ部屋を索敵しては寝ている賊に毒を塗った戦闘用ナイフで首を、ひと突きしながら殺し回った
(一階はクリアー・・・)
続けて二階に向かう...二階は1LDKの大部屋となっており6名くらいが灯りを囲んで酒盛り中のようだ。慎重に袋から炸裂矢を取り出しクロスボウに番える。この炸薬を点火する雷管には不安定な爆薬を3グラムほど使用している着発式雷管を使用しているため間違って床に落とそうものならお陀仏になるのは俺である。
ちなみに余談だが、この雷管を作る過程で何個かは静電気か何かは知らないが勝手に暴発し部品が天を舞ったので雷管(危険物?)を作るのも命懸けなのかと肝を冷やしたものだ
「スニーキングは終わりだ・・・派手にやるぞ。」
炸裂矢を明かり目がけて放ち急いで身を隠す!こうでもしないと運悪く子弾が飛んでくる事があるからだ!炸裂矢の破裂音と共に賊たちの群がっていた明かりが消え部屋から賊の悲鳴が上がる!!
三階では「なんだ!!さっきの音は!!」「知るか!!」「下の階の連中は、どうしたんだ!」「待て!!バラバラになるな!!この部屋で迎え撃つぞ!!」と複数人の声が聞こえる
オレは短剣に即効性のある毒をブッかけ急いで三階への階段を駆け上がるとクロスボウの炸裂矢作る技術を流用した着発手榴弾で固く閉じられている三階の木製扉を吹き飛ばした!
続けて強力な酸化作用のある薬剤とマグネシウムを内包した自作アルミニウム製の閃光音響手榴弾を部屋の中へと放り投げ耳と目を塞いだ!!
数秒も経たない内に閃光音響手榴弾が炸裂したデカい音がなったので急いで内部へ突入する!!閃光音響手榴弾の効果は6秒ほどだが十分な威力を発揮した。次々に敵を毒の付着した剣で傷つけていくと切られた賊たちはモガキ苦しみ絶命していく
「30人くらい殺したか……もう、これで敵はいないだろう...」
冷たくそう言い放ちながら毒の付着した短剣を慎重に鞘に収めて辺りを見渡すがもはや敵影はそこにはなかった。あるのは賊たちが不当に集めた戦利品だけだ。せっかくなので全部貰っていくことにし、手当たり次第に持ってきた大袋に荒っぽく詰めるとオレは建物から逃げ出すように出て闇夜に消えた...
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