クラス転移したけどリセマラされる前にバックレる

シューニャ

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第11話廃村

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残念ながら発見した集落は既に放棄されており廃村だった。落胆したが魔王軍とやらが接近しているのだから考えてみれば当然だ。この集落にいた人間は恐らく急いで逃げ出したのだろう。

食料や金目のモノはないがさいわいボロの服や下着が残っていた。さっそく濡れている制服から着替える。永遠に借りておこう・・・断じて火事場泥棒ではない!俺は捨てられていたモノを偶然にも拾っただけだ...

更に他の家を物色して回る・・・

恐らく持っていけなかったのであろう・・・チーズの切れ端を3個発見したので目に入った麻袋に入れて持っていく事にした

また更に他の家を物色していく・・・

薪割りにでも使っていたのだろう。片手で使えそうな斧が立て掛けてある。何かに襲われた時の為に、これも永遠に借りていこうと思う

その後も家々いえいえを周りナイフやロープ・ナッツなどを見つけた。

ロープは、さほど長くなかったので薪割り用の斧の柄にグルグル巻きつけて鎖鎌くさりがまならぬ即席ロープ斧を作った。ちなみに投げて攻撃という訳ではない・・・あくまで手から滑り落ちないようにする為だ。

一通り物色し終わったので火口ほくちになりそうなわらと乾いた木の棒・木の板があったので次は暖を取ることにした!先程みて回った家に囲炉裏があったハズだ!囲炉裏のある家に移動し終えると、まずは燃えやすそうな木材を組み立てていく!組み立て終わるとナイフで木の板に簡単なみぞをつけ擦り合わせやすく加工した。その溝に合わせ乾いた木の板と乾いた木の棒を激しく擦り合わせていく・・・

しばらくすると煙が出始めたので火種が消えないよう慎重に藁に移し包み込むと優しく空気を送り込む・・・煙が段々と強くなってきた!組んでいた木材に火種を放り込み更に強く空気を送る!

やっとの思いで囲炉裏に火がついた!

「ハァ― ハァー ハァー(息切れ) 結構重労働だな・・・」

息を整え濡れた制服を広げ乾かしながら次の日を待った...

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

長い眠りから目が覚める・・・夜明けのようだ・・・日が出つつある。おれは廃村からの出立の準備をした。たいした荷物はなかったので、あっという間に準備が完了する。次の目標は人のいるところに到着することだ。水に関しては川沿いを移動すればいいので問題ないが、食料はチーズと僅かなナッツしかない・・・節約しながら食べるべきだろう

きのう制服が乾いた後、各家の壁を引っ剥がし得た木の板と各家で見つけたロープの切れ端を繋ぎ合わせ簡素なイカダを製作した。これで川の流れに沿って進めば消費するエネルギーを節約できる筈だ。仕上げに、これまた各家で見つけた大型の麻袋4つに大量の藁を袋いっぱいに詰めて浮き袋代わりになるようにイカダの下方にロープで取り付ける・・・

イカダを一生懸命引きずりながら廃村となった集落を後にする・・・川に到着すると不衛生なのは良くないと思い村から持ってきた麻布を湿らせ身体を拭った・・・

使用した麻布を洗い水分を絞り終えると早速手作りのイカダを入水させてみる・・・・・・浮くかどうか不安だったが幸いにも浮力は十分のようだ。現に俺が乗っても沈む様子はない。

竜骨に代わる骨組みがないため強度には不安があるが異世界連中や魔王軍が近くにいるとなれば時間的も余裕がないこともさる事ながら悲しいかな・・・恐らく強度なんて求めていても時間の無駄だろう・・・どのみちそんな危険に遭遇すれば一般人程度の力しかない俺のことだ、間違いなく死ぬ。

今の俺は時間を無駄に出来ない・・・弱い俺を異世界人が連れ戻しに来る可能性もゼロではないし近くに魔王軍という脅威も存在するかもしれないのだ。そうとなればいつまでも、ここに燻っている訳にはいかない...合理的に考えればイカダの強度よりも製作スピードが重要だと判断するのも決しておかしい判断ではないはず・・・

そう自分に言い訳するように、おれは心もとないイカダに乗るとイカダにあらかじめ載せていた木の棒を使い離岸した。
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