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第5話:順応する生徒たち・・・
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「つまり戦う以外の方法はないんだな?」
桐谷はヒョロガリのおっさんに問うと「心苦しいですが、その通りです」と肯定した。その肯定の言葉に五丹波が噛み付く
「はあー?そんなの全部おまえらの都合だろう この世界の為になんで俺たちが戦わないといけねぇんだよ?」
五丹波を援護するかのように、珍しく副委員長の嶺山も目の前の連中に文句を言い始めた
「そもそも私たちは平和な世界から来た普通の学生です!!古武術を嗜んでいる私はともかく――他の生徒は救世の勇者になって戦えと言われても、とても戦えるとは思えません!」
(あ!……まさかの嶺山がフラグを立てやがった・・・)
無論フラグはすぐに回収され「それならご心配なく」とか言い、高位のヒョロガリのおっさんは目の前の箱から何やら占い師が使うような真っ赤な水晶の玉みたいなのを取り出しクラスの全員に見せつけると・・・
「これは我が国に伝わる宝玉です!神の声を聞いた聖人の伝承によれば異界より来た人々は、皆この世界に来た時点で特異な力を持っているのです!皆さまが特異な力を持てば魔王軍など恐るるに足りません!」
っとヒョロガリおっさんが高らかに言い放つとオタクグループが「来たー!異世界チート」「とうとう俺の隠された力が覚醒するのか!」「よし!俺に任せろ!この世界は救われたも同然だ。」とか言い出しやる気を見せると、それに触発されたのか元の世界になんの未練もない連中まで「ねえねえ、どんなスキルだと思う? 私強いのがいいな!」「ああ、そうだな!こう、無敵って感じだといいな!」「あ、それ私も!」「だよな!」などとホザき始めた。
順応早すぎだろう……お前ら...元の世界の家族はきっと突然の行方不明に嘆き悲しむぞ?
自分の家族の事が頭によぎる・・・思い出したのは邪魔者をみる顔した両親の顔・・・急に胸が苦しくなってくる。俺は俯きながら「まあ・・・俺の家族は、そんな事思っちゃくれないだろうがな...」とあまりの胸の苦しさに思わず自嘲気味に小声で吐き出してしまった...
「真井くん大丈夫?気分が悪そうだけど……」
いつの間に横にいたのか・・・同じクラスメイトで図書委員の梨島日和《なしじまひより》が心配そうにコチラを伺っていた。梨島さんは、おとなしい性格の文学少女で以前捨て猫の里親を探す際、唯一手伝ってくれた人だったが、それ以外では面識は特になかったしあまり話した事もなかった。正直誰かが心配してボッチの俺に声をかけてくれるとは意外である。
「ああ。ごめん。怪我をしてる人たちを見て少し気分は悪いけどすぐ治るよ。大丈夫ありがとう。梨島さん。」
大きく深呼吸をし梨島に微笑んで見せる・・・
「ほんとう?この状況では何もしてあげられないけど無理しないでね?真井くん」と梨島は言い残し他の女子のグループへ戻っていった。梨島が女子のグループに帰るのを見計らったように黙っていた王は重々しく腰を上げ口を開く。
「異界の勇者よ・・・」
「そなた達の特異な力でこの世界を救って欲しい」
桐谷はヒョロガリのおっさんに問うと「心苦しいですが、その通りです」と肯定した。その肯定の言葉に五丹波が噛み付く
「はあー?そんなの全部おまえらの都合だろう この世界の為になんで俺たちが戦わないといけねぇんだよ?」
五丹波を援護するかのように、珍しく副委員長の嶺山も目の前の連中に文句を言い始めた
「そもそも私たちは平和な世界から来た普通の学生です!!古武術を嗜んでいる私はともかく――他の生徒は救世の勇者になって戦えと言われても、とても戦えるとは思えません!」
(あ!……まさかの嶺山がフラグを立てやがった・・・)
無論フラグはすぐに回収され「それならご心配なく」とか言い、高位のヒョロガリのおっさんは目の前の箱から何やら占い師が使うような真っ赤な水晶の玉みたいなのを取り出しクラスの全員に見せつけると・・・
「これは我が国に伝わる宝玉です!神の声を聞いた聖人の伝承によれば異界より来た人々は、皆この世界に来た時点で特異な力を持っているのです!皆さまが特異な力を持てば魔王軍など恐るるに足りません!」
っとヒョロガリおっさんが高らかに言い放つとオタクグループが「来たー!異世界チート」「とうとう俺の隠された力が覚醒するのか!」「よし!俺に任せろ!この世界は救われたも同然だ。」とか言い出しやる気を見せると、それに触発されたのか元の世界になんの未練もない連中まで「ねえねえ、どんなスキルだと思う? 私強いのがいいな!」「ああ、そうだな!こう、無敵って感じだといいな!」「あ、それ私も!」「だよな!」などとホザき始めた。
順応早すぎだろう……お前ら...元の世界の家族はきっと突然の行方不明に嘆き悲しむぞ?
自分の家族の事が頭によぎる・・・思い出したのは邪魔者をみる顔した両親の顔・・・急に胸が苦しくなってくる。俺は俯きながら「まあ・・・俺の家族は、そんな事思っちゃくれないだろうがな...」とあまりの胸の苦しさに思わず自嘲気味に小声で吐き出してしまった...
「真井くん大丈夫?気分が悪そうだけど……」
いつの間に横にいたのか・・・同じクラスメイトで図書委員の梨島日和《なしじまひより》が心配そうにコチラを伺っていた。梨島さんは、おとなしい性格の文学少女で以前捨て猫の里親を探す際、唯一手伝ってくれた人だったが、それ以外では面識は特になかったしあまり話した事もなかった。正直誰かが心配してボッチの俺に声をかけてくれるとは意外である。
「ああ。ごめん。怪我をしてる人たちを見て少し気分は悪いけどすぐ治るよ。大丈夫ありがとう。梨島さん。」
大きく深呼吸をし梨島に微笑んで見せる・・・
「ほんとう?この状況では何もしてあげられないけど無理しないでね?真井くん」と梨島は言い残し他の女子のグループへ戻っていった。梨島が女子のグループに帰るのを見計らったように黙っていた王は重々しく腰を上げ口を開く。
「異界の勇者よ・・・」
「そなた達の特異な力でこの世界を救って欲しい」
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