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第4話:ファーストコンタクト
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「おれたちを異世界に召喚しただって?おいおい!なんの冗談だよ?」と緊張感のない声で最初に話しを切り出したのは\五丹波《ごたんば》だった。緊張感がないのは他のクラスメイトも同じようだ・・・
「他の奴もいるし、マジないわ~ クラス転移ってやつだろう?この状況・・・」
「転移は俺だけでよかったわー 」
「同感。ああ!でもクラスの女子をハーレムとかに加えられるのは魅力的じゃね?」
「えー 異世界まできてクラスの女子はないわー エルフとかケモミミがいいわー 」
っという言葉が聞こえてくる・・・まだ、命の危険がある可能性があるかもしれないのに呑気《のんき》なものだ。
目線を移し女子たちの様子に神経を集中させる。
「ありえないし!ドッキリしょ!これぇ!?」
「ここどこ?ヨーロッパぽいけど・・・」
「もしかして死んじゃったの・・・私たち・・・」
「ちょ?!スマホの電波入らないんだけど! なんで!」
「私の荷物ないじゃん! 化粧とか着替えとかどうするわけー!?」
程度の差はあれど自身に起こった事に理解が追いついていない様子が伺える
どうやら副委員長の嶺山《みねやま》は不安そうな女子たちに対応しているようだ。
事態を見かねたのかクラス委員長の桐谷が前に出てクラスメイト全員に声をかける。
「全員聞け!俺にも今の状況はわからない!不安になるのもわかる!だけど、今は目の前の人達の話を聞いてから判断しても遅くないんじゃないか?!」
イケメンフェイスだからか委員長だからか知らないが桐谷の言葉が響いたのか「確かに・・・」「さすが桐谷くん♡」と次々に賛同の言葉が女子を中心に広がっていく。
何人かが(なぜこの世界にも来て桐谷が仕切るのか)と不服そうな顔の面々がいたが目立った反抗はない。ここで怒り出されても時間の無駄だ。はっきり言ってちょうどいい。
「俺はリーダーの桐谷拓哉だ。まず、一つ聞くが俺たちは元の世界に帰れるのか?」
アユムの予想通り元の世界に帰る手段をとう質問が最初に飛び出した
(転移をさせられた以上これは避けては通れない質問だ。彼らも予想している質問のハズ。予めどんな答えを用意していたか見せて貰おうか……)
桐谷の質問に玉座の隣に控えていた高位の聖職者っぽいヒョロガリのおっさんが口を開いた
「もちろんでございます。ですが勇者である皆様方に、すぐに返してくれと言われても我々には返す術がないのです。」
眉を顰めながら「どういうことだ?」と桐谷は位の聖職者っぽいおっさんに聞き返す。
ヒョロガリのおっさんは表情を変えないまま淡々と質問に答えていく。
「元の世界に帰るには二つの方法がございます。まず一つは魔王を倒す事によって得られる闇の呪詛が消滅する時に発生するエネルギーを聖刻のペンダントと呼ばれる宝具に取り込み帰還する方法です。二つめの方法は異界への帰還の書を持ち帰ることです。残念ながら、どこにこの二つが存在するのか我々にもわかりません。」
桐谷は満足し「もういい。つまり帰る手段はあるんだな。」と言い放ち話を切り上げてしまったが、コイツらの言っている事は果たして信じて大丈夫だろうか?現時点では憶測の域をでないが、自分たちの脅威である魔王を倒させたいが故に「帰れるぞ!」と人参をぶら下げた可能性もある
俺たちを上手くコントロールする魂胆がコイツらからは見え見えだが所詮は俺を含め周りは高校生・・・存在しないモノを存在すると言い張ってしまわれれば、こちらは真偽を確認する事はできない。
もし、この疑いが真実に近かったのなら高位の聖職者ぽいヒョロガリのおっさんはかなり有能だ。強制的に従わせるのではなく桐谷に必要最低限な情報しか与えず上手く情報を聞き出したように思わせた事になる。
まだ判断するには早いが安易に彼らを信用しない方が良いかもしれない、周りのクラスメイトも含めて・・・
「他の奴もいるし、マジないわ~ クラス転移ってやつだろう?この状況・・・」
「転移は俺だけでよかったわー 」
「同感。ああ!でもクラスの女子をハーレムとかに加えられるのは魅力的じゃね?」
「えー 異世界まできてクラスの女子はないわー エルフとかケモミミがいいわー 」
っという言葉が聞こえてくる・・・まだ、命の危険がある可能性があるかもしれないのに呑気《のんき》なものだ。
目線を移し女子たちの様子に神経を集中させる。
「ありえないし!ドッキリしょ!これぇ!?」
「ここどこ?ヨーロッパぽいけど・・・」
「もしかして死んじゃったの・・・私たち・・・」
「ちょ?!スマホの電波入らないんだけど! なんで!」
「私の荷物ないじゃん! 化粧とか着替えとかどうするわけー!?」
程度の差はあれど自身に起こった事に理解が追いついていない様子が伺える
どうやら副委員長の嶺山《みねやま》は不安そうな女子たちに対応しているようだ。
事態を見かねたのかクラス委員長の桐谷が前に出てクラスメイト全員に声をかける。
「全員聞け!俺にも今の状況はわからない!不安になるのもわかる!だけど、今は目の前の人達の話を聞いてから判断しても遅くないんじゃないか?!」
イケメンフェイスだからか委員長だからか知らないが桐谷の言葉が響いたのか「確かに・・・」「さすが桐谷くん♡」と次々に賛同の言葉が女子を中心に広がっていく。
何人かが(なぜこの世界にも来て桐谷が仕切るのか)と不服そうな顔の面々がいたが目立った反抗はない。ここで怒り出されても時間の無駄だ。はっきり言ってちょうどいい。
「俺はリーダーの桐谷拓哉だ。まず、一つ聞くが俺たちは元の世界に帰れるのか?」
アユムの予想通り元の世界に帰る手段をとう質問が最初に飛び出した
(転移をさせられた以上これは避けては通れない質問だ。彼らも予想している質問のハズ。予めどんな答えを用意していたか見せて貰おうか……)
桐谷の質問に玉座の隣に控えていた高位の聖職者っぽいヒョロガリのおっさんが口を開いた
「もちろんでございます。ですが勇者である皆様方に、すぐに返してくれと言われても我々には返す術がないのです。」
眉を顰めながら「どういうことだ?」と桐谷は位の聖職者っぽいおっさんに聞き返す。
ヒョロガリのおっさんは表情を変えないまま淡々と質問に答えていく。
「元の世界に帰るには二つの方法がございます。まず一つは魔王を倒す事によって得られる闇の呪詛が消滅する時に発生するエネルギーを聖刻のペンダントと呼ばれる宝具に取り込み帰還する方法です。二つめの方法は異界への帰還の書を持ち帰ることです。残念ながら、どこにこの二つが存在するのか我々にもわかりません。」
桐谷は満足し「もういい。つまり帰る手段はあるんだな。」と言い放ち話を切り上げてしまったが、コイツらの言っている事は果たして信じて大丈夫だろうか?現時点では憶測の域をでないが、自分たちの脅威である魔王を倒させたいが故に「帰れるぞ!」と人参をぶら下げた可能性もある
俺たちを上手くコントロールする魂胆がコイツらからは見え見えだが所詮は俺を含め周りは高校生・・・存在しないモノを存在すると言い張ってしまわれれば、こちらは真偽を確認する事はできない。
もし、この疑いが真実に近かったのなら高位の聖職者ぽいヒョロガリのおっさんはかなり有能だ。強制的に従わせるのではなく桐谷に必要最低限な情報しか与えず上手く情報を聞き出したように思わせた事になる。
まだ判断するには早いが安易に彼らを信用しない方が良いかもしれない、周りのクラスメイトも含めて・・・
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