居ない

貝人

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居ない

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  後輩は田舎から上京し、住む家が中々決まらず俺の家に居候していた。二月の寒い夜俺は信じられない体験をする。

「先輩ーダーツバー連れてってくださいよお」

「ダーツバー?  ああじゃあそこで飯食うか、由美もそれで良いか? 」

「あそこのご飯美味しいよねえ、でもメニュー見ないとあんたアレルギーで食べれないんじゃ無い?  」

「大丈夫だろ、マスターに何か作って貰うよ」

「そこビリヤードもありましたよね!  先輩勝負して下さいよ! 」

「負けたら奢らすからな」

「ええー!  そりゃ無いっすよー」

  身支度をして、コートを羽織る。

「俺達車取って来るから、連絡したら出てこいよ」

「はーい」



「う~さみい、夜は更に冷えるなあ」

「ほんと寒いねえ」

  俺達は肩を震わせながら駐車場への道を歩く。車に乗りエンジンをかけ、アパートの前に停める。

「寒過ぎて全然あったまらないなあ」

  後輩に電話をかけ、戸締りをし降りるよう伝える。

  俺達は今日のメニューついて話盛り上がっていた。ドアがバタンと閉める音がする。

「よーし行くぞー」

  車を出して数分すると後ろから。

「寒い」

  と声がする。

「待ってろよーもう少ししたら暖かくなるからさ! 」

「あっコンビニ寄ってーお金下ろしたい」

「あいよー」

  コンビニの駐車場に停め、後部座席を見るとそこに後輩の姿はなかった。

「あっあれ?  さっき寒いって言ってたよな? 」

「うっうん、とりあえず後輩君に電話しなよ」

  スマホには着信も無く、後輩に何度かけても留守番電話サービスになってしまう。

「家に戻ろう」
  
  車に乗り急ぎ家に戻る

「先輩酷いっすよ!  何度も叫んだのに!  何で気付かないんすか!  めっちゃ寒かったすよ!  電話もコール鳴らしても二人ともでないし」

  後輩の叫び声はおろか、スマホには着信履歴は入っていなかった。

   物語はここから始まる・・・・
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