ヌンアルカディア

貝人

文字の大きさ
上 下
3 / 3

第三話 人間って何だろう

しおりを挟む
  レベルの概念を知ったが、どうやって確認したら良いか俺はわからなかった。ポンコツナビだからあてにはできないがとりあえず聞いてみる事にした。

「なあ、自分のステータスとか見れないの?  レベルの概念があるならレベル上げとかもしたいんだけど」

『おー!  引きニートで甲斐性なしであそこだけは立派な、おバカな海斗さんもステータスが気になるお年頃になりましたか! 私は嬉しい・・・・感動です! 』

  一々腹立つ言い方してくるなコイツ、あそこだけは立派ってしっかり見てやがったな、変態ポンコツナビめ。

『ステータス見たいですよね?  知りたいですよね?  どうしよっかなあ』

  段々イライラしてきたな。何で俺が下手に出なきゃいけないんだ?  ステータスは分からないがレベルアップ音が鳴ったって事は2だろうな。都度数えていけば良いか。

『知りたいですよね~うふふ』

  完全にマウントが取れた気でいやがるな

「もうステータスは良いや。レベルアップ音を覚えておく事にした。1上がっただけじゃ今のところ大した違いは見られないしな」

『えっ!  良いんですか?  ステータス見なくて? 』

「ああ、無理に教えて貰わなくてもいつかわかるだろうし、とりあえず地道にレベル上げするよ。スライムがどれだけいるかわからないけどな」

『そっそんな・・・私初めて役に立てるかと・・・』

  俺はポンコツナビに構わず歩く事にした。

  スライムが二体現れた

「糞、二体同時湧きかよ。何とか後退しながら一体ずつ倒さないとやばいかな・・・」

  俺はじりじりと後ろに後ずさる

「喰らえ! 」

  周りにある石を投げまくる

  スライムに石が当たる

「よっしゃ!  初ヒット! 」

  石を当てられたスライムの一体が俺に向かって接近してくる。

「なっなんだ、怒ったのか?  スライムの癖に、まっ負けないぞ」

  股間へのダメージの恐怖が蘇る

「とう!  いやいやあああ! 」

  声が裏返ってしまったがとりあえず地道に石を投げよう、近寄られるのは厄介だ。股間がハイパーピンチになるからな。

「やめて!  来ないで! 」

  襲われている女みたいな声を出してしまった。

  おや?  石の命中率は相変わらず低いが、何かいける気がするのは気のせいだろうか?  スライム達が石に警戒しているぞ?  おやおや?  これはハイパー石投げタイムかな?

「喰らえ!  必殺ハイパー石投げタイム! 」
 
  石を投げまくり、一体のスライムを倒して俺は油断していた、そう油断していたのだ。

「ヘブラ! 」

  またもや股間にスライムの突進を受けてしまった。

  痛い痛いよママン・・・

  一度ならず二度までも股間を襲うなんてこのスライム達は変態か⁉︎  オラ許さねえぞ!

「ハイパータコ殴りタイムだ!  きええええい! 」

  オラオラオラあ!  何っつて

  スライム二体を倒すとまたピロンと音がする。スライムの居た場所には又石が二つ落ちている。

「最初は一体でレベルアップしたのに次は二体かよ・・・これ、レベル1上げるだけで経験値が倍必要になるパターンのゲームかよ。マジ糞ゲーだわ」

『あっあのう、ステータス見ませんか? 』

  ポンコツナビが控えめに聞いてきやがった。

「多分レベル2か3だろ?  そんなステータス見たところでなあ。スキルとかあればなあ」

  『スッスキルはちょっと分からないけど、お願いだからステータスみてえええ』

  うるせえぞ!  いきなり叫ぶんじゃない、敵が来るだろうに。

「あーはいはい、ステータスね見る見る。見方知らないけど」

『ステータスオープンって半裸になって叫ぶのよ! 』

「は?  何で? 」

『そうしないと、ステータス見れないって指示書に書いてあるんだもん!  私だってどうせ見るならイケメンの裸が見たいわよ! 』

    グッこの野郎さり気なく俺の顔面をディスりやがった。スペシャルDTフェイスをディスる何て母ちゃんですらやらなかったのに。

「はあ、やるよ、やりますよ。ステータスオープン!!  」

  しーん

「おい!  ステータスでねえじゃねえか!  騙しやがったな! 」

『あれ?  おかしいな指示書には確かに・・・あっ新しい指示書?  何々半裸が気持ち悪いのでステータスは表示する元気が無くなりました。表示したいなら服を着て下さいだって』

「だとごらああああああ!!! 」

  ステータスめ!  何なんだ脱げって言ったり着ろって言ったりワガママ過ぎるだろ!  童貞の心は傷付きやすいんだぞ! 

「くっそ何だよ・・・・。はあ、ステータスオープン」

  目の前には良くあるRPG風のステータス画面が表示されていた。

南原海斗 
性別  男
種族  廃人
称号  ゲーム廃人

レベル2

「おい、待て待て待て! 」

『何かわからなかったですか?  漢字読めないんですか? 』

「明らかにおかしいだろ!  種族が廃人って何だよ!  俺は人間だ!  ふざけんな! 」

『あちゃーこれは神様の悪戯ですね、多分』

  かっ神だと?  ふざけんな俺は人間だ、ポンコツナビの次はポンコツ神かよ!

「俺は人間だあああああああ! 」

  俺の叫びは一の界に虚しく響いた。
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!

夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。 ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。 そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。 視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。 二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。 *カクヨムでも先行更新しております。

【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?

アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。 泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。 16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。 マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。 あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に… もう…我慢しなくても良いですよね? この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。 前作の登場人物達も多数登場する予定です。 マーテルリアのイラストを変更致しました。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

オタクおばさん転生する

ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。 天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。 投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)

引退した元生産職のトッププレイヤーが、また生産を始めるようです

こばやん2号
ファンタジー
とあるVRMMOで生産職最高峰の称号であるグランドマスター【神匠】を手に入れた七五三俊介(なごみしゅんすけ)は、やることはすべてやりつくしたと満足しそのまま引退する。 大学を卒業後、内定をもらっている会社から呼び出しがあり行ってみると「我が社で配信予定のVRMMOを、プレイヤー兼チェック係としてプレイしてくれないか?」と言われた。 生産職のトップまで上り詰めた男が、再び生産職でトップを目指す! 更新頻度は不定期です。 思いついた内容を書き殴っているだけの垂れ流しですのでその点をご理解ご了承いただければ幸いです。 ※この小説は【アルファポリス】及び【小説家になろう】の同時配信で投稿しています。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

処理中です...