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第一章
21−2 お出かけ
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「え? わっ!?」
地面に落とされるかと思ったら、空が見えた。そのまま勢いよくゴスンと後頭部に当たったのは、フェルナンの腕だ。横座りにされて、腕にもたれたようになったらしい。
今、片手で持ち上げたのか?
どんな筋力だ。ガロガの背の上から、玲那の体を軽々持ち上げるなどと。
「つかまってろ」
どこに? 問う間もなく、フェルナンがガロガの腹を蹴り上げた。
つかまるとこ。つかまるとこ!
ガロガの背中は思った以上に高い。風を受けて、仰け反りそうになる。カーブを走れば、そのまま滑り落ちそうになる。
「ひ、わ。あわ、あだ!」
「うるさいな」
いやだって、馬の上って、こんなに揺れるんですかね!?
口にすれば、舌を噛みそうだ。
つかむところに迷う暇もない。目の前にあるフェルナンの腕をギュッとつかみ、お尻に力を入れる。横向きに乗っているので、バランスも悪い。足が浮いて、駆けるたびにお尻も浮いた。
そしてガロガは立て髪がない。馬の立て髪にしがみつくことができない。カンガルーのような耳を引っ張りたい。
ひええええ。声にならない声が出そうだ。
お姫様みたいに馬に横座り。そんな、幼い女の子の夢みたいな状況だが、むしろ夢であってほしい。バランスが悪すぎて、転げ落ちそうで、しがみついているしかなかった。景色を見る余裕はない。そして、お尻が痛い。
しかし、あっという間に城に着いた。城門の前で、スピードが緩まる。降りようと思ったがフェルナンの腕がそのままなので、まだ乗っていてよさそうだ。フェルナンを確認すれば、イケメンを超えた美形の顔を仰ぎ見てしまった。
すぐに他所を向く。今更ながら、馬の上は密着度が高い。
よそから見たら、とても滑稽な二人乗りだと思う。片や騎士。片や田舎の小娘。そして、一人お笑い劇場。
知っている人には会いたくないやつだ。今は町の中をゆっくり闊歩しているので、先ほどのことは無かったことにして、済ました顔で乗っている。
フェルナンがするりとガロガを降りた。ここまでらしい。玲那も降りようと思ったが、結構高い。飛び降りられれば良かったが、そこまで度胸がなかった。ガロガの背にしがみつき、足を伸ばしてから飛び降りる。
「よいしょ、っと。ありがとうございました」
後ろにいるフェルナンに礼を言えば、フェルナンは手綱を持ったまま、手を前に出していた。その手はなんだろうか。
そうして、横にため息を吐く。
え、なんなの?
「どこに行くって?」
「えと、金物屋さんとか、お料理の材料屋さんとか、蝋燭の材料屋さんとか、蝋燭屋さんとか」
フェルナンは聞きながら、ガロガの手綱を木に結ぶ。そうして無言で歩き始めると、少し行ったところで足を止め、こちらを振り向いた。その姿を見て、玲那は急いで後を追った。ついてこいということだ。
並列して歩こうとすれば、足の長さに違いがありすぎた。フェルナンの一歩は、玲那の二歩ほど。小走りしなければついていけない。
フェルナンの身長は、目視で百八十センチメートルを余裕で超えている。自分の身長がどれくらいなのかわからないが、玲那の頭がフェルナンの顔にすら届いていないので、玲那は百五十五センチメートル前後だろうか。
オレードはフェルナンよりさらに大きい。こちらの人は大きいのかと思ったが、町行く人たちに、その高さの身長の人は見られなかった。二人とも大きい方なのだろう。
玲那が一生懸命早歩きしているからだろうか。町の人たちはちらちらこちらを見遣る。ガロガに跨っていないが、フェルナンが討伐隊騎士だとわかるのだろうか。マントを羽織っているので、町の人にわかるのかもしれない。
討伐隊騎士が歩いて町を通るくらい、気にすることないだろうに。
フェルナンが足を止めた。勢い余ってフェルナンを抜いてしまったが、後ろ足で戻る。それを見て軽く目を眇めてくるが、顎でその先を示した。
大通りに面した、小さなお店。扉は木でできており、中は見えないが、扉の上に看板がぶら下がっている。文字のない、イラストだけの看板。斧のような刃物が二本、クロスしている絵だ。
レトロな感じが可愛らしい。看板は板に板金が貼られて、その刃物を表している。柄の部分は木が貼られて、黒く塗られている。味のある看板だ。
看板を眺めていると、フェルナンが扉を開けて、玲那が入るのを待った。それに気付いて、急いで中に入る。
中はひんやりとしていて、思ったより広い。奥行きのある店は、壁一面に斧などの刃物が飾られていた。
刃物が並びすぎて、少し寒気がするほどだ。
奥のカウンターには、坊主頭の男の人が座っている。こちらに気付くと、いきなり立ち上がった。
「い、いらっしゃいませ。な、なにか、ご入用ですか!?」
上擦った声に、怯えた雰囲気。異様に緊張した態度だ。
「なにがほしいって?」
「え、あ。えと、板を、薄く切る道具とかがほしくて」
「板を薄く、ど、どうぞ。こちらに」
男は焦ったように玲那を招く。フェルナンは扉前で佇んで、ただ横を向いていた。
なんだか雰囲気が悪い。急いで買った方がよさそうだ。男に促されたまま、玲那は道具を見せてもらった。
「板を薄くって、何用です?」
「色んなもの作りたくて。織り機とか、作りたいんですけど」
「あなたがですか??」
「私がです」
男は丸い目をぱちぱちと瞬いて見せた。また、変なことを言ってしまっただろうか。
「男手がない、んですよね。ええと」
男はフェルナンをちらりと見て、急いで視線を背ける。とぼけたように背を向けて、刃物を探しはじめた。フェルナンは手にならないと思ったのだろう。男手でも、玲那を手伝う手ではない。間違いない。
「この辺りは、木を切ったりする道具ですよ」
床に立てられているのは、斧。石のサイズがいくつかある。それから、ナタのように刃先が長いもの。そうして、見付けた、ノコギリ。
「うわ、おっき。え、おっき」
扇のように広がる、大きなノコギリがある。その隣に段々小さくなって順番にノコギリが並べられていた。
「これは、大木を断裁する用ですよ。でも、織り機なら、中古を買った方がいいと思いますが」
「中古屋さんがあるんですか?」
「あるかどうかはわからんですが。たいてい、親から受け継ぐでしょうし」
織り機のような、大きな器具を扱う中古屋があるそうだ。ただ、織り機は代々親から子へ受け継がれる物なので、あまり中古が置いていない。持ち主が亡くなり、使い手がいなくなると中古屋に並ぶらしい、レアな物だそうだ。
「そんな本格的じゃなくて大丈夫なので。薄い板があれば、なんとかするつもりです。あとは、枝とか細かくするのに必要かなって」
「板が欲しいならば、注文するといいですよ。その通りに切ってくれます」
そんなのもあるのか。店の場所を教えてもらい、それはそれでと、刃物を買うことにする。
「キリがある。あ、ハサミがあるう。え、これと、これと、小さい手ノコもほしい。え、どうしよ」
「そんなにたくさんですか。お代が嵩んでしまいますが」
金額が高いのだろうか。たしかに、金属は高そうだ。今持っているお金では、欲しいものが全部買えないかもしれない。
地面に落とされるかと思ったら、空が見えた。そのまま勢いよくゴスンと後頭部に当たったのは、フェルナンの腕だ。横座りにされて、腕にもたれたようになったらしい。
今、片手で持ち上げたのか?
どんな筋力だ。ガロガの背の上から、玲那の体を軽々持ち上げるなどと。
「つかまってろ」
どこに? 問う間もなく、フェルナンがガロガの腹を蹴り上げた。
つかまるとこ。つかまるとこ!
ガロガの背中は思った以上に高い。風を受けて、仰け反りそうになる。カーブを走れば、そのまま滑り落ちそうになる。
「ひ、わ。あわ、あだ!」
「うるさいな」
いやだって、馬の上って、こんなに揺れるんですかね!?
口にすれば、舌を噛みそうだ。
つかむところに迷う暇もない。目の前にあるフェルナンの腕をギュッとつかみ、お尻に力を入れる。横向きに乗っているので、バランスも悪い。足が浮いて、駆けるたびにお尻も浮いた。
そしてガロガは立て髪がない。馬の立て髪にしがみつくことができない。カンガルーのような耳を引っ張りたい。
ひええええ。声にならない声が出そうだ。
お姫様みたいに馬に横座り。そんな、幼い女の子の夢みたいな状況だが、むしろ夢であってほしい。バランスが悪すぎて、転げ落ちそうで、しがみついているしかなかった。景色を見る余裕はない。そして、お尻が痛い。
しかし、あっという間に城に着いた。城門の前で、スピードが緩まる。降りようと思ったがフェルナンの腕がそのままなので、まだ乗っていてよさそうだ。フェルナンを確認すれば、イケメンを超えた美形の顔を仰ぎ見てしまった。
すぐに他所を向く。今更ながら、馬の上は密着度が高い。
よそから見たら、とても滑稽な二人乗りだと思う。片や騎士。片や田舎の小娘。そして、一人お笑い劇場。
知っている人には会いたくないやつだ。今は町の中をゆっくり闊歩しているので、先ほどのことは無かったことにして、済ました顔で乗っている。
フェルナンがするりとガロガを降りた。ここまでらしい。玲那も降りようと思ったが、結構高い。飛び降りられれば良かったが、そこまで度胸がなかった。ガロガの背にしがみつき、足を伸ばしてから飛び降りる。
「よいしょ、っと。ありがとうございました」
後ろにいるフェルナンに礼を言えば、フェルナンは手綱を持ったまま、手を前に出していた。その手はなんだろうか。
そうして、横にため息を吐く。
え、なんなの?
「どこに行くって?」
「えと、金物屋さんとか、お料理の材料屋さんとか、蝋燭の材料屋さんとか、蝋燭屋さんとか」
フェルナンは聞きながら、ガロガの手綱を木に結ぶ。そうして無言で歩き始めると、少し行ったところで足を止め、こちらを振り向いた。その姿を見て、玲那は急いで後を追った。ついてこいということだ。
並列して歩こうとすれば、足の長さに違いがありすぎた。フェルナンの一歩は、玲那の二歩ほど。小走りしなければついていけない。
フェルナンの身長は、目視で百八十センチメートルを余裕で超えている。自分の身長がどれくらいなのかわからないが、玲那の頭がフェルナンの顔にすら届いていないので、玲那は百五十五センチメートル前後だろうか。
オレードはフェルナンよりさらに大きい。こちらの人は大きいのかと思ったが、町行く人たちに、その高さの身長の人は見られなかった。二人とも大きい方なのだろう。
玲那が一生懸命早歩きしているからだろうか。町の人たちはちらちらこちらを見遣る。ガロガに跨っていないが、フェルナンが討伐隊騎士だとわかるのだろうか。マントを羽織っているので、町の人にわかるのかもしれない。
討伐隊騎士が歩いて町を通るくらい、気にすることないだろうに。
フェルナンが足を止めた。勢い余ってフェルナンを抜いてしまったが、後ろ足で戻る。それを見て軽く目を眇めてくるが、顎でその先を示した。
大通りに面した、小さなお店。扉は木でできており、中は見えないが、扉の上に看板がぶら下がっている。文字のない、イラストだけの看板。斧のような刃物が二本、クロスしている絵だ。
レトロな感じが可愛らしい。看板は板に板金が貼られて、その刃物を表している。柄の部分は木が貼られて、黒く塗られている。味のある看板だ。
看板を眺めていると、フェルナンが扉を開けて、玲那が入るのを待った。それに気付いて、急いで中に入る。
中はひんやりとしていて、思ったより広い。奥行きのある店は、壁一面に斧などの刃物が飾られていた。
刃物が並びすぎて、少し寒気がするほどだ。
奥のカウンターには、坊主頭の男の人が座っている。こちらに気付くと、いきなり立ち上がった。
「い、いらっしゃいませ。な、なにか、ご入用ですか!?」
上擦った声に、怯えた雰囲気。異様に緊張した態度だ。
「なにがほしいって?」
「え、あ。えと、板を、薄く切る道具とかがほしくて」
「板を薄く、ど、どうぞ。こちらに」
男は焦ったように玲那を招く。フェルナンは扉前で佇んで、ただ横を向いていた。
なんだか雰囲気が悪い。急いで買った方がよさそうだ。男に促されたまま、玲那は道具を見せてもらった。
「板を薄くって、何用です?」
「色んなもの作りたくて。織り機とか、作りたいんですけど」
「あなたがですか??」
「私がです」
男は丸い目をぱちぱちと瞬いて見せた。また、変なことを言ってしまっただろうか。
「男手がない、んですよね。ええと」
男はフェルナンをちらりと見て、急いで視線を背ける。とぼけたように背を向けて、刃物を探しはじめた。フェルナンは手にならないと思ったのだろう。男手でも、玲那を手伝う手ではない。間違いない。
「この辺りは、木を切ったりする道具ですよ」
床に立てられているのは、斧。石のサイズがいくつかある。それから、ナタのように刃先が長いもの。そうして、見付けた、ノコギリ。
「うわ、おっき。え、おっき」
扇のように広がる、大きなノコギリがある。その隣に段々小さくなって順番にノコギリが並べられていた。
「これは、大木を断裁する用ですよ。でも、織り機なら、中古を買った方がいいと思いますが」
「中古屋さんがあるんですか?」
「あるかどうかはわからんですが。たいてい、親から受け継ぐでしょうし」
織り機のような、大きな器具を扱う中古屋があるそうだ。ただ、織り機は代々親から子へ受け継がれる物なので、あまり中古が置いていない。持ち主が亡くなり、使い手がいなくなると中古屋に並ぶらしい、レアな物だそうだ。
「そんな本格的じゃなくて大丈夫なので。薄い板があれば、なんとかするつもりです。あとは、枝とか細かくするのに必要かなって」
「板が欲しいならば、注文するといいですよ。その通りに切ってくれます」
そんなのもあるのか。店の場所を教えてもらい、それはそれでと、刃物を買うことにする。
「キリがある。あ、ハサミがあるう。え、これと、これと、小さい手ノコもほしい。え、どうしよ」
「そんなにたくさんですか。お代が嵩んでしまいますが」
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