237 / 316
毒4
しおりを挟む
「フィルリーネ様、このような見苦しい姿での拝謁をお許しください…」
意識の戻ったオルデバルトは蒼白な顔をこちらに向け、ぐったりとしたまま謝罪の言葉を口にした。
医師の話では毒の後遺症などもなく、ただれた内臓のせいで食欲がない程度と聞いている。その割に死にかけのような顔をしているが、化粧でもしているのだろうか。
「心配しましたのよ。オルデバルト」
「フィルリーネ様のお顔を拝見したら元気が出てきそうです」
「犯人は必ず捕まえ、吊し上げにして差し上げてよ」
アホな返答は無視し、必ず証拠を見つけて吊し上げてやるから安心しろ。とドヤ顔で言ってみる。オルデバルトは一瞬顔を真顔にして見せたが、持ち前の猫被りでにっこり笑んできた。
この男も大概な演技者である。
「祖国の者たちの取り調べは終えていて? 自国の者にできぬと言うのならば、わたくしの部下が行ってよ?」
治外法権があるわけではないが、オルデバルトの部下を主人の命令なくしょっ引くわけにはいかない。オルデバルトの意識が戻るまでは部屋に閉じ込めておいたが、それを解除したのはオルデバルトだ。
それをオルデバルトの優しさであると勘違いしている風を出して、フィルリーネは今すぐ首を切ろうか? くらいの意味で問うてみる。
オルデバルトはすぐに首を振った。彼らは大切な家族なのだそうだ。
その家族を疑う真似はしたくない。だが、こちらは理由なく疑いたくなるようである。
「フィルリーネ様も毒を盛られたと伺っております。この城ではフィルリーネ様を狙い、私を狙うような愚か者がうろついていると思うと、残念でありません。フィルリーネ様は王代理となられたお方。そのような方が住まう城で、何と恐ろしい」
演技が過ぎて殴りたくなってくる。
心配だと言いながら、城の不備をついてくるあたり性悪だ。再びルヴィアーレのせいにでもするつもりだろう。
「世話になる身でこの国に滞在させていただいておりましたが、私はフィルリーネ様をお守りしたい心がございます。フィルリーネ様を陥れるような者が側にいると思うと、心が張り裂けそうになります」
張り裂けてしまえ。
『ほんとよね』
エレディナも聞いていられないと鼻で笑った。オルデバルトが何かしないよう、ここから姿を消そうとせずに我慢してくれているのは分かるのだが、オルデバルトの前で神妙な顔をして聞いていなければならない私の心配もしてほしい。
あの顔に蹴り入れたくて仕方ないよ。
「ご存知でしたか? 我々は、本来婚約する予定だったんですよ?」
「まあ、そうでしたの? 初めて聞いたわ」
オルデバルトが急に話を変えた。悔しそうに胸元を掴んで握りしめる姿が演技者である。
「彼の国が横入りをし、フィルリーネ様の隣の席を奪う真似をしたのです。グングナルド王から聞いた時、耳を疑いました。何故そのようになったのか。グングナルドは大国です。彼の国は田舎の小国。大国であるグングナルドの権威を欲しがったのでしょう」
何が言いたいやら。うんうん聞いているが、婚約者を決めたのは前王である。気が変わったのは小国とやらが横入りしたわけではない。
「フィルリーネ様、小国の男に騙されてはなりません。前王が小国に攻撃を与えたのは、フィルリーネ様を守るためでしょう。国を越えることにより、マリオンネから非を受けることはあっても、王はグングナルドを守るために行ったのです。小国に騙されてはなりません」
オルデバルトは息も絶え絶え、苦しそうに言ってくる。
茶番にも程があるんだが?
「小国への進撃は罪になるでしょう。グングナルド王を捕らえるのは道理です。私はフィルリーネ様の意思に従います。ですが、小国の者をこの国に関わらせる危険は回避すべきなのです。騙されてはなりません。フィルリーネ様や私が毒で狙われたことが大きな証拠です!」
まあ、それを言いたいがために、随分溜めて話してくれるものだ。
オルデバルトは必死の形相で話を終え、体調がまだ治っていないと、息を競って見せた。
女の尻を追い掛けるしか脳がないと思っていたが、道化芝居もお手の物だ。
オルデバルトをちやほやしていた女性陣だったら、ここで食いつくように、そんな。とか驚いて見せてくれるかもしれない。しかし私にそれをやれってのは、無理あるよ。
「あなたの言いたいことは分かりましたわ、オルデバルト」
「フィルリーネ様!」
「あなたは何故前王がルヴィアーレ様をわたくしの婚約者として選んだのかご存知かしら?」
オルデバルトは予想外の答えが返ってきたと思ったのか、憂げな顔を見せながら顔を少しばかり硬らせる。
「小国の王がグングナルド王に何か不利益になる話を持ちかけたのでしょう。グングナルド王はフィルリーネ様の相手にしなければならない者が見つかったと仰っていました。ムスタファ・ブレインより重大な情報が与えられ、その通りにすべきと判断されたそうです」
「ムスタファ・ブレインが関わっていますの?」
「ええ。そのように聞いております。グングナルド王は、致し方なく、小国の者を選ぶ必要ができたと」
ムスタファ・ブレインが関わるならば、やはりルヴィアーレはマリオンネの生まれだと言うことで間違いないかもしれない。その情報を得て、前王はラータニアに打診した。
脅しを含めたのは前王の方だ。ラータニアは断れる立場ではない。
オルデバルトからしたら、大国グングナルドの王配になれるはずが肩透かしにあったわけだ。前王が失脚した今、前王の望みであるルヴィアーレのことなどどうでも良いのだろう。
「フィルリーネ様。小国との婚約は早々に破棄されるのが良いと存じます」
はっきりとした口調に、野心が垣間見える。
オルデバルトは真剣にこの国が欲しいらしい。前王が失脚した今、彼にとってはグングナルドを乗っ取るチャンスなのだ。
自国の兄たちが暗殺未遂にあったことを考えると、微妙な時期に自国を出てきたわけだが、キグリアヌンは後でも奪えると思って先にこの国に来たのだろうか。それとも国王に追われたのか。
キグリアヌンの調査報告はまだ来ていない。キグリアヌンの状況によっては、オルデバルトの切羽詰まり具合が変わってくる。
「オルデバルト。我が国は簡単に前王の罪を帳消しにできる立場ではなくてよ。ラータニア王とはルヴィアーレ様との婚約を継続することで同盟を続けることにしました。わたくしの気分で婚約を解消することはできません」
そう反論したらお前はどう出るのか?
オルデバルトは途端顔を歪めた。変に演技をした顔ではなく、心を表す醜い歪みだ。
「フィルリーネ様。愚かなことを言うのは止めておいた方がよろしいですよ。あなたは王の代理を名乗っているのでしょう。でしたらラータニア王に断れば良いだけのことです」
「断ったらあなたに何か利益でもあって?」
「当然です。私はあなたの婚約者となるのですから!」
寝ぼけたことを言ってくるが、オルデバルトは本気だ。恐ろしく歪んだ顔が化け物の類のように思えてきた。
「悪夢でも見ているようね、オルデバルト。そこの、ドナイトと言ったかしら。オルデバルトはまだ調子が悪そうだわ。ゆっくり休むようにさせてちょうだい」
「フィルリーネ様!」
フィルリーネはオルデバルトの声を無視し部屋を出ると、何かが割れる音が部屋の中で響いた。
意識の戻ったオルデバルトは蒼白な顔をこちらに向け、ぐったりとしたまま謝罪の言葉を口にした。
医師の話では毒の後遺症などもなく、ただれた内臓のせいで食欲がない程度と聞いている。その割に死にかけのような顔をしているが、化粧でもしているのだろうか。
「心配しましたのよ。オルデバルト」
「フィルリーネ様のお顔を拝見したら元気が出てきそうです」
「犯人は必ず捕まえ、吊し上げにして差し上げてよ」
アホな返答は無視し、必ず証拠を見つけて吊し上げてやるから安心しろ。とドヤ顔で言ってみる。オルデバルトは一瞬顔を真顔にして見せたが、持ち前の猫被りでにっこり笑んできた。
この男も大概な演技者である。
「祖国の者たちの取り調べは終えていて? 自国の者にできぬと言うのならば、わたくしの部下が行ってよ?」
治外法権があるわけではないが、オルデバルトの部下を主人の命令なくしょっ引くわけにはいかない。オルデバルトの意識が戻るまでは部屋に閉じ込めておいたが、それを解除したのはオルデバルトだ。
それをオルデバルトの優しさであると勘違いしている風を出して、フィルリーネは今すぐ首を切ろうか? くらいの意味で問うてみる。
オルデバルトはすぐに首を振った。彼らは大切な家族なのだそうだ。
その家族を疑う真似はしたくない。だが、こちらは理由なく疑いたくなるようである。
「フィルリーネ様も毒を盛られたと伺っております。この城ではフィルリーネ様を狙い、私を狙うような愚か者がうろついていると思うと、残念でありません。フィルリーネ様は王代理となられたお方。そのような方が住まう城で、何と恐ろしい」
演技が過ぎて殴りたくなってくる。
心配だと言いながら、城の不備をついてくるあたり性悪だ。再びルヴィアーレのせいにでもするつもりだろう。
「世話になる身でこの国に滞在させていただいておりましたが、私はフィルリーネ様をお守りしたい心がございます。フィルリーネ様を陥れるような者が側にいると思うと、心が張り裂けそうになります」
張り裂けてしまえ。
『ほんとよね』
エレディナも聞いていられないと鼻で笑った。オルデバルトが何かしないよう、ここから姿を消そうとせずに我慢してくれているのは分かるのだが、オルデバルトの前で神妙な顔をして聞いていなければならない私の心配もしてほしい。
あの顔に蹴り入れたくて仕方ないよ。
「ご存知でしたか? 我々は、本来婚約する予定だったんですよ?」
「まあ、そうでしたの? 初めて聞いたわ」
オルデバルトが急に話を変えた。悔しそうに胸元を掴んで握りしめる姿が演技者である。
「彼の国が横入りをし、フィルリーネ様の隣の席を奪う真似をしたのです。グングナルド王から聞いた時、耳を疑いました。何故そのようになったのか。グングナルドは大国です。彼の国は田舎の小国。大国であるグングナルドの権威を欲しがったのでしょう」
何が言いたいやら。うんうん聞いているが、婚約者を決めたのは前王である。気が変わったのは小国とやらが横入りしたわけではない。
「フィルリーネ様、小国の男に騙されてはなりません。前王が小国に攻撃を与えたのは、フィルリーネ様を守るためでしょう。国を越えることにより、マリオンネから非を受けることはあっても、王はグングナルドを守るために行ったのです。小国に騙されてはなりません」
オルデバルトは息も絶え絶え、苦しそうに言ってくる。
茶番にも程があるんだが?
「小国への進撃は罪になるでしょう。グングナルド王を捕らえるのは道理です。私はフィルリーネ様の意思に従います。ですが、小国の者をこの国に関わらせる危険は回避すべきなのです。騙されてはなりません。フィルリーネ様や私が毒で狙われたことが大きな証拠です!」
まあ、それを言いたいがために、随分溜めて話してくれるものだ。
オルデバルトは必死の形相で話を終え、体調がまだ治っていないと、息を競って見せた。
女の尻を追い掛けるしか脳がないと思っていたが、道化芝居もお手の物だ。
オルデバルトをちやほやしていた女性陣だったら、ここで食いつくように、そんな。とか驚いて見せてくれるかもしれない。しかし私にそれをやれってのは、無理あるよ。
「あなたの言いたいことは分かりましたわ、オルデバルト」
「フィルリーネ様!」
「あなたは何故前王がルヴィアーレ様をわたくしの婚約者として選んだのかご存知かしら?」
オルデバルトは予想外の答えが返ってきたと思ったのか、憂げな顔を見せながら顔を少しばかり硬らせる。
「小国の王がグングナルド王に何か不利益になる話を持ちかけたのでしょう。グングナルド王はフィルリーネ様の相手にしなければならない者が見つかったと仰っていました。ムスタファ・ブレインより重大な情報が与えられ、その通りにすべきと判断されたそうです」
「ムスタファ・ブレインが関わっていますの?」
「ええ。そのように聞いております。グングナルド王は、致し方なく、小国の者を選ぶ必要ができたと」
ムスタファ・ブレインが関わるならば、やはりルヴィアーレはマリオンネの生まれだと言うことで間違いないかもしれない。その情報を得て、前王はラータニアに打診した。
脅しを含めたのは前王の方だ。ラータニアは断れる立場ではない。
オルデバルトからしたら、大国グングナルドの王配になれるはずが肩透かしにあったわけだ。前王が失脚した今、前王の望みであるルヴィアーレのことなどどうでも良いのだろう。
「フィルリーネ様。小国との婚約は早々に破棄されるのが良いと存じます」
はっきりとした口調に、野心が垣間見える。
オルデバルトは真剣にこの国が欲しいらしい。前王が失脚した今、彼にとってはグングナルドを乗っ取るチャンスなのだ。
自国の兄たちが暗殺未遂にあったことを考えると、微妙な時期に自国を出てきたわけだが、キグリアヌンは後でも奪えると思って先にこの国に来たのだろうか。それとも国王に追われたのか。
キグリアヌンの調査報告はまだ来ていない。キグリアヌンの状況によっては、オルデバルトの切羽詰まり具合が変わってくる。
「オルデバルト。我が国は簡単に前王の罪を帳消しにできる立場ではなくてよ。ラータニア王とはルヴィアーレ様との婚約を継続することで同盟を続けることにしました。わたくしの気分で婚約を解消することはできません」
そう反論したらお前はどう出るのか?
オルデバルトは途端顔を歪めた。変に演技をした顔ではなく、心を表す醜い歪みだ。
「フィルリーネ様。愚かなことを言うのは止めておいた方がよろしいですよ。あなたは王の代理を名乗っているのでしょう。でしたらラータニア王に断れば良いだけのことです」
「断ったらあなたに何か利益でもあって?」
「当然です。私はあなたの婚約者となるのですから!」
寝ぼけたことを言ってくるが、オルデバルトは本気だ。恐ろしく歪んだ顔が化け物の類のように思えてきた。
「悪夢でも見ているようね、オルデバルト。そこの、ドナイトと言ったかしら。オルデバルトはまだ調子が悪そうだわ。ゆっくり休むようにさせてちょうだい」
「フィルリーネ様!」
フィルリーネはオルデバルトの声を無視し部屋を出ると、何かが割れる音が部屋の中で響いた。
4
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる