194 / 316
王族の力2
しおりを挟む
「仲良しなんだなあって。いや、良いことですよね」
「含みがあるように聞こえるのだが?」
含んでないですよ。そのままの言葉ですよ。仲が良いっていいよね。私もコニアサスと一緒にいてそんなこと言われたい。
「ユーリファラちゃんはどうなのよ。仲良しなんでしょ?」
「何が、どうなのだ?」
どうはどうであるのだが。ルヴィアーレは真顔になった。ラータニア王でからかえば少しばかり臍を曲げるような雰囲気を出したのに、ユーリファラの名を出したら元に戻ってしまった。
彼女に関してはからかわれるのが嫌なのか。何だ、純情なのか?
これは、ラータニア王との話し合いを早めに行わないと怒られるやつである。
「ラータニア王との会談は早めに決めるから、もうちょっと待ってよ。まだ城をあけるわけにはいかないんだよね。すぐおうちに帰してあげるからさ」
「なぜそんな話になる」
ルヴィアーレは怪訝な顔をしてきた。この人冗談通じないよね。知ってたけれど。からかわれたのが分かったのか、不機嫌になりすぎである。
「まあ、まあ、全然関係ないんだけど、髪伸びたよね。切らないの?」
我ながら全く本当に関係ないことを口にすると、もうルヴィアーレは呆れるしかないと、口を半開きにした。ため息を吐く気であるが、正面なのでそれは我慢したようだ。
だって髪の毛をずっと切っていないのか、グングナルドに来た時に比べて、顎にかかっていた髪が鎖骨まで伸びている。後ろも背中に伸びているので、邪魔ではないのか気になってくる。私は邪魔。
今だって顔が近いから、風でも吹いたら自分に当たりそうじゃないだろうか。部屋の中なので吹かないけれど。
「髪結びなよ。結んであげるから」
手のひらを合わせるのをやめて、フィルリーネが動くと、ルヴィアーレはもの凄い嫌そうな顔をしてきた。頼んできて他のことに動くのが許せなかったのか、勝手に髪に触れたからか分からないが、とにかく不機嫌そのものを出してきた。
「やる気がないのか?」
「髪の毛結んだらやる気出すよ」
そんな不機嫌顔されても怯むわけがないフィルリーネは、引き出しから青と銀の組紐を出すと、櫛を取り出して嫌がるルヴィアーレの髪をまとめた。さらさらすぎてまとめにくいが、何とか持っていた組紐で結ぶ。
「ほら、可愛い。可愛い!」
「何だ、可愛いとは」
可愛いは可愛いである。正義である。
後ろに一つ結んだが、前は頬にかかる髪を少しだけ残した。しっかりまとめたわけではないので、正面の印象は然程変わらない。後ろはすっきりである。私の心もすっきり。
「髪、何かしてる時邪魔じゃない? ずっと思ってたんだよね」
「そんなことしか思わないのか?」
「髪切ってやりたいわあ。って」
「………」
そんな無言にならなくて良いのに。初対面に思った正直な心根を、今打ち明けただけである。ルヴィアーレはわざとらしく息を吸って大きく吐いた。
「やるのか? やらないのか?」
「はいはい、ちゃんとやります。それでこの後どうするの?」
「魔具を作ったことはあるか?」
「あるよ。それと同じ?」
魔具を作る時には薬草などを混ぜながら魔導を注ぐ。魔鉱石を使用する場合は、そのまま魔鉱石を原型で使うことが多いので、魔鉱石に魔導を混ぜることはまずない。
そもそも魔鉱石が魔導の塊みたいなものなので、例えば大型の魔法陣を描く時に魔導が必要であれば、片手に塊を持っていれば普段以上の能力は得られるのだ。
ただし、普段の自分よりも高い魔導を扱うことになるので、その後身体に異常をきたすことがある。そのため魔導具を作り、魔鉱石をそこにはめた。術式が描かれている魔導具は、飛び道具にも剣にも使える。
魔鉱石に魔導を混ぜるならば、一度魔鉱石を崩さなければならないのではないだろうか。
そう思ったが、ルヴィアーレは首を左右に振った。だからこそ精霊の力が必要なのだと。
「魔鉱石は精霊が精製したものだ。だから魔導の種類は同じ。精霊が注げば魔鉱石に入り込む。混じることができないのは人間の魔導だ。それ故、精霊の魔導に同調して混じらせるしかない」
「それで異物だと反応されないの?」
「されない。精霊らしき魔導とされるのだろう。王族は精霊の力を借りられる立場だ。だから王族にしかできない」
とんちのようにも思えるが、精霊に近しい力と判断されて、魔鉱石は人間の魔導でも受け入れるらしい。
問題はどうやって精霊の力に同調するかだが。
「それを練習する」
ルヴィアーレは手のひらを重ねるとそのまま指を絡めた。魔導が暖かかったくせに、ルヴィアーレの指はひどく冷たい。
「指冷たいんですが」
「煩い」
一蹴すると、空いている手を再び重ねないように合わせた。
「私が魔導を放出する。自分の中に私の魔導を取り込み、左手から感じた魔導と君の魔導を右の手から放出しろ」
「それ、他人とやっちゃダメなやつじゃない?」
「君は気にしないだろう?」
けろりと言われたが、さすがに黙る。
ルヴィアーレがやろうとしていることは、他人の魔導を自分の魔導に交じらせ、体内を通して放出することだ。
魔導とは身体の中にあるものであり、持っていない者がいるとは言うが、実際は全ての人間が持っているものである。それに強弱があるだけで、持っていない人間はいない。
魔導は人間にとって体液のようなもので、自分と同じものはないのだ。
それを他人から得て交わらせて放出する。
家族くらいなら似たような魔導を持っているため違和感はないだろうが、他人となると、繊細なお話になるわけである。いや、これ確かに人に言っちゃダメなやつだよね。
「婚姻相手じゃないと、やっちゃダメじゃない?」
「婚約はしただろう」
いやいや、何言ってるんだろうね、この男は。
繊細な話なんだって。自分の魔導は自分だけの物だが、それはほら、婚姻したら色々あるでしょ? そうすると、自分の魔導が相手に渡ったり渡らなかったりするわけだけれども、それを、身体を合わせずに行いましょうみたいな。
他人の魔導を身体に取り込むことになってしまうので、量によっては自分の魔導の質が変わったりするわけである。つまり婚姻後のアレ的なアレのせいでよ。
「君は全属性なのだろう。だから問題ない」
属性なんて細かく分ければ大量にあるので全属性とはっきり言えないのだが、問題ないってことらしい。ああ、そうね。合理的なお答えありがとうございます。さすがですルヴィアーレさん。繊細なお話は興味ないと言うことでした。
そんな話をしているんじゃないんだけどね?
少しばかりたじろいでいると、ルヴィアーレが不機嫌に鼻を鳴らしてきた。
「魔鉱石に放出する程度だ。大した量ではない」
はい。潔いお答えありがとうございます。
「得られた魔導をそのまま通していくだけだ。交わった分全てを放出する」
それを体内で行えるのか謎なんですが。他人の魔導など、癒しをいただいたことで得られる程度で、それこそほんの僅かな魔導だ。表面の傷程度であれば身体の中深く入るわけではない。
しかし、体内に取り込んで外に放出となるならば、それは取り込むわけで、それを残さず放出できるかと言ったら、慣れるまではできないと思う。そもそもそんなやり方知らないので、できるかどうかもさっぱり分からない。何せ必要ないことだからね!
「含みがあるように聞こえるのだが?」
含んでないですよ。そのままの言葉ですよ。仲が良いっていいよね。私もコニアサスと一緒にいてそんなこと言われたい。
「ユーリファラちゃんはどうなのよ。仲良しなんでしょ?」
「何が、どうなのだ?」
どうはどうであるのだが。ルヴィアーレは真顔になった。ラータニア王でからかえば少しばかり臍を曲げるような雰囲気を出したのに、ユーリファラの名を出したら元に戻ってしまった。
彼女に関してはからかわれるのが嫌なのか。何だ、純情なのか?
これは、ラータニア王との話し合いを早めに行わないと怒られるやつである。
「ラータニア王との会談は早めに決めるから、もうちょっと待ってよ。まだ城をあけるわけにはいかないんだよね。すぐおうちに帰してあげるからさ」
「なぜそんな話になる」
ルヴィアーレは怪訝な顔をしてきた。この人冗談通じないよね。知ってたけれど。からかわれたのが分かったのか、不機嫌になりすぎである。
「まあ、まあ、全然関係ないんだけど、髪伸びたよね。切らないの?」
我ながら全く本当に関係ないことを口にすると、もうルヴィアーレは呆れるしかないと、口を半開きにした。ため息を吐く気であるが、正面なのでそれは我慢したようだ。
だって髪の毛をずっと切っていないのか、グングナルドに来た時に比べて、顎にかかっていた髪が鎖骨まで伸びている。後ろも背中に伸びているので、邪魔ではないのか気になってくる。私は邪魔。
今だって顔が近いから、風でも吹いたら自分に当たりそうじゃないだろうか。部屋の中なので吹かないけれど。
「髪結びなよ。結んであげるから」
手のひらを合わせるのをやめて、フィルリーネが動くと、ルヴィアーレはもの凄い嫌そうな顔をしてきた。頼んできて他のことに動くのが許せなかったのか、勝手に髪に触れたからか分からないが、とにかく不機嫌そのものを出してきた。
「やる気がないのか?」
「髪の毛結んだらやる気出すよ」
そんな不機嫌顔されても怯むわけがないフィルリーネは、引き出しから青と銀の組紐を出すと、櫛を取り出して嫌がるルヴィアーレの髪をまとめた。さらさらすぎてまとめにくいが、何とか持っていた組紐で結ぶ。
「ほら、可愛い。可愛い!」
「何だ、可愛いとは」
可愛いは可愛いである。正義である。
後ろに一つ結んだが、前は頬にかかる髪を少しだけ残した。しっかりまとめたわけではないので、正面の印象は然程変わらない。後ろはすっきりである。私の心もすっきり。
「髪、何かしてる時邪魔じゃない? ずっと思ってたんだよね」
「そんなことしか思わないのか?」
「髪切ってやりたいわあ。って」
「………」
そんな無言にならなくて良いのに。初対面に思った正直な心根を、今打ち明けただけである。ルヴィアーレはわざとらしく息を吸って大きく吐いた。
「やるのか? やらないのか?」
「はいはい、ちゃんとやります。それでこの後どうするの?」
「魔具を作ったことはあるか?」
「あるよ。それと同じ?」
魔具を作る時には薬草などを混ぜながら魔導を注ぐ。魔鉱石を使用する場合は、そのまま魔鉱石を原型で使うことが多いので、魔鉱石に魔導を混ぜることはまずない。
そもそも魔鉱石が魔導の塊みたいなものなので、例えば大型の魔法陣を描く時に魔導が必要であれば、片手に塊を持っていれば普段以上の能力は得られるのだ。
ただし、普段の自分よりも高い魔導を扱うことになるので、その後身体に異常をきたすことがある。そのため魔導具を作り、魔鉱石をそこにはめた。術式が描かれている魔導具は、飛び道具にも剣にも使える。
魔鉱石に魔導を混ぜるならば、一度魔鉱石を崩さなければならないのではないだろうか。
そう思ったが、ルヴィアーレは首を左右に振った。だからこそ精霊の力が必要なのだと。
「魔鉱石は精霊が精製したものだ。だから魔導の種類は同じ。精霊が注げば魔鉱石に入り込む。混じることができないのは人間の魔導だ。それ故、精霊の魔導に同調して混じらせるしかない」
「それで異物だと反応されないの?」
「されない。精霊らしき魔導とされるのだろう。王族は精霊の力を借りられる立場だ。だから王族にしかできない」
とんちのようにも思えるが、精霊に近しい力と判断されて、魔鉱石は人間の魔導でも受け入れるらしい。
問題はどうやって精霊の力に同調するかだが。
「それを練習する」
ルヴィアーレは手のひらを重ねるとそのまま指を絡めた。魔導が暖かかったくせに、ルヴィアーレの指はひどく冷たい。
「指冷たいんですが」
「煩い」
一蹴すると、空いている手を再び重ねないように合わせた。
「私が魔導を放出する。自分の中に私の魔導を取り込み、左手から感じた魔導と君の魔導を右の手から放出しろ」
「それ、他人とやっちゃダメなやつじゃない?」
「君は気にしないだろう?」
けろりと言われたが、さすがに黙る。
ルヴィアーレがやろうとしていることは、他人の魔導を自分の魔導に交じらせ、体内を通して放出することだ。
魔導とは身体の中にあるものであり、持っていない者がいるとは言うが、実際は全ての人間が持っているものである。それに強弱があるだけで、持っていない人間はいない。
魔導は人間にとって体液のようなもので、自分と同じものはないのだ。
それを他人から得て交わらせて放出する。
家族くらいなら似たような魔導を持っているため違和感はないだろうが、他人となると、繊細なお話になるわけである。いや、これ確かに人に言っちゃダメなやつだよね。
「婚姻相手じゃないと、やっちゃダメじゃない?」
「婚約はしただろう」
いやいや、何言ってるんだろうね、この男は。
繊細な話なんだって。自分の魔導は自分だけの物だが、それはほら、婚姻したら色々あるでしょ? そうすると、自分の魔導が相手に渡ったり渡らなかったりするわけだけれども、それを、身体を合わせずに行いましょうみたいな。
他人の魔導を身体に取り込むことになってしまうので、量によっては自分の魔導の質が変わったりするわけである。つまり婚姻後のアレ的なアレのせいでよ。
「君は全属性なのだろう。だから問題ない」
属性なんて細かく分ければ大量にあるので全属性とはっきり言えないのだが、問題ないってことらしい。ああ、そうね。合理的なお答えありがとうございます。さすがですルヴィアーレさん。繊細なお話は興味ないと言うことでした。
そんな話をしているんじゃないんだけどね?
少しばかりたじろいでいると、ルヴィアーレが不機嫌に鼻を鳴らしてきた。
「魔鉱石に放出する程度だ。大した量ではない」
はい。潔いお答えありがとうございます。
「得られた魔導をそのまま通していくだけだ。交わった分全てを放出する」
それを体内で行えるのか謎なんですが。他人の魔導など、癒しをいただいたことで得られる程度で、それこそほんの僅かな魔導だ。表面の傷程度であれば身体の中深く入るわけではない。
しかし、体内に取り込んで外に放出となるならば、それは取り込むわけで、それを残さず放出できるかと言ったら、慣れるまではできないと思う。そもそもそんなやり方知らないので、できるかどうかもさっぱり分からない。何せ必要ないことだからね!
15
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

冤罪をかけられた上に婚約破棄されたので、こんな国出て行ってやります
真理亜
恋愛
「そうですか。では出て行きます」
婚約者である王太子のイーサンから謝罪を要求され、従わないなら国外追放だと脅された公爵令嬢のアイリスは、平然とこう言い放った。
そもそもが冤罪を着せられた上、婚約破棄までされた相手に敬意を表す必要など無いし、そんな王太子が治める国に未練などなかったからだ。
脅しが空振りに終わったイーサンは狼狽えるが、最早後の祭りだった。なんと娘可愛さに公爵自身もまた爵位を返上して国を出ると言い出したのだ。
王国のTOPに位置する公爵家が無くなるなどあってはならないことだ。イーサンは慌てて引き止めるがもう遅かった。
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる