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「最近よく部屋にいるようだが、嫁入り前の娘が婚約者を部屋に入れるものではない」
王が突然呼び出してきたと思ったら、急にそんなことを言い始めた。お昼の後。
最近ラータニアの食事を作らせていたおかげか、食事の種類が増えて結構な美味しさへ変化しつつあるのを浸っていたって言うのに、邪魔が入った。
好きで会ってるわけじゃないし、勝手に入ってくるんだよね、あの男。むしろ何とかしてよ。私の憩いの玩具作りの作業が滞るのよ。
「ですが、わたくし、ルヴィアーレ様と二人でお話がしたいのです」
いやあ、そんなのぜんっぜんないけどね。でも肯定しとかないと、じゃあ何で部屋に何度も入れてるんだって思われちゃうからね、仕方なくなのよ。全く冗談じゃないよね。
「やめなさい」
「分かりましたわ」
きっぱりと断言されて、残念そうに消沈してみせる。いや、全然そんなことないよ。いやー、もっと早く言ってくれないかなあ。結局あの男こっちの情報とるだけであっちの情報くれないのよ。
しかも部屋にいない間に入り込んでくるし、いなかったら何してたかしつこく聞いてくるし、小姑すぎて、後少しで、うるさいー!って叫んじゃうところだったからね。
まったくねちねちねちねち。しつこいのよ。
しかしどうして急に王は気にし始めたかな。ルヴィアーレなら余計なことしなさそうだけれど。
そこは女王の件かしら?
「ヘライーヌが魔導院で案内をしたそうです」
早速情報を得たアシュタルが剣を片手に息を大きく吐きながら言った。今日も夏日で日光も鋭く鍛錬もつらそうだ。汗を拭って持っていた水筒で喉を潤している。
日陰に入るとそこまででもないのだが、直射日光を浴びて戦っていればそれは暑かろう。一気に水を飲み込んでもう一度汗を拭った。
「余計なことをしたのはヘライーヌか。納得。お陰でルヴィアーレが部屋に来れなくなっちゃったよ」
「随分嬉しそうですが」
顔が見えないのに、声が笑っていますよ。と言われて口を引き締める。ルヴィアーレが来たら残念そうに言わなければ。笑ってはいけない。
「王は、ルヴィアーレ様がフィルリーネ様に妙な懐柔をする可能性を考えているのでしょうか」
「そうねー。私がいきなりおかしな命令するんじゃないかって、心配したんじゃない?」
「ああ…」
アシュタルは納得の頷き声を出す。
フィルリーネならばルヴィアーレに騙されて、兵士たちにまとわりつくなとか、自由に動く権利をルヴィアーレに与えかねない。王はそんな予想をしただろうか。
そんなことしないよ。うろつかれたら面倒だもの。やらせても連絡取らせる程度だよ。こっちだって狙われないとは限らないのだから。
「これから部屋は難しいね。話すことがあれば、まあ何か考えましょう」
常に部屋に来られることに比べたら何と容易いことか。いやあ、自由っていいなあ。
「ルヴィアーレ様は足繁く魔導院書庫に通っているそうです。フィルリーネ様の部屋も増えているようですが、行く場所はその二箇所だとか」
「私の部屋には監視に。魔導院書庫は真面目に読書でしょう。イムレス様が選んでいい本渡しているようだし」
「イムレス様はルヴィアーレ様を信用しているのですか?」
「どうかしらねえ」
気に入っているかいないかを言えば、気に入っている方に入ると思われる。だがそこで信用しているかと言えばどちらとも言えない。使えるなら使う程度ではないだろうか。黒さに関しては、イムレスの方がルヴィアーレより大幅に上だと思うので。
ルヴィアーレを仲間に引き入れても、ラータニアに恩が売れるわけではないのだから、早々に帰ってもらい国の諍いをなかったことにさせていただきたい。
しかし、イムレスは争いになった時ルヴィアーレに動いてもらいたいのだろう。王に反するならこちらに協力するしかないからだ。だがそれでルヴィアーレやラータニアに主導権を渡したくないのも本音だった。
戦争を未然に防げれば補償も軽いだろうが、そうでなかったら面倒この上ない。イムレスがその辺りをどう考えているか謎である。きっと自分に気付かない黒いことを考えているに違いなかった。
ルヴィアーレを上手く誘導して使えても、ルヴィアーレでは高くつく。イムレスはどう対処する気なのか、自分では思い付かない。それこそ弱みを握って脅す方が余程楽な気がする。後が怖いが。
「ま、ルヴィアーレには夕食でも誘って、もう部屋来るなって伝えないとね。これからどうするかも聞いてくるでしょう。そこも考えないと」
面倒臭いことである。フィルリーネの大きなため息にアシュタルが笑って返してくる。
「いいじゃないですか。やっと監視がなくなるのであれば、カサダリアにも行けるでしょう」
最近カサダリアに訪れていないことを愚痴っていたので、アシュタルは良かったですね。と嬉しそうに言ってきた。しかし、そこもまた問題なのである。
「残念だけど、建国記念日にカサダリア行けって言われたのよね。ルヴィアーレと」
「え!? 何故ですか!? 建国記念日にカサダリアに行くことなど、一度もなかったでしょうに」
「そうなのよね。ルヴィアーレを部屋に入れるなって言っておいて、カサダリアに二人で行けって、矛盾してるでしょう。また私たちがいない間に何かするんだわ」
建国記念日は国で祝いが行われるが、他の都市に行くのは叔父の役目だった。叔父が死んでからはカサダリアで祝うのはガルネーゼの役目である。それなのに、今回は婚約者と祝いを行うようにと命令してきたのだ。
カサダリアの者たちにルヴィアーレをお披露目しろとのことである。主要な者たちはルヴィアーレが初めて城に訪れた時に見ているわけだが、そこは無視して紹介してこいと言われたのだ。
「カサダリアに滞在されている間、仲間たちにも警戒を怠らぬよう伝えます」
アシュタルは気を引き締めるように低い声を出す。前回冬の館にいる間に起きたことを考えれば王は戦いの準備を更に進めるに違いない。
「ヒベルト地方の砦に侵入した者からの情報では、砦に魔鉱石を運んでいるとのことでした。砦には航空艇はあまりありませんので、兵士の武器としても使用するのではないのかと言うことです」
「国境門を斥候として破壊する可能性が高いわね」
ラータニアとの国境近くにある砦は、既に王派の者たちが多くを占めている。そこに侵入した者が調査をしてくれていたのだが、国境門への攻撃は地上から行うようだ。浮島からは近いわけではないので、こちらも囮だ。
「王派の人間は多いとしても、斥候に多人数を賄うとは思いません。地上での戦いはやはり獣や魔鉱石を使用した武器などを多用するつもりなのでしょう」
「間違いなくそうするでしょうね」
グングナルド全ての総意でラータニアを攻めるわけではない。王はおそらくラータニアへの戦いを進めながら国内の粛清も行うだろう。秘密裏にラータニアを攻めるつもりだろうが、反王派に気付かれれば王派の足を引っ張りかねない。そのため反王派も潰す必要性がある。
王都以外の場所には情報はすぐに届かない。まずは王都の反王派を沈めるのが先だ。
それを今まで行ってきていても、ラータニアへ進軍したとあれば声を荒げる者も出るだろう。城にはそれなりに力のある者を残すはずだ。
城は戦いになるかもしれない。最悪のことを考えて動かなければ、こちらに勝ち目はなかった。
「王が、本当に動く時が来ているんですね」
アシュタルは神妙に言った。
叔父を殺してから後、王は自らの手とならぬ者たちを事故などに見せかけて討ってきた。反王を鎮め言うことを聞く者たちだけを傍に置き、国を担ってきた。進む方向は独裁だと分かっていたが、他国への蹂躙は当時予想していなかった。
グングナルドは大国だ。土地も広く人口も多い。他国へ攻め入る軍事力があっても、精霊と言う存在がある限り、他国を占拠する危険は犯せない。戦争を始めて利益を得るのは難しいと誰もが考える。
それなのに、王はラータニア進軍を予定している。
叔父を殺す前から王の考えていることは分からない。今でもそれは同じだ。
しかし、叔父は殺されることを予測していた。だからこそ生きている間に、自分に偽りを続ける真似を教えたのだ。近い未来王が一体何をする気なのか、分かっていたのかもしれない。
自分には分からない何かを、叔父は察していたのだろう。
それが本当に行われるのだ。
「そろそろ、悠長にしていられなくなったわね」
フィルリーネは眉根を寄せて静かに呟いた。
王が突然呼び出してきたと思ったら、急にそんなことを言い始めた。お昼の後。
最近ラータニアの食事を作らせていたおかげか、食事の種類が増えて結構な美味しさへ変化しつつあるのを浸っていたって言うのに、邪魔が入った。
好きで会ってるわけじゃないし、勝手に入ってくるんだよね、あの男。むしろ何とかしてよ。私の憩いの玩具作りの作業が滞るのよ。
「ですが、わたくし、ルヴィアーレ様と二人でお話がしたいのです」
いやあ、そんなのぜんっぜんないけどね。でも肯定しとかないと、じゃあ何で部屋に何度も入れてるんだって思われちゃうからね、仕方なくなのよ。全く冗談じゃないよね。
「やめなさい」
「分かりましたわ」
きっぱりと断言されて、残念そうに消沈してみせる。いや、全然そんなことないよ。いやー、もっと早く言ってくれないかなあ。結局あの男こっちの情報とるだけであっちの情報くれないのよ。
しかも部屋にいない間に入り込んでくるし、いなかったら何してたかしつこく聞いてくるし、小姑すぎて、後少しで、うるさいー!って叫んじゃうところだったからね。
まったくねちねちねちねち。しつこいのよ。
しかしどうして急に王は気にし始めたかな。ルヴィアーレなら余計なことしなさそうだけれど。
そこは女王の件かしら?
「ヘライーヌが魔導院で案内をしたそうです」
早速情報を得たアシュタルが剣を片手に息を大きく吐きながら言った。今日も夏日で日光も鋭く鍛錬もつらそうだ。汗を拭って持っていた水筒で喉を潤している。
日陰に入るとそこまででもないのだが、直射日光を浴びて戦っていればそれは暑かろう。一気に水を飲み込んでもう一度汗を拭った。
「余計なことをしたのはヘライーヌか。納得。お陰でルヴィアーレが部屋に来れなくなっちゃったよ」
「随分嬉しそうですが」
顔が見えないのに、声が笑っていますよ。と言われて口を引き締める。ルヴィアーレが来たら残念そうに言わなければ。笑ってはいけない。
「王は、ルヴィアーレ様がフィルリーネ様に妙な懐柔をする可能性を考えているのでしょうか」
「そうねー。私がいきなりおかしな命令するんじゃないかって、心配したんじゃない?」
「ああ…」
アシュタルは納得の頷き声を出す。
フィルリーネならばルヴィアーレに騙されて、兵士たちにまとわりつくなとか、自由に動く権利をルヴィアーレに与えかねない。王はそんな予想をしただろうか。
そんなことしないよ。うろつかれたら面倒だもの。やらせても連絡取らせる程度だよ。こっちだって狙われないとは限らないのだから。
「これから部屋は難しいね。話すことがあれば、まあ何か考えましょう」
常に部屋に来られることに比べたら何と容易いことか。いやあ、自由っていいなあ。
「ルヴィアーレ様は足繁く魔導院書庫に通っているそうです。フィルリーネ様の部屋も増えているようですが、行く場所はその二箇所だとか」
「私の部屋には監視に。魔導院書庫は真面目に読書でしょう。イムレス様が選んでいい本渡しているようだし」
「イムレス様はルヴィアーレ様を信用しているのですか?」
「どうかしらねえ」
気に入っているかいないかを言えば、気に入っている方に入ると思われる。だがそこで信用しているかと言えばどちらとも言えない。使えるなら使う程度ではないだろうか。黒さに関しては、イムレスの方がルヴィアーレより大幅に上だと思うので。
ルヴィアーレを仲間に引き入れても、ラータニアに恩が売れるわけではないのだから、早々に帰ってもらい国の諍いをなかったことにさせていただきたい。
しかし、イムレスは争いになった時ルヴィアーレに動いてもらいたいのだろう。王に反するならこちらに協力するしかないからだ。だがそれでルヴィアーレやラータニアに主導権を渡したくないのも本音だった。
戦争を未然に防げれば補償も軽いだろうが、そうでなかったら面倒この上ない。イムレスがその辺りをどう考えているか謎である。きっと自分に気付かない黒いことを考えているに違いなかった。
ルヴィアーレを上手く誘導して使えても、ルヴィアーレでは高くつく。イムレスはどう対処する気なのか、自分では思い付かない。それこそ弱みを握って脅す方が余程楽な気がする。後が怖いが。
「ま、ルヴィアーレには夕食でも誘って、もう部屋来るなって伝えないとね。これからどうするかも聞いてくるでしょう。そこも考えないと」
面倒臭いことである。フィルリーネの大きなため息にアシュタルが笑って返してくる。
「いいじゃないですか。やっと監視がなくなるのであれば、カサダリアにも行けるでしょう」
最近カサダリアに訪れていないことを愚痴っていたので、アシュタルは良かったですね。と嬉しそうに言ってきた。しかし、そこもまた問題なのである。
「残念だけど、建国記念日にカサダリア行けって言われたのよね。ルヴィアーレと」
「え!? 何故ですか!? 建国記念日にカサダリアに行くことなど、一度もなかったでしょうに」
「そうなのよね。ルヴィアーレを部屋に入れるなって言っておいて、カサダリアに二人で行けって、矛盾してるでしょう。また私たちがいない間に何かするんだわ」
建国記念日は国で祝いが行われるが、他の都市に行くのは叔父の役目だった。叔父が死んでからはカサダリアで祝うのはガルネーゼの役目である。それなのに、今回は婚約者と祝いを行うようにと命令してきたのだ。
カサダリアの者たちにルヴィアーレをお披露目しろとのことである。主要な者たちはルヴィアーレが初めて城に訪れた時に見ているわけだが、そこは無視して紹介してこいと言われたのだ。
「カサダリアに滞在されている間、仲間たちにも警戒を怠らぬよう伝えます」
アシュタルは気を引き締めるように低い声を出す。前回冬の館にいる間に起きたことを考えれば王は戦いの準備を更に進めるに違いない。
「ヒベルト地方の砦に侵入した者からの情報では、砦に魔鉱石を運んでいるとのことでした。砦には航空艇はあまりありませんので、兵士の武器としても使用するのではないのかと言うことです」
「国境門を斥候として破壊する可能性が高いわね」
ラータニアとの国境近くにある砦は、既に王派の者たちが多くを占めている。そこに侵入した者が調査をしてくれていたのだが、国境門への攻撃は地上から行うようだ。浮島からは近いわけではないので、こちらも囮だ。
「王派の人間は多いとしても、斥候に多人数を賄うとは思いません。地上での戦いはやはり獣や魔鉱石を使用した武器などを多用するつもりなのでしょう」
「間違いなくそうするでしょうね」
グングナルド全ての総意でラータニアを攻めるわけではない。王はおそらくラータニアへの戦いを進めながら国内の粛清も行うだろう。秘密裏にラータニアを攻めるつもりだろうが、反王派に気付かれれば王派の足を引っ張りかねない。そのため反王派も潰す必要性がある。
王都以外の場所には情報はすぐに届かない。まずは王都の反王派を沈めるのが先だ。
それを今まで行ってきていても、ラータニアへ進軍したとあれば声を荒げる者も出るだろう。城にはそれなりに力のある者を残すはずだ。
城は戦いになるかもしれない。最悪のことを考えて動かなければ、こちらに勝ち目はなかった。
「王が、本当に動く時が来ているんですね」
アシュタルは神妙に言った。
叔父を殺してから後、王は自らの手とならぬ者たちを事故などに見せかけて討ってきた。反王を鎮め言うことを聞く者たちだけを傍に置き、国を担ってきた。進む方向は独裁だと分かっていたが、他国への蹂躙は当時予想していなかった。
グングナルドは大国だ。土地も広く人口も多い。他国へ攻め入る軍事力があっても、精霊と言う存在がある限り、他国を占拠する危険は犯せない。戦争を始めて利益を得るのは難しいと誰もが考える。
それなのに、王はラータニア進軍を予定している。
叔父を殺す前から王の考えていることは分からない。今でもそれは同じだ。
しかし、叔父は殺されることを予測していた。だからこそ生きている間に、自分に偽りを続ける真似を教えたのだ。近い未来王が一体何をする気なのか、分かっていたのかもしれない。
自分には分からない何かを、叔父は察していたのだろう。
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