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ナッスハルト
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フィルリーネとの接点は、城では全くと言って良いほど、ない。
警備騎士団は基本的に街の治安を守ることが主で、城に関してはあまり関わりがない。王騎士団や城の騎士団とは討伐の際に協力することがあるため、完全に関わらないということはないが、城の騎士団たちに比べれば軽く見られるのは否めない。
特に、このグングナルドの王は街に目を向けない人だ。先代のグングナルド王に比べて魔導が少なく、国王としての資質も少ない。精霊が減り続けているという噂があるのに、何もしない。地方から移住して来る者たちが増え、街に人が溢れかえってきても、何か手を出す真似はしない。
人が増えた時には、犯罪も増えた。警備騎士が動いても、難民のような地方の人間が集まる根本を変えなければ、何も変わらないのに、王は何の動きもしない。王は地方には見向きもしないのだ。
一部の村では、農作物ができにくくなった。それをなぜ放置するのか。だから人が動くのに、なぜ何もしないのか。地方から王都へ来た自分には、それが歯がゆくて仕方がない。
しかし、それにも関わらず、国を動かす手腕が評価されていた。それが暗躍という形で行われていたのだと気付いたのは、騎士になってすぐだった。
「ナッスハルト、王に不満があっても、口にはするなよ。痛い目を見る」
そう言ったのは、当時の第五隊長だった。
騎士になった当時、おかしなことが多く続いた。
どこからか魔獣が現れて、貴族を襲う。城の中に魔獣が入り込み、重役が殺される。いつの間にか行方不明になったりする者もいた。その真相を探ると、必ず邪魔が入る。上からの命令では動けない。第五隊長に何度も食い下がったが、言われた言葉がそれだった。
反論して、別の部隊に声を掛けていた時に、第五隊長は自分を呼び出して、今は我慢しろ、と力強く言った。
「王に不満があっても、口にはするな。表向きだけでも、王を敬え。お前が思うよりずっと、王は強かで狡猾だ。単独で動いても、何にもならない。余計な真似をすれば、お前も同じ目に合う。準備も行わず、馬鹿な真似はするな」
無精髭を生やした、不真面目そうな男だったのに、実際はとても真面目で、国を憂いていた。王の弟であるハルディオラ様を崇高し、彼の方が王であればと願っていた人だった。
その王弟ハルディオラが、強盗に襲われて死んだ。
その時の第五隊長の怒りは忘れられない。憤りを秘めることなく、いつも何かを考えていた。何かをする気だとは分かっていたが、それに踏み込む前に、彼は殺された。強盗による襲撃によって。
「見ろ、フィルリーネ様だ。美しいな」
「黙っていればなんだろう? 騎士団のやつに聞いたが、性格がそれはそれは、ひどいらしいぞ」
「頭が悪いとは聞くな」
フィルリーネの噂はそんなものだった。
遠目から見る分には美しく、見ているだけでも麗しい。実際遠目に見る分には、すこぶる目の保養だったと思う。まだ十代前半でも若い騎士たちは色めき立っていたし、滅多に会うこともないので、フィルリーネがいれば、警備騎士たちは集まって姫の姿を覗いた。
王の娘だ。それで頭が悪くて性格が悪いのは納得だった。当時はそんな印象しかない。初めて間近で見た時は、溜め息が漏れる程の美しい方だと思った。まだ幼いけれども、大人になればどれ程の美しさとなるのだろう。そう思っても、もうどうでもいい話だった。
この国は終わりだ。あの王が生き続ける限り、地方は死に、国は荒れるだろう。
「ナッスハルト様だ」
「ナッスハルト様」
自分にできるのは、子供たちに少しでも何かを与えること。実家でも弟妹が多いため、子供には慣れていた。旧市街の子供たちは、そんな弟妹を思い出させる。
環境の悪い場所でも、元気に育つ姿を、自分なりに見守っているつもりだった。
子供たちは自分に群がりながらも、何かを手に持っていた。数字が書かれた木札で、表には数字が、裏には果物の絵が、数字の数だけ書いてある。
「どうしたんだい、これ?」
「フィリィお姉ちゃんにもらった」
「フィリィお姉ちゃん?」
「たまに来る、お姉ちゃん」
子供たちは様々に言ったが、良く聞くと、たまにこの辺りに来る商人の娘が、玩具を持ってくるらしい。いつもは持って帰るのだが、みんなで遊ぶために、この木札を置いていったそうだ。
知育玩具だ。考えている。
旧市街の子供たちは親が忙しいため、いつも子供たちだけで固まって遊んでいる。少しでも歩けるようになれば、この集まりに入る。年の上の者が下の者を見る。小さな地域社会で当然の知恵だった。
それでもいるのは、七歳より下の子供たちだ。危険なことはするし、いたずらもする。水場が近いので安全とは言えない。年が上になるとその責任も持つため、精神面でも大人な子供が多い。その中で一番しっかりしているのが、マットルだった。
「マットルは何をしているんだ?」
「数かぞえてる」
マットルは持っていた木札を置いて、何かをしている。子供たちは全員で二十人近くいるのに、一人ずつにその木札を渡しているのか、マットルも同じ木札を持っていた。一から九までの木札を黒一色で描いている。
奇特な人物だ。旧市街では大人でも文字が書ける者は少ない。それを旧市街で教えようと思う商人は、一体何人いるだろうか。街の子供でも、文字を書ける子供は少ないないだろう。商人ならともかく、この国の貴族ではない人々は、識字率が低い。国が街の人間への教育を、全く重視していないからだ。
マットルは木札を気に入ってるのか、一から九まで並べて数を数えていた。楽しそうに言いながら、合っているかどうか尋ねてくる。
考えたことがなかった。ただ食べ物を持ってきて、与えることしか。
「面白いのか?」
「うん。フィリィ姉ちゃんが、たくさん覚えれば、一人で買い物できて、お父さんとお母さんのお手伝いできるって言ってたから」
文字と数を可視化して、分かりやすく覚えさせる。そして驚いたことに、子供たちは数を数える歌を歌っていた。その歌を歌いながら、木札を見て数を覚えている。数字と果物や物をからめて数を数えさせているので、覚えやすい。歌もフィリィお姉ちゃんに教えてもらったらしく、子供たちは楽しそうに歌っていた。
そのフィリィお姉ちゃんは、来る回数がそこまで多くない。自分よりずっと少なく、たまにしか来ない。しかし、来る時は必ず新しい玩具を持ち、計算を覚えさせて、ご褒美として果物などの食べ物を与えていた。
旧市街の子供たちに、教育を施す気だ。お姉ちゃんと言っているが、どれくらいの年なのだろうか。商人と言っていたが、どこの商人の娘なのか。何度かその娘の話を聞くと、さすがに気になってくる。
「商人の娘を探す? 仕事しないで、何やってんだ。お前」
「美人なんだろ。どうせお前は。この間の彼女はどうした」
同僚たちは、フィリィお姉ちゃんが行なっていることにはあまり興味を持たない。珍しいなくらいの感覚で、可愛かったら紹介しろという程度だ。
「お前は女と遊びすぎなんだよ。こっちにもまわせ」
「紹介しても構わないが、女性たちが誰を選ぶかは知らないよ」
「ナッスハルト、言ってはならないことを!」
警備騎士たちは、隊長が死んで新しい隊長になってか、ら気が抜けている。それもそうだ。おかしな事件が起きて調べても、何もなかったことにされる。妙なことに気付いても、それが国にとって正しければ、何の用もなさない。自分たちの仕事は、倫理に習っているわけではない。
昼が過ぎて、庭園で居眠りをしても、怒る者もいない。いや、第三部隊のロジェーニに見付かったら大目玉か。
一つ下の彼女は、気付いたら隊長補佐になっていた。真面目に仕事をして、そこまで上がれるのも珍しい。
第三部隊の隊長は年のいった方で、ロジェーニの真面目さを評価していた。正義感を振りかざして消されないようにした方がいいのだろうが、それを彼女に言っても、鼻であしらわれる。
何もかも、放っておけばいい。
警備騎士団は基本的に街の治安を守ることが主で、城に関してはあまり関わりがない。王騎士団や城の騎士団とは討伐の際に協力することがあるため、完全に関わらないということはないが、城の騎士団たちに比べれば軽く見られるのは否めない。
特に、このグングナルドの王は街に目を向けない人だ。先代のグングナルド王に比べて魔導が少なく、国王としての資質も少ない。精霊が減り続けているという噂があるのに、何もしない。地方から移住して来る者たちが増え、街に人が溢れかえってきても、何か手を出す真似はしない。
人が増えた時には、犯罪も増えた。警備騎士が動いても、難民のような地方の人間が集まる根本を変えなければ、何も変わらないのに、王は何の動きもしない。王は地方には見向きもしないのだ。
一部の村では、農作物ができにくくなった。それをなぜ放置するのか。だから人が動くのに、なぜ何もしないのか。地方から王都へ来た自分には、それが歯がゆくて仕方がない。
しかし、それにも関わらず、国を動かす手腕が評価されていた。それが暗躍という形で行われていたのだと気付いたのは、騎士になってすぐだった。
「ナッスハルト、王に不満があっても、口にはするなよ。痛い目を見る」
そう言ったのは、当時の第五隊長だった。
騎士になった当時、おかしなことが多く続いた。
どこからか魔獣が現れて、貴族を襲う。城の中に魔獣が入り込み、重役が殺される。いつの間にか行方不明になったりする者もいた。その真相を探ると、必ず邪魔が入る。上からの命令では動けない。第五隊長に何度も食い下がったが、言われた言葉がそれだった。
反論して、別の部隊に声を掛けていた時に、第五隊長は自分を呼び出して、今は我慢しろ、と力強く言った。
「王に不満があっても、口にはするな。表向きだけでも、王を敬え。お前が思うよりずっと、王は強かで狡猾だ。単独で動いても、何にもならない。余計な真似をすれば、お前も同じ目に合う。準備も行わず、馬鹿な真似はするな」
無精髭を生やした、不真面目そうな男だったのに、実際はとても真面目で、国を憂いていた。王の弟であるハルディオラ様を崇高し、彼の方が王であればと願っていた人だった。
その王弟ハルディオラが、強盗に襲われて死んだ。
その時の第五隊長の怒りは忘れられない。憤りを秘めることなく、いつも何かを考えていた。何かをする気だとは分かっていたが、それに踏み込む前に、彼は殺された。強盗による襲撃によって。
「見ろ、フィルリーネ様だ。美しいな」
「黙っていればなんだろう? 騎士団のやつに聞いたが、性格がそれはそれは、ひどいらしいぞ」
「頭が悪いとは聞くな」
フィルリーネの噂はそんなものだった。
遠目から見る分には美しく、見ているだけでも麗しい。実際遠目に見る分には、すこぶる目の保養だったと思う。まだ十代前半でも若い騎士たちは色めき立っていたし、滅多に会うこともないので、フィルリーネがいれば、警備騎士たちは集まって姫の姿を覗いた。
王の娘だ。それで頭が悪くて性格が悪いのは納得だった。当時はそんな印象しかない。初めて間近で見た時は、溜め息が漏れる程の美しい方だと思った。まだ幼いけれども、大人になればどれ程の美しさとなるのだろう。そう思っても、もうどうでもいい話だった。
この国は終わりだ。あの王が生き続ける限り、地方は死に、国は荒れるだろう。
「ナッスハルト様だ」
「ナッスハルト様」
自分にできるのは、子供たちに少しでも何かを与えること。実家でも弟妹が多いため、子供には慣れていた。旧市街の子供たちは、そんな弟妹を思い出させる。
環境の悪い場所でも、元気に育つ姿を、自分なりに見守っているつもりだった。
子供たちは自分に群がりながらも、何かを手に持っていた。数字が書かれた木札で、表には数字が、裏には果物の絵が、数字の数だけ書いてある。
「どうしたんだい、これ?」
「フィリィお姉ちゃんにもらった」
「フィリィお姉ちゃん?」
「たまに来る、お姉ちゃん」
子供たちは様々に言ったが、良く聞くと、たまにこの辺りに来る商人の娘が、玩具を持ってくるらしい。いつもは持って帰るのだが、みんなで遊ぶために、この木札を置いていったそうだ。
知育玩具だ。考えている。
旧市街の子供たちは親が忙しいため、いつも子供たちだけで固まって遊んでいる。少しでも歩けるようになれば、この集まりに入る。年の上の者が下の者を見る。小さな地域社会で当然の知恵だった。
それでもいるのは、七歳より下の子供たちだ。危険なことはするし、いたずらもする。水場が近いので安全とは言えない。年が上になるとその責任も持つため、精神面でも大人な子供が多い。その中で一番しっかりしているのが、マットルだった。
「マットルは何をしているんだ?」
「数かぞえてる」
マットルは持っていた木札を置いて、何かをしている。子供たちは全員で二十人近くいるのに、一人ずつにその木札を渡しているのか、マットルも同じ木札を持っていた。一から九までの木札を黒一色で描いている。
奇特な人物だ。旧市街では大人でも文字が書ける者は少ない。それを旧市街で教えようと思う商人は、一体何人いるだろうか。街の子供でも、文字を書ける子供は少ないないだろう。商人ならともかく、この国の貴族ではない人々は、識字率が低い。国が街の人間への教育を、全く重視していないからだ。
マットルは木札を気に入ってるのか、一から九まで並べて数を数えていた。楽しそうに言いながら、合っているかどうか尋ねてくる。
考えたことがなかった。ただ食べ物を持ってきて、与えることしか。
「面白いのか?」
「うん。フィリィ姉ちゃんが、たくさん覚えれば、一人で買い物できて、お父さんとお母さんのお手伝いできるって言ってたから」
文字と数を可視化して、分かりやすく覚えさせる。そして驚いたことに、子供たちは数を数える歌を歌っていた。その歌を歌いながら、木札を見て数を覚えている。数字と果物や物をからめて数を数えさせているので、覚えやすい。歌もフィリィお姉ちゃんに教えてもらったらしく、子供たちは楽しそうに歌っていた。
そのフィリィお姉ちゃんは、来る回数がそこまで多くない。自分よりずっと少なく、たまにしか来ない。しかし、来る時は必ず新しい玩具を持ち、計算を覚えさせて、ご褒美として果物などの食べ物を与えていた。
旧市街の子供たちに、教育を施す気だ。お姉ちゃんと言っているが、どれくらいの年なのだろうか。商人と言っていたが、どこの商人の娘なのか。何度かその娘の話を聞くと、さすがに気になってくる。
「商人の娘を探す? 仕事しないで、何やってんだ。お前」
「美人なんだろ。どうせお前は。この間の彼女はどうした」
同僚たちは、フィリィお姉ちゃんが行なっていることにはあまり興味を持たない。珍しいなくらいの感覚で、可愛かったら紹介しろという程度だ。
「お前は女と遊びすぎなんだよ。こっちにもまわせ」
「紹介しても構わないが、女性たちが誰を選ぶかは知らないよ」
「ナッスハルト、言ってはならないことを!」
警備騎士たちは、隊長が死んで新しい隊長になってか、ら気が抜けている。それもそうだ。おかしな事件が起きて調べても、何もなかったことにされる。妙なことに気付いても、それが国にとって正しければ、何の用もなさない。自分たちの仕事は、倫理に習っているわけではない。
昼が過ぎて、庭園で居眠りをしても、怒る者もいない。いや、第三部隊のロジェーニに見付かったら大目玉か。
一つ下の彼女は、気付いたら隊長補佐になっていた。真面目に仕事をして、そこまで上がれるのも珍しい。
第三部隊の隊長は年のいった方で、ロジェーニの真面目さを評価していた。正義感を振りかざして消されないようにした方がいいのだろうが、それを彼女に言っても、鼻であしらわれる。
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