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追跡2
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ニュアオーマは、叔父ハルディオラと表で会うことはなかった。
ヨシュアが言うには、人目のつかないところで会う人間で、表立って親しくしている姿は見たことがないと言う。
叔父は、街のことについて質問をしていたらしい。それでもふらふらしているような男だったので、不真面目なやつという印象が、ヨシュアですら強かったようだ。
その時の叔父が、彼をどのように使っていたのかは分からない。イムレスに聞いても、はっきりとした答えはなかった。叔父の仲間を、そっくり自分が仲間にできるわけではないからだ。叔父を信じていたから、皆は集まった。今の自分には、その力がない。
『どう、っでもいい話してたわ。どの店のお姉ちゃんが良いだの、なんだの』
エレディナが脱力した声を出して報告してくる。そんな簡単に分かれば苦労はないか。とりあえず、今日は尾行をするつもりでやってきた。
ニュアオーマは串に刺さった肉を買うと、それを食みながら店を後にする。ふらふら歩いて、食べていた肉の串をその辺に投げ捨て、中央地区への方向へ進んでいく。
通りを歩いていると、おじさんがニュアオーマに声を掛けて立ち話をしはじめた。相手は街の人だが、同じくらいの年の人で、少し経つと軽く手を振って別れる。
「ヨシュア、今のおじさんがどこ行くのか、確認してくれる?」
『分かった』
ニュアオーマは歩いていると、誰かしらに声を掛けられたり掛けたりし、少し話して道を歩いた。話す人は街の人で、女性であったり男性であったりする。簡単な挨拶で別れたりするので、知り合いは多いようだ。ヨシュアが戻ってくると、酒場の店主だと教えてくれる。
また、他の男をつけさす。それは屋台の店番だったり、配達員であったりと、下町の人間ばかりだった。
しかし、歩き続けると、中央地区から北部地区方面へと進む。中央地区は東西南北の地区の中心で、そこから北部に向かって貴族が住む高級住宅街になった。中央地区は公共の建物が多く、街の人々が行く聖堂や、出産時の証明や旅券を出す役所があった。また公園なども多く、そこから近い場所に、小型艇の民間発着所と駅があった。
ニュアオーマは公園に入ると、駅に向かった。駅に入る道は中央地区にはいくつかあるので、公園から入れる出入り口を使うようだ。
駅は一本道なので、入るには尾行に気付かれ易い。エレディナについていくよう伝えて、フィリィは別の道から駅に入ることにした。エレディナと別れると、ここから一番近い別の駅への入り口へ走る。広い公園なので結構走るのだが、木々に日光が遮られているのでそこまで暑くない。しかも、上は列車が走っているので、日陰が多かった。
『駅から、また外に出るわ』
エレディナが急いで飛んできた。ニュアオーマは駅方面の道に入りながら、駅には行かず、別の道から出てきたらしい。
「つけてるの、気付かれてる?」
『分からない。このまま私がつけるから、あんたは後から来なさいよ』
言って、エレディナはすぐに戻る。気付かれているならば、ただのサボリ魔ではないわけだが。
王都ダリュンベリは、昼は暑いが、夜は冷えて湿度も低いので、日光さえ遮ればそこまで体感温度は上がらない。しかし、走るとなると、意外に暑い。額の汗をハンカチで拭って、噴水近くのベンチに腰をかけた。噴水で水の精霊が水浴びをしている。人の顔を見ると、羽をブルブル震わせて水を落とし、ふわふわ近付いてきた。
きょうは、暑いね。暑い。日焼けするよ。
「そうね、暑いわ。日焼けは困るわね」
周囲に人がいたが、フィリィは小さく呟いた。独り言だ。見知らぬ者に変な顔をされようと、気にしない。
雨降るよ。雨。すぐ。たくさん。
精霊は空を見上げる。空は雲が流れていて雨が降る雰囲気はなかったが、水の精霊が言うのだから間違いない。礼を言って立ち上がろうとすると、ニュアオーマが駅方面への渡り通路の出入り口から出てくるのが見えた。きょろきょろと周囲を見回すと、広場に戻ってくる。そして一度ベンチに座り、ごろりと横になった。
ベンチは四角形がいくつか重なっており、高さのあるもので、人が何人か座っている。そこで寝転ぶものだから、三人座っている内、二人が席を立った。その後、すぐにもう一人も席を立つ。ニュアオーマは少しだけそこで寝そべっていたが、ゆっくりと起き上がると、のそりと立ち上がった。
「ヨシュア、さっきの男つけて」
『分かった』
フィリィは立ち上がる。ニュアオーマはそのまま北部地区方面へ進んでいる。北部は貴族が住む高級住宅街。家にでも帰るような道のりだが、やはりふらふら歩いて、方向を変えた。
いつもあんな感じで、目的もなくぶらぶらしているのか、それとも尾行に気付いて、わざとおかしな歩き方をしているのか分からない。そう思っていると、ぽつり、と雨粒が落ちてきた。雨はすぐに大振りになり、人々がまばらになっていく。
『さっきの男、ただの街の人。でも、何やってるか分からない』
「どこに地区に入った?」
『東部地区』
バルノルジに何者か調べてもらおう。
ニュアオーマがどんな人間なのか自分で確認したかったが、どうにも噂通り仕事をサボってうろうろしているのは間違いないようだ。
ニュアオーマは雨が降ってきたので、走り去って行ってしまった。雨でつけるのは難しいので、フィリィは雨の落ちてこない樹の下で雨宿りをすると、エレディナが腕だけで現れた。
『あいつが捨てた紙よ』
紙を書き付けして捨てるとは、貴族ならではだ。まだ紙は高価で、街の人間が十分に手にできる物ではない。この紙はおそらく、先ほどベンチに座った者からもらったものだろう。書いてある内容に、フィリィは口端を上げる。
「暗号にしたって、証拠をその辺に捨てるものではないわね」
雨でインクが滲んでいる。それを見越して捨てたのだろうが、エレディナが拾う方が早かった。大切な証拠だ。頂いておく。
「今日は戻りましょう。ナッスハルトに頼みごとができたわ」
警備騎士団第五部隊隊長ナッスハルトは、昼寝を楽しむサボリ魔隊長である。
サボリ魔隊長だが、隊長であるため書類仕事や会議があり、警備騎士団専用の建物で事務作業をすることも多い。隊長と隊員の部屋はあるが、基本的には外の警備騎士なので、人はまばらだ。
「だからってですね、隊長部屋にこっそりいるのはやめましょうか。私の心臓が縮み上がりました」
「窓から覗いて、ちゃんと入ったわよ?」
「窓は出入り口ではありませんよ。姫」
警備騎士団は常に外回りをして、時に討伐に出る忙しい部所である。街の平和を守るため、日々お仕事をしているが、隊長には朝一の報告会があった。それが終わると、ナッスハルトは書類仕事をする。フィルリーネと同じ、内容を確認して、印を押す仕事だ。
そのため、一日に一度は必ず個室の隊長室へやって来る。その時間を狙って、机の脇で待っていた。
「椅子に座る前の、私の気持ちが分かりますか。一日の仕事を行う喜びに、鼻歌を歌いながら部屋に入ったら、美少女が机の陰で、小さくなって私を見上げているのですよ? 夜這いならぬ、朝這いかと思うではありませんか!?」
「うん、気持ち悪いから、話進めていい?」
「扱い、雑!」
ナッスハルトは大仰に額の上に手を乗せて天井を仰ぐ。その無駄な動きの意味が分からない。いいから席に座りなよ。軽くあしらうと、両手で顔を覆って嘆いた。
「うん、分かったから。これ、警備騎士団総括局長のニュアオーマに渡してもらっていいかな」
「ニュアオーマ……、様ですか。見てもよろしいですか?」
「どうぞ」
今、様つけるのすら忘れたね。ナッスハルトでも、あの男はあまり印象が良くないようだ。渡した紙を見て、顔をしかめる。
「罠に、掛けるのですか?」
「ロジェーニに渡してもらうより、ナッスハルトに渡してもらった方が、納得してくれるかなって」
「私は構いませんが。しかし、これは……」
ナッスハルトは眉根を寄せたが、フィルリーネのにんまりとした笑顔に、静かに頷いた。
ヨシュアが言うには、人目のつかないところで会う人間で、表立って親しくしている姿は見たことがないと言う。
叔父は、街のことについて質問をしていたらしい。それでもふらふらしているような男だったので、不真面目なやつという印象が、ヨシュアですら強かったようだ。
その時の叔父が、彼をどのように使っていたのかは分からない。イムレスに聞いても、はっきりとした答えはなかった。叔父の仲間を、そっくり自分が仲間にできるわけではないからだ。叔父を信じていたから、皆は集まった。今の自分には、その力がない。
『どう、っでもいい話してたわ。どの店のお姉ちゃんが良いだの、なんだの』
エレディナが脱力した声を出して報告してくる。そんな簡単に分かれば苦労はないか。とりあえず、今日は尾行をするつもりでやってきた。
ニュアオーマは串に刺さった肉を買うと、それを食みながら店を後にする。ふらふら歩いて、食べていた肉の串をその辺に投げ捨て、中央地区への方向へ進んでいく。
通りを歩いていると、おじさんがニュアオーマに声を掛けて立ち話をしはじめた。相手は街の人だが、同じくらいの年の人で、少し経つと軽く手を振って別れる。
「ヨシュア、今のおじさんがどこ行くのか、確認してくれる?」
『分かった』
ニュアオーマは歩いていると、誰かしらに声を掛けられたり掛けたりし、少し話して道を歩いた。話す人は街の人で、女性であったり男性であったりする。簡単な挨拶で別れたりするので、知り合いは多いようだ。ヨシュアが戻ってくると、酒場の店主だと教えてくれる。
また、他の男をつけさす。それは屋台の店番だったり、配達員であったりと、下町の人間ばかりだった。
しかし、歩き続けると、中央地区から北部地区方面へと進む。中央地区は東西南北の地区の中心で、そこから北部に向かって貴族が住む高級住宅街になった。中央地区は公共の建物が多く、街の人々が行く聖堂や、出産時の証明や旅券を出す役所があった。また公園なども多く、そこから近い場所に、小型艇の民間発着所と駅があった。
ニュアオーマは公園に入ると、駅に向かった。駅に入る道は中央地区にはいくつかあるので、公園から入れる出入り口を使うようだ。
駅は一本道なので、入るには尾行に気付かれ易い。エレディナについていくよう伝えて、フィリィは別の道から駅に入ることにした。エレディナと別れると、ここから一番近い別の駅への入り口へ走る。広い公園なので結構走るのだが、木々に日光が遮られているのでそこまで暑くない。しかも、上は列車が走っているので、日陰が多かった。
『駅から、また外に出るわ』
エレディナが急いで飛んできた。ニュアオーマは駅方面の道に入りながら、駅には行かず、別の道から出てきたらしい。
「つけてるの、気付かれてる?」
『分からない。このまま私がつけるから、あんたは後から来なさいよ』
言って、エレディナはすぐに戻る。気付かれているならば、ただのサボリ魔ではないわけだが。
王都ダリュンベリは、昼は暑いが、夜は冷えて湿度も低いので、日光さえ遮ればそこまで体感温度は上がらない。しかし、走るとなると、意外に暑い。額の汗をハンカチで拭って、噴水近くのベンチに腰をかけた。噴水で水の精霊が水浴びをしている。人の顔を見ると、羽をブルブル震わせて水を落とし、ふわふわ近付いてきた。
きょうは、暑いね。暑い。日焼けするよ。
「そうね、暑いわ。日焼けは困るわね」
周囲に人がいたが、フィリィは小さく呟いた。独り言だ。見知らぬ者に変な顔をされようと、気にしない。
雨降るよ。雨。すぐ。たくさん。
精霊は空を見上げる。空は雲が流れていて雨が降る雰囲気はなかったが、水の精霊が言うのだから間違いない。礼を言って立ち上がろうとすると、ニュアオーマが駅方面への渡り通路の出入り口から出てくるのが見えた。きょろきょろと周囲を見回すと、広場に戻ってくる。そして一度ベンチに座り、ごろりと横になった。
ベンチは四角形がいくつか重なっており、高さのあるもので、人が何人か座っている。そこで寝転ぶものだから、三人座っている内、二人が席を立った。その後、すぐにもう一人も席を立つ。ニュアオーマは少しだけそこで寝そべっていたが、ゆっくりと起き上がると、のそりと立ち上がった。
「ヨシュア、さっきの男つけて」
『分かった』
フィリィは立ち上がる。ニュアオーマはそのまま北部地区方面へ進んでいる。北部は貴族が住む高級住宅街。家にでも帰るような道のりだが、やはりふらふら歩いて、方向を変えた。
いつもあんな感じで、目的もなくぶらぶらしているのか、それとも尾行に気付いて、わざとおかしな歩き方をしているのか分からない。そう思っていると、ぽつり、と雨粒が落ちてきた。雨はすぐに大振りになり、人々がまばらになっていく。
『さっきの男、ただの街の人。でも、何やってるか分からない』
「どこに地区に入った?」
『東部地区』
バルノルジに何者か調べてもらおう。
ニュアオーマがどんな人間なのか自分で確認したかったが、どうにも噂通り仕事をサボってうろうろしているのは間違いないようだ。
ニュアオーマは雨が降ってきたので、走り去って行ってしまった。雨でつけるのは難しいので、フィリィは雨の落ちてこない樹の下で雨宿りをすると、エレディナが腕だけで現れた。
『あいつが捨てた紙よ』
紙を書き付けして捨てるとは、貴族ならではだ。まだ紙は高価で、街の人間が十分に手にできる物ではない。この紙はおそらく、先ほどベンチに座った者からもらったものだろう。書いてある内容に、フィリィは口端を上げる。
「暗号にしたって、証拠をその辺に捨てるものではないわね」
雨でインクが滲んでいる。それを見越して捨てたのだろうが、エレディナが拾う方が早かった。大切な証拠だ。頂いておく。
「今日は戻りましょう。ナッスハルトに頼みごとができたわ」
警備騎士団第五部隊隊長ナッスハルトは、昼寝を楽しむサボリ魔隊長である。
サボリ魔隊長だが、隊長であるため書類仕事や会議があり、警備騎士団専用の建物で事務作業をすることも多い。隊長と隊員の部屋はあるが、基本的には外の警備騎士なので、人はまばらだ。
「だからってですね、隊長部屋にこっそりいるのはやめましょうか。私の心臓が縮み上がりました」
「窓から覗いて、ちゃんと入ったわよ?」
「窓は出入り口ではありませんよ。姫」
警備騎士団は常に外回りをして、時に討伐に出る忙しい部所である。街の平和を守るため、日々お仕事をしているが、隊長には朝一の報告会があった。それが終わると、ナッスハルトは書類仕事をする。フィルリーネと同じ、内容を確認して、印を押す仕事だ。
そのため、一日に一度は必ず個室の隊長室へやって来る。その時間を狙って、机の脇で待っていた。
「椅子に座る前の、私の気持ちが分かりますか。一日の仕事を行う喜びに、鼻歌を歌いながら部屋に入ったら、美少女が机の陰で、小さくなって私を見上げているのですよ? 夜這いならぬ、朝這いかと思うではありませんか!?」
「うん、気持ち悪いから、話進めていい?」
「扱い、雑!」
ナッスハルトは大仰に額の上に手を乗せて天井を仰ぐ。その無駄な動きの意味が分からない。いいから席に座りなよ。軽くあしらうと、両手で顔を覆って嘆いた。
「うん、分かったから。これ、警備騎士団総括局長のニュアオーマに渡してもらっていいかな」
「ニュアオーマ……、様ですか。見てもよろしいですか?」
「どうぞ」
今、様つけるのすら忘れたね。ナッスハルトでも、あの男はあまり印象が良くないようだ。渡した紙を見て、顔をしかめる。
「罠に、掛けるのですか?」
「ロジェーニに渡してもらうより、ナッスハルトに渡してもらった方が、納得してくれるかなって」
「私は構いませんが。しかし、これは……」
ナッスハルトは眉根を寄せたが、フィルリーネのにんまりとした笑顔に、静かに頷いた。
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